[参考・1980年代初頭における釜ヶ崎新規来入者調査報告]

釜ヶ崎資料センターは1986年12月30日と1987年1月5〜7日の4日間、雇用保険給付金支給時間のあいりん職安前フロアーで聞き取り調査を行った。

聞き取り対象は登録番号6万台以降の手帳所持者。

目的は急増した手帳所持者(1981年15,191人→1984年18,881人→1986年24,458人)が新規釜ヶ崎来入者なのか従来から釜ヶ崎にいて新しく手帳を作成したの者なのかを把握すると共に、80年代初頭の不況の影響を探ることにあった。

聞き取り数は137人であった(内25人が5万台以前の登録。2名は手帳をつくっていなかった。よって27人は対象外となる)。

・ 7万台手帳所持者の年齢と釜ヶ崎にきてからの年数

 

0

1

2

3

4-5

6-10

11-15

16-

N.A.

20歳台

1

1

0

0

0

0

0

0

0

2

30歳台

4

2

0

3

3

1

0

0

0

11

40歳台

5

3

2

3

3

1

0

3

0

20

50歳台

5

2

2

2

2

1

2

2

0

19

60歳台

1

2

1

1

1

0

1

2

0

8

16

10

5

9

9

3

3

7

0

60

 

47

13

 

釜ヶ崎にきて5年未満の労働者は47名。以前から釜ヶ崎にいて新しく手帳をつくった労働者は3割に達しと考えられる。

・ 6万台手帳所持者の年齢と釜ヶ崎にきてからの年数

 

0

1

2

3

4-5

6-10

11-15

16-

N.A.

20歳台

0

1

1

0

0

0

0

0

0

2

30歳台

1

1

1

1

6

3

2

1

0

16

40歳台

0

1

1

2

2

3

2

0

0

11

50歳台

0

0

2

3

1

4

2

2

0

15

60歳台

0

2

2

0

0

2

0

0

1

6

1

5

7

6

9

12

6

3

1

50

 

6

22

22

 

6万台で2年未満の労働者は、たぶん、一度釜を離れて(あるいは入院して)後、再び釜ヶ崎に来て手帳を再発行した者と思われる。

新規来入者は、在釜年2〜5年の22名と考えられる。

・ 釜ヶ崎に来る直前の職業
製造―28人(繊維1・鉄鋼8・造船5・機械2・他12)
金融・販売・サービス―3人
建設・土木―27人 自営―12人
農林・漁業―3人
他―12人 計―85人

・釜ヶ崎に来る直前の職業、退職理由
合理化・倒産―32人
労災事故・病気―5人
自己都合退職―26人
他―22人