【 平成10年9・10月定例会常任委員会(民生保健)-09月22日−01号 】
◆関根信次委員 私は、陳情第65号、これをぜひ本委員会としては御理解いただき、採択をしていただきたいという立場で、幾つかの問題を理事者の皆さんにも問いかけたいというふうに思っています。
内容は、ことしの夏に大きな問題になりましたあいりん地区における集団赤痢発生に伴う対策についての陳情です。この陳情を出されている人たちは、多種多様な人たちが集まっている会のようでありますけれども、実際、あいりん地区の赤痢事件というふうに私は申し上げますが、これに直接携わって人命救助の立場で、本当に頑張った人たちがこの中に多数含まれている。その人たちが出してきた陳情ということです。それにしては、先ほど局長からの見解表明というのは、非常に私はこういう問題に真剣に取り組んだ関係者の思いや苦労が全く伝わっていないなという意味で、非常に残念な思いをして見解表明を聞いておりました。
実は、9月8日ですが、第18回の労働福祉問題懇談会というのがこの地域でやられました。あいりん地区でいろんなセツルメントをやったり、ホームレスの皆さんの将来どうあるべきかというようなことを理論的にも実践的にもいろいろと苦労している人たちが懇談をされたわけですが、そこであいりん地区の赤痢状況について振り返るというテーマで開かれました。我が党議員団も御案内を受けて、これを聞かせてもらったわけです。改めて地域の労働者の深刻な実態ですね、そして集団赤痢発生に取り組んだ関係者もですね、後で御紹介しますが、本当にすさまじいとも言える献身的な取り組みに、私本当に敬意を表するとともに、今回の出来事を一過性のものにせずに、教訓をしっかりとらえるということが大切だと、そういう立場にさっきの局長答弁は決して立っておらんという点で距離を感じますし、残念な思いもしたわけです。そういう意味で、幾つかの論議をしたいというふうに思うわけですが、この陳情書はそうした取り組みを率先して行ってきた人たちも入って出されたものでありますから、真摯に受けとめるということは非常に大事です。
そこで本題に入りますが、請願項目の第1項に、情報を正確に早く関係機関に公開し、連携を深めること。これが非常に大事だということをここで頑張った人たちは教訓として引き出して、大阪市に対してそういう対応をしてほしいということを請願項目の第1として挙げています。市民の普及啓発を行うことというのも含んでおるわけですが、一連の経過、そこの懇談会で私もいろんな資料をいただいて、そんなにすさまじい経過があったんかと思う経過が報告をされて、これもう可能なら、コピーとって委員の皆さんにも見ていただいた方がよかったかなと思うほどの大変な苦労があったわけです。
特にこの一連の経過を見ている中で、私が感じますのは、大阪市の担当局の判断の甘さといいますか、こんなふうになるとは思わんかったと、実際上、僕は思ってはるんやろうと思うんですが、当初の初動の判断の甘さが非常に目立つと、私は素人目で見て、この経過を見る中でも感じるわけです。その初動の甘さの幾つかの点を指摘したいと思うんですが、まず、厚生省への報告です。これは法定伝染病に基づく分ですから、お聞きをしたいんですが、集団発生ということで厚生省に報告をする場合、どういう基準で、ここの事件の場合にいつ時点で報告をされたのか。何名の発生ということで報告されたのか。まずその点をちょっと聞かせてくれますか。
◎柳川環境保健局感染症対策室予防課長 お答えいたします。
厚生省への報告の基準につきましては、厚生省から通知が出されておりまして、そこにはいろいろ書いてあるわけでございますが、今回のような同一感染経路によることが明らかでない場合には、同一区におきまして1週間以内におおむね10名以上の発生を見た場合に集団発生として報告するようにということになっております。私どもの方は、そういうことで6月の10日の時点で報告をさせていただいたということでございます。
