【 平成5年9・10月定例会常任委員会(計画消防)-0916日−01号 】

◎仙石計画局長 本委員会に付託されました請願第14「場外車券売場建設設置反対について」並びに陳情第8号「場外車券売場建設設置の推進に関する件について」の2件につきまして、ご説明を申しあげます。

 請願の趣旨は、「恵美校下の地域は、戦前は良き環境に恵まれた土地であり、現在、霞町市電車庫跡地に、21世紀の文化と娯楽の拠点づくりを目指して、(仮称)夢空間フェスティバルゲートの建設に着工されたところである。当該地に場外車券売場が建設され、営業を開始された場合には、地域の環境に及ぼす影響は計り知れないものがあり、場外車券売場絶対反対、場外車券売場に関する施設建設絶対反対を願意として請願書を提出し、大阪市会においても、その趣旨をご理解の上、よろしく採択を求める。」というものでございます。

 その理由として示されております内容を要約いたしますと、

当該地域は、過去再三にわたり発生した暴動により大変な被害を被っていること。

・児童憲章に定められた「児童はよい環境の中に育てられる」の精神に反し、青少年に及ぼす悪影響は計り知れないものがあること。

・路上に不法駐車や不法駐輪が激増し、交通に重大な支障を来すこと。

環境衛生上、ゴミの散乱やホームレスの人々の集まりなどが助長され、環境破壊につながること。

・当該企業からの協力金を期待して、地域の運営を図ることは間違いであること。

などでございます。

 これに対しまして陳情の趣旨は、「恵美連合振興町会の役員を中心に、数度の連合役員会を開き、恵美地区連合環境整備連絡協議会を結成して、設置推進に努めており、場外車券売場の反対請願を否決されること、場外車券売場の設置を推進できることを願意として、地元の実情を正しくご理解賜るため、陳情に及ぶものである。」というものでございます。

 その理由といたしましては、

・霞町車庫跡などの開発計画と相乗効果が現れて、地域の活性化が図れること。

・児童、青少年、駐車問題等について、設置者に対策をするように要請することを考えていること。

・ガードマン、清掃人の配置により、地域の美化推進が図れること。

・雇用促進が可能なこと。

・不法駐車の規制を人手で行うため、良化が見込めること。

・協力金の拠出により、潤いのあるまちづくりに財政的な措置を確保していること。

などでございます。

 これにつきましての大阪市の見解を述べさせていただきます。

 今回計画されております競輪場外車券売場の設置につきましては、自転車競技法第4条により、通商産業大臣の許可が必要であり、許可にあたっては、同法施行規則による許可基準に適合するとともに、地域社会との調整、地元の同意等についても勘案し、判断されることとなっております。また、場外車券売場を建設する場合には、建築基準法に基づく確認申請が必要でございますが、建築確認は、申請の建築計画が建築基準法などの技術基準に適合しているか否かを照合し、確認するものであり、建築基準法上、場外車券売場の立地につきましては、当該地域における用途規制に抵触することはございません。

 この建築確認は、裁量性のない行政行為とされておりまして、建築基準法上、適法な確認申請があった場合には、申請書の受理を拒否することはできないとされ、また、申請を受理した場合には、特段の事情のない限り、法定の審査期間であります21日を超えて建築確認を留保することはできないとされております。

 しかしながら、こうした施設の設置に対しまして、地元から設置反対の請願があるという現状におきましては、

 ・建築主に対しまして、地元の状況について説明をし、地域社会との調整を図るように行政指導を行ってまいりたい。

 ・また、建築確認申請が出された場合においても、確認通知処分の留保の措置をとるなど対処してまいりたいと存じます。

 ・さらに、通商産業大臣に対して、設置許可に際しては、地元の意向を十分配慮されることや、施行者、岸和田市ほか9公共団体でございますが、施行者に対して、地元の意向を配慮して善処されることなど、関係者に申し人れをしてまいりたいと存じております。

 何とぞよろしくご審議賜りますようお願いいたします。

◆瀬戸一正委員 今回の場外車券売場設置推進の人たちの陳情文を見ますと、その陳情理由の一つに、この恵美地区のまちの活性化が大変遅れていると、まちの活性化につなげるには、これが一番最適だと、こんなふうな趣旨がございます。

 まちが活性化しておれば、あるいは大阪市のまちづくりの行政が、この地域の人々に活性化の十分な展望、希望を与えておれば、今回のような問題は起きなかったのではないか。その点では、今回の問題は大阪市のまちづくりの姿勢にも大きな問題があるのではないか。この点を強く指摘をしておきたいと思います。

 例えば、この地区の西側の新今宮駅北側に中山太陽堂クラブ跡地という1万2,000平米ほどの広い土地があります。駅のプラットホームからよく見えるあの広い土地でありますが、大阪市教育委員会が昭和52年4月にこれを買収しております。よそで学校用地を取得する際の代替地として持っていた。つい最近まで代替地として活用しなければならなくなる、そういう可能性もあったので、教育委員会が長い間持っていた。こういうことであります。しかし、幾ら何でも16年間も空き地にして放っておくのは、行政の怠慢だと言わなければなりません。

 また、車券売場予定地が道路を挟んで交通局の霞町土地信託予定地、こういうことになっておりますが、今回の陳情は、いかに大阪市の土地信託事業が市民の理解や納得が得られていないのか、道路の向かいの商店会の皆さんでさえ、この大阪市の土地信託の計画では、商店会が活性化する、このようには考えていない、こういうふうなことにもなるんではないでしょうか。こういう点に限れば、陳情者の皆さんにも、私は一理があると思います。

 しかしながら、私たち日本共産党は、一般的には、地方自治体が行う競輪などの公営ギャンブルそのものには賛成しがたい、こんなふうに考えております。その上、今回の設置反対の請願書の中に、地域の環境、とりわけ児童の教育環境に悪影響を与える、この点が反対理由に挙げられております。したがって、今回は、この点に限って、設置反対の請願に私どもは賛成を表明をしたいと、こんなふうに思っております。

 以上、意見を申し述べます。

○小玉滋委員長 協議会を閉じ、これより委員会を再開いたします。

 これより採決に入ります。

 ただいま議題となっております請願書及び陳情書のうち、まず、請願第14号「場外車券売場建設設置反対について」を問題といたします。

 お諮りいたします。

 請願第14号「場外車券売場建設設置反対について」は、本委員会としては、理事者において願意の実現に努力願うという趣旨において、これを採択し、理事者に送付、善処せしめるとともに、市会においても善処すべきものと決して、ご異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○小玉滋委員長 ご異議なしと認めます。よって、委員長発議のとおり決しました。

 なお、市会において善処する件については、本会議で採択された後、後日必要に応じて、議長名による要望書を作成して関係先に提出することとし、文案の作成及び取り扱いは議長に一任するものといたします。

 次に、残余の陳情書についてでありますが、請願第14がただいまの趣旨で採択すべきものと決したことにより、一事不再議の原則により議決を要しないものといたします。

 本日の委員会はこれをもって散会いたします。