【 平成12年9・10月定例会常任委員会(建設港湾)-0925日−01号 】

◎高野建設局長 長居公園の適正化のための仮設一時避難所の整備について御報告申し上げます。

 長居公園におけますテント・小屋がけは平成10年8月から12年8月までの間に約3倍となっており、市民の皆様が公園を利用する上で著しく支障となっております。また近隣の地域住民の間にも日常生活の上での不安感が広がっており、平成11年3月には長居公園周辺の地域住民約2万5,000人の署名による長居公園周辺の環境改善のための緊急対策要望をお受けするなど、長居公園の機能回復に向けて対策を講じることが喫緊の課題となっております。

 大阪市野宿生活者対策推進本部において長居公園周辺の地域環境の整備と野宿生活者の自立支援という観点からさまざまな検討を重ねてまいりました結果、長居公園内に仮設一時避難所を整備し、長居公園全域の野宿生活者を全員この仮設施設に入所させることによりテント・小屋がけの一掃を図ることといたしました。

 一たん仮設一時避難所に入所した野宿生活者は今秋に市内3カ所で完成する自立支援センターへの入所や福祉援護等の措置により、野宿生活者の自立の促進と仮設一時避難所の3年以内での早期収束を図ってまいります。

 施設の概要につきましては管理棟2棟、宿泊棟15棟、共用棟3棟、計20、その他トイレ、シャワー施設及び自転車、リヤカー等の置き場、作業スペースを配置します。なお宿泊棟は1棟32人、15棟で合計480人が入所できるものを計画しております。今回の計画を進めるに当たりまして長居公園周辺の連合町会単位で合計6回にわたり地元説明会を開催し、地域の皆様方からさまざまな御意見をいただいたところでございます。

 私どもといたしましては現在の状況下において長居公園の適正化・地域環境の整備を図るためにはこの方策によることが最善策と考えており、これ以上の放置は野宿生活者のさらなる集中、テント・小屋がけの堅固化を招くおそれがありますので関係局・関係行政区等との連携を図りながら仮設一時避難所の整備をこの秋に着工したいと考えておりますのでよろしくお願い申し上げます。

 なお、この件に関連して市会に3件の陳情が提出されており、すべて民生保健委員会に付託されまして、本日の委員会で審査されておりますことを申し添えさせていただきます。

◆高野伸生委員 ただいまの局長説明に対しまして幾つか質問をさせていただきます。

 長居公園自体は当初2年前約160件のテント・小屋がけから現在約3倍の458件という報告を受けております。私どもこの数の増大考えるに至って、今地元で大阪市の対処の仕方についていろいろ議論が沸き起こっております。

 今、局長からのお話のように本日も民生保健委員会でこの案件を、いわゆる陳情の付託案件としていろいろ議論されておるようでございますが、できるだけ民生保健委員会の問題とは重複しないように主に公園管理という面から質問させていただきたいと思っております。

 御存じのように、花と緑の博覧会が平成2年に行われまして、ことしはちょうど10年目ということで、花博の理念というのは我々市民の間に大分引き継がれてきたように思います。例えば地域でいろんな方、お年寄りの方、あるいは町会の方の御協力のもとにプランターを植えるような事業が推進してまいっておりますし、また花を美しくしようということで学校や、またそういった現場でいろいろな教育や指導が行われております。

 当時の平成2年、10年後には大阪市内は本当に花と緑のあふれる満ちあふれたまちになろうと、そういう希望のもとに大阪市役所も花と緑の推進本部という別局のような局もつくられてこの事業に推進してまいったわけですが、10年後には残念ながら大きな公園にブルーのテントの花が咲いた。大変我々市民にとっても非常に残念な現象であると思います。

 この抜本的対策として民生局自体、いわゆるホームレスというものをどうしてなくしていくんかということで今いろんな対策を国あるいは大阪府とも協議しながらやってきたわけなんですけども、我々市民にしてみたら、どうしてこの2年なり3年の間にもっと早く手を打てなかったのか。やはり対応が遅い。また説明が大変不足しておる、状況の進展度がわからない。こういったことは当然地元の説明会に至って市民の不満が爆発し、また大きな不安が起こっているのが現状じゃないかと思います。

 そこで先日提出されました陳情書の方も読ませていただきましたけども、特にこの長居公園の近隣の地域の方の不安というのは想像以上のものではないかと思います。

 そこでお尋ねいたしますけれども、まずこのテント・小屋がけですが、現在この不法占拠しているテント・小屋がけの撤去は本当に今回の仮設一時避難所の整備事業によって確実に撤去できるのか。この辺の不信感がございます。

 2番目にいわゆる一時避難所への入所に対して拒否される方が出てくるだろうと。こういう拒否される人に対してどのような方策で臨まれるのか。確たる態度がはっきりわかりません。

 3番目、逆に近隣地域にホームレスが拡散する可能性があるじゃないか。御存じのように長居公園の四方の道路を渡ってしまうと、もう確実に民家に入ります。距離はそんなにございません。ちょっと仮設一時避難所に入る、いわゆる対応がうまくいかなくなるとたちまち何百人の人が地域の民家に一時的に、逆にそっちの方に避難する可能性があります。

 そして4番目に公園管理の適正化ということでございますけれども、しかし本当の意味の公園管理の適正化ということであれば、公園の中にホームレスの方を1カ所に集めるだけという一つの集約事業じゃないか。これに対して大阪市の本当の真意がよくわからない。

 以上の数点の確たる大阪市の態度がまだまだ私どももいまひとつわからん点がございますし、また特に市民の皆さん、地域住民の方には大変な不安を与えております。こういった諸点を踏まえて当局に住民の皆さんに対する理解が得られるようなはっきりした答弁を求めたいと思います。

◎南崎建設局施設管理調整担当部長 お答え申し上げます。

 長居公園の管理につきまして、地域住民の皆さんを初め、市民の皆様に多大の御迷惑をおかけしておりますことについて深くおわびを申し上げます。

 まず1点目の仮設一時避難所への入所の誘導でございますけれども、まずこれは私どもで野宿者一人一人と個別面接を行いまして、今回の計画は野宿生活者も自立でき、また地域の住民の方々にも公園利用ができるようにすることが目的であるということを十分に説明いたしまして、テント・小屋がけの撤去指導粘り強く行うつもりでございます。

 また、入所拒否者に対しましても、まずは粘り強くテント生活からの自立、避難所への入所を指導してまいりますけれども、どうしても自立支援の説得に応じない、応じようとしないというふうな、そういう場合によりましては代執行法等に基づく法的な手続のもとに物件撤去を行いたいというふうに考えております。

