【 平成11年9・10月定例会常任委員会(民生保健)-09月24日−01号 】
◆石川莞爾委員 日本共産党の石川ですが、私も緊急地域雇用特別交付金事業について少しお尋ねしておきたいと思うのです。
都市美化対策についてですけれども、まず、あいりん生活道路清掃事業と市有地除草などの作業というのが、現在毎日何人雇用しているのか、それぞれ人数言うてくれますか。
◎堀田民生局総務部保護課長 お答え申し上げます。
現在、あいりん生活道路清掃事業、1日33名でございます。そしてまた、あいりん高齢日雇労働者除草等作業につきましては、12名で実施いたしております。
◆ 石川莞爾委員 現在の雇用の事務手続等について尋ねておきたいのですが、受付の場所はどこですか。具体的に名称を挙げてもらうことと、受付の方法、つまり採用決定という方法についてわかるように説明してください。
◎堀田民生局総務部保護課長 現在、やっております事業につきましては、毎年度当初に西成の労働福祉センターを窓口といたしまして、希望する高齢の日雇い労働者を登録いたしております。日々雇用でありますので、その方々で先ほど申し上げました12名及び33名の人数分を当日紹介ということで求人を発しております。
◆石川莞爾委員 それでは、今度のこの補正でそれぞれの事業でどれだけの雇用がふえますか、ふやす人数をさきの生活道路清掃とそれから市有地除草、これで別々に言うてくれますか。それから、予定しています金額ですね、つまりどれにどれだけのお金を使う予定なのか、内訳を。
◎堀田民生局総務部保護課長 このたびの緊急地域雇用特別交付金を活用いたしまして生活道路清掃事業につきましては、プラスで33名を1日当たりでございます。そしてまた、除草等の作業につきましては、新たに72名を雇用してまいりたいというふうに考えております。
それとこれらに伴います必要な経費につきましては、11年度1億4,400万円を予定いたしております。
◆石川莞爾委員 1億4,400万円は事業別に言うてもらいたかったのですけれども、僕の方から言います。聞いている話では33名について4,070万円、市有地の除草作業などで1億310万円と、まとめて1億4,400万円というふうに言っているようであります。要するに雇用人数で今よりも105人ふえるのですね。純増になるわけですね。合計150人というふうになると思います。これでこれらの人が都市美化事業にかかわるということになるのですが、これら2年半でしょうか、今から11、12、13年のトータルで何人の雇用ということになりましょうか。
それから、あいりん地区の総人口を警察発表で3万人というふうに言いますし、労働者が2万1,000、住民が9,000という数字が前からあるのですけれども、直近の数字であいりん地区の人口、労働者数、その他をどのように掌握しておられるでしょうか。
◎堀田民生局総務部保護課長 年間延べ人員で申し上げますと、先ほどの11年度約1万5,000人です。そして、12、13年度につきましては、年間ベースで申し上げますと緊急雇用の分につきましては約3万2,000人でございます。
それとあいりんの人口につきましては、今時点という数字は私ども持ち合わせておりませんが、従来から日雇い労働者約2万1,000人、そして住民の方々が9,000人、合わせて3万人というふうに聞いております。そういう数字で私どもやっております。
◆石川莞爾委員 これ警察の数字も動いてないと思うのですよ、ここ数年。数年と言うたらしかられるかもしれんので、私が持っている資料で確認しときますと、3年ぐらいは動いてないですね。いやそうではないな、これ一番新しいものだと思うのですけれども、平成6年以降ずうっと3万人の数字で対応してきているのですね。ただし、これは10年の数として資料の表には出てきますので、最近はやはりもっとふえているというふうに見なければなりませんし、仕事を求めて来ておられるのが実態だと思うのです。
ですから、もっとたくさんの人が来ておられるというふうに思います。それが一つなので状況は余り甘く見てはならんというふうに思うのです。
それから、募集の受付場所とか募集の方法ですね、それはこの事業が105名新たに増員されることになるのですけれども、従来どおりの方法でセンターで登録してもらっている人を対象にやるということになるのでしょうか。ざっとやはり2倍というのか、従来45名であったものが150人になるわけですから、仕事を探しておられる人にとってみたらやはりチャンスが拡大しているわけですから、大変そういう点では注目もされてますし、どうするのかなという関心が高いと思いますが、何か今後のことで変更がありますか。考えておられることありますか。
