【 平成12年11・12月定例会常任委員会(民生保健)-11月07日−01号 】
◆山中智子委員 私は陳情第74号にかかわって、若干質疑をさせていただきたいというふうに思います。
この陳情第74号は、表題は大阪市立更生相談所−−市更相の日常業務改善についての陳情書というふうになっていますけれども、陳情の趣旨ですとか項目を見ますと、今大阪市は先日から長居公園の問題でずっと質疑も行われているように、全市的にも1万人を超える野宿者の方がおられるという状況、その中で生活保護というものがどんな役割を今果たしているのか、そしてこれから果たしていかなければならないのかということと同時に、私どもの地元でも生活保護を適用されること、あるいは継続してもらうことというのは非常に困難なことだっていうのが相当常識になっているという、そんな経験も踏まえながら、この趣旨には私自身もぜひ賛成をしたいですし、皆さんにも賛成をしていただきたいという立場で幾つかお聞きをしたいというふうに思います。
まず、この陳情趣旨の中でせっかく、せっかくというのも変な言い方ですけれども、野宿生活を送っておられた方が体を壊されたりという形で入院をして、そこで保護を受けたと。ところがここにありますように、こう書いてあるんです。退院後は、保護を一方的に廃止され、野宿生活を再び余儀なくされる労働者が後を絶ちませんと、こういう趣旨の中で述べられているわけですけれども。これがもし本当だとすれば、今全市を挙げて野宿生活者を何とか減らしていこうと、長居公園には10億ものお金をかけて一時避難所をつくるということもしながら、その一方でせっかく保護の被保護者となった人を退院だからといって一方的に保護を打ち切ると。こういうことがもし本当に行われているのだとすれば、再び野宿者をつくるための生活保護、これは大変問題なことだと思うんですけれども、こういう事実はあるのでしょうか。
◎堀田民生局総務部保護課長 お答え申し上げます。
更生相談所についてのお尋ねでございます。あいりん地域におきましては、単身の日雇い労働者の方々約2万1,000人の方々が居住しておられます。そして、そういう方々は日々日雇い労働や、そしてまた飯場等に入る期間雇用などによりまして職を得、そしてその中で収入を得て生活しているところでございます。
あいりん地域内の中には簡易宿泊所等多々あるわけでございますが、そこで宿泊し、日々の生活を送っているというのがあいりんの地域特性でございます。
また、このあいりんの中には西成労働センターというのがありまして、日々日雇い労働に対する就労あっせん等行っておりまして、常に新しい求人が発生し、そしてまた繰り返し求人に応じているということで、その日雇い労働者の方々も日々生活を送っているところでございます。
こういった地域特性もある中で、疾病などによりまして急に要保護状態に陥るという、いわゆる急迫的な状況になる場合もあります。このような方々につきまして、更生相談所におきましてはおよそ1日当たり100件以上超しますが、各種の相談に対応しているところでございます。
そしてまた、今申し上げたような日々の生活を送っている方々が多く居住しておられます中で、相談者の方で真に保護が必要な方、こういう方につきましては即座に保護を決定する必要がございます。こういうような方々につきましては、施設への入所、そしてまた医療機関への入院措置など、御本人の実態に即しまして必要な保護を行っているところでございます。
また、退院が可能な状況になってまいったときにつきましては、引き続き療養や生活指導、こういうのが必要な方につきましては施設への入所により保護を行っておるところでございます。そしてまた、退院が可能となり、そして居宅への生活移行も可能であると、そういう力を回復されている方につきましては、まだ数は少ないですが敷金を支給し、居宅保護への移行も行っている事例もあるところでございます。
しかしながら、何らかの御本人の理由等々の中で、療養途中で自己退院をされる方や、また医師の御努力によりまして治療の結果等々から病状が十分に軽快し、その上で退院となった場合、就労に戻られるときや働ける状況のときなど、保護は廃止となるところでございます。
いずれにいたしましても、個々の方々の状況に応じまして、あいりん地域の特性を踏まえ、保護の運用に当たってまいりたいと、そういうふうに考えておるところでございます。よろしくお願い申し上げます。
◆山中智子委員 そうすると、確認をさせていただきたいんですけれども。例えば私がというのはおかしいですけれども、市更相に相談に行って入院をしたと、保護の適用を受けたと。入院加療の結果、軽快をして医師ももう退院をしてもいいですよとなったと。その場合、そうしましたら私があしたから入院、病院生活ではなく、アパートを借りるなどして暮らしたいと、今までどおり保護を継続してほしいというふうに希望をして、体調などが軽快十分していて、それでまあいいというふうに実施機関が認めるものであれば、そういう方向で暮らしていけるというふうに解釈をしていいわけですね。退院をするときに保護を打ち切られるのではないかという心配を、これから被保護者の方たちがもうする必要はないという、そういう解釈でよろしいでしょうか。
◎堀田民生局総務部保護課長 お答え申し上げます。
生活保護につきまして、個々の方々のそれぞれの身体状況等に基づき、どのような保護が必要であるかということについて判断していっているところでございます。例えの話でありますが、委員ということでしたので非常にイメージ的に申し上げにくいところがあるわけでございますが。
先ほど申し上げましたように、大阪市立更生相談所におきましては日々日雇い労働等に従事なさって、日々雇用の中で生活をなさっている方々が多くございます。そういう方で退院が可能となり、その後なお就労に復帰できない状況、お年であるとか、なお通院加療が必要等々、そういうそれぞれの方々の事情は違いますが、そういうことを十分勘案しまして、施設への保護の移行、またケースによりましてはアパートへの移行ということもございます。
ただ、この経過の中で御本人が療養中断をなさるとか、そういうようなことがある場合、そしてまた仕事ができる状況にある場合、そういうことにつきましては保護の必要性については慎重な判断をしていかざるを得ない、そういうように考えるところでございます。
◆山中智子委員 ちょっと待ってください。それ、おかしいんではないかと思うんですけれども。生活保護法では、保護の中断について考える、中断というか、保護を打ち切る、廃止をするという場合、生活保護法であれ、実施要領であれ、はっきりとこういう場合に廃止ができるというふうになっていると思うんですが、今の堀田課長の御答弁であると、退院をするときに就労できる、高齢であるとか、障害があるとかいうことがなくって、あるいは通院しないといけないとかいうことがなくって、就労できるかどうか、そういうことを見きわめて保護を継続するかどうかを決めるという、そういう御答弁だったと思うんですけれども。
生活保護法あるいは実施要領、厚生省援護局などが出している実施要領では、そんなふうにはなっていないと思うんです。生活保護を廃止できる、どういう場合か。時間があれですので私の方から言わせていただきますと、これ局長通達ですけれども、保護を廃止すべき場合というのは当該世帯における定期収入の恒常的な増加、最低生活費の恒常的な減少等により、以後特別な事由が生じない限り保護を再開する必要がないと認められるとき、もう一つは当該世帯における収入の臨時的な増加、最低生活費の臨時的な減少等により、以後おおむね6カ月を超えて保護を要しない状態が継続すると認められるとき、このときに廃止するというふうに局長通達ですか、なっていると思うんですが。
