【 平成13年3月定例会常任委員会(建設港湾・通常予算)-0314日−03号 】

◆前田修身委員 

 同じく我が区の話なって申しわけないんですけども、先日の代表質問において、市長がホームレスに対する仮設一時避難所の整備について、長居公園の効果を見ながら西成公園、大阪城公園においても整備していきたいという方針が出されました。

 西成公園については、私の地元であるだけに非常に関心がございます。なぜかと言いますと、昨年暮れに開所した長居公園の仮設一時避難所の設置までの経緯について、いろいろとにぎわしただけに、本当に設置してよかったんかどうか、何の検証もせずに、行政から西成公園において仮設一時避難所を整理するからと言われましても、はい、そうでっかというふうに答えられへんわけでございます。地元住民としては、長居公園のことについては反対派による署名運動、着工事における阻止騒動といろいろあったことは新聞、ニュース等で既に知っております。また、非常に不安視している人も多数おられるわけでございます。そこで、長居公園がどのように変わったんか、現在の状況を聞かせていただきたいと思います。

◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。

 長居公園の仮設一時避難所に、これまでに149人が入所し、19人が退所しております。19人の退所者のうち自立支援センターへの入所によるものは4人、入院や他の施設への入所者は8人などでございます。現在の在籍者は130人でございます。

 一方、同公園内に残っております野宿生活者の数は37人で、テント・小屋がけの数は72件となっております。残テント・小屋がけ数と居住者数の差35件につきましては、現在撤去すべく手続をとっているところでございます。

 今回の長居公園における仮設一時避難所の整備目的は、野宿生活者の自立の支援を図るとともに、公園の適正化を図ることにありますが、テント・小屋がけ数におきましては、昨年8月に458件あったものが72件と約7分の1に、また野宿生活者におきましては、一時は400人以上居住していたと言われていたものが、10分の1以下に減少することができました。公園管理者といたしましても、今後ともテント・小屋がけのない公園にするため粘り強く努力してまいりたいと考えております。

◆前田修身委員 仮設一時避難所の建設に要する敷地面積は、長居公園の例で見ますと約0.5ヘクタールぐらいあると聞いております。確かに開設面積66ヘクタールの長居公園での仮設一時避難所の整備については、公園規模あるいは野宿生活者によるテント・小屋がけ数から勘案して、一応理解はできますけれども、開設面積が4.3ヘクタールしかない小さな西成公園において、0.5ヘクタールの仮設一時避難所を整備した場合、約8分の1から9分の1が公園面積から減少することになってしまいます。付近に大公園のない地域において住民の憩いの場、コミュニティの場、スポーツの場が減少するわけでございます。

 そこで、このようなリスクを負う可能性のある西成公園において、なぜ今仮設一時避難所を整備するのか、そのわけを聞かせていただきたいと思います。

◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。

 平成12年8月の大阪市内の公園におけるテント・小屋がけの調査によりますと、長居公園、大阪城公園、西成公園の3つの公園でのテント・小屋がけが特に多く、これらの3公園での合計が市内の公園のテント・小屋がけの約半数を占めております。このような状況のもとに、昨年長居公園での仮設一時避難所の整備を行いましたが、同様の状況にあります西成公園も大阪城公園にいたしましても、公園の適正化を一日も早く図らなければならないと考えております。

 現在、西成公園の野宿生活者によりますテント・小屋がけ数は300件近く、また居住者数は200人以上と推定しております。この数字は先ほどの長居、大阪城のそれぞれの公園の開設面積に対するテント・小屋がけの占める割合を比較いたしますと、著しく高い状況にあります。

 開設面積に対する仮設一時避難所の建設場所の占める割合につきましても、長居、大阪城公園に比べて高くなりますが、西成公園の現在の密集しているテント・小屋がけの状況を見ますと、行政として適正化対策を講じることが喫緊の問題であると考えております。

◆前田修身委員 西成公園における仮設一時避難所の整備をせざるを得ないという行政側の言い分はわからないわけでもございませんけれども、仮設一時避難所の建設場所によっては、先ほども言いましたが、付近に大公園のない地域において住民の憩いの場、コミュニティの場、スポーツの場に影響が出ることは必至でございます。

 また、出入り口等によっては安全性は大丈夫なんか、そういう危惧される方もおられるわけでございます。一時避難所を整備する決意があるのであれば、どんなスケジュールで整備をするのか、そして住民の心配事、理解できないことなどについてどのようにされていくのかお聞きしたいと思います。

◎鍵建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。

 先ほども申し上げましたが、長居公園の効果を見ながら実施していきたいという方針でございますが、具体には、まずこの春から西成公園の野宿生活者の実態聞き取り調査を実施した上で、宿泊等を含めた施設の規模を決めていきたいと考えております。

 これと並行いたしまして、直接関係する地元及び関係者に長居公園での事例をもとにして、この施策の必要性、施設の内容、仮設一時避難所の開所後の対策、地元代表者を含めた運営協議会の設立などについて説明し、理解を求めていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

◆前田修身委員 つくるということが既にもう決まってるわけでございまして、住民の方は非常に心配しております。その点、しっかりと説明また理解を求めるように努力をしていただきたいと、こういうふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。