◎堀田民生局総務部保護課長 お答えします。
従来から西成の労働福祉センターの窓口で紹介をさせていただいているところであります。今般の事業を拡大した部分につきましても同様の方法でやっていきたいというふうに考えております。
◆石川莞爾委員 西成の地区だけを対象に考えておいてよいのかという問題もあると思うのです。西成以外の市内の私どもの生活しております生活圏の公園などにも野宿生活を余儀なくされている方はふえてますし、あちこちそういう点では当局にも、何といいましょうか、市民からの声が届いているのが現状でしょうから、だから確かにあいりん対策としても見なければなりませんが、雇用の促進、都市美化対策というふうに考える。その大きな範囲でいいますと、市の所有地の除草等の作業についてもあいりんのセンターへ登録している人だけ対象という、今後の事業展開というのはいかがなものかという気がしていますので、これだけは一つ言っておきます。
それから、どっちにしましてもこの事業に予算をつけようというふうに国が踏み切ったのは、やはりいわゆる野宿者がふえる一方という今のあいりん地区を中心にした大阪都市部ですね、大阪に限りませんが、山谷とか寿町とかそういうところの問題をこのまま放置できないというふうに考えて始めた事業だと思います。これは当然ですが、やはりこの事業を打って自立を促進させるといいますか、自立のところへ最終目標を置いてお金が使われなければならんというふうに思うのです。そういう視点に立った事業というふうに私は思っているのですが、私の理解が間違ってますか、どうでしょうか。
◎堀田民生局総務部保護課長 私ども今般の事業を通じまして、野宿状況にある日雇い労働者等につきまして、就労を通じた生活支援をしてまいりたいと、そういうふうに考えております。
◆石川莞爾委員 生活支援だけではなくて、やはり自立の方向を目指さなかったら野宿生活者は減らないと思いますよ。だから、自立を促進するというのは大事な仕事ですし、保護課長さんは役職上もう心得ておられると思いますが、自立というのがやはり事業の前提になっていると思うのです。これはもうだれが考えてもそうだと思うのですね。
それから、この計画は今お話がありましたように、12年度で3万2,000人、13年度で3万2,000人と、延べ人数で言いますと7万9,000人延べの雇用を創出するということになるのですが、大阪市はなるべく多くの人にこの事業の効果というか恩恵というか、そういうものが及ぶようにと考えておられるようです。つまり浅く広くというか、そういうふうに考えておられるように伺います。
それで、1週間に1度就業したとしても、1日の単価は現行で6,000円弱ですので、これがこのまま横滑りで実行されるのが原則だろうと思いますから、月にして3万円弱という計算になってくるわけです。それでいわゆる自立が目指せるか、ほかの仕事もあるやないかということもあるのですけれども、しかし、今言いましたように2万1,000という控え目の数の労働者がおられるところへ、この事業を持ち込んで週1回の就労ということで月に5回働いても3万円弱と、もしほかに1万円とか1万2,000円とかいうような日にち単価の仕事に就労するとか、あるいはチームのリーダーになった方には6,000円というわけにいきませんから、1万円という人もあるでしょうし、いろいろなことでもう少し収入の道が開けると話が違ってくるとはいうものの、やはり公的な機関がこの機会に考えておかなければならんのは、逆立ちしても生活保護の生活扶助費に及ばないということはね、多々往々にしてあり得る話として我々考えておかなければならんと。
つまり、そうなると最小限の文化的な生活を営む権利を有すると書かれた憲法25条の保障に基づいて出されている生活保護費は、文字どおり最低の生活保障なのですね。それを下回るという収入といいましょうか、所得に基づいて生活をされる、生活することを余儀なくされるということで、体力が維持できるのかという問題が出てきます。
現場では、いわゆる野宿生活になってしまうと体力が落ちてしまって、給料のよいというのか、報酬の高いというか、そういう仕事につけないと。体力落ちるのはもうすぐに落ちてくると。それは簡単にわかりますわな。野宿生活が長くなれば長くなるほど体力がもたなくなるというのも当然のこととして考えられますので、つまり本人が働きたいという意欲があって手挙げても採用することはできないというような実情が起こっているというか、そういうことが起こる。それは現実の問題としてあるのではないかと思いますけれども、そういう実態だと認識しておられますか。