先ほどの御答弁ですと、退院をしたと、この人は軽快して元気になったと、収入が一体どれぐらい入るのかも何の見通しもない、認定もしないままに保護を打ち切ることもありますよという、そういう御答弁だったと思うんですが、それは許されるのか。私は許されないと思うんですけれども。その辺、いかがでしょうか。
◎堀田民生局総務部保護課長 お答え申し上げます。
退院に際しまして、先ほど申し上げましたように、更生相談所において御相談にお預かりいたしておりますのは、あいりん地域の中で住居のない要援護者の方々を対象として保護を行っているところでございます。そういう方々は、先ほども申し上げましたとおり、あいりん地域の中には労働センターを中心といたしまして日本最大の日雇い労働市場が現実機能をし、あるわけでございます。
ここの労働市場の中では、主として建設産業を中心に多くの日々の雇用求人が出されておるところでございます。その中でも、例えば非常に重労働、そしてまた水まきとかくぎ抜きというような、非常に軽易な作業まで含め、各種の求人がなされておるところでございます。
そしてまた、1日当たりの賃金につきましては、いわゆる一般の労務につきましては、基準としては1万3,500円が明示されているところでございます。最近の不況の中で若干の値崩れというのが生じておるところではありますが、約1万円ないし1万1,000円程度の労働に対する対価が支払われるという状況がございます。
それと、保護の要件につきまして、当然のことながら生活保護の中で自己が保有する能力を最大限活用し、なおその不足する分がということになっております。そういう観点からも、その方が稼働できる能力をその時点でお持ちである場合、申し上げましたような日雇い労働市場との関連から考えてまいったところ、本人の年齢、健康状態、そして稼働能力、雇用状況等、十分に参考にし、保護の要否を判断していくことが地域の実態、そしてその方の状況からも重要なことであると、そういうふうに考えておるところでございます。よろしくお願い申し上げます。
◆山中智子委員 西成という、釜ケ崎という地域だから、寄せ場に行けば仕事があるんだからということだと思うんですが、それが昨年、これ99年度ですね。大阪市が委嘱をして行った野宿生活者の聞き取り調査の中でも、はっきりこういうふうに書かれているわけですよね。
調査をした結果として、大阪市内で野宿をしている人々の中には、ちょっと長くなりますけれども、多数の釜ケ崎の現役あるいは元日雇い労働者が含まれている、現役も含まれている。釜ケ崎における仕事の減少によって多くの日雇い労働者が失業し、野宿生活を余儀なくされているのである。後に見るように、今回の調査対象者に関して言えば、全体の57.9%は釜ケ崎での就労経験がある現役、あるいは元日雇い労働者である。
このように、野宿生活者の多くが釜ケ崎の日雇い労働者であるにもかかわらず、現在日雇い労働に従事している野宿生活者は49人、9.1%、極めて少ない。これも後に見るように、現在も釜ケ崎で仕事を探し、そして今後も釜ケ崎で仕事をしながら生活していきたいと考えている人は決して少なくはないにもかかわらず、実際に釜ケ崎で日雇い仕事につけている人はごく少数なのである。これは大阪市が委嘱をして行った調査の結果なわけです。はっきりあらわれています。
先ほど寄せ場に行けば仕事があるんだから、退院をしたら、つまりその翌日から仕事を探しに行って、値崩れしているとはいえ1万3,000円から4,000円、5,000円というお金もらえるわけだから、それを活用して働けということだったけれども、現実はそんなものではないということは御承知のとおりだと思うんです。実際に55歳を超えたら、もうあそこの寄せ場に行ったってほとんど仕事がないというのは皆さん方おっしゃっているわけです。そりゃそうですよ。単純作業がたくさんあるって言ったって、私たちいろんなところで見る単純作業をしている人たち、若い人物すごい多いですよね。
聞くところによりますと、携帯電話のメールでこういう仕事がきょうはあるよというのが飛んできて、メールでぱっぱっと答えたら「はい、だれとだれとだれとどこに集まって」って、ぱっと連れて行かれて、しかもそれは残念ながら1万3,000円どころか7,000円、8,000円で働く青年たちがそういうところにどっと押し寄せているわけですよ。だから、釜ケ崎で55歳超えた人たちが寄せ場に行ったからっていって、それで仕事できて、しかも1日1万3,000円とか1万4,000円という収入を得られるんだと。そういう前提のもとに立って、その持っているものを有効に活用するのが生活保護だから、自己が保有する力を活用するのが生活保護だから、だからこれを打ち切るんだと。これは現実にも目をつぶり、しかも生活保護法をも全く踏みにじる、違反をする、そういう姿勢だというふうに思います。
先ほどの調査に戻りますけども、これによっても野宿生活をしておられる方たちの8割は何らかの仕事をしているというふうに答えておられるわけでしょ。段ボールを何十キロも自転車に乗せて持っていくとか、空き缶をこんなに山のように積んで走っておられる方は皆さん毎日のようにごらんになると思うんです。
私、先日、鶴見のリサイクル選別センターに行かせていただきましたが、アルミ缶なんて全然ないですよね、阿部課長。ほとんどスチール缶になってしまってて、本当にどれだけ野宿生活者の方たちが一生懸命、たとえわずかでもいいから自分の体を使って仕事をしようとしているかというのは知っておられると思うんです。それをしても、なおかつ生活ができない人に対して生活保護を適用してはならんと、そんな法律ではないわけでしょ、生活保護というものは。生活保護法を踏みにじってあなたたちは退院をしていく野宿生活者の人たちに保護を打ち切っていっているわけです。
しかも、それはこの間、毎年毎年そういう形で保護を廃止された人が大阪府に対して不服審査申請を行って、大阪府も件数としてはわずかではありますけれども、大阪市が働けるんだからという、それだけの理由で打ち切ったというのは間違いだという、そういう裁決出しているわけです。そういう最低の上に立ってもなおかつ、あいりん地区だけは、釜ケ崎の地域だけは、各区の福祉事務所でも実際には行われていることですが、釜ケ崎だけは寄せ場があるから、退院したらその日に保護を打ち切ってもいいという、こういう姿勢を崩さないというのは最低にも違反する、生活保護法にも。
しかも、生活保護法は第2条で無差別平等をうたっているわけですから。釜ケ崎の地域だから特別いいんだと、そんなことにはならない、無差別平等の原則も踏みにじる。もう本当に、何に基づいて仕事をしているんだというふうに言われても仕方がないようなことが行われているわけです。この数年間、いろんな形で改善されてきてることは承知をしていますけれども、何としても退院をしたことがそのまま生活保護の打ち切りに結びつくようなことは絶対にしないという、そういうお約束をこの機会に、この陳情にこたえるという意味でしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