 なお、物件の撤去後につきましては暫定的にフェンスで囲い込みますとともに、職員、警備員等による巡回警備を行うことといたしております。

 それから3点目の近隣の公園及び道路の野宿生活者の新たなテント・小屋がけについてでございますけれども、公園事務所、工営所の職員等の巡回を強化いたしまして自主撤去を求めてまいりたいと考えております。また野宿生活者に対する巡回相談事業、これは民生局でされておる事業でございますけれども、こういった事業を通じまして自立支援センターへの入所等によりまして野宿生活者問題の解決に努めてまいりたいというふうに考えております。

 最後の同じ公園で1カ所に集めただけではないかという御指摘でございますけれども、私ども長居公園の機能を回復いたしますためにテント・小屋がけを一方的に撤去しようとしますと、野宿者が地域に拡散をするという可能性が高いということから、緊急的な対策として仮設一時避難所を設置するものでございます。一たん仮設一時避難所に入所した野宿者は順次自立支援センターなどに入所させる、あるいは福祉援護の措置をするということによりまして野宿者の自立の促進、それから避難所の3年以内での早期収束を図りたいと考えておりますのでよろしくお願い申し上げます。

◆高野伸生委員 ただいまの部長の答弁が本当の意味でしっかりそのとおりにできれば大きな問題の解決に前進できるとは思いますけれども、その点が非常に本当にそれができるんかいうことが大変不安なのであります。

 特に今部長が答弁で申されました最後の点ですけども、仮設一時避難所を3年で漸次縮小、廃止との計画ですけれども、本当にこの3年という年数で事が解決できるのかという大きな不安があります。例えば一時避難所に入所が、ここにいらっしゃる今500人の方が完了できても自立支援センターとの連携がうまくいかなければ、そっから動けない。この避難所に多くの定住者がずっと残ってしまうことになるわけであります。

 一方、この対策の予算の費用として3年間で約10億円ということなんですけれども、国とか府に対してもいろいろ協議されると思いますが、こういった予算の対応も踏まえて今どのようなこの3年という解決策を考えておるのか、その辺の見解を聞かせていただきたいと思います。

◎松下建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えをいたします。

 まず3年で廃止するスケジュールでございます。仮設一時避難所の開設1、2カ月後から毎月十四、五名程度自立支援センターなどに入所させることによりまして、段階的に避難所を縮小させてまいりたいと考えています。

 このうち高齢者や病弱者につきましては福祉援護等の措置等によりまして、またその他の方につきましては市内3カ所に整備をされております自立支援センターで生活相談ですとか、訓練を終えた後に就労自立に向けた支援を行ってまいります。

 これによりまして年間180名程度仮設一時避難所から送り出すこととなりますので、段階的に縮小が可能となります。必ず仮設後3年以内には廃止できるというふうに考えております。

 なお、宿泊等の施設でございますけども、リース方式を考えておりまして、施設規模の縮小に応じまして段階的に解体してまいりたいというふうにも考えております。

 それから仮設一時避難所関係の事業費につきましてでございますけども、これから実施いたします実態調査等によりまして入所見込み者数を踏まえました施設規模、また公園の管理、特別強化等の附帯事業などの流動的な要素もございます。まだ試算の段階ではございますけども、施設整備費及び施設運営費等の経費3年間で10億円というふうに見込んでございます。早急に対応する必要がございますことから本年度分の所要額の予算措置につきましては予備費の補充を含めまして財政当局と調整をしてまいりたいというふうに考えております。

 また、仮設一時避難所関係の事業は本市単独事業でございますが、今後国に対しまして国庫補助対象とするように要望してまいりたいと存じております。よろしくお願いします。

◆高野伸生委員 今回のこのホームレス問題の主因は雇用情勢の悪化に伴う大都市共通の問題であるということは事実でございますけども、特に大阪の場合、大阪城公園あるいは天王寺公園、長居公園など大規模な公園にホームレスが集中した経緯があることは明らかであります。こういった点から私は特に大規模公園の管理は最初から全く何もなされてなかったんじゃないかと思うぐらい本当に残念に思っております。

 どういうことかと申し上げますと、例えば東京の例を出しますが、我々東京へ省庁や陳情に行く際に新幹線の駅をおりて、皇居の外苑の広場をよくタクシーで通るんですけども、あっこにはほとんど今ホームレスはおりませんし、聞くところによりますと、そこに例えばテントや小屋がけをやろうとすると自転車で管理人の方が走ってこられまして声をかけるそうです。

 これはずっと皇居の公園だということで、外苑だということで国のそういう担当の環境庁ですか、職員の方がやっておられるそうなんですけども、大阪市のこの公園の管理というのは、いろいろ現在の公園管理体制を調べると各方面公園事務所というのが大体大規模の公園の中に配備されている。

 例えば長居公園ですと、南部方面公園事務所というのが長居公園の中に配備されておりまして、阿倍野、住吉、東住吉、平野の4区の公園及び街路樹を維持管理していると。所管している公園の数が163公園、そして合計のこの公園面積が140ヘクタールと。これに従事している公園事務所の職員さんの数は64名。これの約50名の方は2号職員のお方だと聞いております。

 実際にこういう公園の巡視、巡回っていうんですか、最初からそういうことをやってたんかというとほとんどやってなかった。平成11年の8月からのホームレスの問題がクローズアップされてきたときに8月からやっと長居公園に巡視員専門2名を配備したというような状況でございます。

 今回もまたこの一時避難所対策によって、この巡視員をまた何名かふやされるそうですけれども、この近隣行政区のこの中小公園の管理、あるいは街路樹の維持管理等やってますと、なかなかこの公園自体を集中的に管理する体制がなかった。だから初期にそういう不法占拠される前に声をかけて、のいてもらうような指導ができなかった。人間というのは不思議なもんで最初に何かしようとしたときに声かけられたらちょっとちゅうちょしてやめとこかと、そういうことになりますし、何もせんとほっといたら、だれも見てへんし、文句も言わへんやろ。ほんだら広がったら、またよそから来たら、それが順次蔓延してくるいう悪現象が、悪循環が起こってた原因ではないかと思います。

 このようなことから今後の本市のそういった公園管理体制の見直し。私は何も職員さんの数をただ単純にふやしてほしいとか、こういう維持管理費をふやせとか、そういう意味じゃなくて、やっぱり例えば一つの方面管理事務所で64名の方がいらっしゃるけれども、この方の一人一人の仕事の分担、あるいは機能分担、またいわゆる職の管理体制。そういったものによって、もっときめ細かいこの機能分担ができ得なかったものか。またこれからそういうぐあいにやってもらわなきゃ困ると思います。

 たまたま今は大規模公園だけですけど、これがまた小さい公園にまた蔓延してくることも考えられます。そういった決意を踏まえて建設局のこれからの対応についてお伺いしたいと思います。

◎南崎建設局施設管理調整担当部長 お答え申し上げます。

 公園内のテント・小屋がけはこの2年で約2倍に増加するなど大変地域の皆様に御迷惑をおかけしております。このような野宿生活者の著しい増加に対応いたしますために、平成11年度から特に多くのテント・小屋がけを抱えております長居、大阪城、天王寺の各公園事務所に専任の巡視員を配置をいたしまして、重点的、継続的な巡回指導にも取り組んでまいったところでございます。