◎堀田民生局総務部保護課長 今般の事業の拡大をいただきました場合、私どもの見込みでは週に1回ぐらいのローテーションで就労につけるようになろうかというふうに考えております。ただもちろん、それだけをやって、この仕事だけをやっておるというわけではございませんでして、他の日々の求人、重労働につきましてはやはり若い層が中心となろうかと思いますが、土木現場等々の軽作業、または水まき、くぎ抜き等々の軽い作業も種々あるわけでございまして、そういうとこら辺に他の日なり、求人が入ったときに従事しているというふうに聞いております。そういうところでございます。
◆石川莞爾委員 ここでそういう答弁することは可能です。しかし、事業全体ではやはり野宿生活者をなくすと、それから、自立を促進するということを目指していかないといかんということをもう一遍言うときたいのです。
もう一つこれ関連ですけれども、あいりん地区に結核患者が多いという問題ありますね。これは政府がことしの7月27日でしたか、非常事態宣言か何かを出しまして、大変なことになっているのですけれども、それ以来急速な動きがありますが、この結核患者があいりんの場合は人数が多いこととあわせて、定住性がないということに特徴があるのではないか。つまり、本人に連絡するということが難しいというような特殊な困難が伴っている地域だと思いますが、どうですか、その点は。
◎森川環境保健局感染症対策室予防課長 お答えいたします。
今、委員言われましたようにあいりんにおきましては、患者が発生いたしましても病院等へ収容しました後、退院あるいは中断して出て行かれますと、その患者さんを捕捉することは大変難しい状況でございます。
◆石川莞爾委員 それはもうそのとおりなんやね。それで何らかの機会に結核患者が捕捉された場合、つまり保健所の何かの機会でわかるとか、あるいは健診とか市中の医療機関で発見されたということがあっても、治療が中断した場合でも手の打ちようがないというそういう面があるのですね。ですから、治療中の患者さんが中断されたときに、病院の入り口に患者さんの名前を書いて、通院を呼びかけるというか、来てくださいよということを書いた張り紙をするなんていうことをやらざるを得んという、そういう実態にあるのです。張り紙を見に来て、名前見て帰るという人おりませんわ。わざわざ張り紙見に来る人はおりませんしね。それは友人か知人か何かが書いてあったでと言うてくれることもあるでしょうけれども、要するに非常にその点では困った事態になるわけですね。
そういうことで結核患者が中断をしますと大変厄介な問題が起こってくるというふうに専門家は言ってますね。新たにDOTSという新しいシステムというのでしょうか、結核患者を捕捉をして服薬というのか、いわゆるお薬をきちんと飲んでもらうというようなシステムを新たに事業展開するというのが最近発表ありましたけれども、これも簡単に説明してください。
◎森川環境保健局感染症対策室予防課長 今、委員言われましたDOTSと申しますのは、ニューヨーク等で実施しております患者さんに直接服薬を確認をいたしまして、治療を続けていくという方策でございまして、中断をなさった患者さんが出ますと、また再発というような事態がございます。また、中断をされますと結核菌が薬に対して耐性を持つと、そういう方がふえていきますと結核治療が非常に困難になるというようなことで、そういうことを防止する意味でDOTSという事業をやると。今回、9月27日から大阪においても実施をしていきたいというふうに考えております。
◆石川莞爾委員 それはいわゆる試しにやってみるという点では否定もしませんし、ニューヨーク云々の話も私どもも少しは聞いてはおるのですけれども、ニューヨークなんかの規模とやり方とはもう全く違うということはひとつはっきりさせとかないかんですね。あいりん地区は、いわゆる新規の結核登録患者というのが全国的に見ても非常に多い地域になっているということを私ども見過ごすわけにいかんのです。
