【 平成12年3月定例会常任委員会(建設港湾・通常予算)-0316日−04号 】

◆広岡一光委員 それでは、民主党市民連合、広岡でございます。これから質疑をさせていただきますので、ひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。

 まず、建設局の方からお伺いをいたしたいというふうに思います。

 まず、公園のホームレス対策についてお伺いいたします。

 市内の公園におけるホームレスのテント・小屋がけについては、最近の調査、平成12年2月では、市内約 900カ所の公園のうちの84の公園に野宿生活者のテントがけを確認しているということでありました。建設局の資料によりますと、公園のテント・小屋がけについては、平成8年7月には51カ所の公園において 374件であったというものでありました。3カ月半ほどの間にテント・小屋がけの数は約 2,000増加している、 6.5倍ということになっているわけであります。公園数は約30公園で、 1.6倍の増加にとどまっておるわけであります。

 テント・小屋がけの増加の割合に比べて、公園数の増加が思ったより少なく、この数字からはホームレスはどこにでも住み着くというのではなくて、住み着きやすい場所があるということがうかがえるというふうに思います。

 ホームレスの唯一の生活の糧となっている空き缶や段ボールの再生資源類が集めやすい地域や、また集めたものを換金するのが容易な場所であって、そのあたりの公園や道路は住み着かれやすいということはよく耳にしますが、もう一つ推測するところ、地元の目が行き届いているかどうかということも大きなウエートを占めているようであります。事実、テント・小屋がけのある公園の近辺でも、全くその形跡のない公園がありまして、観察してみますと、公園がよく使われていると、子どもたちがよく遊んでいると、若いお母さんが幼い子どもを遊ばせていると、またおとしよりも集まってゲートボールをしたり話し込んだりしていると、地元の皆さんの公園利用が盛んな公園にはホームレスの住み着きは少ないようであります。

 しかしながら、ホームレスの問題というのは、単に公園に住み着かせないとか、退去させれば解決するといった問題ではないということは明らかでありますが、公園や道路で野宿をしなくても済むような施策の充実が何より求められるというところであります。とはいいましても、身近な問題として、現実に公園の美観や機能が損なわれたことをめぐって、市民から多くの苦情が寄せられている。また、公園の使用をめぐっての住民とホームレスとの間でトラブルも危惧されているわけであります。

 このため、ホームレスの公園への住み着きを減らし、既に住み着いているところでは住民との摩擦を避けるために、ホームレスにマナーや節度を求めることが必要であります。公園管理者は、この課題についてもちろん十分に努力していただきたいのですが、当面現在の経済状況下では、自立などによるホームレスの減少は残念ながら多くは期待できないと考えております。

 このような状況の中で、方策の一つとして、公園の適正な管理に向けて地元住民の皆さんの参加を求め、公園を活性化させるとともに、地元の目や地元のパワーを大いに活用すべきだと考えておりますが、その点はいかがでしょうか。

◎松下建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えをいたします。

 ホームレスのテント・小屋がけのある公園でございますが、御指摘のように、3カ年半の間に約30公園の増加を見ております。公園の増加している状況でございますが、この1年間を例にとりますと、公園事務所等で行っております指導によりまして18カ所の公園でテント・小屋がけを解消いたしましたが、一方29カ所の公園で新たなテント・小屋がけを見ておりまして、結果として11カ所の増加となったところでございまして、このような状況を繰り返しながら、少しずつ公園数が増加しているというような状況にございます。

 現在、ホームレスが住み着いている公園でございますが、面積の広い大規模な公園だけではなく、まち中の小さな公園にもございます。これらの公園は、住居等に隣接しておりまして、ホームレスの住み着きは周辺住民の皆さんの日々の生活や公園利用に著しい支障を及ぼすことが懸念されますので、私ども、このような公園への住み着きにつきましては最も注意を払っているところでございます。

 一方、御指摘のように、公園付近の住民の目が行き届いている公園や利用度の高い公園ではホームレスの住み着きは少ない、また住み着かないといった事例が多くあらわれておるところでございます。また、公園管理者による巡回、指導・注意等の常時の継続は困難なこともございまして、ホームレス対策を含めた今後の公園の適正管理にとりまして、地域住民の参画は欠かせないものというふうに考えております。

 本市の公園におきましては、既に公園愛護会ですとか愛護員制度を設けておりますが、これらの活性化、活用を含めまして、具体的な住民の協力体制のあり方、また求め方、地域住民と一体となった公園の適正管理手法についても今後検討を進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。

◆広岡一光委員 ところで、大阪市が浪速区内に拡張整備を進めている浪速公園については、地元の町会に対して公園の工事内容について詳しく説明がないままにいろんな施設が設置されたこともあって、公園開設ということが大変おくれているということでありました。ホームレス問題についても大変な注目が集まっておりまして、いまだに開園をされていないというふうに聞いております。

 都市の中の潤いの場として、公園は都市生活に欠かせませんが、付近の住民にとっては、開園後の公園のホームレス対策については非常に不安がつきまとっておるということでありまして、公園の開設が急がれるところでありますが、どのように地元町会と協議を進めているのか、お尋ねをいたします。

◎松下建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。

 浪速公園の整備に当たりましては、地元町会との協議の上進めてまいったところでございますが、施設内容等につきまして説明の不十分なところがございましたので、現在、改めて御理解いただけるよう説明及び協議を行っているところでございます。

 また、地元町会では、開設後の浪速公園の管理に関連いたしまして、ホームレス問題にも強い関心を持っておられます。このため、公園の早期の開設に向けまして、ホームレス問題を含めた公園管理対策についてもあわせて説明をさせていただいているところでございます。

 現在の社会経済情勢のもと、大阪市内においてホームレスが激増している状況、また本市におけるホームレス対策の進捗状況、国における取り組みを初め、市内の公園におけるホームレスのテント・小屋がけの実情とともに、我々公園管理者が行っております対応策、また浪速公園の開設後における対応等についても説明をさせていただいております。また、その際、地元の皆さんの御意見などもお聞きしているところでございます。今後も、浪速公園の適正な管理を進めるための地元の皆様方の協力体制づくりなども含めまして、公園管理対策について地元町会の皆様の御理解と御協力をいただけるよう、一日も早い公園の開設を念頭に置きまして、引き続いて十分に協議を進めてまいりたいと存じております。