横浜寿町関連資料紹介

横浜・寿の資料に関しては、「寿町関係資料室」が、「資料をできるだけ集め、多くの人に利用可能にし、又、寿町ドヤ街に関係する論考を出版していこうと」取り組んでいるようだ。
「寿町にまつわる研究調査結果や論考などを」発表する場として、『寿町ドヤ街』を発行している。(http://kyoudouclinic.com/print_Doya.html に1号から8号までの目次がある。246号が「歴史・運動」関係を特集している。)
 釜ヶ崎資料センターは、釜ヶ崎中心に情報の収集と公開に努めているが、「寿」についての資料がまったくないわけではない。手元にあるものについては、PDFで公開した方がスッキリするのだが、とりあえず、どんなものがあるのか、整理とお披露目のためのページをつくることにした。

「ことぶき文庫」第1集 『漂海民の唄』 1978215日 寿文学研究会

(俳句・単価・詩・随筆) 『漂海民の唄』目次と「寿文学」10号までの目次=pdf

あとがき
「寿文学研究会」は、1975(昭和50)918日に第一回を開いてから、ほぼ毎週一度のペースで、一日も休まず続いている。
中心になったメンバーは、いれかわりがあるけれど、現在は、内容的な変質をとげながら、「寿夜間学校」の中の一部門として再スタートをはじめたところである。
日雇労働者の街である「寿地区」には、まるで「文化」や「表現」がないかのように思われているけれど、寿の内部から、自分たちの言葉と表現をとりもどしたいという思いが、この「寿文学」の発火点である。
まだまだ、独自な表現も言葉もつかみきれてはいないけれど、特に「短歌」や「詩」の中には、独自な境地が開かれつつあるようにも思われる。
この第一集を突破口にして、つづいて、第二集(「私の生活記録」)を出す準備をすすめている。寿の中には、まだまだかくれた筆力をもった人や、自己表現の思いや切の方々がいると思う。これを機会に、「寿文学研究会」への積極的な参加を期待したいと思う。