 しかしながら、テント・小屋がけもその撤去後の移動先の問題、あるいは人道的な配慮というふうなこともございまして、この問題については大変公園管理上苦慮しておったところでございます。

 平成11年5月には国においてホームレス問題に対する当面の対応策についてがまとめられました。7月には全庁体制で構成をされました野宿生活者対策推進本部が設置されました。その結果、自立支援センター等の野宿生活者の自立を目指しての施策も打ち出されつつあるところでございます。

 我々といたしましても、このこういった施策を十分に連携いたしまして、公園におけるテント・小屋がけの撤去、自立支援センターの活用などを進めてまいりたいというふうに考えております。こういった対策と緊密に連携をとりまして、既に、特に長居公園につきましては一部体制の充実も図ったところでございますけども、今後とも他都市における公園管理の実態等も十分に研究いたしまして、公園管理のあり方、体制についても検討を加えるなど、公園の適正な管理という視点に立ちましてこの問題に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。

◆高野伸生委員 ひとつよろしくお願いいたします。

 すべて代執行でやるということが最後の方策というものではございません。やっぱり平素の維持管理の方法の研究、こういう地についたやっぱり熱心な研究をやっていただきたい、そういうお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

◆永井博委員 質問の前に若干、きょうは本庁の1階ロビーで我々のこの委員会の模様を放映されているようです。その中には今回の陳情に署名をされた方もおいでかもわかりません。

 この陳情3点について少々、もう少し理解を深めた方がいいんじゃないかと思われる節を拾い上げてみたいと思うんですが、まず陳情第43号、この都市公園法による公園施設の解釈は都市公園法の第16条と第20条の公益という文言が、いわゆる公園を保存する上で必要であるという認識と絡んで、非常に公益というところが問題視されていると思います。ここを十分に説明してもらわんといかんと思います。

 2つ目の第44号の大阪市側の入居に対する実態調査の段階と、こういう報告を受けておりますけれど、今答弁を聞いておりますと、大体秋ごろには着工にかかりたいという御意向のようですけれど、それではこの実態調査の公表時期はいつごろになるのか。これも日程を明らかにしておいた方がいいんじゃないかと思いますので、この辺も十分説明していただきたいと思います。

 3点目の48号の入所拒否者の拡散防止対策。これは自主撤去を徹底的に求めていくと言われておりますけれど、しかし最悪の場合はどうするんだと。最悪の事態が続いた場合は、今答弁ありましたけれど、法的な措置をとると、こういうことに対してもしっかりと強調しといてもらった方がいいんじゃないかと思います。この3点について私の方から強く要望しておきます。

 今、我が党の高野委員の質疑がございましたんで、若干重複すると思いますけれど、私なりに二、三質問をしておきたいと思います。

 このたびの、この陳情第43号、44号、48号はいずれも仮設一時避難所建設の計画には反対という陳情ばかりであります。この問題を申し上げる前に高野委員の御指摘がありましたように、大阪市の公園の維持管理機能を図る観点から、いわゆる不法占拠に対する取り扱いになぜもっと深刻に受けとめて、将来対策に抜本的な歯どめがかけられなかったのか。私ども議会に関与する者も現在は深く反省をいたしております。理事者の皆さんも恐らく苦しい説明の中で同様の心境でおられるんではなかろうかと思います。

 バブル経済がはじけたころから私ども区民の個々の相談に基づきまして方面公園事務所の職員あるいは警察、こういった方々にお願いをして、その場しのぎの対応に追われて、今気がついたときにはどでかい大きなつけが回ってきたなと、こういう気持ちでいっぱいであります。今般この委員会に臨みまして、そのころの時代の反省も込めて意見を申し上げたいと思うわけです。

 端的に申し上げまして、やはりここは何が一番問題であるかということをとことん考えてみましたが、やはり飛躍しているかもわかりませんけれど、コミュニティーづくりの理念が私は焦点になっていると思います。同様に国と地方自治体の役割分担が明確でないということにも一因があると思います。

 しかし、これは本論からそれますので、少々余談になりますけど意見を申し上げますが、新しい道路をつくるときに地域の事情にもよりますけれども、だれしも公平の原則に従って、まず環境影響評価に始まりまして、その道路建設の経済コストあるいは合理性、物理性、こういったものを判断基準に基づきまして最も理にかなうとされる具体的な町名や、そして計画のコースを公表されると、こういうことになるわけですが、こういうことが決定して、その町名の方々に通達をいたしますと、ほとんどの場合は反対ということで即反対運動が起ってくるのが今日の常識のようになっております。何でB町線が、何でC町へ持っていかれへんのや、こういう総合の反発が起こってくるのであります。

 当該関係者の皆さんは長年年数をかけて道路建設に必要なありとあらゆる技術革新を続け、そしてあらゆる補償問題を整理していって、そして最終的にはもとの計画どおりの路線に建設が着手されたと、こういう地域を私は知っておりますけれど、このような町会ごとの抵抗を一言にエゴというんじゃないんです。自我というんじゃないんです。あくまでもこれはコミュニティーづくりの理念である相互理解、相互扶助の精神と実践が欠けているということに尽きるわけです。私はそのように認識をいたしております。

 公園外の地域に受け皿づくりを検討しろということはだれでも言える。簡単な話です。無責任な発言であると考えますけれど、それじゃ、そのほかの候補地を具体的に示して、長居公園の野宿生活者の生活圏が確保できるような理にかなった場所があるかどうかということです。その候補地が地元住民や地元の議員が歓迎してくれるような、そんな場所があるのかどうか。大いに疑問が沸いてきます。これは憂慮すべき問題でありまして、大変な波紋が広がってくると思います。

 無責任にあいてる大阪市の土地につくったらいいという国会議員もおるようですけども、とんでもない話です。この間の新聞の投書欄にも市役所の隣の中之島公園に建設しなさい。こういう無責任な投書欄を見ました。まちづくりの責任者ではないので好き放題言えます。

 そこで本論に戻ってお尋ねをいたしますけれど、なぜ長居公園の中に仮設一時避難所を建設するのか。責任のある説明は当然のことでありますけれど、一連の執行体制に基づいて入所から自主的な自立生活の指導、また就労支援のための支援センターの入所、確実な社会復帰の過程を歩んでいく管理運営を図っていくと、こういうような御答弁でございましたけれど、現在の理事者の心境は間違いないのか再度確認させていただきます。

◎南崎建設局施設管理調整担当部長 お答えいたします。

 まずなぜ長居公園の中に仮設一時避難所を設置するのかということでございますけれども、長居公園以外の地域に受け皿施設をつくるということは、当該の施設の予定地域の住民あるいは関係者の理解が必要でございますけれども、それには相当の困難が予想されますし、また調整に時間がかかり、問題解決を大幅におくらせるということとなります。