御承知の方も多いかと思いますけれども、人口10万人に対して罹患率、これ平成9年の数字なのですが、全国が33.9人というとき、大阪市は全市で103.8人なのですね。大阪の103.8人も決して少なくないといいましょうか、全国平均の3倍ですからね、驚くべき数字といわなければならんのですが、あいりん地区は何と1,573.3人なのですね。これは、市内平均の50倍ですから、全国一という大変危険な状況にあいりん地区というのはあるわけですね。これは私どもが今排菌をしながら治療を中断したり、病気を持ったまま、排菌というのは、つまり息をしたりせきをしたりするときに菌が飛んでいるという、そういう状況の人がセンターを中心にして仕事を求めて来ているとか、町で生活しているわけですからね、大変憂慮すべき事態なのですよ。それは、最近になって政府が発表した中でもこの点は非常に大きくスポットが当てられているということがあります。
もう一つは、新規結核の登録患者のうちで、中断をするという厄介な人ですね。中断をすると一たん死にかかってた菌が飲んだお薬よりも強い菌になってよみがえって、生き続けるということになるので、私もよう知らんのですけれども、薬剤耐性化とかあるいは多剤耐性結核とかいうふうに言っているようなのですが、いずれにしても、そういうふうに新しい抗生物質とか薬に抵抗力を持った結核菌が出ますと、それをやっつけるお薬がないというそういうことだってあるから大変なんやね。
それで、中断というのが一番厄介なのですね。菌を殺しかけている途中で本人自覚がないからもう続けないでやめてしまったと。そしたら、より強い菌を本人は体内で増殖しているのと一緒なのですね。こういう危険な状況にあるという、そこを我々見て物事対処せないかんということがありますわな。そして、中断患者は全国平均は4.3%、大阪はそれの約2倍以上10.6%ですが、あいりんは19.7なのですね。これも大変深刻な数字ですよ。これをどうするかということを考えなければならん。そして、今課長がおっしゃった今度のDOTSの大阪市の試行といいましょうか、今年度から始まったものは27日から始めるそうですが、とりあえずは3人患者を対象にするそうですね。来年度、再来年度とこの事業は国からの補助金も出ますので、続けられるようですが、10人ぐらいしか手が届かんというそういう規模の話なのですよ、これは。これはね、もう間尺に合わんと思います。
この事業をきちんと成功させていくためにも、大事なのは本人が定住性というかどこに住んでいるかということが非常に大きなモーメントになってきます。それで、私は今生活保護法、ドヤと言われます簡易宿泊所、簡易旅館、こういうところに住んでいる人にはいわゆる住所が定まっていないということも理由なのでしょうが、生活保護を適用していません。しかし、横浜市では、そういういわゆる簡易宿泊所に住んでいる人についても適用をし始めていると、これはことしからのようですけれども、そういう施策を今は打つべきだと。
つまり、簡易宿泊所を大阪市が借り上げて、ドヤ券といういわゆる切符のようなものを出して、本人にそこへ半年なり1年なり住み続けるというそういう保障をきちんとして、生活保護を打って、保護費を出して、それこそ最小限の生活をしてもらって、体力も維持するし仕事もちゃんとすると。それから、結核の患者さんは病院、医療機関が本人が住んでいるところがはっきりわかっているわけですから、いわば訪問をしてでも治療を中断させないようにするということは可能なのですね。
その意味では、自立とか病気に対する我々大阪市の取り組みの必要性とかそういうことを考えますと、やはりドヤと言われている簡易宿泊所を大阪市が借り上げて臨時の宿泊所として活用して生活保護を適用するという、そこまで踏み込んだ、そのことが本人たちの自立を促して、就労の機会をやはりふやしますし、野宿生活者を減らしていくということになると思うのです。
そういう点では、ぜひとも簡易宿泊所の活用を今言った方向で検討するべきだと思いますが、どうですか。
◎堀田民生局総務部保護課長 あいりんの簡易宿泊所についてでございますが、現在、あいりんの中には約188軒あります。非常に地域的に集中した状況下にあるわけでございます。そしてまた、宿泊部屋としましては、1畳から大きいところでも3畳程度ということで、日々非常に狭い空間となっております。確かに日雇い労働をなさって各地の現場なり飯場なりに入っておられる。そしてまた、それを帰ってきて求人なり給与なりをとって、再度現場に出て行かれるという方々にとりましては、非常に便利な宿泊施設であるという認識を持っております。