◆関根信次委員 そこで、厚生省に報告したのが6月10日ですよね。ちょうど同じ日に毎日放送のMBSナウというテレビの報道があって、そういう報道がありましたということで私たちにも議員への報告がありました。そのとき15名というふうに文書では報告をされていました。しかし、私はこの経過を見る中で、もっと早い時点、つまり6月10日が大阪市から厚生省へ集団赤痢発生という伝染病予防法に基づく報告をしたというのは、今報告あったわけですが、この6月10日よりももっと早い時点、つまり6月5日時点ぐらいで既にもう同一感染経路でない条件のもとで、10名以上というこの基準に達してたんではないですか。6月5日時点ぐらいで。これはどうでしょう。
◎柳川環境保健局感染症対策室予防課長 お答えいたします。
6月5日の時点で8名の患者発生を見ております。ということで、まだ10名には達しておりません。
◆関根信次委員 私の調査とちょっと違うんですね。2名の差は大きいんでしょう。しかしこの時点で集団発生の可能性ありというふうには見ましたか、どうですか。
◎柳川環境保健局感染症対策室予防課長 今回の例でございますが、非常に難しい判断といいますか、難しい事例でございまして、私どもで感染源の追求など調査を行っておりましたが、これが散発例なのか、あるいは集団発生かということについては、なかなか判断が難しいというふうなことで、この時点で集団発生であるというふうなおそれも十分にあるというふうには考えておりました。
◆関根信次委員 それはそうですよね。10名まであと2人と。こっち側で実際に現地で聞いた話なんかでは、10名を超えていたという、現場で実際に取り組んでいる人たちは10名どころの騒ぎやないということが言われておるわけであります。しかしその人たちは、統計事務やってないんですよ。実際にもう、便を垂れ流しているね、その人間の命を救うために必死になって頑張っている人たちですから、1人、2人、3人なんて数えてるような役割じゃないですから、しかしその人たちでも大変な事態だったというのははっきりしています。
申し上げておきますが、6月10日に厚生省に、法に基づく集団発生の申請をしたのは、明らかにおくれておった。現場の感覚から指摘しておきます。それ以上議論はしませんけどね。あんたは8やという、8は8なりに、嘘っぱちという根拠があるんでしょうし、これは冗談ですよ。しかし、全体の流れからいくと、6月10日の厚生省への報告は、遅きに失したという意見が多数だということを肝に銘じておいてほしいということです。
さて、初動の甘さ、厚生省への報告のあり方が1点です。もう1点は、陳情書にもありますが、関係機関への情報公開と連携という問題です。これは集団発生をした場合には、そして感染を食いとめるためには、非常に大事なポイントだというふうに、現地の専門家が言っている問題、これが陳情書に出ています。この点でどうだったかという点ですが、まずこの問題を対応していく上での関係機関とはどういうふうに把握していますか。
◎柳川環境保健局感染症対策室予防課長 お答えいたします。
私ども当初の段階では、やはり地域の一次医療機関、これがやはり患者さんの治療なり、発見に当たっておられるということで、関係機関といたしましては、まず第1に地域の一次医療機関を念頭において、いろいろと協議なり、対策について相談をしておったということでございます。
◆関根信次委員 そういう医療機関を中心にしたのが関係機関であって、大阪市の対策の最大の協力者として、指導もし、協力も得るという関係にあったという。しかし、そうであったかどうかは、あとでまた問題点、指摘します。
もう1つは、大阪市内部で赤痢防疫対策連絡協議会というのができましたね。これはどういう部局が集まり、いつ時点で発足させ、初会合はいつでしたか。
◎柳川環境保健局感染症対策室予防課長 今回の赤痢につきまして、やはり対策は局を超えまして、大阪市全体として取り組んでいくというような観点から、やはり全市的な対応が必要であるということで、赤痢防疫対策連絡協議会を発足させたわけでございます。発足につきましては6月12日に発足いたしておりまして、関係局といたしましては、私ども環境保健局のほかに民生局、それから市民局、環境事業局、建設局、教育委員会、交通局、消防局、この7局でもって発足いたしております。
