【 平成12年9・10月定例会常任委員会(民生保健)-0925日−01号 】

寺川民生局長

 次に、陳情第43号、「長居公園内・仮設一時避難所」およびホームレス問題の抜本的解決にむけての陳情書、陳情第44号、「長居公園の都市公園法における目的外使用計画」および「それに関連した大阪市議会の審議」に関する陳情書並びに陳情第48号、長居公園仮設一時避難所に関する陳情書につきまして見解を申し上げます。

 まず、陳情第43号第1項及び陳情第48号の住民合意についてでございますが、今回の仮設一時避難所設置計画は公園の適正化の一環として、野宿生活者のテント・小屋がけによる長居公園の不法占拠に対して実効性のある対応策として実施するものであります。

 仮設一時避難所では、野宿生活者の自助努力を損なわない範囲でさまざまな支援を行い、宿所提供とともに生活相談や検診等を行います。こうした手だてを通じて、テント・小屋がけなどの不法占拠物件を撤去し、一方で当該避難所に入所した野宿生活者は現在市内3カ所に合計定員280名で整備中の自立支援センターに順次誘導し、就労支援や福祉援護等による自立を促しつつ、入所者を減らしていき、3年で廃止するという計画でございます。

 本年7月、この計画を東住吉区及び住吉区の連合町会長会議において説明し、設置推進の立場で御了解をいただいており、また長居公園周辺の連合町会単位で合計6回にわたり地元説明会を開催するなど、地域住民の皆さんの理解を求めてまいったところでございます。

 野宿生活者も自立でき、地域の皆様方もこれまでどおり公園利用ができるようにするためには、どうしても一たん公園内の野宿生活者が入所できる受け皿が必要であり、緊急かつ過渡的な措置として当該公園内に避難所を設置することが必要であると考えております。これまで地域の皆様方からお聞きしたさまざまな御意見につきましては、避難所運営に反映してまいりたいと考えております。

 次に、陳情第43号の第2項のホームレス問題の抜本的、総合的施策を市民の前に示すことについてでございますが、昨年5月、国の関係5省庁と本市を含む6自治体で構成するホームレス問題連絡会議におきまして、今後の具体的施策の方向として総合的な相談・自立支援体制の確立等が必要とのホームレス問題に対する当面の対応策が取りまとめられたところであります。

 本市では、この当面の対応策を基本指針として、野宿生活者問題に関する施策を総合的かつ円滑に実施するため、昨年7月野宿生活者対策推進本部を設置し、巡回相談や自立支援センターの整備などの野宿生活者の自立支援策に取り組んでいるところであります。また、施策の推進に当たっては、関係機関との緊密な連携のもと、公共施設の機能の正常化、適正化対策を実効あるものとしたいと考えております。

 また、野宿生活者問題は一地方自治体のみでは解決し得ない都市問題であることから、全国規模での施策展開や実効性のある特別就労対策事業の実施並びに特別立法の制定を求めているところでございます。

 次に、陳情第44号第1項の野宿生活者向けの仮設一時避難所建設に対しての長居公園における実態調査についてでございますが、公園事務所におきましてテント・小屋がけ件数や自転車の保有状況、犬や猫の飼育状況など実態把握に努めており、引き続き野宿生活者自身からの詳細な聞き取り調査の実施について準備中でございます。

 次に、第3項の都市公園の中での仮設一時避難所の建設を取りやめることについてでございますが、今回の計画は公園の一部を廃止し、仮設一時避難所を設置することにより、さまざまな形で地域住民の生活に影響を与えるなど、深刻な状況を解決するための実効性のある対応策として打ち出したものであります。その施設運営に当たりましては、巡回相談事業や整備中の自立支援センターと連携して就労支援を行い、また高齢者や病弱者等に対しては福祉援護措置等を講じるなど、きめ細かく対応し、野宿生活者が再び野宿生活に戻ることのないよう努めてまいりたいと考えております。

床田正勝委員

 続きまして、長居公園の仮設一時避難所の関係につきまして、何点か質問をさせていただきます。

 先般、いただきました資料によりますと、市内の公園の野宿生活者におけますテント・小屋がけはここ2年間で1,452件から2,593件、約1.8倍増加しておりますが、中でも長居公園は159件から458件、約2.9倍と最も高い伸び率となっておりまして、住宅地に近接していることもありまして、最も深刻な状況にあろうかと思います。

 長居公園の中で子供たちやお年を召された方々、女性が安心して遊んで歩いていただけるようにしてほしいという切実な声が上がっているのももっともでございまして、昨年の3月には2万5,000人を超える署名により、その適正化を求める要望書が出されたと伺っております。一刻も早く市民の皆様が安心して公園を利用していただけるよう取り組んでいただくのは当然であろうかと考えますが、ただいま局長さんの見解表明によりまして、市民の皆様方の要望にこたえるため打ち出されたのが仮設一時避難所の設置。これにつきましてはただいまの話の中では一定やむを得ないと考えるわけでございますけども、なぜ長居公園の中に設置されるのか、遊休地の活用なども考えられるのではないかというお声も伺います。

 また、長居公園以外の場所でもテント・小屋がけの多いところがたくさんあるかと思います。長居公園以外の他の公園につきましても、このような仮設一時避難場所の設置について検討されたのか、また検討しておられるのか、まずお尋ねいたします。

◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。

 地元説明会等におきまして、受け皿施設は必要であるが、つくるのであれば南港や北港、市内の遊休地に設置せよという御指摘もございます。

 しかしながら、公園以外の地域に受け皿施設をつくることは、当該施設予定地域の住民や関係者の理解が必要でありますので相当な困難が予想されますし、調整に時間がかかり、問題解決を大幅におくらせることとなります

 また、仮に遊休地に避難所をつくったといたしましても、長居公園の周辺で生活圏を確保している野宿生活者を一方的に他の地域に移動させることとなり、自助努力を損なうことも考えられ、強制的な隔離対策と受けとられ、入所拒否も危惧されます。さらに、公園外での遊休地での設置である以上、長居公園の野宿生活者のためだけに独占できないので、結果として長居公園の不法占拠の早期解決にはつながらないと考えております。どうしても一たん公園内の野宿生活者全員が入所できる受け皿が必要であり、過渡的な措置といたしましては公園内に設置する以外に方法はないというふうに考えております。

 長居公園の対策の成果を検証しつつ、条件整備が整えば、他の大規模かつ集団的なテント・小屋がけのある公園での実施も検討いたしてまいりたいというふうに考えております。

◆床田正勝委員 ありがとうございます。

 次に、当然のことでございますけども、今回の措置につきましては公園の適正化について実効が上がることが不可欠でございます。その前提は、公園内の野宿生活者が仮設一時避難所に入所し、不法占拠しておるテント・小屋がけの撤去が確実に行われることであろうかと思います。

 陳情書に添付されておられる資料には、入所を希望される方がほとんどいないというデータが上がっておると伺っております。どのようにしてこの避難所への入所を実現されるのか、また入所を拒んでおられる方に対しましてどのような姿勢で臨んでいかれるのか、お伺いいたします。

◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。

 大阪市といたしましては、一方的に野宿生活者を排除することが目的ではなく、野宿生活者も自立でき、地域住民の方も快適に公園利用ができるようにすることが目的であることをきちんと野宿生活者に説明し、公園内のテント・小屋がけの撤去指導を粘り強く行いたいと考えております。

 具体的には、仮設一時避難所の入所者は単に宿泊場所の提供だけではなく、生活相談や健康相談が受けられ、就労支援を行う自立支援センターへの入所、また高齢・病弱者については福祉援護等が受けられる旨、きちんとした個別面接調査を行い、避難所への入所誘導を行いたいと考えております。

 しかし、どうしても自立支援の呼びかけや説得に応じようとしないなど、ケースによりましては法的な手続のもとに物件撤去を行いたいというふうに考えております。

◆床田正勝委員 ありがとうございます。

 続きまして、今回の対策により仮に一時的に公園が適正化されたといたしましても、しっかりした公園管理対策と連動しなければ別の野宿生活者の方が流入されまして、再びテント・小屋がけによる不法占拠を招くおそれが十二分に想定できるわけでございます。

 きょうは御管轄の建設局の方にお見えいただいているかと思うんですけども、その具体的な不法占拠の再発防止対策についてお尋ねいたします。

◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。

 新たなテント・小屋がけを防止するために、長居公園内はもとより周辺の道路を含めた近隣地域の日常の巡回点検を強化して対処したいと考えております。また、テント等の撤去後はその場所での新たな設置を防止するために植栽などを施すまでの間、暫定的にフェンス等で囲むなどの実効性のある防止策を講じていきたいと考えております。

◆床田正勝委員 ありがとうございます。今、さまざまな対策を伺ったわけでございますけども。

 次に、地域住民の皆様方から長居公園で今回の対策を行えば、近隣の小さな公園や周辺道路に野宿生活者の方々が拡散するのではないかという不安の声も上がっておるやに伺っております。さらに、大阪市の関係機関は警察ともっと連携を深めていただきたいとの声も伺うところでございます。

 まずは住民の皆様方の不安を払拭することが、まず第一番で必要かと思います。今後、近隣地域の野宿生活者の方々の対策につきましては、どのように対応されていかれるのかお尋ねいたします。これも管轄の建設局の方にお尋ねします。

◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えします。

 近隣の公園や道路の野宿生活者のテント・小屋がけにつきましては、公園利用相談員や公園事務所、工営所の職員の巡回を強化するとともに、指導を徹底し、自主的な撤去を求めていきます。

 また、野宿生活者に対する巡回相談事業を通じて自立支援センターへの入所や福祉援護等の措置などを通して野宿生活者問題の解消に努めたいと考えております。

 なお、今後は野宿生活者による公共施設の不法占拠等の事案に対しましては、公園事務所、工営所、地元警察等、関係機関が緊密な連携を図りながら的確に対応し、地域環境の改善に努めてまいりたいと考えております。

◆床田正勝委員 ありがとうございます。ただいま具体的な対策を幾つか伺いましたけども、その中で何点か質問させていただきたいと思います。

 仮設一時避難所につきましては、3年で漸次縮小廃止の予定とただいま御説明をいただきました。市民の皆様方からは、それが疑問であるというお声も寄せられていると伺っております。本当にそれらが3年で廃止できるのか、またこのまま避難所に定着されてしまうのではないかと心配しておられます。具体的に3年で廃止する方法についてお聞かせください。さらに、仮設一時避難所の整備、運営にはどのぐらい費用がかかるのか、また予算的な裏づけはあるのでしょうか。

 さらには、今、自立支援センターのお話を賜りましたけども、この自立支援センターの整備費、運営費、これに対して国庫補助があるのかどうか、仮設一時避難所につきましてはどのようになっておるのか、お尋ねいたします。

◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。

 避難所の開設後、一、二カ後から1カ月、十四、五名程度を自立支援センターなどに入所させることによりまして、段階的に避難所を縮小することといたしております。十四、五名のうち高齢者、病弱者につきましては、福祉援護の措置等により、その他のものは市内3カ所に開設を予定しております自立支援センターの方へ入所させ、生活相談、訓練を経た後、就労自立に向けた支援を行いたいというふうに考えております。

 以上によりまして、年間約180名程度を仮設一時避難所から福祉援護等による措置や自立支援センター入所等の対応により、避難所は段階的に縮小でき、必ず開所後3年以内には廃止したいというふうに考えております。なお、宿泊棟などの施設整備はリースを考えておりまして、縮小に応じて段階的に解体することとなっております。

 また、仮設一時避難所関係の事業費につきましては、実態調査後の入所見込み数を踏まえた施設規模、公園の管理特別強化対策等の付帯事業など流動的な要素もございます。いまだ試算の段階でございますが、施設整備費及び施設運営費等の本体関係経費で、3年間で約10億円かかると見込まれております。早急に対応する必要があることから、今年度分の所要額の予算措置は予備費充当も含め、財政当局と調整の上検討してまいりたいというふうに考えております。

 なお、仮設一時避難所事業につきましては、本市単独事業でございます。

 自立支援センター整備運営関係につきましては、2分の1の国庫補助がございます。仮設一時避難所関係につきましては単独事業でございますので、今後国に対しまして特に運営費面につきまして国庫補助対象となるよう要望してまいりたいというふうに考えております。

◆床田正勝委員 ありがとうございます。

 続きまして、雇用情勢の悪化等によりまして野宿生活の方々の増加というのはやむを得ない面はございますけども、これまでの公園管理の甘さが今日の事態を招いた要因の一つであろうかと思います。設置反対の声が上がりますのも、これまでの関係局の取り組みの姿勢に対する怒りの声ともとれるとも言えます。また、関係局の提案内容の説明不足や理解不足もあるのではないでしょうか。地元説明会の開催など、地元理解に努めているようでございますけども、これまでのしっかりした反省に立っていただき、今回の関係局の提案に対しまして地元の方々が不安に思っておられることや疑問点に十分にこたえていかれる必要があろうかと思います。

 このためには、例えばでございますけども、広報紙で特別号か何かを発行されまして、地元住民の皆様方に市としての方針や考え方をきちっとお伝えすることが重要であろうかと思います。この点についてお尋ねいたします。

◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。

 景気低迷とか雇用情勢の悪化などの影響を受け、いわゆるテント・小屋がけを伴う定着型の野宿生活者の増加につきましては、我々の予想をはるかに超えていたというふうに認識しております。しかしながら御指摘のように、この間の公園管理については十分ではなかったというふうに推進本部を挙げて認識しております。

 昨年7月、市長を本部長とする野宿生活者対策推進本部が設置され、巡回相談事業や自立支援センターの整備着手など、具体的な野宿生活者対策の取り組みを始めたところであります。これを機に今回の仮設一時避難所の設置によって長居公園の適正化を実現し、安心、安全な地域環境整備につなげたいというふうに思っております。

 また、このことにつきましては地元の皆さんに正しく理解していただくことが極めて重要であるというふうに考えています。このため、今回の対策に関する地元説明会等におきまして出されました質問を中心にいたしまして、さまざまな疑問に答える一問一答方式の長居公園適正化対策問題の特集号を関係区である住吉区、東住吉区の広報紙におきましてお知らせしたいというふうに考えております。

◆床田正勝委員 ありがとうございます。

 最後に、今回の陳情書にもございますように、対策への市民の皆様方の厳しい見方に対しましては、公園の適正化、地域環境の改善というきっちりとした実績でおこたえしていく以外にはないかと考えます。

 今後のこの対策の取り組みにつきましての御決意をお伺いいたします。よろしくお願いします。

◎三島民生局福祉援護担当部長 お答え申し上げます。

 ただいま委員からこれまでの公園管理のあり方につきまして、大変厳しい御指摘を賜りました。また、地域の地元の説明会におきましてもテント・小屋がけが少ないうちからもっと早く対策ができなかったかという御指摘もいただいております。地域の皆様方に大変御迷惑をおかけしていることにつきまして、深くおわびしたいというふうに思います。

 大阪市といたしましては、今回の対策を通じまして野宿生活をしておられる方につきましても自立ができますし、地域のお年寄りや子供たちはもとより、すべての地域の方が快適に公園利用ができるものと確信しております。このため、この事業への一刻も早い着手が必要と考えているところでございます。

 野宿生活者の問題は、本市の取り組みだけでは決して解決し得ない都市問題でございます。国や大阪府に対しまして必要な雇用対策、財源措置はもとより、抜本的な解決に向けての特別立法の制定など、要望を重ねてまいる所存でございますので、よろしくお願い申し上げます。

◆床田正勝委員 どうもありがとうございました。

 この野宿生活者の件におきまして、御関係の皆様方が日夜汗をかいてくださっているのは十分に承知をいたしております。また、この問題が大阪市独自で解決できる問題とは私も思っておりません。これは全国規模の問題であろうかと思います。

 ただ、市内にお住みくださっている皆様方の不安を取り除いていただくのが一番大事かと思いますので、議会の方も頑張ってまいりますので、皆様方にも御協力の方よろしくお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

◆太田勝義委員 自民党を代表して質問させていただきたいと思います。

 おさらいみたいなことなんですけども、ホームレスの方は一体何人おられるんでしょうか。基礎的なことなんですけども、お尋ねします。

◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。

 平成10年8月に大阪市といたしまして、大阪市立大学の方にお願いをいたしまして、野宿生活者の概数調査をいたしました。その結果につきましては、8,660名というふうに相なっております。

◆太田勝義委員 そうすると、2年間の間は何も調査してないんですか。

◎出海民生局総務部連絡主幹 平成11年度の調査につきましては、観点を変えまして、テント・小屋がけで野宿している人たちから聞き取り調査、こういうことでその実態を把握するという観点から細かい聞き取り調査をいたしました。

 そういうことで、数についてはほぼ1万人前後ではないかというふうに推定しております。

◆太田勝義委員 先ほど床田委員の方からの推測ですけれども、その程度ではおさまらないんではないかなと、こういうことなんですけども。1万人前後ということが発表されましたけど、それでいいんですか。最初の数字を誤りますと後の問題も大きくなってきます。

 再度聞きますけども、何かの根拠があって1万人とおっしゃるんか、推測なんですか、どういうことなんですか。

◎出海民生局総務部連絡主幹 実は公園管理者、道路管理者の方でテント・小屋がけの数については把握してございまして、その数の伸びも勘案しつつということでございます。

◆太田勝義委員 苦しい答弁のようですから、これ以上詳しくは聞かないでおきましょう。1万人ということでお聞きしておきましょう。

 それでは、今の自立支援の3つの施設の収容能力、これ3カ月ですね。それを場合によったら6カ月に延長するということなんですけども、3カ月か6カ月ということになりますと、これ1年間でどのぐらいの方が自立支援という形の中で収容できるんですか。

◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。

 3カ所280人の定員でこの秋に開設する所存でございます。したがいまして、平均して3カ月の入所期間というふうに計算をいたしますと、1年間で280人の4倍ですので1,120人という計算になります。例えば3年間の期間で考えますと、約3,300人ぐらいの方が自立支援センターの方に入所をし、一定、就労自立に向けた事業がなされるというふうに考えております。

◆太田勝義委員 長居の方は、そうすると何人ぐらいが収容できるようになりますか。

◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。

 ことしの8月の時点のテントの数が約460前後であったかと思います。それを踏まえまして、今回地元住民の方に御説明している入所定員の規模につきましては480人の規模で設置をしたいというふうに御説明をしております。

◆太田勝義委員 今、長居では460テントあって、それで全員収容できると、こういうことですか。全員入っていただいたら、長居公園内には、その一時避難所以外にはいなくなると、こういうことなんですか。

◎出海民生局総務部連絡主幹 私どもといたしましては、テント・小屋がけを一斉に撤去をするというのが目的でございまして、それを通じまして長居公園の適正化を図りたいという思いでございます。

 一方、一方的な排除は難しいと、困難ということでございますので、今回の仮設一時避難所の方に全員誘導して粘り強く説得をし、入所していただきたいというふうに我々は考えております。

◆太田勝義委員 初めて聞くようなことで何遍も済みませんが、今長居にいてはるホームレスの方は、全員御協力いただいたら全員一時避難所に移っていただくから長居公園内には一人もいてないと、こういうことなんですね。ただ、一方的な排除はしないと、こういう条件がついているんですね。

 そこで、先ほど1万人とおっしゃった中で3カ所の自立支援で3カ月とすればざっと1,000人、長居460から480ということですから。オリンピックの施設、あちこちに大阪市今考えてますけども、大阪城のホールの近所たくさんいてはりますわな。そうすると、1万人からいくと10人に1人ぐらいでしょうか、収容できる方が。だから、9割ぐらいの方がそのままずっとおられるというふうなことになると思うんです。ここが一番の私は問題じゃないかと思うんです。1カ所だけがいてはらんなるだけでは、大阪市の国際集客大都市としての看板に偽りありということになりかねませんので。

 しかし、そういう中にもホームレス対策がやっと動き出したことについては、前向きに取り組もうということについては非常に評価をいたしておりますので、お手並み拝見といきたいところでございますが、効果の問題についてはどうかなというのが私の思いであります。

 いろいろホームレスのための受け皿を整備しておられますが、私はホームレス問題はこれは失業問題だと思うんです。職を持っておられる方でそこへ行かれる方は、私はないと思うんですけども。ほぼ失業なさっているんでしょ。失業されてますね。聞き取り調査されてどうですか。私はもうこのままでええんやと、仕事みたいなんせえへんねんと、私は。ここがもうずっとええんやと、我々。私はもう長いこと働いてきたから、もうこれでずっと暮らすんやというのか、仕事欲しいんやけど、あるいはもう首になったとか、いろいろの事情あって仕事探してんねやというのか、これどっちなんでしょうか。

◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。

 約1万人の野宿生活者がおられるわけですけども、約6割以上はあいりん地域におきまして日雇い労働者等の経験者であるというふうに先般の調査でも我々としては分析しております。あいりん地域におきましては、高齢化が進んだり、また建設業の不振と、機械化の進展と、こういったことで職場が失われているという背景もございます。

 一方、委員御指摘のように、リストラ等で職を失った方ということもたくさんおられるというふうに思います。そういった複合的な要因で野宿生活者がふえたというふうに思っておりますので。

 ただ、委員御指摘のように、先般の調査でも野宿生活者は約8割以上の方がアルミ缶等の回収で一生懸命仕事をしていると、このような調査結果が出ております。

◆太田勝義委員 大半の方がそういうふうに仕事からあぶれた方、失業された方、また大勢の方がアルミ缶を集めておられて生活されているということからいきますと、そして先ほど床田委員が言ったように、その施設に果たして入るかどうかなということについては、問題だということを総合的に見ますと、もう根本的に失業問題といいますか、仕事ということを第一に考えるべきだと思うんです。

