【 昭和57年3月定例会常任委員会(民生保健・通常予算)-0311日−02号 】

◆大丸昭典委員 

 次に、民生局にお聞きをいたしたいと思います。

 民生局のですね、予算を見てみますと、行路死亡人ですか、というところに予算として811万ですか、組まれておられるわけですけども、800万ということですけれども大体大阪市内でですね、その行路死亡人の数ですね、それをまあ聞きますと55年で169名、さかのぼって54年が187名、53年が149名ということで、仮にですね、大阪が愛隣地区を抱えてるという特殊な事情もございますけれども、まあほかの神戸、ここは50件、55年の実績では神戸は50件、京都が33件、名古屋が39件と、まあ大阪市の大体4分の1からですね、多くても3分の1弱ということでございます。

 その辺につきまして、果たして大阪市というところはそれだけまあいわゆる浮浪者と言いますか、そういったものに対するですね、その収容所とか、まあ医療の問題、そういったところが不備なのかどうか、その辺をひとつお聞きしたいと思います。

◎久保民生局福祉部保護課長 先生ご指摘のように、まあ行路死亡人、55年度で169件出ておるわけでございます。まあご指摘のように、他の都市に比べてかなり高いわけでございます。

 これは大阪市が、まあ戦前からではございますが、まあ西日本の中心ということで、他の都市から流入をして来る。しかもまあ日雇い労働者と申しますか、そういう生活基盤の弱い方が流入して来るということもあるわけでございまして、さらにまた、先ほど委員ご指摘のように、愛隣地区を抱えておるということでございます。

 ちょっと西成区の状況を申し上げますと、まあ53年度で60件ございます。そういたしますと、西成区だけでまあ市全体の40%、それから54年度も187件中74人ということで、これも40%でございます。また55年におきましても、51件でございますし、これは若干下がりまして、まあ30%になっておるわけでございますけれども、かなりここが非常に大きなウェイトを占めている。愛隣地区を抱えてるということがまあ行路死亡人が多いというひとつの原因であろうかと言えます。

 ただまあ先生ご指摘のように、施設等が不足ということではないわけでございまして、大阪市は生活保護施設におきましても、愛隣地区を抱えておるということで非常にたくさんの生活保護施設を抱えておるわけでございますが、この施設は主として愛隣地区から入るということでございまして、一にかかって、愛隣を抱えております、まあ全国の縮図と言いますか、そういうものからこういう浮浪者も多い、行路死亡人も多いということであろうかと思うわけでございます

◆大丸昭典委員 先日まあお聞きしますと、大体本市のターミナル等におけるですね、住所不定者、いわゆる何と言いますか浮浪者ですか、そういった数は、大体約500人程度とまあ聞いております

 先般も、まあアルコール中毒者が通り魔的な事件を起こしたりとかですね、そういった問題も社会問題化しておるわけでございますけれども、昨年55年度の実績を見てみますと、行路死亡人のうちですね、大体77人ほどがですね、身元か判明したということを聞いております。こういうことであればですね、平素から福祉事務所なりとも協力をしまして、その浮浪者の近親者とかですね出身地、そういったものにつきましてもまあアフターケアーと言いますか、日ごろからそういうふうにフォローができないものかと、かように思うわけでございますけれども、その辺のところについて、いかがでございますか。

     久保民生局福祉部保護課長 まあいわゆる浮浪者と言いますか、住所不定者と言いますか、これは住所か一定しておりませんものですからこれを日常から把握をするということはきわめてむずかしいわけでございまして、まあ近親者と言いますか、縁者と言いますか、そういうものをですね、常日ごろから把握するということはきわめてむずかしい状態にあるわけでございます

◆大丸昭典委員 まあひとつ浮浪者と言いますか、行路死亡人本人にとりましても、これは非常に悲惨な死でもありますそれ以上にですね、浮浪者がいま市内の高速道路の高架下とか、陸橋の下等にまあ住民地域まで入り込んで来るという件もよくあるわけでございます。その辺、区内の福祉事務所の方のご尽力も賜っておりますけれども、関係機関と十分に対策をされることをお願い申しておきます。