福祉紀要 No.6.7.8.合併号  寿ドヤ街 もうひとつの市民社会と福祉

197610月 社会福祉法人 神奈川県匡済会 目次・写真pdf
はしがき
昭和509月から、われわれは横浜市中区寿地区(旧称は埋地地区)ドヤ街のフイールドワーカーを中心とする研究会をスタートした。その動機はドヤ街の形成と存在が、横浜市にとって必然的であったこと、そしてその対策の後れと困難さとを前提に、まず年代枠組設定による内容の詰めをはかり、そこから将来課題に取組もうということにあった。
しかし、地域公営施設横浜市寿生活館の関係住民との対立による長期閉鎖と、新設(昭和5010月)準公営寿町総合労働福祉会館の機能・活動の現状に直面して、メンバーは一様に地域福祉対策に強い切迫感を受け、それが“叫び”への衝動に変った。
これが本書取りまとめの直接理由であるが、この研究会が神奈川県匡済会(ならびに附属寿福祉センター)との関係から発足したこと、匡済会が本来大正8年日雇労働者対策社会事業機関として創設された経過上の理由もあり、本書を匡済会「福祉紀要」特集として刊行することとした。同時に、本紀要がVol.5(1973)以降中断したのは、時間をかけ一応程度の取りまとめを意図したこと、これが上記研究グループ結成とその結果につながったためである。
全体の構成・編集には芹沢があたったが、これは昭和35年ごろより十数年にわたる寿地区ドヤ街との接触歴をもったことによる。
なお、写真については「婦人之友社」村本晶子氏およびフォトグラファー原田宏氏の多大のご厚意によったこと、また編集事務には神奈川県匡済会谷口政隆主任の非常な労を煩わしたことを記し、深く謝意を表したい。
昭和5010月 神奈川県匡済会長 芹沢 勇
<執筆者および執筆分担>
芹沢 勇   社会福祉法人神奈川県匡済会長・鶴見大学教授       1章、3
中根 愛治  元横浜市民生局横浜市寿生活館長・横浜市民生局岩井寮長  2
佐橋 文寿  鶴見大学講師                      4
村田 由夫  神奈川県匡済会寿福祉センター ケースワーカー      5
渡部 幸子  横浜市衛生局中保健所 保健婦              6
益  巖   日本バプテスト横浜教会 牧師              7
荒川 武次  神奈川県匡済会寿福祉センター所長・横浜市立大学付属高等看護学院講師   8
遠藤 一雄  寿日雇労働者組合執行委員長               9
加藤 彰彦  横浜市民生局寿生活館生活相談員             10
横浜市従業員組合民生支部福祉事務所分会寿生活館班           11
1章 総論
§1.寿ドヤ街対策の出発点/§2.ドヤ街対策への接近法/§3.寿ドヤ街の形成-横浜市の宿命/§4.各論にみる問題提起/§5.むすび
2章 横浜港と日雇港湾労働
§1.戦前の港湾労働/§2.戦中戦後の港湾労働/§3.その後の捲湾労働
3章 日雇労働と寿ドヤ街形成
§1.胎動期/§2.形成期/§3.現況
4章 寿ドヤ街の子ども
§1.はじめに/§2.寿ドヤ街の子どもの歴史/§3.有子世帯/§4.児童の生活と阻害要因/§5.まとめと展望
5章 寿ドヤ街の老人
§1.老人の素描/§2.老人の生活の断片/§3.老人の生活歴/§4.老人の健康状態と医療問題/§5.部屋の状況/§6.老人の家計/§7.老人のコミュニケーション/§8.横浜市の老人福祉制度
6章 寿ドヤ街と保健婦活動
§1.性・妊婦・出産そして養育/§2.結核/§3.アル中/§4.老人/§5.命/§6.社会的資源/§7.医療・保健サービスをめぐって
7章 寿で相談を受ける者
8章 ドヤ生活と健康・医療
§1.労働者の健康管理について/§2.乳幼児対策/§3.寿地区における診療活動
9章 “喰わせろ”“寝かせろ”地域運動から労働者組合運動へ
§1.職よこせ闘争と越冬/§2.労働運動/§3.地区の動きと労働者組合の性格
10章 寿生活館ノート
§1.生活館の基本的姿勢をめぐりって/§2.不況の深刻化と市の寿対策について/§3.生活館閉鎖前後の状況について/§4.長期化への道程/§5.生活館の論理について/§6.職場をとりもどすための試行/§7.おわりに-若干の提言
11章 行政現業班は考える
§1.日雇労働者の実態/§2.インフレ不況の影響/§3.不況対策の中の寿生活館問題/§4.自治体への提起
あとがき

寿地区に住民の医療を 1979210日 寿地区住民懇談会

はじめにpdf

住民の声-医療の現場で/寿における医療の統計資料/越冬の経験から/夜間診療-現場レポート/保健婦の立場から/要求書/あとがき

俺たちの生きるための斗い-闘争資料集No.1(越冬実行委結成から組合結成まで)

1976226日 寿日雇労働者組合(部分pdf

学習パンフNo.2      198331日 矢田同和教育推進協議会 (pdfで紹介

-親とは何か、学校とは何か-

地域からの教育づくり  野本三吉

まえがき/ ミナト横浜寿の町/寄せ場の仕事/不況と寿生活館の閉鎖/寿夜間学校の始まり/
文字に書く/中村さんとの出合い/中村さんの生いたち/タコ部屋/
いつになったら、字教えてくれるんだよ!/識字をはじめる/成人式にまねかれた中村さん/はじめて書いた文章/長岡さんのこと/「学校」とは何か
忘れられないこと-ある少年の死-/児童相談所へ来て/日本の子育ての歴史/A君の場合
大人になるということ/心の空洞をうめるために/いのちを伝える/地域社会そのものが教科書/あとがき(矢田同和教育推進協議会編集出版部会)