 先ほど就労とか、自立ということを言葉でおっしゃいましたけども、今のままではなかなか一般の就職というのは難しいと思うんです。普通の一般の家庭におられる方でさえも失業で大変だというふうに言うております。

 私もこの間、参考のために近くのハローワークへ行ってきたんですけど、大概は今はもう3540。たまに55。それ以上のやつはないです。西区にある高齢者職業紹介所のとこも聞きましても、なかなかないですね。シルバー人材センターなどで特別、植木の剪定される方とか、そういう方はいろいろと声かかるようですけど。なかなか就労ということも今の自立支援の中で大変だと思うんで、ずばり大阪市で仕事をつくり出すのが一番だと。就職を世話するというて一生懸命頑張るより、大阪市でもう仕事をつくり出したらどうかと、こういうふうに思うんです。

 かつての失業対策事業、これ皆さん方もほとんど知っておられると思うんですけど。失業対策事業の大阪市のこれまでの経過と事業内容、それから賃金など、仕事をどういうことを大阪市がさせていったのか、その辺をお尋ねいたします。

◎武内民生局総務部庶務課長 お答え申し上げます。

 直属の課はもう既になくなっておりますので、私の方からお答えさせていただきます。大阪市の失業対策事業は、全国に先駆けましていろんな事業に取り組んでまいったところです。

 まず最初に、大正8年に今の九条の方に、市立の九条の職業紹介所を大阪市独自に開設いたしまして、失業者への職業紹介という形で失業対策事業を始めさせていただいたのが始まりでございます。その後、この職業紹介所は大正の末の12年には約13カ所前後を開設いたしまして、御承知のように昭和にわたりましての昭和13年に職業紹介法という法律が初めて、職安の始まりでございますけども、これが改正になりまして、職業紹介業務が国営、いわゆる国の業務に移管いたしました。そういうことから、大阪市の職業紹介所を国の方へ移管いたしました。それが本格的な始まりということになります。

 その後、第2次大戦を挟んでさまざまな社会情勢がございました、先生方御承知のとおり。これにあわせまして、いろんな法律も整備がされましたのですけど、一方、国と大阪市あるいは地方自治体がこういう失業対策の取り組みを強化していろんな事業を図ってきたわけです。

 大阪市におきましては、大正9年に民生局の前身になります社会部の中の4つの課のうちの1つが、職業課というところが失業対策に取り組んでまいりました。その後、昭和29年にまさしく失業対策課という課を設けまして取り組んできたわけでございます。結果的には、平成元年に時代の変化に対応しまして、この失業対策事業を収束したわけでございます。法的には、その後平成6年に法律を改正したわけでございますけども、そういう経過がございます。

 具体的に、太田委員からの御質疑の事業の概要でございますけれども、失業者ということで主たる家計の維持者で現に仕事を探しておられて、仕事のない方を対象にして手帳等発行して、失業者を対象者といたしまして就労あっせんを行ったわけでございます。

 古い話、就労数でございますけども、昭和27年には1日に就労される方は約1万3,300人、これはピークは30年前後でございます。当時、27年の平均就労日数は28.1日ということで、大体20日から二十二、三日、それ前後で就労されてます。

 就労の内訳でございます。これで古い先生方、大変恐縮でございますけど、当時は大変幅広く港湾事業から道路、じんかい等、いろんなところに従事いたします。具体的には公園・道路の清掃はもとよりでございますし、砂利道、当時アスファルトでなしに砂利道ございました、たくさん。それの舗装。あるいは小中学校のプールがほとんどがこの失対事業の従事者でつくっております。また一方では、各地のこういう建築物のブロックの製作、これももともとこういう失対事業の方からセメントを使ってつくっておりまして、植木等幅広い事業に従事いたしております。

 賃金は年々年によって変化いたしておりますけども、当然上昇いたしますけど。先ほどの27年前後の28年には日額で約280円を基準に、年間で約7万5,000円。36年には、御承知のように高度経済成長の始まりの前後でございますけども、日額が419円で年間約125,000円前後ということでございます。これは当時の一般勤労世帯のおよそ3分の1強か前後かという額ぐらいになっているのが状況でございます。

 以上、大変雑駁な概要説明でございますけども、よろしくお願い申し上げます。

◆太田勝義委員 今、庶務課長がおっしゃった昭和36年に約125,000円という数字は、これ12で割りますと大体1万円になるんです。ここにいてはる役所の方で、昭和36年で入られた方あると思うんですけど、当時皆さんの初任給は何ぼだったんですかな。1万円だったんと違います。

◎武内民生局総務部庶務課長 えらい僣越でございますけども、ちょうど私が昭和37年、高卒で入りましたときには、初任給は覚えております。1万1,400円というのが本給でございましたです。

◆太田勝義委員 武内さんおっしゃるように、1万1,000円だったというのが初任給でありますが、それに差わずか1,000円しかない1万円代で失対の方の月の収入であったということですから、今もしこれを失対をそっくり大阪市が導入すると、今大阪市市役所入るとなると、15万円ぐらいになっているんじゃないですか。だから、13万円ぐらいもしこれ失対の方に渡すいうたら、どうなんでしょうね。大変なお喜び方もされると思うんですが。

 今、課長さんからお話あった大正8年に全国に先駆けて職業紹介所を始めたと。それから、そのときには前後して米騒動いうのが起こってますわ。大正7年に米騒動起こってますね。だから、恐らく明くる8年にこれはもう職業紹介所せないかんなということだと思うんです。大変なこっちゃということだと思うんですけど。今まだホームレスの方は米騒動とか暴動起こってないわけですけども。大阪市としては何とかせないかんということで始めたと思うんです。同じ8年に11カ所開設して、大正12年には13カ所になったと、おっしゃるとおりです。これが国がやろかと言うたんは、20年後の昭和13年4月です。このとき初めて国営となった。それまで20年間は大阪市独自でやっておられたんです。なかなか大阪市というのは、そういう面から考えると先駆的な役割といいますか、民生事業なんていうのも大阪市が全国に先駆けて方面委員長もやっておられますね。

 そこで、先輩の方々の例を持ち出し、また平成元年までそれやっておられたわけですから、これは大阪市もあるいは国も考えてもいいんじゃないかなと思うんです。

 庶務課長、どうですか。単純に言うて難しいですか、もう一遍復活させるということは。

 それで、課長がどうしようかというて困っておるようですから、観点変えて質問します。

 大阪市と環境行政を提携してますブラジルのクリチバ市。これはブラジル南部に位置するパラナ州の州都で人口130万人、市の面積が430平方キロというブラジル南部の交通の中心であります。市長さんも日系の方ですけども。

 環境保健局の方では何回も行っておられたり、議会の方々も行っておられると思うんですが、私が調べたところでは、環境教育と、そして就労というか、働くということを積極的にやろうということでまちを挙げて、市を挙げてごみ袋を渡して、市役所が配布するごみ袋にごみを正しく入れる。一定の地域のごみだけを回収する。7キロから10キログラムのごみ袋を持っていって、これと引きかえに食品袋を受けとる、チケットをもらうと、こういうことになってますね。ごみ1袋で単一食品1袋、あるいはごみ5袋で食品5種以上、こういうふうにしてきれいにしようということで。私も行ってまいりましたけれども、本当に市の駅前と言わず津々浦々ごみが全然ないんです。非常に清潔なまちで、むしろ世界一環境に厳しいといいますか、取り組んでいる市だと思うんですが。

 その市と大阪市とが環境の行政で手を結ぼうということにして結んでいるんでしょう。一番いい先生というか、テキストがあるわけで。これに対して大阪市、オリンピックやろうかと言うてるのに、まちにあふれているごみというのは、これはどうでしょうかね。大変な量があふれてるんですけど。こういうことを上手にうまいことホームレスの方にごみを集めてもらう。今度は、環境事業局ではアダプト制度とかいうことでボランティアの方々に掃除してもらうということなんですけど、ボランティアはボランティアでいいと思うんですけども、片一方では1万人の方が仕事があぶれて、仕事を持ちたい、空き缶集めてでもやっていこうという方が多い中で、こういう袋を大阪市が渡してごみを集めるというふうなことを、環境保健局ではどういうふうに、このクリチバ市と提携なさって、どういうふうに御理解なさって、何か参考にしようと思っていることあるんですか。見るだけでああきれいやなと、大阪市はこんなんようせんわというふうにただ見ているだけなのか、これはええ参考で大阪市もやりたいなと思ってんねんけど、チャンスを伺っているのか、その辺はどうですか。

◎光岡環境保健局技術監兼環境部地球環境課長 お答え申し上げます。

 クリチバ市は委員御指摘のとおり、大阪市と環境保全の協定を結びまして、平成5年から6年間都市交流をしてまいりました。その中で、今、先生御指摘がありましたように、クリチバ市がごみ対策といたしまして不法投棄されたごみを集めてきたことに対していろいろなものと交換する、こういったプログラム。さらには、市民に空き缶とかガラス、金属等リサイクル可能なごみと生ごみなどリサイクルできないごみ、これを分別するようにいたしましたごみでないごみ運動とか、こういった名前をつけたことをやっておりまして、それにより市内のごみが3分の2ぐらいまでに削減されたというふうに聞いております。

 これらの内容につきましては、職員の交流の中でいろいろ資料を持ち帰りまして、その資料を翻訳いたしまして、鶴見区にございます環境学習センターの方にクリチバコーナーをつくりまして、そのような内容を紹介しておりますし、またこれらは環境業務の一環として進めておられますので、我々といたしましても環境保健局として市民一人一人のごみ対策、削減に役立つようにしていきたいと考えております。

◆太田勝義委員 環境保健局がそれだけ思っておられるんですから、いい参考にしていただいて、今回お役に立てていただきたいと思うんです。

 先ほど民生局の武内課長の方からお答えがありましたので、再度私の方から言うておきます。戦前から引き続いたこの失対事業の仕事の内容をもうちょっとゆっくりと話しますと、公園、それから霊園、運動場の整備、市内一円です。それから砂利道の補修、これも市内一円です。水道整備事業、下水道のしゅんせつ、下水道管布設、これも市内一円です。それから河川のしゅんせつ、それから臨港道路の補修、臨港地帯一円、これは港湾局です。それから水泳プールの建設、ブロックの建築、製作、公共用施設の塗装、備品の修理、これは民生、総務局、公園部、3つでやってます。それから保健衛生整備事業ではじんかい収集処理、市内一円、清掃局というておった時分ですね。昭和35年の話です。それから草花の植栽、こういうふうなことをいろいろとやってこられてます。