◎堀田民生局総務部保護課長 まず、最近のあいりんにおきます就労状況等についてお答え申し上げたいと、そういうように思います。
委員先ほどおっしゃいましたように、確かあの調査は平成11年度調査であったかと記憶しておりますが、11年度と比較いたしまして、本年の9月状況の中では日々の現金による雇用件数というのが、平均ではありますが3,293件、約3,300件と相なっている次第でございます。これはあっせんの方が労働センターにおいでになり、そして声がけの後、現場の方へ送り込んでいっているという数でございまして、そのほかといたしまして期間雇用、飯場に入るような方々でございます。それとか、業者さんとの関係の中で直接現場へ行く、直行なさる方々、その他周辺でセンターを通じずに実態的に青空市場の中で行われているようなこと等々含めまして、10月30日では3,400を超えておりますが、こういう状況というのは大変改善された状況であります。
ちなみに11年の同月10月では、平均2,400件という程度でございまして、そういう中でかなりの回復が図られておるところでございます。まず一点、それを申し上げておきたいと、そういうように考えます。
それと、更生相談所では退院に際しましてどのような判定とか、手続の中でいろんな今後の処遇について検討しているかということについてでありますけども、更生相談所におきましては、退院の場合、一般的な手順といたしまして、入院先の医療機関から退院が可能と、そういうような連絡があった場合、医師の診断等に基づきましてケースワーカーが面接等を行い、その上で施設入所の必要があるかないか、そういうことについて判断しておるところでございます。その結果によりまして、施設入所による保護が必要であると、そういうふうに判断された場合、御本人の身体の状況、生活の状況等々、いろいろ勘案しまして、その方に適切な、対応できた施設の方へ入所をいただいているわけで、そういうことで保護の継続をしているところでございます。
また、A病院を退院してきたけども、どうかというようなお体の状況の方もおられることも事実でございます。そういう場合、本人の身体状況、病状によりましては他の専門病院への転院ということも行われているところでございます。
しかしながら、本人が自己退院し行方不明になった、そういうことや、また病気が治癒した結果、仕事につけるというようなことになりましたときには、当然のことながら保護の廃止を行っているところでございます。
いずれにしましても、個々の状態に応じました適正な保護の推進に努めてまいりたいと、そういうふうに考える次第でございます。よろしくお願い申し上げます。
◆山中智子委員 平成11年が2,400だったものが、ことしの9月で3,400になったと、そしたらそれで釜ケ崎で仕事を求めていかれる方たちが全員仕事につけるわけですか。
◎堀田民生局総務部保護課長 このお話につきまして、まず一番肝要な部分として私ども考えておりますのは、日雇い労働であるということ、そしてまた屋外作業であるということ、そしてその作業内容がいろんな種類は当然ございますが、多くは肉体労働であり、かなり1日単位での、私どものような事務職をやっているような人間に比較しますと体力の消耗度というのも格段に違うところでございます。こういうのが実態としてまずベースにあります。
その上で、現在あいりんにおきます白手帳、日雇い労働者の雇用保険関係の手帳でありますが、これが約1万4,000件ぐらい登録されているところでございます。こういう方々が、日々自分の肉体状況、そしてまた当然経済状況等を勘案しながら就労の求職に行っているわけでございます。
そういうところから、通常私どもは約2万人、もしくは2万1,000人の日雇い労働者があいりん及びその周辺にお住まいであり、労働センターを活用しているというふうに認識しているところでございますが、1日に例えば先ほど申し上げましたような日雇いの日々現金の方が3,400件であるからといって、残りの2万1,000人から引かれた約1万8,000人ぐらいの方が仕事につけない状況であるということは、それはいかがなものかと、そういうふうに考えるところでございます。
いずれにしましても、日雇い労働であり、そして先ほど申し上げたような雇用形態の中で日々懸命に仕事につき、そして日々の生活を送っている方々の福祉の向上のため、私ども精いっぱいの努力をしてまいりたいと、そういうように考える次第でございます。よろしくお願いします。
◆山中智子委員 つまり、状況が先ほど堀田課長言われたように、若干好転しようが仕事にあぶれる人もいますよと、当然いますよと、そういうことだったと思うわけです。
生活保護法の話に戻る、戻るというか、生活保護法の話をしているわけですけれども、生活保護法で先ほど申しましたように生活保護を打ち切っていい、廃止にできるというのは、ですから恒常的に収入がふえた、あるいは恒常的に最低生活費が減るかどちらかで、この人は恐らく保護を再開することにはならないだろうと見通しが持てるか、少なくとも6カ月は保護を再開する必要がないなということを見届けられたと。このときに保護を廃止できるんだと、これが生活保護法及び厚生省の実施要領だと、それはよろしいですね。
◎堀田民生局総務部保護課長 生活保護の廃止につきましては、当然のことながらその世帯、もしくは単身の場合でしたらその方の身体の状況、そして稼働能力の状況、そしてまた資産の状況、また扶養義務者の状況、それらすべからくのことをその人にとって今どういうような形で活用できるか、そういうことを十分勘案して保護の要否を判定していくことは当然のことかと、そういうふうに考えております。
◆山中智子委員 それも法の逸脱で、ここはっきりとちゃんと厚生省が指導、通達を出しているとおり、廃止に関してはやらなければならないと思うわけですが。退院をしたその次の日に保護を打ち切られた人が、じゃあ何によって生計を立てていくんですか。
◎堀田民生局総務部保護課長 就労できる身体状況があり、そしてそこに求人、求職あっせんをしておる公的な労働センターがあり、そこに健全な労働市場があるわけでございます。そしてまた、そこでの提供されております仕事の種類、非常に多種多様にわたっているところでありまして、そういう状況を十分御活用いただける中でその生活が成り立つ、そういうふうに考えるところでございます。
まさにこれは、あいりん地域における地域としての特性、そして日雇い労働に従事されてこられた方々の日々の生活の手法といいますんでしょうか、そういうような関係の中からも十分期待でき、そして御活用願いたいところでございます。以上でございます。
◆山中智子委員 先ほども言いました、生活保護法の第1条から第4条というのは、生活保護の運用の中でも一番尊重されないといけない基本理念の問題です。その第2条が無差別平等をうたっていると。すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を、無差別平等に受けることができると、はっきりうたっているわけです。あいりん地区だから打ち切ってもいい、あいりん地区でなければ打ち切らないと、こんなことがどうして許されているんですか。
◎堀田民生局総務部保護課長 生活保護法の第2条につきまして、委員おっしゃるとおり、無差別平等がうたわれているところでございます。そしてまた、第4条におきまして保護の補足性ということで、先ほど平たい言葉で私申し上げておりますが、その御本人がお持ちのすべての力を活用した上でということになっております。
