釜ヶ崎総合年表−2010年代


2010(平成22)年

2010年3月26日 釜ヶ崎夜間学校ニュース 定額給付金支給状況
昨年大騒ぎした定額給付金支給状況 西成区では14名が現金支給を希望して、もらい忘れている
4月1日 大阪自彊館 身体障害者療護施設「エフォール」を自立支援法による障害者支援施設「エフォール」に移行
2010年4月3日 釜ヶ崎夜間学校ニュース 西成労働福祉センターの貢献
昨年の定額給付金受け取りを支援した数は、716人であった、と
4月14日 大阪自彊館 居宅生活移行支援事業を大阪市から受託
(白雲寮・甲子寮・愛隣寮・三徳寮)
あいりん緊急臨時夜間避難所一日平均利用者推移
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2010(平成22)年 396 379 406 467 483 442 387
2009(平成21)年 777 685 706 806 784 645 540 433 489 461 463 411
2008(平成20)年 610 582 644 860 855 825 632 547 630 662 727 702
大阪市立更生相談所 生活保護申請に伴う敷金支給件数推移
敷金支給件数 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 合計
2010年度 窓口 174 84 121 78 42 28 25 552
施設 37 28 25 31 26 21 19 187
合計 211 112 146 109 68 49 44 739
2009年度 窓口 193 220 307 321 191 171 256 143 211 106 116 108 2,343
施設 38 32 51 49 42 48 36 29 30 14 32 34 435
合計 231 252 358 370 233 219 292 172 241 120 148 142 2,778
2008年度 窓口 36 26 16 27 21 22 14 21 37 9 152 100 481
施設
合計
12月 大阪社会医療センター 看護体制を15対1から13対1へと変更
この変化は患者の生活保護受給による居宅生活の増加に伴い、在院日数が47日から23日に短縮、病床利用率低下が大きな原因である。生活が安定し医療機関を受診することが容易になり、疾病の早期発見、早期治療が行われ、治療が終わると外来での治療継続が可能となったことが大きい。(大阪社会医療センター創立40周年記念誌)
大阪社会医療センター 外来患者年齢構成
60歳代(36.4%)が第1順位となり、70歳以上(9.3%)と併せると、60歳以上が約半数(45.7%)に達する状況になった。なお、30歳代(7.5%)及び30歳未満(3.0%)が増加しているが、その約半数が職や住居を失った若年派遣労働者等の生活保護申請に係る関係機関からの症状紹介であった。(大阪社会医療センター創立40周年記念誌)
この年の国勢調査で西成区人口1万人減と把握される
町丁目別人口(平成22年国勢調査速報による)
    2010年国勢調査速報値   2005年国勢調査結果    
世帯数 人 口 1世帯当人員 世帯数 人 口 1世帯当人員 世帯数 人 口
西成区 総数 74,693 122,020 1.63 78,995 132,767 1.68 -4,302 -10,747
山王1丁目 1,165 1,705 1.46 1,308 2,017 1.54 -143 -312
山王2丁目 1,137 1,514 1.33 1,369 1,819 1.33 -232 -305
山王3丁目 1,187 1,378 1.16 1,190 1,478 1.24 -3 -100
太子1丁目 2,875 3,179 1.11 3,460 3,798 1.10 -585 -619
太子2丁目 495 581 1.17 532 637 1.20 -37 -56
萩之茶屋1丁目 5,088 5,553 1.09 5,993 6,710 1.12 -905 -1,157
萩之茶屋2丁目 4,898 4,983 1.02 5,497 5,598 1.02 -599 -615
萩之茶屋3丁目 1,779 1,871 1.05 1,983 2,177 1.10 -204 -306
大阪市越年対策
越年対策=22年12月29日〜23年1月5日(7泊8日)、570人収容(延べ3,892人、)、収容施設(南港565人)

2011(平成23)年

3月11日 東日本大震災/福島原発爆発
4月 大阪社会医療センター 迅速結核菌遺伝子検査(TRC法)を導入し、DOTSを拡大
午後2時から4時までであったのを、朝9時から午後5時までとDOTS時間を拡大。
4月1日 大阪自彊館 西成区東部包括支援センター 開設
(地域包括支援センター事業、指定介護予防支援事業)
4月1日 大阪自彊館パーソナル・サポート・モデル推進事業を大阪市から受託
(特定非営利法人 釜ヶ崎支援機構との事業共同体)
 