 それで、最後に局長に提案と同時にお答え求めたいんですけども。ホームレス対策に公費をつぎ込む以上、生きた使い方が重要だと思うんです。先ほど3年間で10億円使っても入る人がいないと、あるいは地元ではもうそんなんやめてくれと、建設もしないでくれというようなことを言われてては、お金かけても生きてまいりません。今回の長居公園運営にも大変な金をかけようとしているわけであります。ホームレスが懸命にまちの美化やさまざまな軽作業に汗を流して、それを行政が支援する観点から公費を投入するというのであれば、市民の方は私は納得されるんではないか。まちがきれいになっていきますのでね。今環境保健局の方おっしゃったように、まちがきれいになっていくことについては大阪市民は反対しないと思います。

 工営所などを拠点にして、ホームレスが生活道路や歩道などの一般ごみ、たばこの吸い殻の収集や資源ごみのうちリサイクルに乗りにくいスチール缶やペットボトルの収集の一役を担ってもらい、それに対して関係局が予算を分担して報奨金的な仕組みを考えてはどうだろうか。そうすればホームレスの自立にもつながり、きれいなまちづくりに役立つものと考えるわけであります。

 何ぼぐらいの日当を出せるか、今のところ当然私も申し上げる数字はございませんが、西成あたりにあります簡易宿泊所の、1泊300円ぐらいなんじゃないんですか。もっと上なんですか、そこが宿泊施設も大分あいてきているんでしょ、入る人払えないから。そうすると路上で、公園でと、こういうことでしょ。だから、片一方でこういうようなお仕事をしていただいて、お支払いさせていただいて簡易宿泊の方に入っていただく。非常に衛生的にもよろしいですわね。

 そういうことで、きれいなまちづくりにも役立つと思うんですが、私の提案に対して局長さんの実ある回答をいただきたいと思います。

◎寺川民生局長 ただいま太田委員の方からいろいろ御指摘も賜り、また教えもいただき、また私どもの知らない部分も教えていただきました。

 私ども野宿生活者対策推進本部、民生局が事務局を預かっておりますが、これのいろんな形で国も当面の対応策を出していただいて、自立支援の道も、当面の対策として出てまいりましたが、最後の問題、居と同時に最終の出口である就労支援の自立ということが大変重要なかぎだというふうに思ってます。そういう意味で、今後ともその確立をしていかなければならないというふうなことで思っております。

 なお、少し付言するようなことでございますが、昨年来国の方でもしていただきました3年間の限定でございますが、緊急地域雇用特別交付金事業というのがございまして、私どもこれを活用いたしまして、先生からの御指摘、また御案内ございましたが、一部でございますが都市の環境美化対策という観点から、あいりん地域での生活道路の清掃事業、さらには市有地の除草等の事業を拡充いたしまして、あいりんの高齢者の日雇い労働者の方々を中心に雇用の創出を図ってきておるのも事実でございます。私どもこの野宿生活者対策推進の上で、この期間の、3年間という期間の延長、更新なり交付金の枠の拡大など、就労支援策の拡充につきましても、国並びに大阪府に対しまして要望してまいりたいというふうに考えております。

 一方、野宿生活者の特性、いろいろな実態調査、また各大都市等の関係見ましても、非常に移動性が高い。ちなみに、先ほど出海主幹の方から申し上げておりますように、実態調査の聞き取り調査の中でも大阪の中の方、全都道府県にほぼまたがっておりますし、あいりん地域中心にした方が多いわけですが、非常に移動性が高いということが特徴としてございます。

 そういう意味で、一都市だけが新たな就労支援策を講じると、それは非常に大事なことでございますが、それを目当てに他都市から流入するというような懸念もございます。また、全国的な取り組みということ、実施が求められるという側面もございます

 ただ、今、委員からございましたように、大阪市がきれいなまちづくりをしていかなければ、またそれを担う人的な資源として野宿生活者の方々、そういう方々に就労機会をつくるという新たな提案でございまして、この提案につきましては財源や野宿生活者の特性など、さまざまな観点から課題の整理を行うということが必要でございます。その整理を行いますとともに、関係機関とも調整しながら先ほど申し上げました市長を本部長とします本市の野宿生活者対策推進本部の中で関係局一体となって検討してまいりたいというふうに考えております。

◆太田勝義委員 局長の方から前向きなお答えいただきましたので、ホームレスの方、野宿生活者の方、これ聞いておられたら喜ばれるんではないかなと思うんですが。

 最後に私の方から要望しておくんですが、移動性が高いというのは、もう既に移動性が高くなって大阪に集中しているんです。だから、神戸や京都やら少ないですよ。200人、300人ですよ、広島でも。大阪は東京よりも多くて、飛び抜けて多いんですから。もう既に何もしなくても多いから、これ以上やったらもっと来るんだろうと、こういう心配だと思うんですけど。

 今、何にもなしに一時避難するとか、あるいは自立支援とかいうのは何にもなしにそう言っているんじゃなしに、ちゃんとこれはお仕事していただくということですから。だから仕事をちゃんとしていただくということで、大阪がそういう先駆的な役割というのをいろんな形、大正8年のときの先輩方がなさったことは、そういうことも当然考えられたと思うんですけども。

 全体として大阪市がどんな役割が担えるかということを、ここは情報発信の中で、このままでオリンピック迎えたら、だれが見てもIOCの人来たら全部嫌がりますよ。こんなんで天下の大阪城行きましょう、行く人ありませんよ。大阪城行かんといてくださいというわけにはいかへんのですから。それはどこもかしこも車乗ったら、天王寺の高速道路ずっと、あそこおりたら、ばっと両方したんねんから。

 だから、そういうことで、オリンピックを迎えられへんですよ。だから、そういうことでなしに、どうするかという新しい観点をひとつお考えいただいて、今市長を中心にした推進本部というので検討してまいりたいということですので、本当によろしく御協議いただきますようにお願い申し上げて我が党の、時間余りましたけども、終わらせていただきます。

◆山本修子委員 私の方からは地元の問題でもございますので、長居公園の一時避難所にかかわりまして若干御質問させていただきたいと思います。

 先ほど局長からは住民合意という点で、これまで民生局の皆さん方が地元の町会を中心にしていろいろと説明会開いてこられたという御努力の経過はお伺いしたところでございますけれども、一番近隣の東住吉区の中の南田辺連合町会、ここでは3回にわたって説明会を開いております。その3回目が9月21日に開かれまして、聞くところによりますと入口論議で終始をして、長時間にわたって混乱をしたということでございました。

 少し詳しく聞いた内容では、どうも住民の皆さんに対する周知の期間がわずか3日間しかなかったというようなことでの住民の皆さんの御不満、御批判が集中したというようにも聞いております。これについて、なぜこのようなことになったのか、そしてそれについてどのように思われるのか、最後には再度開催するというふうにお約束をされたと聞いておりますが、次回はどういう態度で臨まれようとしているのか、まずそれをお聞きしたいと思います。

◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。

 長居公園の仮設一時避難所設置計画につきましては、7月11日に東住吉区、7月19日に住吉区連合町会議におきまして御説明し、設置推進の立場で御了解をいただいたところでございます。その後、東住吉区の鷹合、南田辺、東田辺、それから住吉区の長居、各連合町会の協力を得て連合町会単位で合計6回にわたりまして地元説明会を開催いたして、地域住民の皆様方の理解を求めてまいったところでございます。

 周知方法につきましては、各連合町会が回覧板で周知をし、当該地域の小学校の体育館の方で開催をいたしました。南田辺の件、今委員から御指摘ございましたけども、これまで南田辺地域につきましては3回開催しております。7月21日、8月18日、そして御指摘の9月21日でございます。3回目の説明会につきましては民生局、それから建設局の花と緑の推進本部、それから東住吉区共同主催ということで、実は南田辺町内にございます44カ所の掲示板に説明会開催のお知らせを掲示して、長居陸上競技場内の大会運営室で開催いたしましたところでございます。

 しかし、周知期間が短かったということもございまして、出席した地域住民の皆様方から周知の方法、それから期間の問題等について強い御不満が出され、混乱を招く結果というふうになったところでございます。終了間際におきまして、今後のあり方について協議が相整いまして、次回の説明会の開催に際しましては、関係者の代表の方々と事前に十分打ち合わせを行いながら円滑に進めてまいりたいというふうに考えております。

◆山本修子委員 これ一つとってみても、今回の説明、なかなか住民の皆さん方に御理解いただきにくいという部分があるわけですから、説明会を開催される場合は3日間というのは短か過ぎるのはだれが見てもわかる話でしょ。そういう批判を招くようなことは当初からやっていただきたくないわけです。

 昨日も日曜日でしたけれども、区内選出の府市会議員団、この件での説明を受けるために緊急に集まりまして、また近隣の連合町会長さんとの意見交換も行いました。その中で、連合町会長さんたちは昨年の3月に先ほども御紹介ありましたように、2万数千人の署名を建設局に提出をして、何とか一日も早くこの長居公園の不法占拠の状態を解決してほしいと、こういうふうに言われて、そしてようやく市からの一定の方向が出された。何とかこれで解決の方向が出るかなと思っていたやさきに反対の声が大きく盛り上がってしまった。反対するんやったら何でそのとき反対してくれへんかったんやという声も一方ではまた寄せられているということもあり、大変苦しんでおられます

 ですから、市当局の一つ一つの説明が住民の皆さん方に本当に納得いくような形で浸透していかないと、この混乱状況がなかなかおさまっていかないというように思いますので、次回の説明会では十分に住民の皆さん方と打ち合わせの上、理解していただけるような説得力のある内容をぜひお願いしたいと思います。その点にかかわって若干私は細かく質問していきたいと思います。

 先ほども出されましたように、今回の反対をおっしゃっている皆さん方にとっては、この一時避難所が住民の皆さん自身の調査によりましても、野宿者の方たちはつくられても入る意思はないという人がほとんどやということが調査の結果出ていると、そんな入りもせん施設を何で10億もかけてつくんねんということが一つでございます。それに対して、どのように皆さん方はきちっと答えられるかということが一つあると思います。

 そういう流れのもとにお聞きしたいんですが、これ建設局さん、現時点での長居公園内には、この4月から以降というと難しいですかね。説明されたときから以降、新しいテントはふえていないかどうかということと、現時点でのテントの実態ですね。空きテントも含めて居住者どれぐらいいてるか、空きテント幾らか、それ調べておられると思いますので、それについてお示しください。

◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。

 私ども今回の仮設一時避難所の立案当時のテントの数でございますが、480でございまして、先日8月25日のテントの数でございますけど、458でございます。この差22件減っております。9月1112日で、この22件のテントを撤去いたしました。今後もし空き家が見つかった場合とか、あるいは勧告をした後で必要でないテントにつきましては逐一とっていくつもりでございます。

 2点目でございますけれども、今後458件と申し上げましたですけれども、居住確認をされてますのはテントとしましては314件で、330人ぐらいが、夫婦の方とか、あるいはいろいろ2人住んだりしておりますので、330人ぐらいプラスどうも住んでいる気配のあるテントが70ぐらいございますんで、400弱ぐらいがあるんじゃないかと思っております。