◆関根信次委員 一連の問題をもうちょっと経過をさかのぼりますと、患者が初めて発見されたのが5月28日、これが大事なポイントの日です。しかし、5月の連休明けには、ここにある社会医療センターの外来患者に下痢患者が大量に来ていたということ、このことは承知してはりますか。
◎柳川環境保健局感染症対策室予防課長 お答えいたします。
5月の最終週でございますが、その時点で地域の一次医療機関に下痢症状を訴えて受診される方、このような方が非常にふえておるというふうなことはお聞きいたしておりました。
◆関根信次委員 そして5月28日に1人の患者が赤痢患者だということが判明したわけですね。さっきの大阪市内部の連絡協議会ですが、5月28日にそれまでの大量の下痢患者がおって、その中の1人が赤痢患者だというのが判明した。5月28日です。そして大阪市内部で当然いろんな防疫体制や、そういうのをとっていかないかんという協力者が、大阪市の内部にはたくさんおるわけで、その協力者が協議会として集まったんですが、協議会の結成が6月12日、第1号の患者が発生してから2週間たってますね。何してました、この間。
◎柳川環境保健局感染症対策室予防課長 お答えいたします。
協議会の発足は6月12日でございますが、既に5月30日の段階で私どもで複数患者発生の報告を受けまして以来、民生局さんなり、そのほか関係いたします環境事業局さんなり、交通局さんとも対策について相談をいたしまして、消毒等必要な処置についてお願いをいたしておりますので、6月12日以前から実質的な対策というものは、既に行っております。
◆関根信次委員 局内部では、そういう協力関係は始まったでしょうが、協議会として発足したのが2週間後だったことははっきりしているわけです。
さて、一番最前線で苦労しているところ、これはあいりん地区にある医療機関である社会医療センターですね。ここがどんな事態であったか。5月28日の第1号患者が発見されて、大阪市内部の連絡協議会ができるまでの2週間、下痢で殺到してくる患者を対応するのに、第一線で頑張った社会医療センターの実態を御存じですか。
◎柳川環境保健局感染症対策室予防課長 お答えいたします。
5月の最終週から非常に下痢患者がふえてこられまして、6月の第1週、第2週とも非常にたくさんの下痢症を訴えて受診に来られるという患者さんが非常にふえて、社会医療センターにおきましても非常に大変な状況であったというようなことはお聞きいたしております。
◆関根信次委員 大変の一言で済まされるような状態じゃなかったんですね。私、9月8日の懇談会の中で発言された何人かの苦労した現場の人たちのあれを読んで、一遍紹介しておきたいんですね。
これは、医療センター職員のようですが、こう言ってます。野戦病院というのは恐らくあのような状況ではないだろうかと思われる事態が続いた。下痢を3回も4回もし続ける患者は、パンツも大便(粘血便)で汚れ、看護婦も手洗いをする暇もない。白衣に便がついて汚れても、着がえをする暇もない。患者は衰弱し、診察時に名前を呼んでも立ち上がれない。6月初旬から7月まで患者の波がおさまったかなと思うと、また患者が押し寄せてくるという状態が続いた。便所が施設内にあるということもあり、総合センター夜間開放後、どっと患者がふえた。水みたいな便で、尿コップに入れて持っていった。きょうの報告を聞いて、このような状況が回りに起こっていながら、全然知らずに来る患者の対応に追われて、地域のことなど考えることはできなかった。大体状況浮かびますね。こういう状況をこの人は野戦病院だろうというふうに言っています。
