【 平成1212月臨時会常任委員会(財政総務)-1214日−01号 】

◆江川繁委員 日本共産党の江川でございます。引き続きになりますけども、時間を少しいただいて、私は長居公園の仮設一時避難所設置のための予備費の執行について質疑を行わせていただきます。

 まず、この予備費、地方自治法第217条、私もコピーして持ってきておりますけども、についての規定及びその運用についての判例等も出されております。それらも踏まえまして、通常いわゆる市民の目線から見れば、天変地異など、予備費というのはそういった天変地異やあるいは不測緊急事態、また予測できない事態での支出オーバーなどに充当するのが妥当だというふうに理解されていると思っているところであります。

 これまで、過去5カ年の予備費の支出を財政局からいただいて見せていただきましたが、それを見ましても、今までの予備費は、例えば災害があってお金がかかったから人件費をふやすとか、あるいは補欠選挙があったとか、その選挙管理費のためのお金が必要だとか、先ほどもあった、ことしはないですけども、人勧による人件費の必要な分の充当だとか、また不測というか、予測できなかった就学援助費などの足りない不足の分など、こういったものに執行されておるところであります。

 市民の目から見ても、今言ったようなこと、今までのものはだれもが緊急事態等で納得できる明々白々の項目だったと思っております。それが予備費という支出項目の性格だと私は理解しております

 ところが、この件は年度途中の計画、突然出されたとはいえ、7月から正式に提示され、それも新規の建設事業計画であります。もうそのときから説明会等で、3年間で運営費を含めて約10億円かかると。初年度でいえば、3年間ですから3で割って、大体約3億円というふうに先ほども言ってましたが、説明会は延べ16回と言われておりますが、1つずつでとっていけば、1つずつの校区で打ち切っていったわけですけども、それは置いといて、そういった説明会等でもそのような質問に対する答えとして話されておりました。

 当然、この新規事業建設の予算見積もり、細目についてはしかるべき時期、9月なのか、10月なのか、11月なのかは別にしまして、そういった時期に今までも補正予算の審議もありました。そういったときに議会で年度途中ですから、当然補正予算として計上すると、賛成、反対等を含めて審議にかけると、そういう性格のものだと思います

 この予算措置による手続、議会の審議が当然のルールであります。念のため、これは9月27日の、皆さんも御存じの、記憶にあるあの議会意思決議が多数でされましたけども、それとは別の手続が必要であります。このことについては、申すまでもなくほかのすべての事業は予算審議の手続をとっております。

 念のためこれは昨年ですけど、平成11年大阪市予算要綱ということで、一般予算であればこういった形で、補正予算であっても大変詳しい冊子で、この場合だったら何百何十何円までの細目で手続がとられておるわけであります。しかしながら、この2億円と言われる建設費、これについては、それが妥当なのかどうか、むだはないのかなど、貴重な市民の税金でありますので、当然、最も効果的な予算、賛成される方も反対される方も含めて、この2億円の運用についての審議にかけなければならない性格のものであります。これが全く省略されております。

 今までるる述べてきましたけども、そこで、結論的に言えば、何ゆえ補正予算として提示すべき2億円もの新規の建設費を、これらの手続なしで予備費なるもので執行したのか、大変不適当な扱いだと私は思っております。議会軽視だと思いますが、財政局にお答えをお願いいたします。

◎稲森財政局財務部財務課長 お答えいたします。

 ただいま御議論いただいております予備費につきましては、江川委員既に十分御承知のことかとは存じますが、地方自治法第217条第1項に「予算外の支出又は予算超過の支出に充てるため、歳入歳出予算に予備費を計上しなければならない」と規定されているところでございます。

 これは、年度途中におきまして予算に計上しておらない新たな経費が必要となった場合や、予算額に不足を生じた場合に、議会の否決した使途に充てることはできないといった制限はございますものの、主として行政執行の効率を図る観点から、地方公共団体の長の責任におきまして、予備費の充当によりこれを行うことができるとされているものでございまして、本市の場合は、市会の御議決をちょうだいいたしまして、一般会計予算に13億円を計上して、財源の確保といいますか、担保を図っているところでございます。

 一方、補正予算ということになりますと、これはやはり年度途中におけます、例えば国費の配分ですとか、税収の動向なども踏まえまして、やはり財源面でのめどが立った段階で初めて計上できるものでございます。

 このように、年度途中の予算措置は予備費または補正予算で対応することとなりますが、本件につきましては先ほど御紹介もありましたが、9月27日に市会本会議で議決されました長居公園の適正化対策に関する決議においても早期着工が求められております。

 また、それに先立ちまして、建設港湾委員会なり民生保健委員会におきましての事前調査におきましても、担当局の方からも予備費補充も含めて対応を検討していきたいというような御答弁もあったようでございますが、長居公園の適正管理についての地域住民の方の切実な要望にこたえ、寒い冬に向かいつつある中で、一刻早く整備に着手したいという所管局からの説明もあったところでございます。