そういうことから、適正な法の推進に努めているところでございます。よろしくお願い申し上げます。
◆山中智子委員 補足性は、働ける可能性がある人については保護を打ち切らなければならないなんて、そんなことを書いているものでは全くないはずです。そんな勝手な解釈をして本市で生活保護行政が行われているということは、非常に市民にとって大きな問題だというふうに思います。
理屈っぽい話になりますけれども、この今行われている生活保護法を当時つくった立法者の思いというのがずっとあるわけですけれども。その中でもこの第4条の補足性というのは、まさに今、堀田課長が言われたような形で生活保護がいたずらに廃止されたり、停止されたりすることがないようにということで、わざわざ載せているというのが立法した人たちの思いなわけですよ。
立法した方の……。しかも真っすぐに、普通に読めば第4条は確かに「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる」と。しかし、ただし書きとして、しかし、「急迫した事由がある場合に、必要な保護を行うことを妨げるものではない。」と、わざわざこういうふうに書いているわけです。
しかも、第4条を素直に読んだって、きょう退院をしました人があしたの朝4時や5時に寄せ場に行って仕事をもらえるから、もらえる人に関しては打ち切らないといけないと、そんなふうには第4条まともに読んでも読めない上に、はっきりただし書きで急迫した事由がある場合に必要な保護を行うことを妨げるものではないとまで、変な解釈されないように御丁寧にただし書きが入れられているわけです。
生活保護を打ち切る場合、一般的にはどうしますか。例えば、あいりんに限らず、あいりんではないところで入院をしてたと、その人が退院をすると、その場合どんな手続で生活保護打ち切りを決めていかれるでしょうか
◎堀田民生局総務部保護課長 先ほどの運用と解釈につきまして、厚生省の保護課長でありました小山進次郎様のことを指しているのかと、そういうふうに理解しております。
補足性の原理につきまして、まさにここに書かれておられ、そして委員が述べていただきましたように、その利用し得る資産、能力、その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる、そういうようになっております。もちろん、ただし書きの中で急迫した事由がある場合、必要な保護を行うことを妨げるものではないということもうたわれておるところでございます。
これは当然のことでありまして、先ほど申し上げましたように、更生相談所におきましては突然の病気、その他種々の理由によりまして急な急迫状況に陥る場合が多々ございます。そういう方に対しまして、更生相談所としてその方に応じた各種の相談、そしてまたサービスの内容、それぞれをその方の状況に対応できるようやっておるところでございます。
ちなみに、平成11年度生活保護施設への入所者というのが約880人ございます。そしてまた、一般病院、この中には結核も含まれますが、約1,020人強あるわけでございます。また、その他の病院への措置も行っておるところでございます。それとあわせまして、軽易な傷病等につきましては、地元にあります社会医療センターという無料低額診療事業を活用する紹介を行う、そういうことや、また地元にありますが生活ケアセンターというショートステイを基本としました最長2週間ではございますが、そういう施設へのあっせんといいますか、紹介も行っているところでございます。
そして、保護の廃止につきましては、当然のことながらその方が治療を要することがなくなった、そしてまた仕事ができる状況になっている、そういうことを踏まえた上での要否の判定を行っているというのは当然のことでございます。よろしくお願い申し上げます。
◆山中智子委員 ですから、仕事ができる状況になっているという、それだけで保護の廃止が行われていいんですかということを先ほどからお聞きしているんです。収入認定もしないで、そんなことがいいんですかってお聞きしているんです。どうしていいんですか。
◎堀田民生局総務部保護課長 その方にとりまして就労できる能力と、そしてその機会が非常に身近なところにある状況の中で、その方の最大限の能力を活用していただくということにつきましては当然のことかと、そういうふうに考えております。以上でございます。
◆山中智子委員 繰り返しますけれども、生活保護を廃止できるのは、もうこれでまた生活保護を受けたいといって来るようなことはないかなという状態になったか、あるいは非常に臨時的な収入の増か、臨時的な支出の減があって6カ月は大丈夫になったか、生活保護法に基づいて仕事をしていただくのであれば、その場合しかないわけです。
しかも、仕事ができるようになったからといって、じゃあ生活保護基準以上の収入を得られているのかどうか、そういうことも全然見きわめないで仕事ができる可能性があると、それだけのことで保護を打ち切ることがどうして許されるのかということをお聞きしているんです。
◎堀田民生局総務部保護課長 それぞれの方々の状態に応じまして、適正な保護の実施に努めているところでございます。引き続きよろしくお願い申し上げます。
◆山中智子委員 堀田課長、何に基づいて仕事をなさっているのかってお聞きしているんですよ。生活保護法は先ほどから言ってますけど、無差別平等を基本理念にうたっているわけです。この人はもうあしたから生きられるだろうなんて見きわめ勝手にして、保護を打ち切ってはいけないと。しかも、これがどこどこでは受けやすくて、どこどこでは受けにくいなんてものでは絶対あってはいかんから、憲法25条の最低限度の生活を送るという、基本的人権にかかわるこれは法律だからこそ機関委任事務であったし、今も法定受託事務として行われているわけですよ。それが勝手に厚生省のことも、府のことも全部無視して、大阪市が、しかも釜ケ崎の地域にだけ全く違うものを適用していると、こんなことがどうして許されるのかということを私はお聞きしているんです。今何をしておられるか聞いてるんじゃなくて、どうして何を根拠にそんなことが許されると思っているのかをお聞きしているんです。
◎堀田民生局総務部保護課長 私ども保護課でございます。生活保護に基づく業務の実施を行っているところでございます。そしてまた、急な病気などによりまして、保護の必要な方につきましては、先ほど申し上げたような形で非常に短時間のうちに保護の要否を大胆に判断し、そして必要な保護を行っておるところでございます。
また、施設に入った後やまた退院の後に施設への移行、そしてまた施設から十分地域社会での単身における日常生活ができるような力が回復された、そういう方々につきましては、更生相談所を含めまして施設から地域のアパート等への敷金を扶助して移行もしているところでございます。
このような形の中で、本市の生活保護行政の適正な運営に努めてまいりたいと、そういうふうに考えるところでございます。以上でございます。
◆山中智子委員 そしたら確認しますけれども。生活保護法に基づいて仕事をしておられるとおっしゃるのであれば、とにかく釜ケ崎であれ、どこであれ、退院をすることによって収入認定も何もなしに保護を打ち切るということは、これからはないと、なさらないと、そういうふうに解釈をしてよろしいですか。