◆山本修子委員 新しいテントふえているんですか。これで家がふえてないと。

◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 減っております。

◆山本修子委員 今の数で言っても、当初計画より減っているということです。

 それで、市民団体で先ほども調査を始めている、その数も御紹介ありましたけれども、大阪市として実態調査もしないでこういう計画を立てるということに対して陳情書の中でも批判がされていますし、早急に実態調査をしていただきたいというふうにあると思うんです。

 先ほど局長答弁でも詳細な聞き取り調査を計画しているというお答えございましたんで、実態調査の時期と方法、どのようなやり方でいつぐらいの期間かけて行われるのか、それについてお答えください。

◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。

 今回の対策につきましては、地元住民の説明から入ってございますけども、一方で長居公園で野宿している人たちの当事者に対するきちっとした説明ということも大事だというふうに思っております。

 こういう意味合いにおきまして、なるべく早い時期に当事者に対する説明を実施するとともに、現場に混乱が起きないような調整を図ってまいった後、公園事務所職員や巡回相談事業の相談員等を通じまして詳細な野宿生活者の実態調査を10月中をめどに実施をいたしまして、野宿生活者の生活実態あるいは健康状態等についての把握に努めたいというふうに思っております。

◆山本修子委員 10月中には完了して大体の実態がわかるということですね。生活実態とか健康実態も調査をするということでありますが、この実態調査とあわせて直ちに入院が必要な人も恐らくあるだろうと思います。それから、高齢で就労を支援したくても、それはどこも働き口はないでというような方もいらっしゃるだろうと思うんです。そういう場合は福祉的な救済措置、例えば生活保護など、これも直ちにやっていく必要があります。そういう相談活動を同時にして、その上で最後にどうしても長居公園地域の中で一時避難所という受け皿をつくらなければ自立支援に結びつかないという人が何人ということが明らかになるだろうと思うんですが、そういう相談活動をしつつ、入院へ、あるいは生活保護への手続など、同時的に行われるのかどうか、お答えください。

◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げましたとおり、野宿生活者に対するきめ細かな実態調査を行いまして、その結果、福祉援護等が必要な方につきましては、福祉事務所等の関係機関と連携いたしまして、必要な措置を講じてまいりたいというふうに考えております。

◆山本修子委員 同時的に行うというふうに理解してよろしいですね。

 国勢調査との関連でお聞きしますが、この長居公園を初めほかの公園とか地域に不法占拠されている野宿者の方たちの国勢調査、これどないになりますかね。

◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 大阪市内の都市公園における国勢調査は普通の形でさせていただきますけれども、長居公園に関しましては9月27日、東住吉区におきまして国勢調査をいたします。ただ、先ほどの実態調査等々との混乱が起こったらいけませんので、それは詳細に東住吉区の方から通知するところでございます。

◆山本修子委員 国勢調査は国勢調査でするんですか。その後また実態調査するの。国勢調査と一緒にすれば、これすぐわかる話ではないですか。生活実態などは。

◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 国勢調査は9月27日に行います。私どもの入所指導にあわせた実態調査は、先ほど申し上げました10月中にやりたいと思っております。

◆山本修子委員 国勢調査は10月1日からだけれども、ここは特別に行うということですか。

◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 国勢調査は聞くところによりますと、10月1日を起点としまして、うろ覚えでございますが、約1週間の期間がございますので、東住吉の方では9月27日から10月4日ぐらいの間でやりたいという当初話がございまして、その決定日が結論9月27日と、こうなったわけでございます。

◆山本修子委員 そうすると、国勢調査は国勢調査、その後の入所にあわせた実態調査は実態調査ということで、そして同時にそれぞれの相談事業もやっていくということでありますね。

 そうすると、そういう詳細な聞き取り調査をしていけば入所の意向のある人、ない人、また入所する気はないけれども、その理由として、例えば聞くところによりますと、1棟に32人が一緒に住むというような形ではとても嫌だというような方もいらっしゃるだろうと思うんです。そういう場合は環境改善をするんかとか。それから、いやもうそういう施設に入りたくないと、むしろ生まれ故郷に帰りたいんだというような意向を持っていらっしゃる方もあるやろうし、別の場所へ移りたいと、しかしその運賃がないというような方もいらっしゃるだろうと思うんです。

 先ほども、できる限り強制撤去というような力で撤去するというようなことは避けたいということでもございますが、そういうきめ細かな対策はとられますか。もう一度お伺いします。

◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。

 今回の長居公園の対策に関連しての実態調査、先ほど申し上げましたが生活の実態面、健康状態面、それぞれを幅広く調査をいたしたいというふうに考えております。

 また、野宿生活者に対するニーズ調査、これにつきましてもきっちりと行いまして、例えば入所拒否する方につきましては、なぜ入るのが嫌なのかということにつきましても聞き取りをいたしまして、その方々の事情に応じてきちっとした説得をしたいというふうに思っております。

 それから、先ほど委員御指摘のように、今回の設備基準に関しまして野宿生活者に対するプライバシーの面、それから例えば外柵面で収容所のようなイメージがあるというふうな御指摘もございましたので、こういった設備面につきましても実際の整備運営に当たりましては十分配慮して対応してまいりたいと思っております。

 さらに、帰郷を望むという方につきましては、巡回相談事業等を通じまして必要な措置を講じたいというふうに考えております。

◆山本修子委員 今のお答えを合わせて考えますと、当初の480人、20棟というこの計画は、かなり縮小できるんではないかというように思うんです。縮小されればされるほど、それぞれの野宿生活者の皆さん方の実態に合った対処ができるし、また地元の住民といたしましても3年間で480人の20棟が解消できるなんて、はなから思えないんですよ。

 しかし、それが皆さん方のいろんなきめ細かい対策、取り組みによって実態に合った形でどうしてもこの方たちはやむを得ずここで一時避難していただいて、自立への道を歩んでもらうんだという方向が見えてくれば、これは地元の皆さん方の理解を得ることができると思うんですが、調査結果に基づいて先ほど言いましたように規模が縮小となるということは十分予想されます。そういう計画の見直しはできますね

◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。

 私どもにおきましては、目視による野宿生活者のテント等の数あるいは人数などにつきまして、一応把握しているところでございます。仮設の一時避難所の建設前には、入所指導とあわせまして実態調査を必ず行います。その結果次第によりましては、実態に応じた規模の仮設一時避難所の整備をしたいと考えておる次第でございます。

◆山本修子委員 次に、そのようにしてそれぞれの実態に合わせた形の対応をしていただくとしましても、どうしても入所はしたくないんだという方は当然予想もされます。そういった場合の受け皿がまだまだ大阪市にはできていないということから、先ほども出ていましたけれども、地域にそういう方たちが拡散していくというようなことが予想されると思うんです。地域の皆さん方にとってはこれまでの間もさんざん新聞がとられるとか、牛乳が盗まれるとかというようなことで迷惑をこうむってこられたし、また時たま散歩していても嫌がらせがあったりとか、からかわれたりとか、嫌な思いをされてきているわけです。

 ですから、住民の方に理解と協力を求めるんやったら、住民の皆さんの生活については安全なようにきちっと対応しますよということがなければ、なかなか不安は払拭できません。

 先ほどの質問で若干はお答えになったんですけれども、工営所と公園事務所と警察と連携をとって取り組んでいきますということですが、その辺もうちょっと詳しく言っていただけません。いつからそれしてくれはるのかな。

◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。

 地元説明の際にもテント・小屋がけの撤去についてはもっと少ないうちからとか、あるいはもっと早く対策ができなかったのかという御指摘をしばしばいただいております。地域の皆様には大変御迷惑をおかけしていることについて深くおわびしております。

 公園管理者といたしましても、日常の維持管理業務の中で自主的な撤去を求めてきましたが、物件撤去後の移動先とか、あるいは野宿生活者への人道上の配慮等を勘案いたしますと、この問題はただ単に公園から野宿生活者を排除するという公園管理の視点だけで解決するものでなく、総合的な対策をも必要といたしました

 しかし、委員御指摘のとおり、今回の陳情等につきましても、行政と地域住民とのコミュニケーションの不足も一因ではなかったかと反省しておる次第でございます。

 今後の野宿生活者対策を含めた公園の適正管理につきましては、行政も効率的な方法で管理体制を確立しなければなりませんが、地域住民の参画は欠かせないものと考えており、地元町会、住民等と一体となった公園の適正管理手法を早急に検討して進めてまいりたいと思っております。

◆山本修子委員 よくわからないんですけども。それでは私は一住民としてはなかなか納得しがたい。

 この前、私も一番最初の方の南田辺の説明会に出たときもこれが問題となりましたね。例えば、新聞がとられたというようなこととか、子供が何か危ない目に遭うたとか、それは必ずしも野宿生活者とは限りませんよ、確かに。しかし、ついつい思ってしまうような状態が放置されてきたんだから、だからきちっと見回ってほしいとか、どこへ行ったらきちっと対応してくれるんですかと。これまで警察行ったって、現行犯でなかったらそれはいけませんとか、あそこで火を燃やしているから何とかしてください言うたって、公園管理事務所何もやってくれへんとか、ずっとそういう状態続いてきたわけでしょ。そういう不安が根っこにあって、不信感があるからどうしたって不安はとれない。その不安をとるためにどうしてくれはるんですかというたら、今の答えでは皆さん納得できませんがな。もう一回だれか答弁してくれはりませんか。

◎出海民生局総務部連絡主幹 私ども民生局と建設局花と緑の推進本部、一体となってこれまで6回にわたりまして地元の皆様方に説明会の形でるる御説明をしてまいりました。委員御指摘のような面で、地域住民は極めて不安に思っているということは痛切に感じております。この点に関しましては、一たん事案が起こった場合の通報とか関係機関の連携というのは極めて重要なことだというふうに思っております。

 例えば、自分の身近な小公園で新たにテントがふえたであるとか、それから空き部屋にホームレスらしき人が忍び込んだとか、そういった場合につきましては一定の、区役所を例えば窓口にして、そこのところから警察の方に例えば通報するといった連携。それから、公園管理、道路管理の面では工営所、それから公園事務所、機動的に動くといった面で関係機関の連携というのは極めて重要であるというふうに思っておりますし、その連携のあり方につきましても今後十分検討してまいりたいというふうに考えております。

◆山本修子委員 かなり時間がたっているんです。このあたりは本当に切実な問題なので、これ以上追及しても、きょうはお答えになれないようですから真剣に考えていただきたい。

 これだけ確かめておきますけれど、警察との話し合い、これにかかわって。相談はできつつあるんですか。やっているんですか、会議とかの中で。

◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。

 いわゆる野宿生活者問題につきましては、大阪市が取り組んでいる施策、もしくは今後取り組むべき予定をしている施策、いろいろな施策につきましては、府警本部、それから関係の所轄署、十分に情報提供しながら相談をしております。