 また、仮に遊休地に避難所をつくったといたしましても、長居公園の周辺で生活圏を確保してる野宿生活者を一方的に他の地域に移動させるということになり、自助努力を損なうということも考えられますし、強制的な隔離対策というふうに受けとられ入所拒否も危惧されるところでございます。

 さらに公園外の遊休地での設置であります以上、長居公園の野宿生活者のためだけに独占をするということはできませんので、結果として長居公園の不法占拠の早期解決にはつながらないというふうに考えております。

 どうしても一たん公園内の野宿生活者全員が入所できる受け皿が必要でございまして、過渡的な措置として公園内に設置する以外に方法はないのではないかというふうに考えております。

 また、この仮設一時避難所は単なる宿泊施設ではございませんで、そこに入所いたしました野宿者につきましてはまず感染症などの健康診断を実施いたしますほか、生活相談、指導、職業相談を行いまして、自立支援センターへの誘導や福祉援護等、野宿生活からの自立を促進してまいりたいというふうに考えております。私ども大阪市野宿生活者対策推進本部のもとで公園の機能回復と野宿生活者の自立に向け、全力で取り組んでまいる決意でございます。

◆永井博委員 この際長居公園付近の住民の方々の信頼を確実に回復していくためには新たな管理機能を果たす重大な決意を促していかなければならない。住民の納得のいく方法によってこたえていかねば、いつまでたっても解決できない。延々とこの話が続いていくんではなかろうか。

 したがって私の勝手な提案ではございますけれど、住民と十分な話し合いのもとに一連の執行目標の予定に対しては住民に迷惑のかからない、また安心、安全な長居公園の環境整備を果たしていくという約束を取りつけて、その約束の覚書のようなものが作成できないかどうか。その辺の問題点はいわゆる協議はなさっておられるかどうかお伺いしたいと思います。

◎松下建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。

 今回の仮設一時避難所の設置によりまして長居公園管理の適正化を実現し、地域の皆様の不安感を解消いたしまして、安心、安全な地域関係につなげておきたいというふうに考えております。このたびの対策に関しましての一連の地元説明会におきまして地域の皆様から多くの御質問、御意見をいただいております。

 私どもこのような疑問にお答えをいたしまして、地域の皆さんに正しく理解していただくことが必要と存じております。一問一答形式の長居公園適正化対策問題の特集号を関係区である住吉区、東住吉区の広報紙の臨時号でお知らせをしたいというふうに考えたところでございます。

 また、委員御提案の覚書についてでございますけども、この事業を円滑に推進するためには地域にお住まいの皆様との信頼関係を確立する、これが不可欠と考えております。具体的に検討を進めてまいりたいというふうに存じております。よろしくお願いします。

◆永井博委員 先ほど高野委員の質疑の中で言われたことと全く同様のことを申し上げますけれど、やはりこのたびのホームレスの仮設場所の反対陳情の趣旨とされる焦点は1にも、2にも今日までの大阪市の公園管理体制や、その機能を果たしてこられなかったという住民との信頼関係が白けておるわけです。公園の職員も当てにならん。ですからふだんから大きな溝ができてしまっておるわけです。最大の要因であります。これはやはり我々が一々注文をつけたところは回収に来たり、埋め合わせをしたりしてきておりますけども、文句を言わんかったらいつまでたっても放置していると、こういう場所があちこちに点在しておるわけです。

 このたびのこの重大な事業に取り組む前の真剣な決意がなかったら、私はこの問題は解消しないと思います。本部長みずからどういった決意でおられるのか、くどいようですけど再度お尋ねいたします。

◎森下建設局花と緑の推進本部長 お答えいたします。

 日ごろの公園管理のあり方につきまして住民の方々との信頼関係をこれまで築いてこれなかったということに対しまして、公園管理の責任者といたしまして、まことに、本当に申し分なく思っております。

 ただいまの委員の御指摘につきまして、まず第1に十分に反省いたしまして、公園管理機能を強化いたしまして、その機能を十分に発揮できるように努めます。そして今後の公園事業、またこのたび長居公園で取り組みますこの対策に反映させまして、十分その機能を、この成果を発揮したいと肝に銘じております。

 今回のこの対策が進められますならば長居公園内の野宿生活者の自立の道が開けるとともに、当然のことながら地域のお年寄りや子供たちを初めまして、すべての皆様方がこの長居公園を本当に安心して快適に利用できるようになると、これは強く確信をしております。このためにも本事業に一刻も早く着手してまいりたいと強く決意をいたしております。

 また、野宿生活者問題は大阪市だけの取り組みでは決して解決し得ない都市問題でございまして、そういう視点から政府、国や大阪府に対しましても必要な雇用対策、あるいは財源措置、そういうものを初め、抜本的な解決に向けまして大阪市野宿生活者対策推進本部の関係各局とも強く連携を保ちまして、ともども国の特別立法等の制定などに向けまして強く要望を重ねてまいる所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

◆永井博委員 今の本部長の答弁は速記録に残っておりますから、間違いのないように断行していただきますよう、お願いしておきます。以上です。

◆神原昭二委員 お二方からかなりな御質問がございますので重複を避けたいと思いますけども、お伺いしますと唯一私だけが地元住吉区の選出ということでございますので、地元としての立場から二、三お伺いしたいというふうに思います。

 先ほどの説明の中で6回にわたっての説明会が行われたということでございますけれども、その説明会が当初の計画からそういう日程、そういう内容で策定がされておったんか。それかもしくは地元で幾つか声が起きてきたと、慌てて地元説明会をやろうとしたんか。この辺まずお聞きしたいと思います。

◎松下建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。

 説明会の開催が計画的やったかどうかというようなことかと存じます。私ども今回この事業につきましての計画を構成していく段階で地元の皆さんにも十分にお知らせするという必要性は感じておりました。その中で計画的な順を踏んだといいますか、計画的な説明会ということで開催させていただきました。

◆神原昭二委員 そういうお答えだろうというふうに思うんですが、実は私どもの受けとめ方はそうではない。この辺の何で行き違いが起きるんかということは十分建設局の皆さん、または野宿生活者対策本部の皆さんも既におわかりだというふうに思うんですけども、今回問題だけではなしに、全体に住民の信頼を求めるという手段については大阪市全体がこれまで軽視をしておったということは多くの場面で言われておることだというふうに思うんです。そういうところでこのことがここに至って住民理解というものをいつ求めて、理解を得ることができるのか、その見通しについて次にお伺いしたいと思います。

◎松下建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。

 私ども現在、先ほど申し上げました地元の連合町会で6回、あと単位町会等を含めまして十数回の説明会を開催させていただいております。その場で皆様方の方からいろんな御意見をいただき、またその御意見にお答えするということで御理解を深めていただくように進めております。先ほど申し上げましたような形で広報等でもそれらをまとめました中でのいわゆる周知を図ってまいりたい、そういう上でなるべく早いうちに御理解を賜るようにしたいというふうに考えております。