◎堀田民生局総務部保護課長 先ほど来るる申し上げておりますのは、あいりんという地域の中で仕事をしております更生相談所についての御質問でございましたので、主としてあいりん地域をベースにしたお話をさせていただいてきたところでございます。
もちろん、私ども大阪市内全域の24の福祉事務所、そして先ほどから出ております更生相談所を含めて25の実施機関の中で適正な保護の運営に当たっているところでございます。一概に退院をしたからといって、すべての人を保護を継続するということにつきましては、それは現実的な問題としまして、それぞれ個々の方々の状況を十分観察し、また勘案し、その中で保護の要否を考えていくのが当然のことかと、そういうふうに考える次第でございます。よろしくお願い申し上げます。
◆山中智子委員 その場合、収入認定ちゃんとなさるわけですね、勘案するという中には。それ入りますか、収入認定。
◎堀田民生局総務部保護課長 その方の生活全体をとらまえまして、補足性の原理の中から、その方がお持ちの最大限の能力を活用していただいた上でなお保護が必要であるか否か、その辺を十分勘案してまいりたいと、そういうように考える次第でございます。よろしくお願いします
◆山中智子委員 客観的に行っていただこうと思えば、ほかで行われているのと同じようにきちんと収入認定を行う、そしてもう一度多分この人はまた生活保護来られるなとか、野宿に戻られるなと思いながら打ち切るのではなくって、もう生活保護は恐らく適用しなくて済むだろうと思える、あるいは6カ月は大丈夫だろうと思えるというところで打ち切るというのが筋道だと。もう時間がありませんので、これ以上申し上げるわけにいきませんけれども。
今の堀田課長の御答弁のもとで行われている生活保護行政というのは、釜ケ崎を初め、またそこからずっと広がっていってる野宿者をなくすどころかふやしていると言われても仕方がないんだということ。そして、生活保護法をもう二重にも三重にも踏みにじって、同じ要保護者を差別をして、せっかく入院をして健康を取り戻した人がまた野宿に戻っていくと、こういうことを繰り返させるようなことを行っているとあえて言わせていただいて、この陳情をぜひ採択していただくように要望をして、質問を終わります。
◎寺川民生局長 長居公園の適正化のための仮設一時避難所の整備につきまして、御報告させていただきます。
長居公園の野宿生活者によるテント・小屋がけは、この2年間で約3倍に増加しており、地域住民の皆様から一日も早く長居公園を快適に利用できる公園にしてほしいとの切実な声にこたえるとともに、公園内の野宿生活者の自立支援を図るため、去る9月27日の市会本会議におきまして議決されました長居公園の適正化対策に関する決議の内容を踏まえまして、野宿生活者にとって特に厳しい時期である冬に間に合うよう、10月30日の大阪市野宿者生活者対策推進本部会議におきまして、長居公園適正化対策として公園内に仮設一時避難所を整備することを決定いたしたところでございます。
今後の日程といたしましては、11月中旬に仮設一時避難所の整備工事に着手し、12月中に施設を完成させて野宿生活者の入所を開始したいと考えております。
施設の概要といたしましては、宿舎棟、管理棟、共用棟合わせまして20棟の整備を予定しております。宿舎棟はプライバシーに配慮した構造とし、共用棟には自炊、洗濯、シャワー設備などを設けます。また、自転車置場や作業スペースなども設けてまいります。
仮設一時避難所の運営につきましては、社会福祉法人に委託いたしますが、委託先には本市職員を出向させ、責任ある運営に努めますとともに、関係機関及び地元関係団体等との連携を密にして事業に取り組んでまいりたいと考えております。
入所人員につきましては、10月16日から実施した長居公園の野宿生活者の実態調査を踏まえ、350人を予定いたしております。
仮設一時避難所の入所者は、今秋に市内で3カ所完成する自立支援センターへの入所や福祉、援護等の措置により順次縮小してまいりますので、仮設一時避難所の規模もそれに合わせて縮小し、必ず3年以内に廃止したいと考えております。
なお、大阪市野宿生活者対策推進本部といたしましては、今回の対策につきまして住吉区、東住吉区の皆様方に御理解を深めていただくため広報紙を編集し、去る11月1日に両区の各家庭に配布いたしたところでございます。以上、御報告申し上げます。
◆山本修子委員 ただいまの御説明に関係いたしまして、若干のお尋ねなり確認をさせていただきたいと思います。
今回の長居公園内における野宿生活者の仮設一時避難所、この計画が地元の皆さん方に説明され、今日に至るまで話し合いも続けていただきました。その間、大変な反発が出てまいりました。私自身も、地元の皆さん方、反対なさる方々の御意見も伺いもし、私の考え方も出し合いながら徐々に理解を深めていただいているというふうにも認識しておりますけれども、その根底にありますこれまでの大阪市行政のさまざまな問題も噴出してきたというふうに思います。
背景にありますその1つは、今日に至るまであれほどのテント・小屋がけ、これをふやしてしまったという、公園管理の問題。そして同時に、そういった野宿をせざるを得ない人々に対する相談窓口とか、救護体制、これが非常に不十分であったというようなことなどが浮かび上がってきたというふうに思います。
本日は建設にもかかわっておりますから、建設局の花と緑の推進本部の方からも来ていただいているかと思いますので、まずこの公園管理にかかわって若干確認をさせていただきたいというように思うところでございます。
今回の長居公園における取り組みが、単に長居公園内のテントをなくしていくということにとどまってはならないと思います。大阪市内全域にわたる青いテント・小屋がけがなくなる第一歩として取り組んでいただきたい。そのためには、これまで非常に不十分だったと思われます、例えば1つ、2つのテントが公園内にできてきた。住民の皆さん方はなぜそのときに公園管理者はここにはテントを張られへんで、何でここへテント張るんやというような、親身になった相談業務ができなかったんやということが根底にあるわけです。恐らくそれは不十分なままに今日まで推移してきたんだろうと思います。
やはり公園管理というのは、テントを張ったらあかんというだけでは済まないと思うんです。法的な不十分さというのもあったというふうにも聞いておりますが、その法的整備を図るのを待つまでもなく、公園管理の業務の一環として関係局、民生局とか環境保健局などの関係局ときちっと連携を密にして、困っている人たちがいたらその関係機関に結んでいく、つないでいくという、この道筋を確立するということが1つは大事であろうというように思いますので、今後公園管理者として、民生局あるいは環境保健局などの関係機関と十分連携をとって、大阪市内の公園にはテント・小屋がけは、これはやりたくてもできないというような状況を確立をしていただきたい、そういうふうに思うわけです。そういう姿勢について、1点目お伺いいたします。
◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。
