野宿者の間で赤痢流行

一期(5月28日〜7月)

▲赤痢についての記者クラブへの広報


▲センター周辺で配布された周知ビラ


▲センター周辺で配布された周知ビラ                            ▲配布された検便容器

▲センター周辺で配布・張り出しされた周知ビラ


▲センター夜間開放の時 乾パン・水配布の横でビラ・検便容器を配布


▲センター1階柱に張り出された告知

▲第27回釜ヶ崎夏祭り前夜祭で検便と予防の手洗い励行を呼びかける総合医療センター院長


野宿者の間で赤痢流行

二期(10月23日〜12月)


平成101029

環境保健局感染症対策室

柳川予防課長

大阪市内における赤痢患者の発生について

 平成101023日に赤痢患者1名の届け出があり、赤痢の発生動向に注意していたところ、今週に入り、西成区内の病院から細菌性赤痢の疑いがある下痢症患者の届け出がありました。これらの方を総合医療センターに収容し、治療を行うとともに菌の検査を実施しておりましたが、本日4名の患者から赤痢菌(フレキシネルUa)を検出した旨の届け出がありました。

 患者は51歳から65歳の男性で、全員回復に向かっております。

 これまで、患者の使用したトイレ等の消毒、西成区周辺の公衆トイレの消毒、下痢・血便患者に対する検便の実施と抗生剤の投与、喫食・行動状況の聴き取り調査等の対策を講じてまいりましたが、感染源については特定するに至っておりません。

 複数の患者発生に伴いまして、新たに周辺の公園・トイレ・道路等への消毒範囲の拡大、市民の方への回覧ビラの配布、希望者への無料検便及び消毒液の配布等の対策を実施し、感染の拡大防止に努めてまいります。

 さらに、大阪社会医療センターにおいて、別紙のとおり本市医療チームの派遣による土曜・休日の臨時診療を行い、下痢患者にたいする診療・投薬を行って、治療の徹底を図ってまいります。

実施する主な対策の内容

1.消毒の徹底

 ・患者の立ち寄り先・使用したトイレ等の消毒

 ・西成・浪速・天王寺・阿倍野・中央区の公衆トイレ等の消毒

 ・西成区・浪速区の公園(トイレ・植込みを含む)・道路等の消毒

 ・希望する市民・施設管理者への消毒指導と消毒液の配布

2.市民への啓発

 ・市民に対する周知啓発用ビラの西成・浪速・天王寺・阿倍野・中央区の全戸に対し回覧

・西成・浪速・天王寺・阿倍野・中央区の周辺5区の公共施設等へのビラの掲出

 ・あいりん労働者に対する周知啓発と医療機関受診勧奨

3.治療の徹底

 ・社会医療センターでの治療の徹底

 ・医療機関への状況周知と適切な治療の依頼

 ・社会医療センターへの巡回診療チームの派遣による土曜・休日の臨時診療

 ・希望する市民への検便の実施

4.患者調査(家族・接触者含む)の徹底

 ・感染源・感染経路の特定に向けた喫食・行動状況等の聴き取り調査

 ・蓋然性の高い食材等の検査及び食材提供主体への検便の実施

 

大阪社会医療センターへの巡回診療チームの派遣について

[内容]

 大阪社会医療センターに西成保健所の医療チームを派遣し、医師による診断を行い、下痢・腹痛の症状のある患者に対しては必要に応じ投薬・治療を行う。

[実施日・診療時間](下表参照)

 ・1031日(土):18時〜20時(受付時間 1730分〜1930分)

 ・111日(日)及び113日(祝):10時〜12時、13時〜16

                    18時〜20時((受付時間 1730分〜1930分)

[体制]医師1名・保健婦2名・事務職員2

[実施場所]大阪社会医療センター5階診察室

 

(参考)大阪社会医療センターでの通常診療体制と巡回診療体制

月 日

午前診療時間

午後診療時間

夜間診療時間

1030日(金)

930分〜12

1730分〜1930

1031日(日)

930分〜12

18時〜20

111日(日)

10時〜12

13時〜16

18時〜20

112日(月)

930分〜12

1730分〜1930

113日(祝)

10時〜12

13時〜16

18時〜20

(網掛けなし四角囲い)内は通常の社会医療センターの診療時間  (網掛け四角囲い) 内は派遣チームの診療時間


▲1998年11月1日「釜ヶ崎反失連ニュース」裏面(上記「大阪社会医療センターへの巡回診療チームの派遣について」の紹介の下に)


大阪市会 平成10年9・10月定例会常任委員会(民生保健)09月22日−01号
6月12赤痢防疫対策連絡協議会を発足させた。−下痢を3回も4回もし続ける患者は、パンツも大便(粘血便)で汚れ、看護婦も手洗いをする暇もない。白衣に便がついて汚れても、着がえをする暇もない。患者は衰弱し、診察時に名前を呼んでも立ち上がれない。6月初旬から7月まで患者の波がおさまったかなと思うと、また患者が押し寄せてくるという状態が続いた。便所が施設内にあるということもあり、総合センター夜間開放後、どっと患者がふえた。水みたいな便で、尿コップに入れて持っていった。きょうの報告を聞いて、このような状況が回りに起こっていながら、全然知らずに来る患者の対応に追われて、地域のことなど考えることはできなかった。大体状況浮かびますね。こういう状況をこの人は野戦病院だろうというふうに言っています。
大阪市会 平成10年11・12月定例会常任委員会(民生保健)11月09日−01号
夏よりも60名を超える陽性の患者になるまで、期間が非常に短い
大阪市会 平成10年12月臨時会常任委員会(民生保健)12月16日−01号
1023日に最初の患者が発生いたしまして、1215日現在の患者数の総計は94