◆神原昭二委員 そういういつということはまだないようでございますけども、計画が事前に知らされてきた時点で私も幾つかの懸念はその担当の方に申し上げたというふうに思うんです。同時に私が区としての考えを聞きたいなと、どういう対処をするんかなということでちょうど前後して我が区の方にも問い合わせをしました。いや、そこまだ聞いておりません。むしろノータッチですというふうな返事だったというふうに思うんです。

 一体この野宿生活者対策本部、さらには資料にもありますように民生局、建設局の担当者、一体どういう調整をして進めようとしたんか、進めてきたんか。その辺にも、つぶさに言いませんけども大いなる疑問が残っていくんです。事はどんどんと進んで、先ほどもございましたように、いよいよ責任者の何とかここでおさめたいということの意向でおさまりがつくんかもわかりませんけど、市全体、さらには今回の問題についても市の理事者の皆さんがとってきた住民理解というものに対する態度というものは、私は決して許されるものではないというぐらいの気持ちでおりますので、十分受けとめていただきたいというふうに思います。

 それと次に、今回計画でシェルターといいますか、一時避難所を設置しますと、当面は青テントなくなるんだろうというふうに思うんです。先ほどもございましたように拡散する部分もあるやろうし、またシェルターから自立支援センターへ行って、そっから社会復帰できない人は、またぞろ復帰してくるという可能性も今の計画のままではあるんですよね。ですから先ほどあるように府なり、国なりということでの連携が言われておるんですけども。その辺も、もともとはこの計画の前に野宿生活者対策本部ですか、そこでの国なり、府なりの働きかけも必要ですけども、国なり、府なりが動いたときに大阪市としてはどういう格好をとるんだという絵姿ができて、その上での一時的なこの長居の対策であるという組み立て方が必要ではないか。それが全く今までの説明ではございませんので、残念ながらこの長居公園の一時避難所計画も結局は市民の皆さんがおっしゃるように長居公園一帯で何か行われるときの目隠しになるんじゃないかなという懸念も私の地元としてはまだまだぬぐえるもんではございません。

 ですから地元の説明、いずれかの時期には収束をしたいという希望をお持ちですけども、十分にその辺が住民の皆さんの理解として得られることの努力の方を惜しみなく今後も続けていっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。以上です。

◆前田修身委員 先ほどもございましたけども、若干重複する点があるかわかりませんけれどもお尋ねをしたいと思います。

 長居公園のホームレスによるテント・小屋がけ数は平成10年8月には159件であったんですけども、この8月には458件と約3倍になっているというふうに今聞きました。これは非常に深刻な問題でありまして、早急に手を打っていかなければならないと思います。たしか平成9年、秋の国民体育大会、国体のときもテント・小屋がけが急に減ったと、一時聞き及んだことがあるんですけども、そしてまた気持ちのよい快適な長居公園になったというふうにも聞いたことがございます。

 あのときは国民体育大会、国体というスポーツの祭典の開催のために全国からお客さんを迎える、そのために長居公園のクリーン化を図ったもんではないかと思うんですけれども、今回も同様にしてまたホームレスによるテント・小屋がけ等の撤去などの対策を講じていなかったのに、今やるというのはIOCとの関連なのか、また来年5月の東アジア大会や2002年開催のワールドカップのために世界の各国からお迎えするお客さんのためのクリーン作戦なのか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。

◎南崎建設局施設管理調整担当部長 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、この2年間に長居公園の野宿生活者によるテント・小屋がけは約3倍に増加しておりまして、これ以上の放置はさらなる集中とテント・小屋がけの堅固化を招くおそれがございます。

 地元説明の際にもテント・小屋がけの撤去にして、もっと少ないうち、あるいはもっと早く対策はできなかったのかという御指摘をしばしばいただいておりますけれども、私ども公園管理者といたしましても日常の維持管理業務の中で自主的な撤去を求めてまいりましたけれども、撤去後の移動先なり人道上の配慮等のことがございまして、公園管理の視点だけでは解決するものではなかったというのが実情でございます。

 平成11年の5月に国においてホームレス問題に対する当面の対応策がまとめられまして、その後7月には大阪市野宿生活者対策推進本部の設置がございました。ホームレス問題に対処するための態勢が整いつつございまして、その結果自立支援センター等の野宿者の自立を目指しての施策が打ち出されたわけでございます。

 我々といたしましては公園でテント・小屋がけをしておる野宿生活者についても移動先の目途、自立の道が開けつつある、公園もこれらの施策に連携して長居公園の適正化を図っていこうということで考え出したものでございまして、決して御指摘のIOCとの関連等で動き出したものではございません。

◆前田修身委員 今言われましたけども、IOCや東アジア大会など、今後もその点を考えて、またの機会にお伺いをしたいと思います。

 ところで、市内の公園では地元の町会や有志の方々で組織されております公園愛護会が近所の公園の掃除を行ったり、手入れをしてやっております。公園管理の面でかなり貢献しているとよく聞いているんですけれども、実際に公園愛護会の活動が盛んな公園ではホームレスが住みつかないということも事実聞いております。私の近所の公園の方もそういうふうにやっておられまして、1件来たらすぐに追い出すというふうな形でやっておりますけども、このようなことからも公園愛護会は貴重な存在と言えると思います。

 このような役割を持つ公園愛護会が長居公園にあれば、これだけ多くのホームレスが住みつかなかったと思うんですけれども、そしたら長居公園、また大きな公園に公園愛護会がなぜないんか。またどうしてつくらないんか。その点詳しくお聞かせ願いたいと思います。

◎松下建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。

 現在市内の公園では約800の公園愛護会が公園事務所と連携を図りまして、主としまして清掃などのボランティア活動を行っていただいております。

 この公園愛護会でございますが、一般的には地域に居住する方々の利用を目的とした公園に設置することとしております。例えば街区公園ですとか、近隣公園という公園でございますが、そういう身近な公園におきましては地元の皆さんによりつくられましたこの公園愛護会が定期的に活動を行う、また公園利用のマナーの啓発を行うということになりますと地域の公園利用者の協力や賛同が得られやすい。公園愛護の気持ちが広く普及するというふうなことで公園管理にとりまして非常に貢献をいただいております。

 一方、長居公園などの大規模な公園におきましては面積が非常に広い。それだけでなく、隣接する地域ですとか、町会が非常に広範囲となりまして、一つの公園愛護会としてまとまった活動をすることが困難であるという理由から現在のところ公園愛護会は設置されておりません。

 しかしながら、委員御指摘のように公園愛護会の活動が盛んな公園や住民の目が行き届いている公園などでは野宿生活者の住みつきが少ない、また住みつかないといった事例が多くあらわれてございます。