公園管理者といたしましては、今回長居公園におきます適正化対策を講じることにより、園内のテント・小屋がけを一掃し、公園利用者が快適にかつ何の支障もなく利用できるようにしなければならないと考えております。そして、この長居公園の適正化対策が見本となり、市内の他の公園においてもテント・小屋がけを許さないようにしていかなければならないと考えております。
現に市内の公園を見ますと、テント・小屋がけが非常に多く散在しておりますが、これらの解消を図るために、長居公園と同様に仮設一時避難所の整備による方法もございますが、どの公園でもということにはなりませんので、委員御指摘のとおり、野宿生活者に対しまして入院とか、あるいは自立支援センターへの入所、生活保護、福祉等の措置を講じることによりましてテント・小屋がけを減らすことも可能であると思っております。そのためにも、日常のきめ細かい対応も必要であると認識しております。今後、民生局を初め、関係機関と密接な連携のもとに努力してまいります。以上でございます。
◆山本修子委員 今、その決意をお聞かせいただきましたので、ぜひただいまからそれをやっていただきたい。もうやってて当たり前のことなんですけれども、改めて私が聞くまでもなく。そこのところは不十分だったという点をきちっと反省もし、踏まえていただいて、今後、今鍵企画主幹がお答えになったような方向でのお取り組みを強化お願いしたいと思います。
それから、先ほどの御説明にございましたように、第1次の実態聞き取り調査が10月26日から始まりまして、その調査結果については一定私どもも資料をいただいております。まだまだこの一時避難所に入居を希望するという方は35人というふうに低うございますが、プライバシーへの配慮等があれば入所を考えてもよいという考慮中の方が196人、約2割の方が入所を希望しない。そして、約70テントほどが不在かあるいは長期不在か、不明ですか。まだ十分調査はできていないというようなことが報告をされております。
今後、さらにこれを調査、きめ細かく再度やっていただく中で、一時避難所への入所者数は確定していくであろうというように思うわけですが、これまでの10月26日以降からの今日に至るまでの取り組み、そしてそれ以後の今後の計画、それについてもう少しお話ください。
◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。
10月27日以降、今日まで不在者の46名でございますけれども、個別訪問、連絡票の投函による確認、そして新規設置の防止を目的といたしました巡回、特に11月3日、4日、5日の連休の巡回強化をしてまいりました。今後、11月13日から第1次実態聞き取り調査の後半の部分を開始する予定でございまして、調査の趣旨は個別面接により施設の内容を中心に説明し、入所案内と入所考慮中の者等への入所説得を行う。また、入所申請書の交付と受理の作業もこのときに行います。
11月下旬には、第1次聞き取り調査の後半の調査を終了したいと思っております。
さらに、12月上旬から第2次実態調査を行います。この調査の目的は、入所拒否者対策が中心でございまして、あわせて新規防止対策と空きテント・小屋がけ等の解体撤去をしていく計画でございます。
そしてさらに、12月下旬にかけまして個別訪問し、入所予定書を配布していく予定でございます。以上でございます。
◆山本修子委員 できる限り今入所を希望しておられない方、あるいはまだ考慮中の方のお気持ちなり、状態なりを詳しく聞いていただいて、そしてそれが強制に至らないように、今できる、今ある制度の範囲内でしか多分できないでしょうが、その制度を最大限有効に活用していただいて一定の措置をしていただくということを前提にした上でこの避難所設置の計画を立てていただきたいというように思うわけですが。
先ほどの説明並びにこの前にいただいた資料を見ますと、当初の予定面積、用地面積、それが今回の場合、かなり2倍近くに広がっているというふうに思います。当初、これは7月でしたか、いただいた用地面積は約2,500平米から3,000平米でございますが、今回は約5,400平米となっているということであります。人数が減っているのになぜこれだけ広く要るのかというのは、当然疑問として沸き起こってきますから、そのあたり詳しくお願いいたします。
◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。
当初、2,500平米から3,000平方メートルの計算をしておりました。その後、消防法とか、あるいは野宿生活者の環境、あるいは風通し等いろいろ考えまして、20棟建てる場合での最低面積が3,000平方メートルでございます。
ただ、私ども初め3メーターの鋼板塀で回りを囲うというふうな発表をいたしましたんですが、非常にあちらこちらの方からも反対の反響がございましたので、今回の計画は現在長居植物園の中にあります樹木をそのまま移植をなるべく少なくして、仮設一時避難所の中へ置いていこうということでございますんで、委員御指摘のとおり、更地でございましたら3,000とか3,500でいけるんでございますけれども、そういうふうに野宿生活者に対しても自然を、環境を持たしていこうと思ったもので、5,400平方メートルになった次第でございます。よろしくお願いいたします。
◆山本修子委員 確かに、更地にすることに対する住民の批判等がございますから、樹木はできるだけそのままにして、その宿泊棟等を建てていただくということは、それは多少面積が広くなってもいいことではないかなとは思いますけれども。
先ほども申し上げましたように、第2次調査、十分にきめ細かくやっていただく中で、さらに入院が必要な人とか、あるいは年齢が65歳を超えていて、とても自立支援センターに入っても就労は不可能だと思われる方もいらっしゃるだろうと思うんです。そういう場合は、その措置をしていただいて、できる限りこの前もお尋ねいたしましたが、その実態に即して縮小、見直しをしていただきたいということを再度確認をさせていただきたいと思いますが、いかがですか。
◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 先ほど寺川局長からも御報告ございましたが、今回の仮設一時避難所は約350人を予定しております。今後の実態調査結果によりましては、縮小、見直しを行ってまいりたいと思っております。
◆山本修子委員 次に、長居公園内に新しいテント、新しい野宿者、これはもう絶対ふやさないんだというのが当初の御説明でございましたね。私もぜひそれをやっていただきたいということで、公園内の見回りなどもやっていただいているというふうには聞いておりますが、その実態と合わせて公園内だけではなくて、周辺地域へのパトロールもこれやっていただきたいということ。
それから、私が10月の末にお尋ねした時点では、まだ夜間、土日は職員の皆さんによるパトロールができていないと、工事現場のガードマンの方にお願いしているんだというふうにも聞いておりましたが、それ以後、どのように改善されているかお尋ねをいたします。
◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。
長居公園のテント・小屋がけは、本年度に入ってから総数といたしましては減少傾向にございます。新たなテント・小屋がけも見られますけれども、仮設一時避難所の整備と並行いたしまして、テント・小屋がけの新規設置防止策も重要な課題であると考えております。
