【 平成14年第1回定例会(平成14年3月)-03月06日−02号 】
◆ 3番(田中ゆたか君)
次に、ホームレス対策についてお聞きします。
我が会派は昨年、磯村市長に対し提言を行うなど、ホームレス問題について取り組んできました。市内のホームレスは全国の都市の中でも際立って多く、1万人を超えていると推定されています。公園、道路等公共施設内のテント・小屋がけ状態を放置すれば、地域住民が公園等を利用できないなどの問題があるとともに、ホームレス自身も野宿生活等で健康状態が悪化し、自立が一層困難になると思われます。本市では、ホームレスへの巡回相談の実施や、就労・自立に向けた支援を行う自立支援センターの整備、緊急一時的な宿泊施設である仮設一時避難所の設置などに取り組んでいます。これらの対策はホームレスの自立支援に一定の成果を上げてはいますが、今なおテント・小屋がけはなくなっておりません。今後とも1万人のホームレスを視野に入れ、また国に財政措置の拡充も求めながら、ホームレスの雇用や就業機会の確保などに積極的に取り組むことが必要です。
ホームレス問題は、地方公共団体のみで解決できる問題ではなく、特別法を制定し、国とともに、住宅、雇用、福祉、保健・医療等、各分野を合わせた総合的な対策に取り組むことが重要であります。全国で最大規模のホームレスを抱える本市としては、より積極的な取り組みが求められています。問題解決に向けた取り組みについて、市長の見解をお聞きします。
◎ 市長(磯村隆文君)
ホームレス対策についてでございますが、本市におきましては、全市域でホームレスのニーズを把握し、医療、福祉の相談・援助などを行う巡回相談を初め、就労自立を支援する自立支援センターや、公園の適正化を図るための仮設一時避難所の設置など、全国に先駆けて各種事業に取り組んでおります。来年度には、巡回相談員の大幅な増員を図るとともに、新たに自立支援センター3カ所と、大阪城公園に仮設一時避難所を開設して、ホームレスの自立支援に努めてまいります。
また、公共職業安定所や大阪府、NPO等と連携してホームレスの就労による自立に取り組んでおり、今後とも、求人・求職の開拓や雇用創出について関係機関等に一層の協力を求めてまいります。さらに、ホームレスに対応した支援施設や多様な就労先の確保などについて、民主・民友議員団の提言も踏まえながら、より積極的に取り組み、計画的・効果的な対策を推進してまいります。
いずれにいたしましても、国の責務の明確化、全国規模での自立支援事業の実施、地方公共団体が行う緊急対策への国の財政措置、道路・公園等公共施設の管理規定の強化などを柱とする特別法の制定が必要であり、引き続き要望を重ね、ホームレス問題の一日も早い解決に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。