 今後の野宿生活者対策を含めました公園の適正管理にとりまして、地域住民の参画は欠かせないものと考えております。公園愛護会の活用を含めまして地域住民と一体となった公園の適正管理手法についても十分に検討を進めてまいりたいと存じております。

◆前田修身委員 今後のホームレス対策を含めた公園の適正化については行政も効率的な方法で管理体制を確立してもらわないといけないと思うんですけども、公園愛護会の活用を含め、地域住民の参画も欠かせないと思います。地域住民と一体にならなければ公園の適正管理は難しいんではないかと、こういうように思うわけでございますが、この点よろしくお願いしたいと思います。

 このたびの陳情・請願についても行政と地域住民の接触度というか、日ごろの信頼度の低さという点からものを考えるんですけども、今回計画の仮設一時避難所については今先ほどありました3年間で必ず廃止すると確約されていますけれども、その管理運営についても地元住民を何らかの形で参画をさせていただくようによろしくお願いしたいと思います。

 その管理運営がスムーズにいきましたならば、漸次縮小の時期が早まったり、そういう可能性を含んでいるんではないかと思うんですね。この点もよく検討されて要望しておきたいと思います。

 こういうふうに要望で終わるんですけども、特に今回市内には長居公園以外でもホームレスによるテント・小屋がけは大阪城公園や西成公園、また非常に多くあるわけです。地元の西成公園でもかなり数がございます。長居公園の次にも同じような手法でこれらの公園でも仮設一時避難所の整備を図ることを考えているのか、そしてその整備費や、先ほどありました運営費についても長居公園の例でどのぐらいの経費がかかり、国庫補助があるのか、その点いかがなもんでしょうか。

◎松下建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。

 委員御要望の管理運営についての地元住民の参画につきましては、これからの計画の中で十分に生かしてまいりたいというふうに思っております。

 それから長居公園における整備費及び運営費等の経費でございますけども、まだ試算の段階ですが、3年間で約10億円というようなことでございます。今後とも国に対しまして、この経費につきまして国庫補助対象とするように十分に要望してまいりたいというふうに考えております。よろしくお願いします。

◆前田修身委員 国庫補助、特にやはり大阪だけの問題ではないんで、一日も早くそういうふうな手を打っていただけるようにお願いしたいと思います。

 最後になるんですけども、このたび設置が計画されている仮設一時避難所はあくまでもホームレスの方々が大規模に、また集団的にテント・小屋がけをしている公園の適正化を目的として実施されるというふうに聞いておりますけれども、その点ある程度は理解できるんですけども、このような大規模な集団的なテント・小屋がけの状況を解消するためには一切の物件撤去が必要であると思います。対象となる多くの人々が一挙に入所できる規模を持つ施設がなければ対策は無理だろうと、解消のめどは立たないと思います。

 だけども、しかし市内の道路や小さな公園でも、そこそこの公園でも、道路でも、聞くところによれば1つ、2つというふうにテントがぽつぽつ小屋がけのようになっております。結構たくさんございます。西成区でもございます。高架の下とか、ああいうところにもございます。

 仮設一時避難所が設置されて大規模な公園で適正管理が図られることはまことに結構なことや思いますねんけども、日常の市民の生活の中で身近な場所である小さな公園や道路での対策をこのままほおっておくことはできへんと思うんです。このような場所に住みついているホームレスについて、今後どのように対処されていくんかお聞かせ願いたいと思います。

◎松下建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。

 先ほどの御質問で十分にお答えできませんでした。まずその辺につきましてもお答えさせていただきたいと思います。

 長居公園と同様の手法で他のホームレスの多い公園でも事業を実施するのかというようなことでございます。私ども今後長居公園で実施いたしますこの経過を見まして、条件等が整いましたら実施も検討してまいりたいというふうに考えております。つけ加えさせていただきます。

 それからただいまの御質問で恐縮でございます。今日的な社会経済情勢の中で市内に野宿生活者が激増しております。長居公園等の特定の場所への集中化、集団化のほかに、市内全域での拡散化の傾向がございます。町中のいわゆる一般的な住居などに隣接しました比較的小さな公園等における野宿生活者問題、これは市民の日ごろの生活に密着した問題でございます。

 従来より私ども近隣の皆様からの通報によりまして、現地におきまして厳しく指導してまいったところでございますけども、今後もこれらにつきましては公園事務所、工営所等の職員の巡回を強化いたしますとともに、指導を徹底しまして自主的な撤去を求めてまいりたいというふうに考えております。

 また、野宿生活者に対する巡回相談事業を通じましてこの秋に市内で3カ所開設が予定されております自立支援センターへの入所ですとか、福祉援護等の措置等を通しまして野宿生活者問題の解消に努めてまいりたいというふうに考えております。

 今後はまた野宿生活者によります公共施設の不法占拠の事案に対しまして関係する機関が緊密に連携を図りながら的確に対応しまして、地域環境の改善に努めてまいりたいと、このように考えております。よろしくお願いします。

◆稲森豊委員 数多くの御意見が出ておりますので、できるだけ重複を避けて意見として申し上げたいと思います。

 先ほどからさまざまな対策をやるということでお聞きしているんですけども、今回の問題につきましては我が党としましては複合的な要素がありますので、やはりホームレス問題の解決という面では厚生省なども含めて、多面的な要望して、大阪市に対しても去年度、そして今年度の予算要望でも抜本的な、総合的な対策をお願いしているわけですけども、今回は本委員会は公園管理という点での報告に対しての質問ということで限らせていただきたいと思います。

 先ほどからいろいろ答弁をお聞きしているんですけども、率直に素人の直観ですね。そういう観点からして何点か問題、疑問を感じているわけです。

 今回のこの対策のねらいというのはホームレス問題の解決ということで、まず青いテントが公園からなくなると、なおかつ公園の機能が正常化されて、快適に市民の皆さんが公園を利用できる状態になる、これを目的とされているわけですね。その点からいえば、いろんな面でこのやり方でどうだろうかと、やっていく中で机上の作戦としてはこういうことを考えられると思うんですけども、ちょっとそこに住んでおられる皆さん方なり、周辺の皆さん方の今の現在の心情を勘案して、果たして問題ないんだろうかという懸念を感じるわけです。

 具体的に申し上げますと、いろいろ今までにも資料もいただいておりまして、このフローチャートで、こういう形でやっていきますということもお聞きしております。

 1つは私最大の問題は今回もシェルターをつくって入っていただくと。その場合ホームレスの皆さんの意向というのが実際つかまれているのかどうかお聞きしたんですね。しかしそれは聞いておりませんと、今のところね。数とか、どういう生活状況は見ておりますけど、このことに協力していただくかどうかというのは、これは決まってからまず調査を、もう少し調査するんですとおっしゃっているんですよ。しかしこういった作戦をとる場合、絶対に少なくても最終的にはホームレスの皆さんの協力がなければ難しいわけですから、その点でまずホームレスの皆さんの意向を聞かないで、果たしてこういう描いているようなことになるだろうかと。

