夫の名護町移転の件の連合町村会に於て遂に廃棄となりし事は前
号に記せしが同夜東区役所に於て区長、吏員等の集会を催し一昨日
同会の模様等を府知事へ上申せられし由にて右は同件を再議に附せ
らるゝの計画にあらずやといふ者あれど今或人の説く所を聞くに議
会に於て反対者の原案賛成者より僅に多かりし為め全廃となりしな
らば萬一再議に附せらるゝ事もあらんかなれど本件の如きは満場一
致にて全廃となりたるものに仮令これを再議に附するも到底無用の
出費を要するに過ぎざれば再議のことは無根の説なるべく又之を断
然決行するが如きは素より容易の事にあらざれば今度の議決は多分
認可せらるゝならんとのことなれど是とても信を置くには足らざる
べきか
著者:大阪日報
表題:結局果して如何
時期:18861019/明治19年10月19日
初出:大阪日報
種別:長町取払/