【 平成1112月・平成12年1月定例会常任委員会(民生保健)-1210日−01号 】

寺川民生局長

5ページをごらんください。一般会計歳出第2部2款1項1目民生施設整備費につきましては、公園等でのホームレスの就労自立を支援することを目的とした自立支援センターを平成11年度から2カ年事業で3カ所の整備を行うための平成11年度事業分といたしまして、2億1,900万円の増額をお願いするものでございます。

◆小笠原正一委員 私は自立支援センターに関連して、この機会にホームレス問題についても少し触れながら、幾つかの要望やお尋ねをしたいというふうに思います。

 大阪のホームレスが現在では1万人を超えているというふうに言われておりまして、全国でも大阪が突出していると。この最大の問題はいわゆる西成のあいりん地区の日雇い労働市場のさま変わりがあるというのは周知のことだと思います。

 バブル経済崩壊後の不況に加えまして、大銀行の不良債権処理のあおりを受けて、建設業界が倒産すると。その倒産、不況などで、現在求人数は最盛期の3分の1ぐらいになっているというふうに言われております。いわば、ホームレスと言われている人たちの大部分がいわゆる日雇いの失業者であるわけなんです。この自立支援センターをめぐって、ホームレスに対するいろいろな考え方がありまして、住民の理解を求めなくちゃならないと。いわゆる人権摩擦と言われるような問題がたくさん起こることを懸念していらっしゃるようでありますけれども、私はホームレスというのは、日雇いの失業者なんだという点はやっぱりしっかり示して、市民の理解を得ていくということが非常に大切ではないかと。いわゆるルンペンのようなそういう人たちではないのだということをひとつ明確にしていただきたいというふうに思っております。

 大阪市も今再度実態調査をやっているようでありますが、西成の労働福祉センターの労組の資料などを見ましても、現在大変厳しい雇用状況のもとにおいても、日雇い雇用保険受給資格を持っていらっしゃると、こういうことができている層、これは約9,000人から1万1,100人ぐらいだと言われております。こういう層は現在でも比較的安定した生活を維持して、多くの長年決まった事業所に雇用されているようであります。ただ、彼らとても長引く不況の影響をもろに受けて稼ぎが大変少なくなっているということも言われております。

 その対局にある第2の層、これが一つ問題でありまして、失業によって、完全にホームレスになっている。ホームレスが常態化している人たちが4,000から5,000名とも言われておりまして、その人たちは労働能力がもう衰えて、働けない高齢者、あるいは病気の人、アル中や就労意欲を失った人たちや障害者、こういう人たちが4,000人から5,000人存在しているというふうに言われておりまして、私はホームレス対策として、まず、この層に福祉による措置が必要なんだということを申し上げておきたい。これについてはいろいろ議論のあるところでありますから、きょうはそのことについて、別に議論するつもりもありませんが、やっぱり生活保護による救済、それが自立につながっていくのだということを十分踏まえていただいて、検討していただきたいと強く要望します。

 問題は、この第1の階層と第2の階層のはざまにありますボーダーライン層と言われている5,000人から6,000人の人たちの問題であります。この人たちは幾つかその中でも階層に分かれておりまして、その第1の人たちは雇用保険受給資格、月に26日働いていると、そこには届かない人たちであるわけですが、大体月10万程度はみずからの手で稼いで辛うじて生活を維持できているという現役の建設労働者であるということが指摘されております。ですから、この人たちは仕事さえ確保されれば、最初に述べた層への復帰は可能な人たちなんです。

 2つ目に建設現場で働くには体力的にもう衰えてしまって、そういう仕事ができないと。しかし、軽作業では働けるということで、主として現場の片づけの仕事とか、あるいはガードマンとか、草刈りなどの軽作業に従事している高齢の労働者であります。この方々、1番目と2番目の層はまだホームレスになるほどには至っていないと、そこのすれすれのところにある層だというふうに言われております。

 3番目に建設現場から完全にもうリタイアしている高齢者の人たちがおるわけであります。この人たちは主として、空き缶を回収したり、電線を収集したり、大型ごみのところでいろいろごみを拾いあさったりして働いている人たち。

 第4が今大阪市がやっております高齢者特別清掃に従事している層、これは約2,000人に及ぶというふうに言われておりますが、こういう人たちがいてる。この第3と第4の層の大部分が既にもうホームレスになっているというふうに労働組合の方では分析しているようであります。