 それと技術的な問題を具体的にいいますと、説得して入っていただく。拒否された場合は退去勧告します。その時点でまた入っていただく方もおられるでしょう。まだなおかつ拒否する場合は自主撤去や退去、ほんで物件を撤去するという、こういう流れがあるんですけども、例えば代執行とおっしゃいますけど、これどのくらい時間かかるんですか。例えば通知してから強制執行やるまでの。ちょっとお聞きします。

◎松下建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えします。

 代執行に要する期間についてのお尋ねでございます。おおむね例えば私どもが現在公園におきまして注意、指導、勧告等の自主撤去を求めております。そういう作業を何度も繰り返しまして、それらを繰り返しても自主的な撤去が履行されないというような場合につきましては都市公園法ですとか、行政代執行法、それから行政手続法等のそういう手続を経まして実施するわけでございますけども、おおむね3週間から1カ月というふうに思っております

◆稲森豊委員 今回この長居公園のホームレス問題での、例えば南田辺地域で説明会なさって住民の方400名ほど参加されているんですけど、その中でテントなくしてもまたやってくると、ほかから。イタチごっこになるだけと。そうしますと一たん100%撤去したとするでしょう、ある日に。その夕方ごろにテント提げてきて、恐らくテント張るのは1時間もあれば張れますわな。そうするとまたそこで撤去する、3週間かかる。簡単に強権発動できませんからね。こういった問題をまず心配なさっているわけです。

 今の説明でいえば、撤去したならば解決するんだというイタチごっこという、そういう心配に対しては答えることはできないんじゃないですかね。一つ、例えばね。

 それとかあと、撤去勧告して自主退去してもらうんだと、この自主退去した後はないんですよ。この自主退去した人というのは恐らく周辺の方へ一たん行って、また戻ってくると。こういうことは考えられないかどうか。とりあえず今の強制撤去とイタチごっこの点については、疑問に対してはどう考えておられるんですか。

◎松下建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えします。

 一たんテント・小屋がけを撤去した後の公園管理についてでございます。私どもこの一たん撤去した後につきましては徹底した公園管理を行ってまいりたいというふうに考えておりまして、早期にそういうテント・小屋がけの発見、早期の対処ということでテントをなるべく張らせないというふうな方向で問題を解決していきたいというふうに考えております。

 それから自主退去についてのお話でございますけども、私どもこの一時避難所の設置目的でございますとか、入所していただいた後の自立就労につながるお話等、この辺を十分に行いまして自主退去じゃなくて、極力この施設に入っていただくというふうな方向で進めてまいりたいというふうに思っております。よろしくお願いします。

◆稲森豊委員 今のお答えもあるんです。例えば完璧な警備体制とか、管理体制というんだけど24時間なんですよ。あれだけの広大な公園を。例えば人数がどれだけ要るんかということを考えても大変やなと。これは本当にイタチごっこ、今の答弁でちょっと率直な心配なんです。

 それともう一つは、これ基本的な問題。最初に聞くべきだと思うんですけども、この長居公園における仮設一時避難所の設置についてということで、基本方針の中でまず公共施設の不法占拠に対して効果的に対応できると。これについてちょっといろいろ今言うてる心配があるんですけども、次に地域住民の積極的な理解と組織的な協力が得られると。これが基本方針だと言われているんですけども、今この点で地域住民の積極的な理解と組織的な協力が得られているという判断なんでしょうか。

 というのは私最初提案があったときに、こういう署名が集められ大問題になってマスコミに取り上げられているにもかかわらず、なおかつ簡単にこの秋から着工しますねんという、そういう発想はちょっとおかしいなと感じたわけですけども、今本当にこの、今でも積極的な理解と組織的な協力が得られると考えておられるのか、その点だけお聞きしたいと思います。

◎松下建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えします。

 私ども一時避難所をつくります段階で地域の皆様のこの施設に対する御理解、御協力が何よりも大切と思っております。現在そういうことで各地域ごとに御説明もさせていただき、またそれらで出ました疑問点を全区民の皆様に知っていただくというふうなことで広報をさせていただきたいというふうに考えております。ぜひともこの施設に対する御理解、御協力をいただきたいというふうに思っております。

◆稲森豊委員 今のところまだ理解を得られてないということで、今後理解を得ていただくわけですけど、そういう点からいっても、やはり拙速に走らずに、これはオリンピック対策ではないんだとおっしゃっているわけですから、もう少しじっくりと地元合意も図り、意見を聞いて、何が何でも秋だというようなそういう、例えば健康上の問題でこれから寒い青空にという心配を本当にされて何としても秋だというんだったら、これは長居だけじゃなしに、すべての西成公園であっても、大阪城公園であってもやらなきゃいけないわけですから、そういった面でもぜひ我々申し上げてるんですけども、十分な合意を得てから地元合意、そしてホームレスの皆さん方の意見も得て、10億も金かけるわけですから絶対に遺漏のないような、そういう時点でやっていただきたいと思います。

 それと最後に、実は公園管理の問題が言われているわけですけども、例えば公園管理、いろんな強権発動する場合、やはり法的な根拠要るわけですね。公園法もあるんですけど、大阪市のこの条例ちょっと私、行為の禁止という部分。残念ながらこの中には今のホームレスの皆さん方に出ていってくれというふうな項目ないんですね。

 しかし例えば第6項目、市長が指定した場所以外の場所でたき火をすること、これは禁止しているんですよ。事実私、昔、梅が満開のとき梅見をしたいということでバーベキューコンロ持っていって、煙出した途端に飛んできて、こんなこと困りますって怒られたことあるんです。例えばこの問題でも本当に今真剣に当初から管理考えているんかて疑問持つわけです。

 私も何回か場所見せていただきまして、本当にたき火どころか生活の拠点になってまして、プランターに植木植えてナスとか、キュウリとかつくられるとか、完全に定着して町会ができているような実態なんです。こういう中で、こういう条例があるにもかかわらず、これをきちっと発動していないという問題。これはまさに、今までの単に管理体制が弱いということよりも公園ということに対する認識が非常に甘いんじゃないかということを感じました。

 同時にもう一点最後に、先ほども駐輪場の問題申し上げたんですけど、実は3日ほど前に最新の状況を見たいということで長居公園に行ったんですよ。御承知のように長居公園の駅前、びっくりするほど自転車が不法駐輪されてます。もう単に青いテント以上ですね。あの駅を利用して上がってきた場合、何とこれがオリンピックのスタジアムの一つとして使われるんかという面からひどいですわ。

 それとか、もう一つ私が悲しかったのは、点字ブロックがあって、公園の表示があるんですよ。そこに点字ブロックがあるんですけども、その上にも駐輪されていると。これも全く放置されたままと。

