【 平成14年度決算特別委員会(一般)平成1512月・16年1月-0122日−06号 】

◆小南かおる委員 

次は、ホームレス対策についてです。

 私もある自立支援センターを見にいかせてもらいました。西成の仮設一時避難所も見せていただきました。自立支援センターはホームレス対策としてもっと拡充が求められる施設だと思いました。職員の方々も必死に頑張っておられました。しかし、資料を見せていただきますと、3施設合計で開設の平成1210月から入所者は 1,900名、退所者は 1,700名、そのうち当初の、本来の目的である就労による退所者は 700名と半分になっておりました。あれだけ入所者も頑張って、施設のスタッフも努力しておられて、この数字というのはやはり少ないなと思いましたけれども、この辺はどうお考えでしょうか。

◎久保健康福祉局生活福祉部ホームレス自立支援事業担当課長 お答えいたします。

 野宿生活者対策につきましては、野宿生活者の自立の支援のための実施計画案を現在パブリックコメントという形で広く市民にお示ししているところでございますが、その中で自立支援センターの拡充を図り、就労支援の機能強化によりまして、効率的な施策の推進に取り組むことを盛り込んでおります。

 また、野宿生活者の就業機会の確保につきましては、自立支援センターでの生活・健康に関する相談・指導援助や職業安定所から派遣される職業相談員による職業相談・職業紹介、さらに技能講習などの実施によりまして就労自立に向けたさまざまな支援をしてまいります。

 さらに野宿生活者の雇用の促進を図るため、国、府及び経済団体、労働団体等による支援のための協議会を設置しますとともにNPOなど民間団体との連携・協力を図りまして、新たな職域の開拓や求人の確保等の支援を行いまして、一層の雇用の創出、就労の支援に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。

◆小南かおる委員 私は、職員の方々のあの必死さに、すごい頑張っておられる取り組みにすごく感動しまして、自立支援センターの役割はすごく大きいなということを感じました。そしてその取り組みについて、自立支援センターではどういうふうに取り組みをしているのかなということをお聞かせいただきたいんですけれども。

◎久保健康福祉局生活福祉部ホームレス自立支援事業担当課長 お答えいたします。

 先ほども御答弁申し上げましたように、自立支援センターにおきましては、野宿生活者の生活や健康に関する相談や指導援助、それから職業安定所、これは国のハローワークでございますけれども、そこから派遣される職業相談員による職業相談や紹介・あっせん、それから就労につなげるための技能講習と、こういった就労自立に向けたさまざまな処遇を支援センターを基軸としましてやっておるわけでございます。以上でございます。

◆小南かおる委員  160日ということで、やはり半年近くの期間が必要というわけですね。この期間を人為的に短くしても就労自立できないまま追い出すわけですから、決して自立の助けにはなりません。やはりこうした施設をふやすことと、それで公的就労の創出がどうしても必要ではないでしょうか。

 今行われている特別清掃事業を抜本的に拡充して、仮に1人年間 100万円の公的就労、公園や道路の清掃を 3,000人に保障したとしても年間30億円の支出です。生保の適用や他の施設と組み合わせたら十分ホームレス問題の解決にめどをつけることができるのではないでしょうか。

 国や府に支援を求めれば市の支出はもっと少なくて済みますし、それでこのように清掃をふやせばホームレス問題の解決のみならず、大阪じゅうがきれいになります。ぜひ御検討いただきたいと思いますけれども、どうでしょうか。

◎久保健康福祉局生活福祉部ホームレス自立支援事業担当課長 お答えいたします。

 公的な就労ということでのお尋ねでございますけれども、先ほど来御答弁を申し上げておりますように、私どもといたしましては、現在策定中の実施計画案におきまして、野宿生活者の就業の機会というものを最重要課題と認識しておりまして、具体的にはやはり自立支援センターでの、先ほど申しましたような生活・健康に関するフォロー、あるいは職業相談等々の講習も含めたフォローと、これを基軸に、さまざまな支援をしてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。

◆小南かおる委員 やっぱり公的就労については、国にも当然強く求めていっていただきたいと思います。今の特別清掃はよく当たっても1カ月に2回ぐらいなんです。1回 5,000円ぐらいとおっしゃっておりました。これでは、とても野宿生活から自立はできませんし、やはり公的な就労対策の抜本的な拡充を進めていただきたいと再度要望いたします。

 次に、仮設一時避難所の問題です。

 もちろん就労の保障や生保の適用、自立支援センターの増設と内容の改善が必要なことは言うまでもありませんが、緊急のシェルターとしての一時避難所も役割を無視することができないと実際に現場も見せていただきました。地元の方との合意形成を大事に進める必要があるなと思っております。この辺の、では現状はどうなっているのでしょうか。

◎倉谷健康福祉局生活福祉部保護課長 お答えします。

 仮設避難所ではなくて、あいりん地域における臨時夜間緊急避難所のことであろうかというふうに思いますが、その件につきまして現状につきましてお答えを申し上げます。

 この緊急避難所ですけれども、野宿を余儀なくされておりますこのあいりんの日雇い労働者に対しまして、緊急・一時的に宿泊場所を提供することによりまして就労自立を支援するとともに地域の福祉の向上と安定に寄与することを目的として運営を行っているところでございます。

 現在、定員 600人で運営をしておりまして、平成14年度の利用状況としましては、延べですけども、約19 8,300人と、こういう状況でございます。

小南かおる委員 私、実際に見せていただきまして、それで内容を、人としての尊厳を保障するものにやっぱり改善してほしいなと思いました。

 その1つは衛生状態です。結核の保菌者が高い確率でいるのに十分な換気さえできておりません。夏はもう灼熱、冬は暖房もないという状況でした。緊急な改善が必要だなということを痛感しましたけれども、この点の改善についてはいかがか、お考えを聞かせてください。

◎倉谷健康福祉局生活福祉部保護課長 お答えします。

 臨時夜間緊急避難所の、特に結核関係の改善の問題でございますけれども、御指摘のように、あいりん地域におきましては結核の罹患率が高いと、こういった状況もございますし、多くの人が宿泊をします臨時夜間緊急避難所におきましては、特に感染症対策は必要であると、こういうふうに考えてございます。

◆小南かおる委員 感染の件では重要なことと思いますので、ぜひ検討をお願いいたします。

 もう一つは、女性の問題です。わずかですけれども、女性の入所者もいるということですけれども、女性の人権に配慮されているのでしょうか。女性の部屋の確保とか、シャワーなども女性が安心して使えるように配置されているかどうかお聞きいたします

◎倉谷健康福祉局生活福祉部保護課長 お答えいたします。

 女性に対しましての配慮の問題でございますけれども、臨時夜間緊急避難所につきましては、日雇い労働者の方々の利用を想定しておりまして、女性から利用の求めがあった場合には女性に配慮した運用を行っております。シャワーの件等ございましたけれども、女性であるということに配慮しました運用面においての対応も考えております。

◆小南かおる委員 ぜひ早急な対策をお願いいたします。

 ホームレスの解決は、大阪市としての重要課題であると同時に全国的な問題でもあります。ぜひ国にも大阪府にも責任を求め、ホームレス全体を視野に入れて早期に解決する、実効性のある取り組みをお願いいたしまして、私の質問を終わらせてもらいます