その対策といたしまして、10月28日土曜日から公園職員及びガードマンによる土日祝日も含めて24時間の巡回を行っております。昼間時は、職員とガードマンで約20名が公園内で実態調査と兼ねまして新規設置防止対策に対応し、夜間時は6名の体制で付近の地域及び園内の監視もしております。今後とも早期発見、速やかな指導に努めてまいりたいと思っております。以上でございます。
◆山本修子委員 そうすると、10月28日以降は新設のテント、あるいは新規の野宿者の方はいらっしゃらないというふうに確認させていただいてよろしいですね。
◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 10月28日から1つのテントも増はございません。
◆山本修子委員 ぜひ今後ともそういった取り組みを地域の皆さん方に見える形で一層拡充をしていただきたいと思います。
次に、11月1日に新聞折り込みで配布をしていただきました広報紙に、結核等の感染症対策について説明がございます。ここでは、入所後速やかに全員を対象として結核検診などを実施しますとありますが、地域の皆様方によりますと、野宿者の方とお話をされた方がいらっしゃいまして、結核にかかっている人がいるのにそういう人が避難所に入ったら自分も移ると、そんなん入られへんわというような声も聞いております。これ、入所してからではなくて、入所前に結核検診することは可能だと思うんですが、その辺どのように環境保健局はお考えでしょうか。
◎森川環境保健局感染症対策室予防課長 お答えいたします。
結核菌という排菌をしている方と狭い部屋で長期間過ごしますと、感染を受ける機会が多いことから、仮設一時避難所に限らず1つの部屋にたくさんの方が入所する施設では、感染予防の観点から入所時に結核検診というのが大切であるというふうに考えております。
この入所時期が年末年始になります今回の長居公園における仮設一時避難所では、委員御指摘のとおり、入所開始前の時期に結核検診等を関係局と調整の上実施してまいりたいと思っております。野宿生活者の方にも安心して入居できるようしてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
◆山本修子委員 それで、さらにこの長居公園からスタートですから、今後は検診車の巡回計画にこういった長居公園だけではなくて他の公園などにおける野宿者の方たちの結核検診についても、ぜひ考えていただきたいということは要望しておきたいというふうに思います。
次に、今回の対策にかかわって地元説明会、かなり当初の計画よりも長引いて周知徹底に努めていただいたわけですけれども、実はこの広報紙、私も読ませていただき、また感想も聞きました。なかなか評判がいいんですね。わかりやすい。もっとこれを早う出してほしかった、こういう声があります。私もそう思います。
同時に、この体裁でなくてもいいんですが、例えば地域の東住吉区だったらなでしこという区政だよりがございますが、そういったところに定期的に長居公園の今の取り組みの現状とか、また第2次調査をなさったら、その調査の結果を報告していただく。情報公開をもっと頻繁に地元の皆様方にしていただくことによって、地元の皆さんが今抱えていらっしゃる不安感、これを払拭できるし、行政に対する大変な不信がございましたけれども、それを払拭していくことにつながるだろうと思うんですが、そういった広報活動についてどのようにお考えでしょうか。
◎松浪民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。
委員御指摘のように、私どもといたしましては、今回の対策につきましての御理解をいただくために、7月11日から始めました地元への説明会を計16回開催するとともに、野宿生活をしている人たちへの説明会を計3回開催してまいりました。
その中で、いろいろと出されました御質問なり御意見にお答えする方法として、住吉区、東住吉区、両区におきまして平成12年11月1日付の広報紙特集号を約13万部発行し、長居公園の適正化対策について詳しくお知らせしてまいったところでございます。今後、実態調査の集計状況や、それに伴う野宿生活者の意向、あわせて仮設一時避難所の運営内容につきまして、できるだけきめ細かくお知らせしてまいりたいと考えております。
なお、その方法につきましては早急に検討してまいりたいと考えております。
◆山本修子委員 最後に、今回の仮設一時避難所の設置計画について説明でもおっしゃいましたように、何度も説明会を重ねてきたということでありますが、その説明会を開くたびに私の方へ苦情が舞い込んでくる。やるたびに不信感が増幅すると、こういう情けないことが続いてきたわけです。
例えば、10月22日の南田辺地域の説明会では、地元のある障害者の方が当局からの周知案内がなかったと、つまり新聞とってらっしゃらないんです。だから新聞での報道がわからない。それから、回覧板でお知らせしていただいておりましたが、その回覧板も恐らく不在であったために見られなかったというようなことで、反対をなさっている方々がこの日に集会開かれるでというビラを配布してはったんです。それをもらって初めて、この日の集会を知って来たというような例がございます。車いすの方でしたが、その会場に車いす用のトイレが近くになかったというような苦情も来ているなど、集会を開いて説明をするならば、すべての人に周知をするという方法をもっと考えていただかなければならないんじゃないかということが1つ。
それから、かなりの不信感が住民の皆さんの中に積もり積もってきておりましたから、最後の方の10月22日段階では発言中に不規則発言になったんでしょうね、マイクを持ったこの女性のそのマイクを、逆に職員の方がとるというようなことで、大変な混乱を招いて。私、その方に会ってお話も聞かせてもらいましたが、一市民です。日ごろなかなか言えないことを言いたいがためにマイクをとったと。それを無理やり力ずくでとられた。しかも、そのとった職員はこそこそっと逃げてというようなことがあって、またそれが不信につながるというようなことなんです。
だから、もう少し丁寧に、住民の皆さんにわかりやすい、そして大阪市としては誠実に理解を得ようと努力をしているんですよというような姿勢を示していただかないと、私ども間に入って大変困ります。そういういろいろな経験を皆さんも積まれたと思いますが、今回の長居公園における住民の皆さん方への周知徹底の方法について、今後二度とこういう形ではなくて、十分に理解していただけるような期間も、時間も備えて、あるいは資料を備えてやっていただきたいなというふうに思うんです。
今後は、新たに大阪城公園とか、あるいは西成の方の公園でも一時避難所をつくるというふうに新聞でも報道されておりますけれども、地域住民の皆さん方の理解を得るための方法として、この野宿生活者対策推進本部の事務局の責任者である民生局長のお考えをお伺いしたいと思います。
◎寺川民生局長 ただいま山本委員の方から、今回の長居公園の適正化につきましての住民説明会についてのるる御指摘、また御意見も賜りました。
先ほど課長も答弁いたしてますように、7月中旬以降、住吉区、東住吉区の地元町会役員の皆様方、また近隣の連合振興町会の住民の方々に合計説明会といたしまして16回にわたって実施し、その対策についての理解を求めてまいりました。