しかしながら、今申し上げましたように非常に狭い居住空間であります。そしてまた、共同トイレでもあり、そしてまた小さいお風呂がついているというところで、炊事場の設備もほとんどない状況であります。こういう状況の中で、御本人が非常に体力的に弱っておられる、先ほど事例で出ておりましたような結核状況にあるというような状況でありました場合に、私どもといたしましては、やはり体力の回復、そして栄養をきっちりとれるような食事の提供、そしてまた日々の生活の指導なり訓練なり行き届いた援護活動が必要かというふうに考えております。
そういうことで、私どもとしましては、御本人にとって一番よい方法であるというふうに考えております施設での保護を行っている、入っていただいているわけでございます。そしてまた、今申し上げたようなマイナス要因がそれぞれ御本人の身体なり、精神の状況の中から除去されていった場合には、私どもとしましては、居宅への移しかえということで対応しているところでございます。
今後ともそういう方法が御本人にとって一番よい方法であるというふうに私ども考えますので、続けてまいりたいと、そういうふうに考えます。
◆石川莞爾委員 時間の都合もありますので、約束の時間過ぎてしまいましたので終わりますけれども、今の保護課長の話は保護課長のレベルの話としてお聞きしておきますが、オール大阪で対応しなかったらいかん問題だというのはわかってもらったと思うのです。何しろ全国で僕も初めて見てびっくりしたのですけれども、4万2,000人新しく患者が生まれているのですね、年間で。2,700人も亡くなっているという、我が国最大の感染症ということになっているのですよ。そのいわば一番の密集地がここなわけなので、やはりここの問題をないがしろにしておきますと、それこそ日本じゅうに大きな影響を与える大問題になりかねないということです。
薬剤耐性の新しい元気な結核菌を大阪市内で増殖するのを大阪市は何もしないで手をこまねいていたなんてことになると、これはもう本当に大事になると思います。生活保護法のいう救護施設の数とか、民間の地元の事業家の皆さん方も頑張っていただいているのでしょうが、こういう施設が足らないもとでの話ですからね。保護課長の話をそうですかというわけにいかんのですよ。行き届いた援護をするというのは、それはあなたの言葉として、立場として当然かもしれませんけれども、それができないから当面の対策として簡易宿泊所の借り上げというふうなことを考えなかったら、野宿生活者は減りませんし、安定就労や自立へ向かいませんよということを申し上げておるのです。以上です。
◆黒田輝夫委員 その中で、緊急雇用対策、この雇用の問題につきましては、かねてから私の議論でありますけれども、戦後いわゆる失業対策課というのが民生局にございまして、大きな成果を上げております。社会の混乱を未然に防いだと、こういう意味もありますし、今日の不況下の中で雇用をどのように安定させるかというのは大阪市にとりましては大事な離せない施策ではないかな、こういうふうに考えております。
問題は大きくて恐縮でございますけれども、失業対策課を再度創設して、ひとつ労働分配を大阪市の市民に合致したやり方でやっていきたいと、このように考えておられるのかどうか、その辺を確認しておきたいと思います。
◎寺川民生局長 お答えいたします。
ただいま委員の方から非常に貴重な御提言がございましたが、私ども特にあいりんなり、日雇い生活者の問題、もしくはホームレスの問題を、この間、国の当面の対策もいただく中で御議論いただいている中では、なかなか今日的状況の中で、臨時雇用の今回の特例交付金につきましては、国挙げて、自民党の皆様方、各党の皆様方いただいてなったわけでございますけれども、具体的な失業対策のかかわりについて今御提言ございますが、非常に厳しく思っております。
ただ、私どもとしましては、今まで御議論いただいている中でも、国の当面の対応策についても具体的にはいろいろな労働につきましては、奨励する雇用の事業主に対する措置でありますとか、相談員の増員でありますとか、そのような施策が盛り込まれておりますけれども、今委員から御提言のあったような形につきましては、具体化はされておりません。
ただ、我々としましては、市長が常に申し上げてますとおり、やはり最大のこの辺の大阪におけるいろいろな雇用の促進については、やはり実効性のある、最終的には自立支援の機能を保ちながら、出口である雇用の確保が大事だと、そういうことからはつとに各先生方の御理解、御支援もいただきながら特別立法とそのある雇用施策について要望してまいっておるところです。
