釜ヶ崎夏祭り(関西救援連絡センター 第29号 72.8)

11名の不当逮捕―警察・ヤクザ・右翼の弾圧・妨害
 

8月13日から3日間にわたって通称三角公園を会場に「釜ヶ崎夏祭り」が挙行された。それは5・28以降の鈴木組を踏台とした弾圧の下で苦渋にみちながらも準備されたものの開花であった。労働者自らが自らを祭るための場であり、手作りのささやかな祭りであっても右翼・ヤクザ・警察という三馬鹿兄弟達は手を変え、品を変え弾圧、妨害に色気を示したのだ。

8月13日、祭り第一日目の日程は、のどじまんから映画に移る時、ヤクザに電源を切られるという妨害を除いては一応無事に終った。しかし、10時半頃、三角公園を根城にするノミヤ暴力団溝橋組組員が実行委のメンバーにいちゃもんをつけたのを合図に10数入が木刀、バットでいっせいに襲いかかった。労働者が引き上げた頃をみはからっての攻撃であったのだ。結果として実力で追い返したものの13ハリもぬわなければならないような負傷者が出るような乱闘状態を私服たちは見物していた。そして、30分後大日本正義団員達が特製の乱闘棒を用意して来たとき、始めて制服警官が登場してきたのだ。実行委のメンバーは会場警備のため全員青カンすることになった。二日目はすいか割りと盆踊りとスムーズに進み、直接の妨害もなく終えることが出来た。12時頃のにわか雨がなければ盆踊りがいつ終ったかわからない程の盛況理に終った。

(8月15日)天王寺の野外音楽堂で右翼が定例の全国集会が開かれるということで会場は少々緊張していたが、話は思わぬ方向へ進んだ。

すもう大会に労働者が興じている時、情報収集活動中?の私服警官の足元で爆竹が破裂したことから逮捕者がでたのだ。代表が逮捕理由などの釈明を求め西成署へおもむいたところ、「お前らには話すことはない」と高圧的に追い出された。祭りは中止され、抗議行動が起こされた。

西成署前に到着し、座り込もうとした先頭の部分はあっというまに署内に連行され、警備側の挑発で混乱が引き起こされた。署内に連行された者は泥酔保護という名目である。多くの負傷者と11名の逮捕者で夏祭りの幕は降ろされたのだ。

釜ヶ崎におけるあらゆる活動は弾圧の対称となることが判った。しかしそれは労働者と結びついている限りにおいてであり、その意味においては弾圧も結構というところだろうか。

厳しい弾圧下にあって今問われているのは「やられたらやりかえすのみ」といった一面的な問題ではなく、弾圧を逆手に取り得るような運動体制の構築と、地道な日常活動なのだろう。

圧倒的な救援カンパを! 釜ヶ崎救援会