 聞きますとその隣の建設局はかなり熱心に管理されておりまして、道路の上にはないんだけども、公園の中にはもう駐輪されっぱなし。なおかつ駐輪だけじゃなしに、横になって積んでますわ。自転車の墓場です。恐らく五、六百台ありますわ。そういう状況を毎日出勤しながら、見ながら心が痛まないという、そういういわゆる鈍感性というんかね、それが今回の初期の対応での誤りにつながっているんじゃないかということで、やっぱり公園の管理というものに対して、本当に原点に立ち返って公園の正常化ということでは、そういう気持ちでもってやっていただきたいということと、それと最初の、これは民生保健委員会の方で十分議論されると思うんですけども、総合的にやっぱり今後再発を防ぐためにも総合的なホームレス対策というのを、それも含めてやっていただきたい。

 最後にその今言うてる駐輪場の問題、そこらの管理、ああいう状況で何でほっといたんかと、ああいう状態ほっといて今回きっちりやりますわと言われても私信用できないんですよ。どういう根拠でもってやって、目算持っているか、その点についてちょっとよければお答え願いたいんです。

◎松下建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。

 長居公園におきましては委員御指摘のとおり地下鉄の長居駅への階段がございます公園の南西の角、入り口付近でございますけども、多いときに600台ほどの自転車が放置される状況が生じております。

 長居公園ではなくて、地下鉄の駅を利用される方が通勤、通学、お買物等にお使いになる自転車がほとんどでございます。公園利用に著しい妨げになっております。乱雑に放置されることによりまして公園の美観を損なうというような状況も生じておるところでございます。

 私ども、これまで注意看板の設置を初めまして、通行の支障となる自転車の移動なども状況に応じて実施してまいりましたが、これらを実施しましてもすぐにまたもとの状況に戻ってしまうということがございまして、まことにその対策には苦慮しておるところでございます。

 現在、仮設の通路確保のためのさくを設置いたしまして、通路の確保を何とかしておる状況でございますけども、実はこのような状況につきまして他都市の例も調べて見ましたですけども、本市のこの長居公園のような切迫した事例はございませんで、余り参考にならなかったというようなこともございます。

 長居公園における駐輪対策でございますけども、現在建設が進められております公園内の地下の駐車場、これに併設する駐輪施設、これは平成13年度末の完成でございますけども、これがございまして、これとの整合も図りまして本格的な対策に取り組んでまいりたいというふうなことで準備を進めております。

 また、当面の対応策といたしまして、現地での通行の支障となる自転車の整理整とんですとか、不法駐輪を啓発するための自転車への注意札の取りつけ、チラシの配布など、定期的に実施してまいるというようなことで、現在準備を進めておりまして、これにつきましては本年11月ごろにスタートさせたいというふうに考えております。よろしくお願いします。

◆稲森豊委員 時間もまいりましたので、最後にやはりこれ強行すればやっぱり地元の反対ですね。反対とか、そういうことで実際事業自身が進展しない事態も当然予想されますし、問題解決できないと思いますので、拙速に走らずに十分合意を得た上で進めていただきたいなと、そのことを申し上げておきます。

◆下田敏人委員 稲森委員やりまして、申し上げたわけですが、3点まとめてお聞きしたいので答弁を願いたいと思います。

 1つは稲森委員も言いましたが、これはやっぱり重大な問題ですね。そして地元の皆さんから陳情等たくさん寄せられているわけですね。ですので、私は住民合意を得るのは、これは当然だと。今までの経過からしましても当然だと。気長にこういう人たちに理解を求めるべきだと、第1。

 第2には今の段階で長居だけを提案するのはおかしい。大阪城の方が小屋がけの数は多いんです。長居が458だけど、大阪城は530ぐらいだと聞いてますがね。西成公園も260ある。大きい3つの公園ですよね。こういうほかの特に大きい公園については大体いつごろまでにとか、こういうふうにやりたいということを示すべきだと。長居をやって、その結果に応じてまた何か考えますわと、これはおかしい。

 3点目は一時避難所にお入りいただいて、そして民生局がやろうとしている自立支援センターに誘導し、そこで就労を図っていくわけですよね。労基局、職業安定所などからも来ていただいていろいろやる。これはいいことだと思いますが、この自立支援センターは定員280名でしょ。今、鋭意建設が進められている段階ですよね。11月ぐらいにぼつぼつできていくんでしょう。しかしながら、これが本当にスムーズにいくかどうかというのは、それはなかなか予断を許さないものですね。経済情勢とも大きくかかわってくる問題だ。

 同時に答弁の中でも幾つか言われてたけれども、実際就労できない人もいるでしょう。高齢者もおられる。病気の人もおられる。そういう人たちもちゃんとこの一時避難所から次のところに、自立支援センターに入った以降もきちっと入ってもらうところをつくらないといけないんですよ。その点では私はやっぱり同時にもちろんホームレスの問題というのは大阪全体1万人からの問題ですから、国にも要望しますが、同時にやはりずっとふえてきた大きな原因は簡易宿泊所にお泊まりになっていた人が出てきているわけですよ。かなりの部分。

 ですから私たちは簡易宿泊所を借り上げて、そこで生保適用なども含めて簡易宿泊所で今御存じのように改造しまして、一時的な宿泊所から長い間定住できるようなものにしていく努力も今簡易宿泊所の方でやってますよ。そういったことでなぜ簡易宿泊所をそういうふうに誘導することも含めて活用するということをあなた方は民生局に言わないのか。

 大阪市全体の対策の中で、なぜそういうことを強く求めていかないのか。またそうしていないと、一時避難所からスムーズに次の段階に行っていただくということは私は非常に困難を伴うだろうと思いますので、その3点お聞きします。

◎松下建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。

 まず1点目の住民合意でございますけども、これにつきましては先ほど来申し上げております、今までの経過の中で既に十数回地元の皆様とお話をさせていただいております。その中で数多くの疑問点等もいただいておりまして、それにその都度お答えをしておりますけども、まだ全体的に区民の皆様方に周知はできておりませんので、その点につきまして十分に広報を使いまして区民の皆さん全体にお知らせをし、御理解を深めてまいりたいというふうに考えております。

 それから長居公園だけでということじゃなくてということでございますけども、今般この長居公園につきまして検討いたしました経過といたしましては地域住民の皆様約2万5,000名の皆様方の署名を昨年11月、3月にいただいておりまして、それを契機といたしまして検討を加えたものでございます。

 今後他の公園につきましてもそういう公園の状況、それから条件整備等が整いましたら長居公園のいわゆる成果を踏まえまして検討してまいりたいというふうに考えております。

 3点目の問題でございますけども、これにつきまして私ども大阪市に設置しております野宿生活者対策推進本部の中で十分に検討させていただきたいというふうに考えております。