「自白強要」 ベルトで叩く/道場に連行(関西救援連絡センター 16号 1971.7)

西成報告

5月末、6月半ばと二度に渡って起った西成暴動はわれわれの知るところでは90名近く逮捕者を数え、現在なお17名が大阪拘置所に勾留されている。そのうち、19名が起訴され、一部ではすでに裁判が進行している。

西成関係公判について、いわゆる公安関係とは違って特徴的なのは、いずれも非常に短期間で結審するということである。早くも7月15日には判決が下り、実刑4ケ月に処せられた。この被告について言えば、彼は5月26日夜、西成署横で石一つ投げ、機動隊の公務執行を妨害したということで起訴されたのであった。検察側の言い分によると、石一つは6カ月石二つは8カ月の懲役に値するというのである。何とバカバカしい話ではないか!機動隊の公務とはいったい何なのか?彼らの公務とは警棒で労働者を殴ることであり、それに抵抗する者は石一つで4カ月もの間自由を束縛されねばならないのである。彼のみならず、他の被告についても同様のことが行なわれようとしている。

西成署の差し入れ拒否、接見妨害に対しては、弁護士の連名によって府警本部・府公安委・西成署等に申し入れを行なったが、署内での逮捕者の取り扱いについても悪どい行為がなされていることが明白になった。釈放された入の話によると、数人の警官による殴る・蹴るの暴行はもとより、ベルトで叩き、「自白」を拒む者に対しては道場に連行して、それを強要するという有様である。これも彼らの言う「公務」であるのだ。われわれはこうした彼らのリンチを一つ一つ暴きだし、徹底的に公判廷において闘かわなければならない。

さらに、われわれの取り組みの不充分さから、救援活動を行ないえなかった逮捕者の中から、精神病院に送られたという人々もあるということで、西成署=権力の“闇から闇へ”の弾圧に対処しきれなかったことを反省しなければならない。前号にも述べた如く、西成署は特例ではなく、まさに今度の治安当局の実態を先取りするものであるという点から、われわれはこれに充分反撃しうる戦線を早急に形成しなければならない。