もう1人はこう言ってます。5月26日、下痢患者が多いので、患者の便を調べた。4日目、培養したら赤痢らしいので、括弧してますが、確定は検査室ではできないと、外注に出した。5月28日、3名の患者が出た。これでも認識が違うんですね。5月28日3名の患者が出てるんですよ。あなた方の認識は1人でしょう。さっきの2名の差というのは、どうもその辺にあるかもしらんのですよ。それはもう深く言いません。8月までアメーバー赤痢が2人、サルモネラ菌3名、病原性大腸菌が4名が発生したと。便が手から口に入り、小腸から大腸を通過して細胞膜に侵入し、膿が壊れて血便として一緒に体外へ出てくる。すさまじい中でそういう患者を励まし、何としても医療対象の中に組み入れようとして、検便をしたり、検便の仕方もさっき、もう繰り返しません。そういう状況の中で随分苦労している。
私は、最初すさまじいような、献身的な努力をしたというふうに紹介したのは、このことなんですよ。医者も看護婦もすごい苦労をしたようです。環保局長ね、局長、私ちょっとあなたと距離を感じたのはそこなんですわ。現場の人たちは、そういう苦労をして、この陳情書を出してきてるんですよ。そういう思いをぜひわかってあげてほしい。通り一遍の上から評価を下すようなやり方では、私はやっぱりうまくなかろうというふうに思います。
しかも、頑張っているこの医療センターの中にも大きな問題がありました。環保局はこの医療センターと第一線の関係機関として接触を持ち、指導し、連帯関係を持ってやってきたというふうにさっきお話ありましたね。だから当然知ってるでしょうが、ここの職員組合が医療センターの当局と交渉してますね。この激烈な救済活動の中で、御存じですか。何を要求してます。どうです、紹介してください。
知らんねやったら、もうええ格好せんと知らん言うて。時間ないからね。
◎柳川環境保健局感染症対策室予防課長 お答えいたします。
ただいま委員御指摘の点につきましては、承知いたしておりません。
◆関根信次委員 首縦に振るから答弁してもろうたのに、知らんねやったら横へ振りなはれ。あのね、こういう要求してるんですね。院内感染症委員会の早期設置と対策で職員の安全を図ってほしい。院内感染をやらないように対策委員会つくってくれと。病院としての感染予防対策を講じることと、同時にこれはすごいですよ。こういう中でもあいりん地区の基幹病院としての役割を立派に果たそうというふうなことを当局に要求しているんです。
そこで、大西さん、聞いとってや。なぜここの労働者が、職員組合が当局にこういう要求をしたか。ここはわかりますかな。ちょっと自己弁護のための打ち合わせやめて、ちょっと私の言うこと聞きなさいや。何で職員組合が、この大変な野戦病院並みの職場のところで、当局とこういう交渉したか。当局がこの重要事態の中で、抗生物質を投与したり、やっているわけですが、医療機関としては頑張っているんだけれども、頑張っている職員に対して一切口外するなと箝口令を敷いてるんですよ。これについては知ってはりますか。
◎阪上環境保健局感染症対策室長 お答えいたします。
私、実は総合医療センターの伝染病担当の医者でもありますが、6月1日時点で直ちに社会医療センターに出向きまして、患者が2人目発生した時点です。その時点で社会医療センターの先生及び事務関係者に集まっていただきまして、感染症対策について細かい御指導というと失礼に当たりますが、伝染病対策の細かいところについて話を聞いていただきました。それからちょっと日にち、正確に覚えておりませんが、社会医療センター内における感染症対策マニュアルをつくりまして、その数日後だったと思いますが、お渡ししております。
それから、社会医療センターにおける下痢患者に対する医療内容でございますけれども、これも総合医療センターで我々がやっております医療内容と全く同じ方法をお伝えいたしまして、6月1日時点から社会医療センターを受診される下痢患者さんに対しては、その方法でやっていただいております。ですから、6月1日以後、社会医療センターを受診された方は、下痢患者はすべて赤痢の疑いありとして、赤痢に対する治療を始めておりますし、始めなかった方は擬似赤痢として総合医療センターに直ちに入院していただいております。以上でございます。