したがいまして、そういうことを軸にしながら今後我々やはりこれは大阪、国の労働行政の問題でもございます。大阪府のやはり労働行政との関係もございます。そのようなこととあわせて、我々今後機会あるたびにその実効性のある雇用の創出についての環境を要望してまいりたいというふうに考えております。
◆山本修子委員 私も引き続いて緊急地域雇用特別交付金事業にかかわっての野宿者対策について若干御質問したいと思います。
よく報道されているのは、昨年大阪市でも野宿生活者の実態調査が行われて、市内では8,660人に上るということで大変問題になりましたが、その後1年たった今どんどんふえ続けて、もう1万人を超えているのではないかというようにも言われている状況にあります。いただいた資料を見ましても、長居公園、あるいは大阪城公園など市内の公園にテントがけをしているその件数が1,452件から2,152件へと1年間で700件の増、率にして48%も増加しているというように、もうこの1年間でどんどん野宿生活を余儀なくされる人がふえてきている。これは、大阪市内に住んでいた人がそうなっているのかというとむしろそうではなくて、全国各地からやはり来られているのではないかというように思います。それほど深刻になってきていると思うわけです。
先ほどの議論もございましたけれども、私はこれまでの日本の政治、あるいは景気、雇用情勢、そういったものが総合的に影響し合って今日の状況を生み出しているわけですから、大阪市さえしっかりしていれば野宿者はなくなるんやというようなことはやはりどうしても言えないというふうに思います。やはり今は、国レベルでの雇用対策というのをしっかりと考えていかなければならないし、大阪市としても国に対して、とりわけ全国でも一番飛び抜けて多く野宿者の皆さんが住んでおられるわけですから、しっかりと国に対して政策を要求していかなければならない、それが根本対策への道だというように思っているところです。
それで、この5月に関係省庁と大阪市を初めとする関係自治体とで設置されたホームレス問題連絡会議、ここで当面の対応策が取りまとめられて国と自治体が一体となって野宿生活者対策に取り組むことが重要であり、総合的な相談、自立支援体制の確立や雇用の安定などの施策が必要と明記されたということは、やっと本気になって少しは国としても動くことになったのかなと期待を持つところなのですけれども。そして同時に、7月1日には市長を本部長とする大阪市野宿生活者対策推進本部が設置されまして、これまでの何をしてんねんと言われているような状況からですね、一歩抜け出して具体的に課題を整理しながら、大阪市として取り組むというこの動きが出てきて期待をしているところですけれども、もう少し大阪市における新しく設置された推進本部でどういうようなことが話され、今後どういうふうにしていこうと思われているのか、その方針などをお聞かせいただきたいと思います。
◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。
野宿生活者問題につきましては、委員御指摘のような景気、雇用情勢の動向はもとより、産業構造の変化であるとか、高齢化の進展など、野宿生活者に至る背景、あるいは原因が複雑に絡まっており、しかもすべての方の人権に配慮して取り組むべき難しい課題でございます。このため、問題の所在を明らかにし、施策の方向性を確立するためには、野宿生活者の生活実態、あるいはニーズ等を詳細に把握するための実態調査や地域住民の方の意識調査が不可欠であるため、大阪市立大学の協力を得て、平成10年度から2カ年かけて大阪市野宿生活者実態調査を実施いたしておりまして、今年度中にも調査結果を取りまとめ、今後の施策検討に生かしてまいりたいというふうに考えております。
また、本年5月ホームレス問題連絡会議におきまして取りまとめられました当面の対応策を基本指針として、本市の対策を総合的かつ横断的に推進するため、7月1日付で市長を本部長とする大阪市野宿生活者対策推進本部を設置いたしましたが、より機動的に施策検討を行うため、当該推進本部のもとに街頭相談など、総合的な相談体制の充実や自立支援事業の実施等に関して検討を行う自立支援事業部会、高齢日雇労働者等の雇用、就労機会の創出等に関して検討を行います雇用創出促進部会、健康相談等の保健医療対策の充実に関して検討を行う保健医療対策部会、地域の環境整備等に関して検討を行う地域環境整備部会の4つの部会を設け、具体的な施策案の検討を行っているところでございまして、今後4つの部会活動を通じまして当面するいろいろな課題に対応してまいりたいというふうに考えております。
