本年「五月」甲第七十五号布達長屋建築規則中左の通改正及追加す
明治十九年十月十六日 大阪府知事建野郷三
第四条を左の通改正す
第四条 一棟の戸数は五戸以内にして他の建家との距離は三尺以上
たるべし
第五条に左の但書を追加す
但敷地内に塵芥等の不潔物を填埋すべからず
第八条中別にの下に「二ヶ所以上の」の六字を挿入し猶左の但書を
追加す
但五戸以内の長屋に限り相当の非常口を設くるものは一ヶ所となす
ことを得
第十条但書中厠{1}の下「及」の一字を刪除し芥溜の下に「及大
下水溝渠」の六字を挿入す
第十五条の次へ左の三条を追加し第十六条以下順次繰下ぐ
第十六条 長屋表の軒下へ厠{1}及便器を設置すべからず
第十七条 長屋居住者居住の現状極て不潔にして公衆の衛生に害あ
りと認むるときは立退を命ずることあるべし
第十八条 前号により立退を命ぜられたる者には所轄警察署の認可
を受くるにあらざれば長屋を貸与すべからず
第十九条中第二条の下「及」の一字を刪除し第三条の下へ「第十六条
及第十八条」の九字を挿入し尚左の但書を追加す
但居住人事実を隠蔽し因て第十八条に違背したる場合は居住人其罪
に坐す
附則末項へ左の一項を追加す
一本則第十六条第十七条及第十八条は現在の長屋にも適用す
{1} クニカマエ+青
著者:朝日新聞
表題:大阪府録事 府令第貳拾四号
時期:18861017/明治19年10月17日
初出:朝日新聞
種別:法令/長屋建築規則改正