4月現在 「大阪国際ゲストハウス地域創出委員会(OIG)」参加簡宿17軒
9月13日 大阪府済生会病院による釜ヶ崎検診事業実施(特除就労者対象)
11月 大阪社会医療センター 創立40周年記念誌 刊
▲大阪社会医療センター外来患者年齢構成推移(記念誌より。「S」は昭和、「H」は平成)
▲社会保険を持たない患者は、西成労働福祉センター・大阪市立更生相談所・西成区保健福祉センター・生活ケアセンターのいずれかの「診療依頼書」を持って受診してもらうことになっている。この「「診療依頼書」発行機関別に、平成10年と平成22年を比較すると、西成労働福祉センターが53.9%から16.1%に減少し、これに代わって西成区保健福祉センターが3.4%から15.3%に増加。平成10年には分類しなかった生活保護受給者で医療券を持参した人は85人(21.3%)であった。/ショートスティは保護申請手続きが完了するまでに、一時的に施設で居住場所と食事の提供を受け、アパートが決まれば施設を退所するシステム(居宅生活移行支援事業)で、平成10年当時にはこのようなシステムはなかった。/居住状況を比較すると、アパートが19.9%から39.9%に倍増し、簡易宿泊所と生活ケアセンターも増加している。一方、住所不定は62.5%から11.3%に激減している。
▲外来患者の医療保障の動向を見ると、あいりん地域の概要がうかがえる。昭和の時代は日雇労働があいりん地域の労働者を支えており、雇用保険手帳(白手帳)・健康保険手帳を持って仕事に行く労働者が多く、そのため、現在では「協会けんぽ」になっている日雇労働者健康保険の給付資格を持っていた労働者も多く受診していた。
 しかし、景気とともに仕事が減少して保険資格を取ることが困難になるとともに、昭和59年に実施された1割負担導入が保険離れに拍車をかけてしまい、その後景気が回復しても健康保険を持たない労働者も増加してきた。
 日雇い労働には事故も伴い一定の割合で労災事故も発生していたが、仕事の減少とともに労災患者も減少の一途をたどることになる。仕事がなくなると労災保険のデメリット性の弊害もあり労災隠しもみられ、さらに労災患者が減少している。
 依頼患者(減免患者)は当初より一定の割合で推移していたが、ここ数年は、全国的な派遣切り対策として生活保護の活用が一般化され、さらには安定した住居のない要保護者に対する居宅生活移行支援事業を大阪市が平成22年4月14日から実施したことにより、対象となる患者も居宅保護申請を行った結果、生活保護患者となって来院している状況である。
▲軽快退院後、一時保護所に入所を希望した人は、平成19年度までは軽快退院者の10%前後であったが、平成20年度以降は減少して平成22年度は3.3%になった。また、働く人は平成20年度までは13〜20%であったが、その後減少した。入院時すでに居宅保護受給者が平成13年度は27.8%であったが、平成18年度は44.1%になり、平成22年度には70.2%に増加した。
▲紹介状発行先の大半は大阪市立更生相談所である。紹介状発行枚数は、平成15年度までは1日当たり60件前後であったが、その後減少し、平成22年度は1日当たり8件に減少した。
12月 「あいりん銀行(あいりん貯蓄組合)新規口座開設停止
2012年(平成24年)3月31日で事業廃止を広報開始。4月1日以降は解約と出金のみの取り扱いとなり、10年間精算期間を設け、完全廃止へ。
大阪市越年対策
越年対策=23年12月29日〜24年1月5日(7泊8日)、
事前登録制開始、入所相談受付12月29日のみとなる。事前登録490人、当日入所申し込み約50人、入所492人。

2012(平成24)年

4月1日 大阪市立更生相談所一時保護所が指定管理に移行。みおつくし福祉会(大淀寮)の運営となる。
名称としての一時保護所は無くなり、「大淀寮」に統一された。
【 平成23年9月、9・10月定例会常任委員会(民生保健)-0926日−01号 】壺阪健康福祉局長 次に、大阪市立更生相談所条例の一部を改正する条例案についてでございますが、大阪市立更生相談所一時保護所は、あいりん地域の環境の変化に伴い、あいりん地域の要保護者に限定した受け入れをする更生相談所の附属施設としての社会的役割を一定終えたものと考え、平成23年度末をもって本施設を廃止するために条例の一部を改正するものでございます。

 ◇大阪市立更生相談所条例の一部を改正する条例1更生相談所の一時保護所を廃止することにしました。2この条例は、平成24年4月1日から施行することにしました。(平成23年大阪市条例第51 号健康福祉局生活福祉部保護課)
大阪市立更生相談所規則を廃止する規則    
大阪市立更生相談所規則(昭和46年大阪市規則第110号)は、廃止する。