 長居公園の対策につきましても、東住吉署、それから住吉署の方にも御相談をしておりますし、これに関連する事案、それから今後生起するであろうことにつきましても、いろいろ御相談しておりまして、情報を密にしてこれから対応してまいりたいと、遺憾なきを期したいというふうに考えております。

◆山本修子委員 これは単に一時的な対応策ということに当初はなるだろうと思いますけれども、最終的には大阪市全体のホームレス問題、これを解決していくという流れの中できちっとそれは方向づけがされるだろうというように思いますから。そういう意味では、今相談なさっているということですから、具体の問題をもう少し現場歩いていただいていると思いますけれども、あわせて当面の住民の不安を払拭するように一層の努力をお願いしておきます。

 それからもう一つは、陳情等で指摘をされているのが、3年間たったら本当に一時避難所がきちっと撤去されて、もとどおりの長居公園になるかどうかということが確信を持てないということなんです。確かに数字では、1カ月約15名という長居公園の野宿者の枠がありますと。年間180人が一時避難所から自立支援センターへ行って、そこを通して就労への道に着くということなんですが、ここの自立支援センターへ行くまでにここの自立支援センターから出る人がおれへんかったら詰まってしまうわけですね。入られへん。そうなった場合はどないするかいうのは考えてはります。

◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。

 ただいまの御質問につきましては、いわゆる自立支援センターからの出口の問題であろうかと思います。私ども10月初旬より順次開設いたします自立支援センターへの入所措置を行うとともに、高齢者や病弱者の方につきましては福祉援護措置を講じるなど、きめ細かく対応することによりまして、長居公園の仮設の入所者につきましては1カ月約15人、年間180人程度を仮設一時避難所から退所していく。漸次縮小し、3年以内に仮設一時避難所を廃止するという計画でございます。その面で、自立支援センターの出口が重要であるというふうに思っております。

 この観点から申し上げますと、大阪府におきましても先月8月10日に大阪府野宿生活者対策検討会議を発足させまして、自立支援センター入所者の就労による自立を支援するということになっておりまして、大阪府の補正予算に野宿生活者常用雇用促進事業を実施するための事業費用を計上しております。

 今後ともこの就労支援の問題につきましては、大阪府並びに国と緊密な連携を図りまして、引き続き具体的な就労対策につきましても取り組んでまいりたいというふうに考えております。

◆山本修子委員 出口が詰まったらどうするかという話を私今したんですが、それについては明確なお答えないですが、出口が詰まらんようにしてもらわなあかんわけです。

 やっとこさ大阪府の方でも今紹介されたように、事業が実施されるという運びになっておりますけども、つい先日韓国のソウル市の新聞記事がありました。ホームレス対策で多額の国家予算を投じるとともに、約300人の専従職員がホームレスに幅広い支援を行った結果、ホームレスが大幅に縮小したという記事でありました。たしか2,000人いたホームレスが400人ぐらいになったという記事だったと思いますけれども。

 これも先ほどからの質問でのお答えなどで明らかではございますけれども、大阪市だけの取り組みでは限界があるというふうに私も思います。国に対してきちっと就労対策ですね。先ほどは大阪市独自でやったらどうかということありましたが、私はもちろんそれは必要だと思いますけれども、大阪市独自だけで1万人近いホームレスの皆さん方の就労支援というのはなかなか大変だと思います。

 ですから、国として福祉就労とでもいいましょうか、そういう対策事業を立ててもらうということをやってもらわないと、これは大阪市独自でやったら、あそこへ行ったら仕事あるでということで、全国からまた来られる。呼び込むということにもなりかねませんので、国レベルでの早期解決を市としてもっと強力に言っていただきたい。同時に、予算をきちっと獲得をしていただきたいというように思っておりますが、局長、そのあたりはいかがお考えでしょうか。

◎寺川民生局長 お答えいたします。

 先ほども太田先生の御議論ございました。また、ただいまは山本先生からるる御指摘も賜り、また対応、いわゆる我々自立支援センターの出口問題も生じています。いかに自立支援を図っていくかということで、これはつとに私ども課題として大阪府、そして国にも要望してまいっております。

 具体的に、実効性のある就労対策をとらなければならない。当然、我々としてその前に大阪市としてやり得るべき、御指摘もございました自立を図るための福祉援護措置、それから高齢・病弱という措置なり、さらにはいろんなルートでの形をやると。気にいたしますところ実態の聞き取り調査の中でも、働きたいというのは80%いるという中で、かなり高齢化もいたしております。いろんな時代背景もございますし、また公園等に野宿しておられる方々の生活実態というのは、一つには大阪独特のあいりん地域から高齢化して拡散したという要因も、他都市よりも非常に強い要因としてあるのも事実でございます。

 それに対しまして、いわゆる労働省が当面の対応策といたしました自立支援センターには職業相談員を配置するということでございますが、これだけではなかなか出口の確立にはならないということで、我々も我々なりに先ほど御提起ありましたものを検討してますし、いろんな形での支援策の大阪市としての拡充を図りながら、さらに実効性のあるものを全国規模として求めてまいりたいというふうに考えておるところです。

 それには、国に対して大阪府も我々も相伴って要望し、先生方の御指導も得てより確実性のある就労対策の支援、そしてそれを基盤とした特別立法にまでつなげたいというふうに思ってますので、よろしくお願い申し上げます。

◆菅井敏男委員 公明党の菅井でございます。私の方からはホームレス問題について何点か質問しておきます。この件につきましては、種々今論議されましたので、一部重複があろうかと思いますけれども、よろしくお願い申し上げます。

 まず、今回の仮設一時避難所設置計画でございますが、これは長居公園の適正化を求めるということで、2万5,000人の署名をそういった周辺住民の声にこたえるために検討されたと、こういうふうに伺ったわけでございます。

 しかしながら今回、反対陳情の署名が出ておりますけれども、これについてどう受けとめられておるのか、まず最初に伺いたいと思います。

◎松浪民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。

 ただいま委員御指摘のように、今回の仮設一時避難所の設置計画につきましては、長居公園の適正化を望む市民の声にこたえるための施策として検討した計画でございますので、私どもといたしましてはこれまで地元説明会を6回開催してまいりました。

 その中での御意見といたしましては、大きく分けて申し上げますと、今の状況は早く解消してほしい。仮設一時避難所の必要性は理解できる。しかし、長居公園の中では困る。困る理由といたしましては、テントが避難所に変わるだけで、野宿生活者が地域に及ぼす影響は変わらないのではないか。また、避難所が固定化するのではないかという点でございます。私どもといたしましては、避難所を設置し、テントが解消できれば相当の環境改善ができるものと考えております。

 具体的に申し上げますと、公園内の噴水やトイレの手洗いなどで現在体を洗う者もいます。生活ごみや電気製品などの解体したものが散乱しております。また、感染症もございますなど、さまざまな問題点がありますが、避難所の中におきましては水洗トイレ、温水シャワー、作業スペース、炊事場、結核検診、医師による健康相談等を実施することによりまして、今の状況が大幅に改善されるものと確信いたしております。

 また、避難所が固定化されるのではないかということにつきましては、私どもといたしましては野宿生活者の自立を目標としておりますので、このまま固定化するという考え方は全くございません。自立支援センターへの入所を図ることにより、漸次縮小し、廃止してまいりたいと考えております。

 私どもは、この計画の実施によりまして、公園の改善の姿を見ていただくことで御理解していただけるものと思っております。

◆菅井敏男委員 大分PRも入った答弁でございますが、公園内での一時避難所設置計画は困ると、こういうふうに住民が言われているわけです。だから、今までの対応に問題はなかったのかどうなのか、対応の無策がまた行政不信につながっているんじゃないかと、このように思うわけでございます。

 これは長居公園だけではなく、全般的に言えることでございますが、公園や道路にホームレスの小屋がけ数がふえていくたびに、地元から要望や相談があったはずでございます。長居公園の場合はたまりかねた地元住民から昨年の3月に公園改善に関する申し入れ書が出たと、今までの答弁にもございました。そういうふうに私どもは聞いておりますが、今日までの具体的対応ができていなかったんじゃないのかと、こういうふうに思うわけでございます。

 例えば、テント数が少ないときにきちんと対応しておけば、こんなことにならなくても済んだんじゃないのか。例えば、小屋がけ数等を見ましても、平成10年ぐらいから急にふえているわけでございます。そういうことからいって、先ほども建設局の方からもいろいろな説明もあるわけですけれども、公園を管理する立場からどんな対応をしてきたのかと。もうこれはいろいろと一生懸命取り組んでいることも聞いているわけでございますが、例えば民生局が野宿生活者対策に取り組んだのは、一昨年の4月でございますね。それで昨年の7月に市長を本部長とする大阪市の野宿生活者対策推進本部、これが設置されております。1年4カ月後ですね。また、平成10年の11月に8月の調査結果が発表されましたが、街頭調査で8,660名。ところが昨年の調査では1万人を超えておる、こういうことでございます。対策本部設置したのは、非常におくれて設置されたということでございます。

 我々議員も、数年前から住民からそのたびに何とかしてほしいという切実な要望を数多く受けてきておるわけです。こういう社会情勢いろいろとございます。今日の状況が予測されたはずだと思うんです。何か対応が後手後手でですね、それで、数がこのような1万人を超えるようなことになってからようやく立ち上がったという気がしてならんわけですね。

 そういうことで、これはもはや一地方自治体ではもう手に負えないような規模と化しているわけでございます。今までの対応等につきましても、どうだったのかということをもう一回はっきりしてほしいと思います。建設局と民生局の方からお伺いします。

◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。

 地元説明の際にも、野宿生活者によるテント・小屋がけの撤去につきましては、もっと少ないうちから対応しておくべきだった、あるいはもっと早く対策ができなかったかという御指摘をしばしばいただいており、非常に非難を浴びているところでございます。

 しかし、公園管理者といたしましても、日常の維持管理業務の中で自主的な撤去を求めてまいりましたが、物件撤去後の移動先、野宿生活者の人道上の配慮等を勘案いたしますと、この問題はただ単に公園から排除するという公園管理の視点だけで解決するものでなく、総合的な対策をも必要といたします。

 先ほど委員がおっしゃっていただきましたが、平成11年5月に国においてホームレス問題に対する当面の対応策についてがまとめられ、市長を本部長とする大阪市野宿生活者対策推進本部の設置を契機に、野宿生活者問題に対処するための体制が整いつつあり、その結果、自立支援センター等野宿生活者の自立を目指しての施策がやっと本格的に打ち出されつつございます。このことは、公園でもテント・小屋がけをしている野宿生活者についても移動先や自立の道が開かれつつあり、これからの公園管理体制、中でも仮設一時避難所及び自立支援センターに野宿生活者を導くことができるようになりましたので、なお一層の公園の適正化を図るために今後努力してまいりたいと思っている次第でございます。

◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。

 いわゆるホームレス問題、野宿者問題につきましては、大阪市を初め、多くの大都市において抱えている悩み多き問題でございます。

 この問題の解決に向けまして、平成1011月に磯村市長の方から小渕前首相に、この問題は国の方の取り組みとして取り組んでほしい、こういう要請に基づきまして、平成11年2月に大阪市を初め関係6自治体と厚生省、労働省を初めとする関係5省庁でホームレス問題連絡会議が発足いたしました。そして昨年の5月に当面の対応策が取りまとめられまして、これを受ける形で大阪市として昨年の7月に野宿生活者対策推進本部を設立したと、こういう経過でございます。

 本部設置後、8月には巡回相談事業を試行実施し、また昨年の12月には補正予算で自立支援センター3カ所の整備計画を立てました。そして12年度の新規の計画として長居公園の適正化に取り組むべく現在仮設一時避難所の設置計画も検討しているところでございます。

 いずれにいたしましても、大阪市といたしましては、この問題につきましては重要な課題というふうに位置づけまして、推進本部を挙げまして、今後いろいろ創意工夫しながら、施策の検討を行ってまいりたいというふうに思っております。

◆菅井敏男委員 一応取り組みは一生懸命やっているなということは理解できるわけですが、例えばホームレス小屋がけ数の推移等を見ますと、例えばこの対策本部ができてから長居公園で数がどの程度ふえたのかと、データはちょっといただきたいんですけど、これを見ると平成11年8月には328張りあったんですね。それが平成12年2月、422張りになっております。こういうふうに本当に対策を練っているんかいなというような気がしてならんわけです。

 例えば、公明党の方も代表質問の際に、ホームレス問題等を取り上げたときに、市長の方からも重点的、集中的な対応というね、また専任の巡視員を配置するなどという、非常に我々にとり耳ざわりのよいそういう答弁もあったわけでございます。この実態を見るとなかなか進んでいないんではないかというような気がしてならんわけでございます。

 例えば、このホームレス問題について、先ほども答弁がございましたけども、中央省庁と関係自治体の連絡会議を開催するということになっているわけでございますが、特に関係自治体、東京都、横浜、川崎、名古屋、このあたりとどのような話し合いがなされているのか。

 これはもう既に発表されているデータ等見ましても、大阪、1万人は超えているわけですが、当時の発表では8,660と。東京の方が4,300と半分でございますが、あとは名古屋が758、川崎が746、横浜が439と。この5都市で1万5,000近い数があると、こういうふうな発表がございました。

 特に、本市としましては、関係自治体の中でも東京あたりとどういうような連携、またほかの都市は数が少ないですから、そのあたりの取り組みはちょっとおくれてるんやないかと思うのですが、このあたりどうなっているのか、一回その取り組み状況について教えてください。

◎出海民生局総務部連絡主幹 お答え申し上げます。

 いわゆる野宿生活者問題につきましては、もちろんホームレス問題連絡会議の場、それから簡易宿所密集地域対策の所管の課長会議というのがございまして、これは大阪市のあいりん地域とか、東京都の山谷とか、そういった寄せ場を抱える都市の会議でございますけども、同じようにやはりホームレス問題に悩んでおりますので、この会議の場でもホームレス問題について種々議論をしております。

 それとは別に特に大阪、東京はこの問題につきまして対応が極めて深刻であるという観点から、特に東京都との間につきましては、特別立法の制定ということが大きな課題になってございますので、その点につきましても、私ども推進本部の立場、それから東京都の所管部局と、この特別立法の制定に向けての法案の骨格の内容であるとか、そういった点につきまして、ただいま検討、協議をいたしております。以上でございます。

◆菅井敏男委員 ひとつ積極的な取り組みをお願いしたいと思います。

 東京の場合、ちょっと二、三ほど東京の方に電話しまして、特に東京は路上生活者対策というふうに言ってますけども、そのあたりの資料もちょっとファクスで送っていただきまして、これを見ているんですが、東京は都とそれから区とタイアップしながらこの問題等について取り組んでいると。特に自立支援センター事業ですね。相当力を入れているような一応資料でございます。

 それと、ちょっと官報情報の関係になりますけれども、先日新聞に出ておったわけでございますが、昨年実施した厚生省の動向調査、これは非常に結核の罹患率が38%ですか、大幅に上昇したと。こういうような記事がございました。大阪も4年連続上昇と、こういうふうな記事でございます。

 あいりんにおける野宿生活者の結核対策はDOTSや、それから労働センター前での検診と、相当進んでいると、こういうふうに聞いているわけでございますが、長居公園には多くの野宿生活者がおられるわけでございます。この中には結核患者の方もおられるのではないかと、こういうふうに思われるわけでございますが、例えば聞き取り調査等でどのような状況掌握が行われているのか、また今後どのような対策を考えておられるのか。

 それともう一つあわせて、直近のいろいろな措置状況について、これは民生局の方になるんでしょうかね。このあたりもひとつお尋ねしたいと思います。お伺いします。

◎堀田民生局総務部保護課長 お答え申し上げます。

 東住吉の福祉事務所で長居公園のホームレスからの相談を8月から9月にかけてお受けした件数でありますけども、それが51件ございました。51件のうち生活保護施設への入所につきましては15件、そして病院の方に24人の方、その他生活ケアセンターの方へ7件という状況でございます。

 ただ、入院につきましては、結核・精神等々、その内訳、ただいま承知しておりませんので、一応合計24名という状況でございます。

◆菅井敏男委員 今、措置の内訳を聞いてみますと入院が24名ですか、約半分の方が入院されていると。また、保護施設に入所されている方15名おられると。大半がこの入院と保護施設入所者ということになるわけでございます。

 先ほど山本委員の質問の中にも、テント数が22件撤去されたという質問に対して答弁がございました。人数も330名プラスアルファ70名ほどというような話もございましたんですけども、こういうふうにして巡回指導ですか、そしてまた面接指導等やる中で、本当に病気等で苦しんでいる方も結構おるんやなかろうかと。

 これで最近の長居公園の中で今まで住んでおられる方51名が措置されたということでございますので、もっと実施する中で、皆さん方がこういう施設にも入所して、一日も早い健康状態の回復とか、それからある程度生活安定ということが図れるんではなかろうかと、こういうふうに思うわけでございます。

 それから、今回の長居公園における仮設一時避難所の計画ですね。これは市の単独事業で、先ほども何回か答弁がございましたが、3年間に10億円ほどかかると、こういうふうにお聞きしたんですが、当面の対応策にはホームレス対策として、例えば国と地方公共団体が適切な役割分担のもと、一体となって進むことが重要であると、その際、国は地方公共団体に対し必要な財政措置を行うと、こういうふうにも資料にもございます。

 このように事業そのものに対して、当然国に支援を求めていくべきと考えるわけでございますが、国に対してはどのような働きかけ、また今見込みを持たれているのか。そのあたりを先ほどの重複もあるかと思いますが、ちょっとお答え願いたいと思います。

◎松浪民生局総務部連絡主幹 お答えいたします。

 国に対しましては、施設の必要性を十分説明しながら、特に運営費につきましての助成を求めてまいりたいと考えております。

 国の13年度概算要求を見ますと、野宿生活者の自立支援策として、一時宿泊施設の設置事業が盛り込まれているということが判明しておりますので、この事業内容につきまして注目しておりますので、国の予算化が実現し、助成対象となるよう十分働きかけてまいりたいと考えております。

◆菅井敏男委員 そのあたりの取り組みをひとつよろしくお願いしたいと思います。

 これは答弁は要りませんけども、一応お伺いしようと思ったんですが、時間もございませんので。

 大阪市はこれまで就労、自立を促進する3カ所の自立支援センター、またあいりんの臨時夜間緊急避難所、このあたりに取り組んでこられております。これらの対策を進めることだけでは、今回の計画も含めてでございますが、抜本的な解決にはならないわけでございますので、精力的に国、また関係自治体と連携をとりながら、全国的な取り組みにもっていかれるよう要望しておきたいと思います。

 いずれにせよ、この非常にこちら側の取り組みの安易さ、甘さがなかなか問題の解決につながらないという気がしてならんわけでございますので、そのことも含めまして、今後ひとつより前向きな、積極的な取り組み方をよろしくお願いしたいと思います。以上でございます。

◆石川莞爾委員 非常に押し迫ってきておりますので、ホームレス問題ちょっとお尋ねしたいと思うんです。

 3つの陳情が出ておりますが、私どもは結論から言いますといずれもこの3つとも採択するべきだと考えております。ぜひ委員各位の御賛同を得られますように、まず最初にお願いいたしまして、幾つかお尋ねしたいというふうに思います。

 長居公園のホームレスということで、今まで議論になっているわけですけども、いわゆる野宿を余儀なくされたという方に対して、行政がどう対処しなければならないのかという、そもそも論、原則的な問題をはっきりさせることが大事なんではないか。さまざまな理由で野宿生活者となった国民に、法律は退去を命じるだけなんかと。

 ことしの7月28日の新聞に、皆さん御承知かと思いますが、大阪の弁護士会が市内に1万人以上いると見られる野宿者を大阪市が放置しているのは生存権を保障した憲法に違反しているというふうに言って、弁護士会として抜本的な対策を求める要望書を大阪市と厚生省に出したと。中を抜きますが、同弁護士会は国の業務遂行の義務などに考慮して、これは河川敷のテント小屋をどきなさいという話があって始まった話なんですが、人権侵害とまではいえないと判断したと同時に、河川敷以外にも同市内の道路や公園に1万人以上の野宿者が存在する現状を重視し、危険かつ不健康な野宿生活は人間としての尊厳が守られた文化的な最低限度の生活とは言えないというふうに弁護士会は判断したと。こういう記事が載ったんです。御承知のとおりで健康で文化的な最低限度の生活を保障する義務が国にはあります、憲法25条。したがって、どの法律をもって対処するかという問題はありますけども、野宿生活者を放置することは許されません。

 大阪市では今までの議論でもありましたように、さまざま工夫していると、就労の機会をふやすということについても、国も確かに多少の対策を打ったと。自立支援センターも間もなく立ち上がるとか、いろいろやっているんですけどね、はっきりいって焼け石に水の状態ですわね。対策といっても抜本対策にはほど遠いわけですよ。問題はやっぱりもう少しまじめに正面から受けとめるということが必要です。

 やっぱり雇用対策が一つと、もう一つは効果といいましょうか、政策的には求められているのはやっぱり生活保護法の適用だと思うんです。

 この野宿生活を余儀なくされている方のすべてに生活保護を適用すれば、相当大きな対策の前進が図られる。これはもうはっきりしているわけです。そこへなぜ大阪市は踏み込まないのかということが改めて問題になると思うんです。