 私はこうしたボーダーライン層に対してのきめ細かい配慮を、大阪市としてもこれから大いに検討していっていただきたいということを申し上げたいわけであります。仕事さえあれば、現役復帰が可能だという人たちに対しては、雇用創出が一番大事だということはもう言うまでもありませんし、このことは緊急に求められている課題だと思います。それから、軽作業に従事している層は体力の衰えからいつホームレスになるかもわからないという不安にさらされております。こういう人たちに対しての軽作業労働の創出、これは自治体としても大いに努力しなくてはならないことではないだろうか。もちろん、民間企業にもこういう労働創出を求めていくということは非常に大事だと思いますし、大阪市として、高齢者清掃以外にもこういう軽作業をもっと拡大していくということを強く要望したいというふうに思うわけであります。

 いろいろ議論したいところですが、このあたりは要望ということでとどめておきたいわけでありますが、問題は労働意欲を持ちながら、また一定の労働に従事しながら、ホームレスにならざるを得ない人たちに対する対策の問題であります。先ほど申しました第3、第4の層に当たる人たちでありますけれども、野宿を数日間もやれば建設労働者としての労働能力が極端に低下すると、こういうふうに言われております。この人たちは衣食住のうちで少なくとも衣と食のみは、何とか自分の労働で今賄っていらっしゃるわけでありますが、残念ながら住まで賄い切れないと、こういうことで、ホームレスにならざるを得ないという状況に陥っているわけであります。

 そこで、最低でも、これから寒くなってまいりますから、夜露と寒さが防げる施設をつくること、それから、簡易宿泊所の活用も含めまして、住宅保障制度を大阪市としても早急に具体化していただきたい、検討していただきたいと思いますが、ちょっと御見解があれば言ってください。

◎堀田民生局総務部保護課長 私どもはあいりん対策をやっておるところでございます。現在、就労は辛うじて衣、食を賄えるという方々、もしくはとりわけ高齢の方々、傷病のある方々につきまして、私どもとしては地域内に生活ケアセンターを開所してやっておるところでございます。

 従来から20床で運営しておりましたが、本年6月より150床を追加いたしまして、新たに整備いたしまして、170床ということで、今現在運営いたしております。これによりまして、1年間で約5万人の方々に対して、援護ができるという体制を組んでおるところでございます。

 引き続き、現場の日雇い労働者の方々の体力の維持なり、そして、リフレッシュなりを含めまして、この生活ケアセンターの事業を運営してまいりたいと常に考えているところでございます。

◆小笠原正一委員 私は何も大阪市が一人ですべてを賄っていただきたいということはもちろん考えておりませんし、府に対しても働きかけていただきたいし、民間の企業に対しても働きかけていただきたいわけでありますが、そういうレベルでは今のこういうホームレスの人たちが直面している住の問題というのは解決しない。これは明らかなわけでありますから、ここでは時間の関係で議論はいたしませんが、真剣に検討していただかないと大変な事故が起こる可能性もあるのですね。もう冬場に入ってきて、凍死する人たちがどんどん出てくるというふうな事態になると大変でありますから、今のうちに抜本的な対策を検討していただきたい。これは繰り返し要望しておきたいと思います。

 さて、自立支援センターの問題でありますが、この人たち、この自立支援センターに入所できる人たちの対象は労働意欲を持っていらっしゃる方すべてを対象にしていらっしゃると思うのですけれども、大体どれぐらいの人数、そして、どういう年齢構成で考えていらっしゃるのか、お聞きしたい。

◎松葉民生局総務部連絡主幹 お答えいたします。

 現在大阪市内におけますホームレスというのは、昨年8月の調査で8,660人という数を確認しております。その中で就労意欲を持たれている方というのは、具体の調査はございませんが、我々現場に入っております感覚ではかなりの人数がおられるという認識をしております。

◆小笠原正一委員 かなりの人数というのは大体どれぐらいですか

◎松葉民生局総務部連絡主幹 お答えいたします。

 我々が現場に入っております感覚ですが、4割以上はおられると思います。

◆小笠原正一委員 そういう数千人の人に対して大体280人ですか。こういうオーダーでされるわけで、なかなかこの入所していただく方の選別が難しいと思うわけでありますが、どういう選別をされるのか、お聞きしたいと思います。

