【 平成5年9・10月定例会常任委員会(民生保健)-0916日−01号 】

◆菅井敏男委員 わかりました。それでは、生活保護施設整備事業についてちょっとお尋ねしたいんですが、今回、保護施設として使用する建物の購入、これが決まったということでございますが、補正額も11億2,000万円組まれておりますけれども、これの建物の購入系統について、ちょっとお伺いいたします。

◎門脇民生局福祉部長 お答え申し上げます。

 昨年あたりから西成区におきましては、日雇い労働者を中心としまして、非常に景気の低迷がございまして、たくさんの労働者が、この簡易住宅を中心に住み、また他市からも流れ込んでくるというような状態で、昨年のちょうどこの9月にも、いざこざがあったわけでございますが、それからもこの景気の低迷はずっと続いておりまして、たくさんのホームレスの方が西成区、最近ではその周辺区に至るまでどんどんふえてまいってきております。一方、今申しましたような景気の関係で、就労の状態は一向に好転する兆しはございません。そういう状況の中で、最も痛手を受けるのは、高齢者、病弱者の方々が中心になっているわけでございます。

 この事業はもちろん労働対策との絡みもございますので、労働対策の絡みにつきましては、大阪府の方に強く文書でも申し上げ、引き続いて、その申し入れ及び協議を続けているところでございますが、高齢者、特に西成のあいりんの地域におきましても、高齢化という問題は避けて通れんわけでございまして、非常に高齢率が高く、また病弱者が高いという現状から見まして、ホームレスの方をそのままにしておくというわけにもまいらないわけでございます。もちろんその対策としましては、いろんなものを配ったりする方法もあるかもしれませんけれども、これはあくまで一時的なことに終わってしまうということが、他都市の状況からも明白でございますし、大阪市としましては、やはりそういう方をきっちりと施設に入って生活指導し、栄養指導もし、心身ともにリフレッシュして、また社会へ出ていただく。しかしながら、高齢者の方々につきましては、そういうリフレッシュしても、なかなか仕事がないということで、体調も悪いということで、そのまま施設におられる方もあるわけでございます。いずれにしましても、そういう観点から十分考察いたしまして、生活保護施設、救護施設という施設を中心に、その整備が急がれるということでございます。

 そういうことで、昨年の暴動があって以来、暮れにあいりん対策、南港でやっておりますが、これは一時的なことでございますが、もっと平常から、そういうホームレスの人、その中でも高齢者、病弱者については、私ども民生局の方として、やっぱり責任を持ってケアをしていかないかんという基本的な立場に立った以上、そういう施設を整備するということは急務であるわけでございます。たまたま西成区で長年あいりん対策にご協力いただいている法人の隣に民間の住宅がありまして、そこを買い取って、それを保護施設として改修してはどうかという話が法人からございました。私どもとしましても、ちょうどそういう機運にあったところでございます。

 現在もそういうことでホームレスは他区に散っているとはいうものの、全体としてはふえてまいっておりますし、何としてでも、ふやしてまいらないけないと。きょう契約案件にも救護施設が出ておりますが、それだけではとてもじゃない足りないと、このままいきますと、またちょっとしたはずみで大変なことになるという嫌いがあるわけでございます。そのたびに、いつも高齢者、病弱者が大きな痛手、犠牲になるということで、これは民生を担当する私どもとしては、何としてもそういう施設をきっちりしたいということがございまして、それじゃ、その民間の法人にそれを買ってもらって、これはやはり法的にクリアをしなければいけないということでございますから、生活保護法の救護施設という位置づけにしたい。そのためには、それを買い取っても改修しなければいけない。改修をして、国の補助金も当然認証もいただかなければいけませんし、そういうきっちり改修した状況を見まして、国の補助金なり大阪市の方もそれを支援していこうと、こういうふうな観点でその話に協力をする、補助金を出すという考え方に至ったわけでございます。

 ご承認いただければ、早速それを整備をしまして、これからの日常の中で、高齢者、病弱者のホームレスに入っていただいて、暮れになって大騒動するとか何かがあったら、非常に住民にご迷惑をかけるということは、今後絶対に避けなければならない問題でございますので、今回の追加補正でお願いしている件、それから補正案件の件、さらには、まだまだこういう施設が必要でございますので、そういうものに全力を挙げて改修をする。あくまで、これは高齢者、病弱者ということで、労働対策面につきましては、引き続いて国・府の方とも協議し、協力を要請してまいりたいと考えている次第でございます。