 この機会に保護課長さんが説明する前に、聞きましたところ生活保護の適用の場合、野宿してはる人がおると、テントで、その人で病気の人は保護法を適用して入院させて、医療費の負担は生活保護ですから、本人負担なしで治療に専念して、それで退院するときにアパートの敷金を保護法に基づいて支給して、それで住居を与えて自立の促進を図ると、これが普通の対応、ルールだとおっしゃったね。私はそれが実際にそのとおり守られているのかなという気がいたしますので、改めて課長に、野宿生活者がいてはって、その人が病気で治療が必要というときに、保護法を適用し、入院させ、出るときにはまた野宿させたんでは意味がないから、だから保護法の規定に従って、敷金や家賃をちゃんと払うようにして、それで住居をきちんとして、自立促進という方向にいくと。これはまずひとつ間違いないですか。

◎堀田民生局総務部保護課長 お答え申し上げます。

 いわゆる公園や道路などで野宿している野宿生活者の方々についての保護のありようでありますけども、私ども基本的にはそのような場所で居住しているからといって保護を行うということは当然困難であるというふうに思います。

 といいますのは、公有地である公園や道路など、そういう場所をいわゆる不法占拠している状況でありますので、それを生活保護によって助長するということは適切でないというふうに考えるわけです。

 しかしながら、公園等で生活しておられるそういう方々につきましても、やはり病気や高齢、障害等、そういう状況にある方もおられるわけでありますので、そういう方々につきましては、入院が必要な方については入院を、そしてまた生活保護施設での保護が適切であるというふうに考える方については入所というような形で保護を行っているところであります。

 委員おっしゃりますように、病院で治療していただいて、そしてその後退院ができる状況になった場合、私どもとしましては、敷金を支給してやってまいりたいと、そういうふうに考えております

 ただ、多くのホームレスの方々につきましては、一たん入院しました後に、自己退院と申し上げたらいいかと思いますが、ドクターの指導なり指示なりを待たずして私どもの月々の日用品代を受給した直後に退院を自己で決定して退院なさることがあり、行方不明になる方が多々ございます。

 そういうケースもございますので、必要な方については適切な保護を続けてまいりたいと、そのように考えております。

◆石川莞爾委員 生活保護法をどうやってうまく活用するかということにかかわった話として私は言っているわけですよ。

 だから簡宿にいてる間は生保適用しませんよというふうになっているから、だから簡宿の経営者の皆さんがいわば工夫をしている。新しいそういう動きに何のバックアップもしないできたんでしょうと言うているんですよ。そんなことしてて間尺に合いますんか。

 この構想を発表しはった協同組合の皆さんは新聞によると、この構想つまり2,000室を借り上げて1,500室をこう使って、500室をこう使って、これ年間必要経費10億円と言うとるんですよ。今問題になっている長居の一時避難所10億円でしょう。10億円で片一方はそれこそ数千というオーダーで野宿生活者に貢献するという事業でしょう。片一方は480でしょう。目いっぱいいっても、3年間で480いくかいかんかわからんと言ってますやんか。480人でいった、500人でいったところで10億円というたら1人200万円金かけてまんねんで。しかも大阪市の単費でしょう。国から補助金くれるわけやないのよ。200万円という金をほんまに真水で上手に使うということを考えるんだったら、200万円をもし仮に生活保護適用して、持ち出す金にあてがうとしたら、どんだけ大きな効果を発揮できますかというわけや。金の使い方としてどちらが効果があるんかという問題が出てくるでしょう。市民の人が3年間10億円の一時避難所の金の使い方、こういうもので果たしてどれだけ抜本的な対策の方に向かって、大きな一歩を踏み出しているのかなと思っているときに、こんなこと言うとったらあかんのと違いまっかと言うてるわけです。

 これは変な話ですけど、生保でもしうちの持ち出しで言うんだったら、生活保護法は国の負担が75%、大阪市の負担が25%ですからね。だからわかりやすく言えば200万円の原資があれば、800万円の給付の仕事ができるということになるんですよ。だから相当大きな効果を生むんですよと。それの例え話をしている。

 やっぱり就労促進、雇用の創出、それも大事なんですけど、この野宿生活に入ったら、急速に体力を失うというか、労働能力を失ってしまうんですよ。そこが問題なんです。そこをやっぱり早く救済して、早く自立の道へ乗せて、ほんで雇用対策と相まって野宿しなくてもいいという、そこのところへいくために、今は四の五の言うてる場合と違うと私は思うんですよ。

 しかも現実にはやっぱり毎年1万人とか8,000人とかいうオーダーで大阪市内に野宿生活を余儀なくされている方が、非常にせつない話ですけども、300人とか400人というそういう単位で亡くなってはるわけでしょう。もうこういう現実があって、それで政治の被害者だというそういう位置づけでしっかり見て、対策を立てないかん。

 総合対策というのは、僕はそういうもっと工夫ができることがいっぱいあるのに、そういうことをきちっと市民に示さんから、まずそこを示さんかったらあかんのと違うかと。それで全体としてみんなが納得のできる方策というのが出てくるんだと。生活保護の目的や法の精神を生かすというのは大事なことだと思うんです。

 だれも納得してないような仮設の一時避難所の建設を強行する。しかも当事者である野宿生活者の意向や意見はいまだに聞いてないということでしょう。近々聞きますという話やん。だから入る人がおりまんのかという話が出てくるねん。釜ヶ崎というたら怒られるわ。反失連という組織があるんですよ。野宿者の皆さんと一緒に戦ってはる組織がありまして、そこの人たちが長居の野宿生活者に一時避難所ができたときにどないしまっかというアンケート調査をしているんです。そんでこんなもんは要らん入らんというふうに答えた人が126人の回答者の中で102人おるというんですよ。この数は非常にはっきりしてますわね。この事業やるときに、一番最初に相談を持ちかけなければならなかったのは、野宿生活者この人たちではないんですか。この人たちが自分の意思で、そうしてほしい、そうしましょう、一致しているんやったら、これは事業効果も上がりますよ。やっても入らんというのはこれはどないするというわけや。みんな心配するのは当たり前ですやんか。ここが出発点の僕は間違いになっていると、そう思うんです。

 やっぱりこのままでいったら、強行しても入ってくれないという、そういう危険というか、可能性というのを強く感じます。こういうやり方が私はやっぱり問題をこじらせていると思う。

 これもついでに言いますけど、先ほどもちょっと山中さんも触れはったんですが、強制するわけにはいきませんと口では言うてるんです。同意してもらう必要があるとか、あるいは説得しますとか、だけどやっていることは強制ではないですか。あなた方いろいろ言うけども、例えば長居公園で言うたら、一斉になくならんかったら意味がない。ひどい話ですやん。最後は法に基づいて退去させる。こんなん強制ですやん。何が強制はいけません。そんなこと言うたかてだれも信用しません。

 やっぱりやらないかんことをまずやって、やっぱり抜本対策というのは、実効性があるなとみんなが納得するものを示して、それで事業を進めなければならん。そういう前提の問題がすっきりしないから、これだけのたくさんの人たちが意見を言い、やめてくれ、やってくれ、こんなふうになっていると思うんです。だれも僕はそれぞれ自分のエゴ、そんなもので言っている人はいないと思いますよ。それぞれでみんなよく考えて、市民の人はお互いの立場を考えてやってはると思います。

 大阪市の方がむしろ非常におくれた立場でやっている、そこが問題。これはまた別の団体ですが、釜ヶ崎キリスト教協友会という団体の皆さんが出された要望書、これはことし9月13日付で大阪市長さん初めに出されているんです。

 この中に当事者の声を聞いてくれということをまず書いておりますが、それと同時に法外援助ではなくて、生活保護法の適用をということも要求されている。この中に強制追い立てや排除を前提とした施設収容をしないことという項目があるんです。この中には1993年の国連人権委員会の強制立ち退きに関する決議というのは、日本を含む53カ国で満場一致で採択されたらしい。この決議の1項に強制立ち退き行為は人権、特に適切な住宅への権利に対する重大な違反である。第4項では強制的に追い立てられた人々、こういう人たちやコミュニティーに対して彼らの願いや必要に見合って、原状回復補償及びもしくは適切で十分な代替住宅や土地を影響をこうむったなどの人々やグループの相互に満足のいく交渉を得た後、直ちに与えるようにすべきだと。これがすべての政府に勧告するということが明記されておって、日本も採択しているというわけです。

 こういう立場で考えてない、あなた方。協力をしてもらうなんていうんではないです。あの人たちの人権を本当に守るという立場に立つならば、この今の進め方というのは、非常に問題があるということは鮮明になると思うんです。これが国際的な強制立ち退きとか、追い立てとか、排除とかという問題をめぐる今の到達点です。水準です。それと比べたら、今の大阪市の立場というのは、非常に問題があるんだということが鮮明になると思います。

 早くそういう抜本的な改善の立場に立って、対策を立てなかったら、もっと問題が複雑で混乱をきわめてくると思います。

 ですから、現地から出された最近の署名、つまりここに一時避難所を建てんといてくれと、よく話し合って決めてくれと。強行してくれるなという今の付近住民の人たちは私たちは納得してませんよと言うてるわけだから、やっぱりそこに至るまでの経過も本当に問題があるんですよ。

 先ほども議論されたんですが、国体の前後にはテント2張りぐらいしかなかったんね。それがだんだんふえ出したときに、住民の皆さんはじっと指をくわえて見てたわけやないんですよ。警察へも行った、区役所にも言うた。建設局にも言うた。公園事務所にも言った。保健所にも言うた。いろいろなことやっているんや。だけど一つもまともな抜本的な対策というものを示さんし、方向を示さんままきて、しかもずっと今日までの間に一遍も当事者である野宿者と情報交換も実態調査も、いわばこう考えてますねんという話に持ち込んでない。

 しかも、きょう話聞いていると、また近く細かい実態調査をやりますと言うてるけど、その実態調査というのは何のことない健康状態がどうかとか言うてるけどね、こういう施設をつくってこうしましょうかということについての意見を聞く気がないんですよ。こんなんではあきまへんと私は言っている。

 それでいうたら大阪市が何もしてくれへんということがあるから、今度の2万2,000とか、5,700とかというオーダーの署名がくるわけですやろ。やっぱり抜本的な対策というのをしっかり示して、それでやっぱり話し合いのテーブルにつかなかったら、これは私は前向いていかんと思うんです。

 こういう重要なボタンのかけ違いといいますか、そういう問題が今回のこの経過の中ではっきりしたと思います。

 ですから、時間がありませんので繰り返しませんが、これらの陳情を早くみんなで議会の意思として採択して、せっかくつくった推進本部がまともな、根本的な、抜本的な対策も示し切らへんまま、いたずらに時間が過ぎていると、今から総合対策立てますねんて、そんなこと今ごろ言うてるような、こんなもたもたした対応に早く決着つけささなあかんということがありますので、ぜひこの陳情については委員諸兄の御賛同を得たいというふうに思います。

 この件はこれまでとしまして、あと幾つか残ってます請願、陳情についてもう少し時間をいただいて触れておきたいんですが、時間がなくなってきましたので