 私どもといたしましては、その緊急性にかんがみまして、また長居公園におけます野宿生活者の実態調査の結果によりましては、施設規模ですとか対象人数などの計数的にも十分変動が生じる可能性もございます中で、これはやはり次期議会での補正予算の議決を待つよりも、むしろ予備費補充を行う方がふさわしいというふうに判断した次第でございます。

◆江川繁委員 先ほど私はるる述べましたけども、本当に全く答えになってないというふうに結論だけ言います。

 また、今言われた中で、長居公園の方が寒い冬を迎えるのでと、 350人近くだと言われておりますけども、私は前の決算委員会でも言いましたが、それを言われるんでしたら、今1万人以上を超える、大阪市でテントどころか路上にいる人、この方々は1年間に約 200人の方が、そういった方が中心に命をなくしてるわけですね。これに対する手当てはどうなるんかと、緊急性といえば、そちらの方が緊急性があるのではないかというふうに反論もしたいと思っております。

 補正予算の計上が行われて、ちょっと不安定な部分というか、性格が成り立ちにくい部分があるというのは、それは予算というものはそういうもので、残ればそれはそういった形で処理をすればいいわけであって、だからこそこの新規の事業については今言った手続、建てるということについては確かに多数で決まっておりますけども、どのようなものを、どのような予算で決めるか、これは全く別の性格であり、審議が必要なものだというのは、これは皆さん、大阪市の当局の方であれば当然のことではないかと私は思っているところです。これについては一切答弁がなかったと思います。

 これについて、時間のこともありますので、続きまして財政局を指揮監督されると、多分これは専決処分だというふうに私は財政局の方思ってますけども、その指揮監督される立場の助役、先ほども言いましたが、きょうは市長の代理ということで、大阪市民の目線に立って、わかりやすいような答弁の方をお願いいたします。

◎土崎助役 ただいま稲森財務課長から答弁をさせていただきましたが、私も全く稲森財務課長と同じ答弁になろうかと思いますので、委員には御不満であるかもわかりませんが、今一度整理をしてみたいと思います。

 予備費の補充につきましては、先ほども課長から御説明いたしましたように、予算外支出や予算超過の支出に対応するため地方自治法に規定された一つの有効な手段でございます。年度途中の予算措置は予備費や補正予算で対応することとなるわけでございますけども、本件につきましては、先ほども御答弁申し上げたように、9月27日に本会議で議決されました長居公園の適正化対策に関する決議におきましても、早期着工が求められているところでございました。さらに、長居公園の適正管理につきましても、地域住民の方々の切実な要望が一方でもございました。

 それと、先ほども財務課長から答弁しましたように、寒い冬に向かいつつある中で、野宿生活をされている皆さん方、一刻も早く温かい居住環境をということで、仮設ではございますけども、宿泊所を整備するべきではないのかなという、ある種人道的な立場のこともございました。

 そういう状況の中で、緊急性でありますとか、あるいはその時点での財源のめど等を考慮いたしますと、予備費補充によります早期な事業執行が適切であるというふうに考えたわけでございます。

 一方で、議会軽視であるとかというお話ではございますが、市会との関係で申し上げますならば、実際に事業を進めるに当たりましては、市民生活にも密着するということでもございますので、建設港湾委員会でありますとか、あるいは民生保健委員会での質疑、これはたしか9月25日だったかと思いますが、がございましたし、またプレス発表を1030日に行いまして、これは野宿生活者対策推進本部としてのプレス発表だったかと思いますが、そういうものを通じまして適宜、市会を初め関係方面に御説明を申し上げながら進めているところでもございますので、予備費充当につきましては私どもは妥当であったというふうに思っております。

◆江川繁委員 先ほどと同じで、全く私が述べていることに対する答えになってないと申し添えておきます。

 それから、余り議論するつもりはないですから簡単に言いますが、周辺住民の方は署名でいえば3万人を超える署名が集められて、本当に理解や疑問が沸き起こっている、あるいは批判がある、とりわけこの10億円はむだ遣いじゃないかとか、いろんな中でこういったことが行われたということと、もう一つは、先ほど言われた民保委員会や建港委員会あるいは1030日のプレス発表もそうですけども、私も傍聴もしましたのであれですが、ここでは一切、予算措置についての論議はされておりません。そういう意味でも、今からでも中断して直ちに補正予算として計上して審議を行うよう強く要請いたします。

 次に、この件は先ほども言いましたし、御承知のとおり、新聞やテレビでも大々的に報道され、この10億円の予算措置も含めて重大な市民の関心事となっております。

 そこで、予備費として計上したためか、この主な予算の内容の項目について、私は個人的に少し聞きましたけども、大多数の市民や市民の代表であるここにいらっしゃる各委員に、書類も含めて説明をどのようにされたのか、ほとんど知らされてないと私は思ってるんですが、この件について、担当の方、お答え願います。

◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 先ほど来の御質問でございますけれども、9月25日の建設港湾委員会及び民生保健委員会におきまして、施設整備費及び施設運営費等につきましては、3年間で約10億円かかると見込んでおり、今年度分の処理につきましては、予備費充当も含め財政当局と調整の上、検討させていただきたいというところで議題に上げさせていただきました。

 そして、先ほどの予備費でございますけども、本年度の所要額、長居公園の仮設一時避難所の整備費といたしまして、樹木移設費といたしまして7,500万円、地盤整備費といたしまして8,600万円、建物等の提供費として3,100万円、そして設計監理費といたしまして800万円、計2億円をお願いしているところでございます。

 その詳細でございますけども、樹木移設の7,500万円の内訳は、仮設一時避難所の整備用地は長居公園の植物園内にございますので、長年育ててきました樹木を伐採することはできませんので、公園内に移植したり、仮設一時避難所の外周に植えかえたりする予定でございます。その数と移植費用は幹回り20から30センチの樹木が約200本で約4,400万円、5センチから20センチの樹木が約250本で2,750万円でございます。その他樹木の調査費、整備場所の測量費等で7,500万円を計上いたしました。

 次に、地盤整備費の8,600万円ですが、仮設一時避難所の整備場所5,400平方メートルの整地費が7,770万円と外周さくの設置費830万円でございます。

 次に、建物等の提供費が3,100万円でございます。その使途内容は、組み立てユニットの提供費、電気給排水設備等の提供費、トイレ・シャワー施設、ベッド等の建物附属あるいは調度品の提供費でございます。いずれも3年間のリースでございます。

 設計監理費は基本設計費、実施設計費、工事監理費、建築確認費、申請費、完了検査費といたしまして800万円といたしまして、合計約2億円となっております。

 くれぐれも申し上げますけれども、9月の建設港湾委員会及び民生保健委員会にお諮りして了承を得ているところでございます。以上でございます。

◆江川繁委員 詳細については今初めて聞きましたけどもね、先ほど言いましたように、建設港湾委員会及び民生保健委員会で9月のときは、先ほど言いましたように、もう一遍事実確認しますけどね、約10億円、予備費を含めて、先ほどの7月からの説明でも約10億円とありましたけどね、それだけの提示ではなかったんですか。概略の今の内訳も含めて、いつ提示されたかということについて先ほど聞いたわけですけど、もう一度お答え願います。

◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 中身の提示はそのときいたしておりませんけれども、委員の質問で、私どもの担当課の方から答えております。

◆江川繁委員 だから、先ほども言ったように、個人的に私は概略についてちょっと聞きましたと。しかし、ほかのね、各市民の代表である議員や、あるいは市民に対してどういった提示、説明をされたかということについて問いただしているわけであります。

 きょう市長いませんけども、市長のことしの年頭あいさつにあったと思いますけども、いわゆる最も大切なこととして、市長いませんけども、情報開示(ディスクロージャー)、説明責任(アカウンタビリティー)、この2つ、これについては大変大事だと。多分皆さん聞かれたんじゃないんですか。全くこれを放棄した怠慢行政そのものではないですか。議会軽視、あるまじき事態、これについて再度、助役、もう一度答弁お願いします。

◎土崎助役 決算と違いまして、予算は予算委員会というような特別委員会はございません。したがいまして、各常任委員会において御審議を賜っているということになっておろうかと思います。

 先ほど、花と緑の推進本部の主幹から御答弁申し上げましたように、9月25日の建設港湾委員会におきまして、確かに提案はしてないという事実はあろうかと思いますが、質疑の過程で、今答弁申し上げたような中身で御説明を申し上げておるわけでございます。したがいまして、決して議会軽視をしているということではないと思います。これはもう皆さん方、すべてがそういうふうに思っていただけるのではないのかなと思います。

 したがいまして、市長の年頭のあいさつの中のこともおっしゃいましたが、情報開示はその場でもされておりますし、説明責任につきましても、これからも我々、引き続き説明をさせていただきたいというふうに思っております。

◆江川繁委員 これで最後にしますので、あれですけども、るる私が説明しましたように、一般予算ではこういった形で詳しく提示がされるわけですね。また、補正予算であっても、当局、あなた方から当然提示がされると。ところが、質疑の中で約10億円、予備費を含めて検討してるというようなね、そんなものがね、予算の審議にふさわしいものかということで、私は大きく問題にしているところであります。

 本当に今大きな関心事となっているこのことについて、市民の目線から理解できるよう、再度、補正予算として計上して審議するよう、また予算の内容、細目まで説明責任を大阪市として引き続き果たすよう、強く要請してこの件について私の質疑を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。