◆関根信次委員 ちょっと専門家の話としてよくわかるんですが、そのことを僕言ってるんではなくて、今お話あったことはこれに出ています。だから、総合医療センターも何もせんかったというんじゃなしに、御苦労されていることは、現場の人たちは知ってますからね。ただ、関係機関として協力関係にある医療機関の中で、職員組合がそういう当局に要求せないかんほど秘密主義にするという、ここがやっぱり問題だろうと思うんですよ。
秘密主義の問題としてもう1つは、教育委員会との関係の問題もあるんです。実は、その周辺の小学校でこういう事態があったということで、懇談会のときに発言があったようです。読み上げますと、学校の先生ですね。保護者から赤痢が発生しているという報告が5月29日にあり、だから第1号発生の翌日です。保健所に問い合わせたところ、保健所がどう言うたか。ここが問題なんです。どうして知っているんですか。今後の対応は窓口を一本化し、私を通してやってくださいと言われた。学校では、6月2日から3日ごろ、学校の前のすぐ校門の前の路上に血便がついていた。だから下痢患者がたまらずにそこらで垂れ流しをしたんでしょう。そんな状態に学校が置かれているんですね。そこで、子供たちの教育に責任持つ教師が、父母からどうも赤痢が発生したらしいと、ああ、そういえば校門の前に血便が落ちてたなと、これ、子供がかかわったら大変だといって保健所に連絡して、どう対応したらいいでしょうかと、指導を求めるのは当たり前のことでしょう。それをだれに聞いたんやと、今後は私を通してやってくださいと、こういう対応。ちょうど関係医療機関の中によくやってるんだけれども、箝口令を敷くというやり方ね。これは正しい連携じゃないし、正しい情報公開じゃないと思います。このことを現場は指摘しているんです。
今後、こういうことがあってはならんというふうに思いますが、局長、何かありますか。こういう流れの中で、もう一つ一つのことは言いません。しかし、関係団体と協議をしたり、連携を持ったり、何とかせないかんという人たちと正しく連携していくという体制ですね。これを私は否定はされんと思うんですがね。もうおたくはいいです。局長、答えたくなかったら、答えてもらわんでもいい。
◎藤井環境保健局長 お答え申し上げます。
るる連携の問題について御指摘があったわけでございますけれども、実際問題として今回の路上者の多いところでの赤痢の患者の発生というのは、我が国で初めての事例でございまして、先ほど担当課長が申し上げましたように、発生初期の段階では、散発例か、集団例かということも定かでなかったという状況もございます。当時、その地域の社会状況には非常に厳しいものがございました。そういうことの中で、しかも、ちょっと繰り返しになりますけれども、感染源、そして感染ルートが確立していない時期で、一概に公にするということに伴う同地域の混乱を、どういうふうにしたら必要以上の混乱を起こさないようにするかということを懸念をいたしまして、そういうことが今、関根委員御指摘のいろんな点について、私どもは精いっぱいの配慮をしたというふうに考えております。
ただ、関根委員御指摘のように、実際に現場で、あるいは関係局の各職員の皆様方が、一生懸命されたということについては、私どもも十分理解しておるつもりでございますし、今後ともこういった経験を踏まえまして、こういった場合の対応について、先ほどの連携も含めて、今後のいい反省材料にしつつ、対策をとっていきたいというふうに考えております。以上でございます。
◆関根信次委員 ぜひそれは具体的に生かしていただきたいと思うんです。
同時に、局長の最初の見解表明でありましたが、清掃や消毒の特別対策、それからトイレの増設、これはトイレの増設というのは、地域の住民との合意が必要ですから、とりあえず労働センター、その中にあるトイレやシャワー、これをやっぱり気軽に労働者が使える。そういうものに改造できるように、大阪府と協議をするというふうなことをぜひお願いしておきたい。感染源が特定できてないわけですから、不用意に終結宣言を出したり、これは出してないというふうに聞いてますから、出したりしないようにしてほしいということをぜひともお願いしておきたいと思うんです。