◎松葉民生局総務部連絡主幹 お答えいたします。

 施設の開設までにホームレスの皆さんの実態を踏まえて最も効果的な方法を検討してまいりたいと考えております。

◆小笠原正一委員 現在そういう選考の方法も定まっていないわけですね。やっぱりそのあたりきちんとしてやっていただかないと、せっかく金を使うわけでありますから。これをオープンするのはいつごろですか。

◎松葉民生局総務部連絡主幹 お答えいたします。

 開設時期は来年の9月をめどとしております。

◆小笠原正一委員 ちょっと大分それは先の話で、なぜ今ごろ急に予算化されるのかというのは、私ちょっと戸惑いがあるのですが、結構な話ですから、早くからやっていただきたい。それに越したことはないと思いますけれども、きっちりと選考してやっていくということは、非常に大切だと思うのです。

 特に、東京都が暫定で実施した2カ所の施設というのは、結局あれ閉じられてしまったのですね。たくさん入れはった、あれ何人でしたか、人数はちょっと正確に覚えてませんが、百数十人だったと思うのですけれども、いろいろな方が入られて、結局開所時期に雇用、働かないかん時期にずっと残っておると、いわば生活保護施設のようなものになってしまって、目的が達成されないまま、閉鎖されたと、こういうふうな事態になっては私は困ると思うのです。今大体55歳から60歳、そういう高齢の失業者、この人たちの今求人倍率というのは知ってますか。大体どれぐらいですか。

◎松葉民生局総務部連絡主幹 お答えいたします。

 1110月現在の有効求人倍率、全国平均で0.48倍、大阪府で0.38倍という全体平均は聞いております。

◆小笠原正一委員 非常に厳しい、そのあたりもしっかり見ておいていただきたいと思うのですが、そのわずか6カ月の訓練で、こういう人たちが果たして就職の道が確保できるのか。この辺は私は大変危惧いたしております。例えば、就労できるような技術が身についたということで、就労する場合でも、職安の場合には身元保証が要りますね。この人たちの身元保証なんかもちゃんとそこの自立支援センターでやるのですか。

◎松葉民生局総務部連絡主幹 お答えいたします。

 職業相談、職業あっせんにつきましては、公共職業安定所から相談員が出向き、職業相談、職業あっせんを行うと聞いておりますので、今後、公共職業安定所の担当とも協議を行い、できるだけ早期に就労を実施できるようなシステムをお願いしていく所存です。

◆小笠原正一委員 実際まだ中身は何も決まっとらんわけやな。

 私はちょっと最後にお尋ねいたしますけれども、半年後たって就労できないと、こういう人たちに対してどうするのかと。ずばり聞きますけれども、そういう人たちに対しては住居を保障したり、生活保護の適用をして、ずるずるとその施設に残らんように、きちんとやっていくということなのかどうか。それとも半年たっても決まらんということで、また、ずるずるその支援センターに残るのか。どういう措置をとられるのか。何も保護しないで、そのまま全部放り出すのか。一体どういうふうに考えてらっしゃるのか、この辺ひとつ明確に答えていただきたい。

◎堀田民生局総務部保護課長 自立支援センターにおきまして、大阪府の職業安定所等の派遣職員によりまして、十分なる職業紹介なり、職業あっせんが進んでまいるものと考えております。しかしながら、高齢等によりまして、稼働能力が回復しなかった人、もしくは障害のおありの方等につきまして、私ども生活保護の方で検討していくべきものではないかというふうに考えます。

 私どもといたしましては、生活保護施設が19施設あり、そして定員2,163名で運営している状況でございます。このような施設に入っていただき、なお一層の体力の回復なり、気力の回復、そしてまた、その施設の中での就職あっせん等を通じて、社会への復帰を図ってまいりたいと、そういうふうに考えているところでございます。

◆小笠原正一委員 そういうことをきちんとやっていただきたい。ホームレス全体は約1万人と言われている中で、この自立支援センターを利用できる層はほんの一握りでしかありません。私は冒頭に申し上げましたように、この人たちの就労ができる100%の保障はないわけでありますから、福祉制度、特に住の確保であるとか、生活保護についても、真摯な検討をぜひお願いしたいという要望を申し上げまして、私の質問は終わります。