ただいま委員からございましたように、説明会に際しまして、特に御指摘の10月22日につきましてその開催の周知方法なり、説明方法、また一部はマイク等のやりとり、住民の方々と一部そごを来した、またそれについて私も事実を承知しておりますし、またそのことにつきましても非常に残念であるというふうに思っております。また、我々そのことについて今後こういうようなことの適正化対策としての対策の広報など、さまざまな面におきまして貴重な経験をしてまいったというふうに考えております。この経験を今後の取り組みの中で生かしてまいりたいというふうにも考えております。
また、説明会で多様な御意見も賜りました。その一定の集約したものにつきましては11月1日の野宿生活者対策推進本部としての特集号として広報紙を配らせていただきましたが、今後この中で寄せられました貴重な御意見、御要望など、今後の仮設一時避難所の運営等にも生かしてまいりたいというふうにも思っております。
さらに、見解でも述べさせていただきましたが、この公園内の仮設一時避難所につきましては、その入所された方々を自立支援センターへの入所、あるいは福祉援護等、そういうことによって徐々に入所者数を減らしていきまして、順次縮小して必ず3年以内に廃止いたしたいというふうに考えております。
野宿生活者対策推進本部、市長を本部長といたしておりますが、事務局を預かる私どもとしまして、今後とも地域住民の方々の理解を得てまいることが非常に大事、また時宜を得た広報をやっていく、そういう市民啓発を進めていくのは何よりも私どもの対策、適正化をするという施策を打ち出すときに、そのことが大事であるし、そしてそのことが着実に効果を上げるということが大変重要であるというふうに思っております。
今後とも大阪市の野宿生活者対策推進本部のもとにおきまして、関係局、区役所が一体となりまして、また関係機関とも密接な連携をとって野宿生活者対策に取り組んでまいりたいというふうに決意を持って臨んでまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
◆山本修子委員 再度必ず3年以内に廃止するという局長の御決意を聞かせていただきましたので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
私の質問を終わらせていただきます。
◆山中智子委員 今の長居公園の問題にかかわって、さきの議会で私どもは違う決議案出しましたけれども、大阪市会の意思として長居公園の適正化対策に関する決議案というのも出されて、これが採択をされているわけです。その中でも、地域住民等の不安を払拭するためにですとか、地元関係団体との連携を密にですとか、そういう文言があるわけですけれども。
先ほどの山本委員もおっしゃってましたけれども、10月22日に至っても説明会が非常に混乱をしていたと。私は見てませんけれども、ニュースでも随分放映をされて話題になっていたようですけれども。いろいろと危惧の声がある中でいよいよ着工するということを発表されたわけですけども。一番私たち気がかりですのは、もちろん当事者の方たちの今の入所するかどうかという聞き取り調査も、圧倒的多数の人が考慮中ということで、さあ一体本当にこれで一時避難所に入所されるんだろうか。10億ものお金をかけてつくって、ブルーテントが本当になくなるのだろうかという、そういう不安ありますけれども。何よりもこの間、公園の適正化を求めて心配してこられた住民の皆さんとの合意が本当に得られたんだろうかどうかというところが私たちは大変心配なわけですが、そこはどんなふうに判断をされたんでしょうか。
◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。
今回の長居公園仮設一時避難所設置計画につきましては、野宿生活者の自立支援を図るとともに、公園の適正化対策の一環として野宿生活者のテント・小屋がけによる長居公園の不法占拠に対しまして実効性のある対応策として実施するものでございます。野宿生活者も自立でき、地域の皆様方も快適に公園利用ができるようにするためには、どうしても一たん公園内の野宿生活者が入所できる受け皿が必要であり、緊急かつ過渡的な措置として厳しい冬を迎える前に公園内に避難所を設置することが必要であると、こういう観点から去る10月30日に大阪市野宿生活者対策推進本部会議におきまして決定をした次第でございます。
◆山中智子委員 住民合意は得られたというふうにお考えでしょうか。
◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。
7月中旬以降、16回にわたりまして長居公園周辺の住吉区、それから東住吉区の住民の方たちと話し合いの機会を持ってまいりました。その中では、いろんな声も寄せられました。確かに、設置の反対についての御意見もございましたけれども、私どもとしては精いっぱい本対策が、本事業が長居公園の適正化のために必要であるというふうに精いっぱい説明をしてまいった次第でございます。
それから、去る9月27日には市会の本会議の方で早期着工の決議もいただいた次第でございます。こういったことを総合的に判断をして、先ほど申し上げた厳しい冬を迎える前にどうしてもこの対策が必要であるというふうに判断をした次第でございます。
◆山中智子委員 住民の合意を得られたのかどうかということをお聞きしたんですが、得られたというお答えではなかったというふうに思うわけです。当然だと思うんです。
なぜかと言えば、この問題で本市は、説明は確かに16回なさったんでしょう、地元に対して。あるいは当事者に対して3回の説明会を行った。説明責任はお果たしになったのかもしれない。しかし、合意の形成という点で、どれだけの努力をされたのかというのは、大きな疑問が残るわけです。
私も、この間の土曜日に長居公園、一体どういう状況なのかということで行ってみたんですが、これは全く素人の素朴な思いとして、なぜ長居公園なんだろうかというのは大変思いました。西成の方が本当に小さな公園までずっとブルーテントがあふれてしまって、子供たちは一体どこで遊ぶんだろうかというふうに思ったわけですが、西成公園とか大阪城公園ではなしに、なぜ長居公園からやるのだろうかという疑問ですとか、本当にこのやり方でブルーテントがなくせますかという、そういう住民の方たちの問いかけであるとか、疑問・不信に対して、根からこたえておられないというふうに思うわけです。
合意が本当に形成されるまでこたえておられないし、何よりもとにかく長居公園への一時避難所建設ありきで、その上で2段ベットは嫌だよと当事者の方が言われたら1段ベットにしましょうと、少々の間仕切りもしましょうと、犬小屋も置きましょうと、そういう譲歩はなさるけれども、本当に根から持っておられる疑問や不満にこたえて、どうしたらこの野宿者問題を解決できるのかと、しかもそこに地元の方たちのいろんな声を取り入れて、違う方法ないだろうかという謙虚な姿勢で何かを検討された形跡がないということが一番ここに至っても、ニュースでさえああいう報道をされざるを得ないという、そういうことになっているというふうに思います。
改めて私たち日本共産党大阪市会議員団は、徹底した住民合意の形成に努めていただきたいことと、それまでは建設を強行するようなことのないようにということを重ねて要望をして、この問題を終わりたいと思います。