最後に1つだけ、いただいた資料で僕、よくわからない問題があるんです。これは平成8年、9年、10年の大阪市内の各行政区ごとの細菌性赤痢、アメーバー赤痢もありましたけど、これはちょっと除外しまして、細菌性赤痢の発生数という資料をいただきました。正直言って、西成区は多いのかな、あいりん地区がありますからね。ところが、西成区は少ないんですよ。8年、9年、10年今回ドカッとふえましたからね。ところが大阪市内で例えば繁華街と言われる北区、都島区、それから東淀川区とか阿倍野区、こういうところに赤痢患者が多いということが、皆さんからいただいた資料なんですよ、出ているんです。私ね、今までそんなに発生しないあいりん地区であったのが、今回突然50も出てきたと。これ、どう解釈していいか、よくわからんのです。つまり、あいりん地区の中には、キャッチできない保菌者がおって、それがドカンと突然出てきたのか。それとも保菌者なんかはいなかったんだけれども、ある理由でドーンと持ち込まれたのか。あいりん地区の労働者の生活実態というのは大変なもんです。健康状態も悪い、清潔状態も悪いという、一般的に報告書で言われているとおりですが、赤痢の発生は少ないんですよ。1件しかないんです。ところが今回ドカンと出てきた。今までこういうふうに8年、9年、10年とあいりん以外のところでも赤痢患者発生していますが、これは感染源は特定できているんですか。その点、ちょっと答えてください。
◎柳川環境保健局感染症対策室予防課長 お答えいたします。
まず、赤痢の届け出といいますか、発生件数はどのようにカウントするかというようなところから御説明申し上げます。
これは、伝染病予防法に基づきまして、赤痢菌が検出されて初めて赤痢患者となるというものでございます。したがいまして、先ほど委員が5月28日で3人出たとか言っておられましたですけれども、その時点は、後で患者になる方が受診されたというようなことで、2人なり3人というようなことで、その時点で検便をとりまして、それから検査をいたしまして、検査には大体四、五日かかりますもので、そういうタイムラグの関係でそういう、何といいますか、28日の時点では2人とか3人とかいうような、委員の御発言だったと思います。
それで、菌が検出されまして、そのときに患者が現在、その時点でいる場所、いてる場所ですね。例えば病院でありますとか、家庭でありますとか、会社でありますとか、いろいろあるでしょうが、その場所の保健所へ届け出るという形になっておりまして、この見ていただきました資料で都島保健所での発生といいますか、届け出が多いのは、やはり総合医療センターがあります関係で、総合医療センターへ入院されている方の中から菌が検出されたというようなことの理由によるものであるというふうに考えております。
それで、今回のあいりんにおきます赤痢につきましては、私どももどのような感染源といいますか、感染ルートでこの地域に菌が持ち込まれて、どのように感染していったのかというようなことは、私どもでもできる限り聞き取りをやりまして、地図に情報を落としたりして、いろいろ調べておりますが、まだ感染源、感染経路については、定かなことはわかっておらないわけでございます。その後ももっと調査を深めまして、何とか私どもも感染源なり、感染経路の究明を行いまして、今後の同地域での対策といいますか、今後の発生の未然防止、あるいは感染の拡大といったようなことに役立ててまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
◆関根信次委員 最後に資料で質問しましたことは、私もよくわからない問題を率直にお尋ねしたわけです。しかし、無視できない傾向の数字ですから、これはぜひあいりん対策を中心にしながら、疫学調査も十分やっていただくということもお願いしたいし、この陳情の趣旨ですね。これはまさに単に文字で書いただけではなくて、野戦病院を経てきた医療関係者を中心にした人たちの、あの苦労の中で出てきた一字一句だということをぜひ理解して、理事者の皆さんも教訓として受けとめてほしいし、本議会としてもぜひ採択をしていただきたいということをお願いして、終わります。