なお、今回の予算の補正をお願いしております緊急地域雇用特別交付金事業の活用、実施策等につきましても、雇用創出部会におきまして検討を行っているところでございます。
◆山本修子委員 部会で4つそれぞれ課題を設けて実態に応じた対策を行うということで、ぜひそれを具体的に目に見える形で進めていただきたいと思うわけですが、しかし、率直に言いまして、私も長居公園よく自転車に乗って通るのです。もう軒並み青いテントが張られてます。確かにそこに住んでおられる方は住民の皆さんとトラブルを起こさんように非常に気使って周りをきれいになさっているところもたくさんありますけれども、やはり中には非常にごみだらけの汚したままというような場所もあり、公園という住民にとっての憩いの場が非常に壊されていっているということで、周囲の住民の皆さんにとってはもう限界にきているのではないだろうかと思うわけです。
先ほどから、野宿生活を送る人に対しては、みずからの意思で自立して生活ができるように支援すること、これが政策の基本とならなければならないという議論もございまして、私も全くそのとおりだと思いますけれども、しかしこの行政の施策はおくれればおくれるほど、やはり排除の論理というのが強く出てくるというふうに思わざるを得ません。そういうことにならないように、しっかりとまず就労支援、就労から私は自立への道が開けるというふうに思いますから、その就労対策をやっていただきたいと思うわけですが、そういう意味では今回の補正予算に盛られました緊急地域雇用特別交付金事業、これを活用してのあいりん生活道路清掃事業並びに市有地除草等の作業、これに1日150人の雇用を創出する、延べ人数で4万6,000人ですか、この3年間で。ということで、大変大きい効果があろうと思います。
しかし、先ほどの議論で明らかになりましたように、この事業を受けられるそのことで就労につける人は西成労働福祉センターに登録をしている人ということになりますね。ちょっとお尋ねいたしますが、この登録者が何人で、そして55歳以上、たしかそうでしたね、55歳以上が対象だったと思うのですが、55歳以上の登録者はそのうち何人いるのか、ちょっとその辺の数字を明らかにしてください。
◎堀田民生局総務部保護課長 現在、実施いたしておりますこれら事業につきまして、登録者約2,000名でございます、2,000名若干下回っております。そして、年齢につきましては、55歳以上の方を対象としておりますので、全員55歳以上という状況でございます。
◆山本修子委員 全員がそしたら55歳以上の方が2,000人弱いらして登録者ということですから、登録されていない方は大変な数、残りの数ですね、その人たちすべてにこのような公的な就労保障を大阪市独自でするとなると、どれぐらいのお金が要るのでしょう、試算できてませんか。一度私は試算してみる必要があると思うのですが。
◎堀田民生局総務部保護課長 現在、あいりんの白手帳というのがございます。雇用保険の手帳でございますが、その手帳の平均年齢で申し上げますと、ことし4月で54.4歳となっております。白手帳の所有者がおおよそ1万4,000人ぐらいでございますので、約7,000名ぐらいかなと、非常に荒っぽい推計ですけれども、そういうふうに考えます。
事業については、今のところ考えたことありませんので、試算はできておりません。まことに申しわけございません。
◆山本修子委員 数字は今明らかになりましたけれども、ちょっと今のお言葉、私は受けとめかねますね。やはり、野宿対策としてきちんと国にも対策をしてほしい、予算をつけてほしいというからにはですね、やはり今いる野宿者の皆さん約1万人弱ですか、超えるかもしれませんね、その人たちの就労支援、自立支援をして初めて大阪市としての行政責任が果たしていけるというふうに私は思います。
ですから、今の考えたこともありませんというようなお答えはちょっと撤回していただいて、私が言いたいのは、今とりあえず登録なさっている方については、今度の補正の予算で就労の機会がふえる、1週間に1回ぐらいはつけるようになると。きょうの新聞でも載ってましたけれども、これまでだったら1カ月に1回仕事にありつけるかどうかわからん状態だった。それが1週間に1回は仕事が回ってくるようになるということは、大いに私は評価をするところでありますが、それが2,000人というふうに限られた人たちしか受けられないわけですから、それ以外のもっと多くの人たちが受けれるようにしていくための方策を考えてほしいということなのですね。
それを大阪市独自でやれるのですかということをちょっとお尋ねしたかったわけですよ。できるのですか。できるのだったらやらなくては、と私は思うのですよ。でも、それができないから国に財政援助を言っていって、国として何とか全体で考えていってほしいと要請をなさってきたのではないですか。もう一回尋ねます。
◎堀田民生局総務部保護課長 大変、私表現誤りましておわび申し上げます。
まず、私どもでやらせていただいております事業、今般の分で2,000名の方を対象としまして150名の日々雇用ということでやっております。それで、約1年間で申し上げますと、従来の分と合わせまして2億8,800万円必要かなというふうに考えております。ですから、単純な計算ではございますが、先ほど申し上げましたように、7,000名の方が登録するとなった場合、現状の150名でいく場合でしたらこれのおおよそ3.5倍になろうかというふうに考えております。
ただ私ども、今般あいりんの日雇い労働者のとりわけ高齢の方々を対象としております。そして、一定のシステムが立ち上がっている状況下もありますので、この事業を活用してこの対策をやらせていただきたいと、そういうふうに考えているところでございます。大変、冒頭失礼申し上げました。
◆山本修子委員 今、お答えいただきましたように、まだまだ十分な雇用創出にはなっていないわけですから、そして、今回の事業も13年度までの期限つきということで14年度からどうするんやという問題も残っております。したがって、ぜひ今後とも国に対してきちんと大阪市の現状を訴えて、ぜひ国レベルでのこの雇用対策、これを確立していただきたいというように思っておりますが、その決意のほどをもう一回ちょっと言うてください。
◎出海民生局総務部連絡主幹 委員御指摘のように、雇用の問題につきましては、本市としても今般の緊急雇用の交付金使いまして、いろいろ創意工夫をいたしているところでございます。また、大阪府にもこの間格段の取り組みを求めてまいったところでございます。しかしながら、抜本的には国の労働対策が極めて重要でございまして、あいりん野宿生活者問題の根本的解決は雇用の安定がかぎを握っているというふうに思いますので、国に対しましてあらゆる機会を通じまして、特別立法の制定と実効性のある特別就労事業などの具体策につきまして検討し、実現するように要望してまいりたいというふうに考えております。
◆勝田弘子委員 もう大分いろいろなことが出ましたので、お時間も迫ってますので、一つだけ。このあいりん対策ということで公園とか道路清掃をやられるのですが、制服はどうされるのですか。
◎堀田民生局総務部保護課長 現在、やっておりますユニホームでございますけれども、ゼブラのチョッキ、安全のこういうゼブラマークいうのですか、黄色い蛍光を発色するようなチョッキを作業員全員にその日単位ですけれども、貸与しております。そういう形で進めてまいりたいというふうに考えております。
◆勝田弘子委員 それは1日終わったら回収するわけですか。
◎堀田民生局総務部保護課長 輪番で仕事に従事していただいておりますので、朝貸与し夕方回収するというシステムでやっております。そして、指導員がそれらにつきまして詰め所で洗濯機回してクリーニングしているという状況でございます。
◆勝田弘子委員 ただ、大変こういう発言はいけないのですが、いろいろなところへこれから出歩きはるわけですね。そうすると、ああいい場所あったなというふうな、何というか場所提供にはなりませんか。ちょっとそれ心配してます。たくさんいらっしゃる公園の区の人には申しわけない発言ですけれども。
◎堀田民生局総務部保護課長 今般の事業でとりわけ除草等の作業につきましては、あいりん以外の地域の場所で仕事をしていただくように計画しております。まず、ユニホームにつきましても種々工夫が必要かなという部分もありますので、これは今後検討させていただくとしまして、除草等を通じまして大阪市内各所の土地に彼らが行き、作業をするわけですけれども、やはり仕事場と、ぶしつけな言い方ですが、寝る場所というのは割り切って考えております。
ですから、そういうことをやりますとこの事業全体に彼ら自身も迷惑かけるということをわきまえておりますので、委員が御心配いただく内容には通じないかとそういうふうに思っております。現在のところは全くそういうことはございません。
◆勝田弘子委員 よう教えておいてあげていただきたいなと思います。このことはこれで終わりまして、