【 平成15年第1回定例会(平成15年2・3月)-0226日−03号 】

75番(関根信次君)

次に、野宿生活者への支援の問題です。

 野宿者は、大阪では既に1万人を超えると言われており、生活悪化の中で野宿生活に転落する危険に直面している人も増加しています。この1月に発表された大阪府立大学黒田教授らの研究によれば、餓死や凍死、また治療を受ければ治る病気によって死亡する野宿者が、大阪市内で年間 200人以上に上っています。亡くなった方は冷え込みが厳しい2月に集中しており、黒田教授は、「餓死、凍死など多くのケースは、適切な医療や生活条件が整えば防ぐことができたはずだ」と述べておられます。必要な対策は、我が党が繰り返し求めているように、病弱・高齢などで就労できない人には生活保護を適用し、医療・居住の保障を行うこと、簡易宿泊所での居宅保護を認めることであります。答弁を求めます。

 次に、生活保護の民主的実施についてであります。

 今、長期不況のもとで、仕事がなく、暮らしに行き詰まった市民が激増しています。こういう時に必要なすべての市民に生活保護が適用されるようにすることは、大阪市政の重要な責任であります。ところが、第一線の福祉事務所では、現在、さまざまなトラブルが起きています。申請用紙を窓口に置かず、申請に行った人に「仕事を見つけてから来なさい」「住宅扶助基準を超えているからだめ」「申請書を出すかどうかはうちの責任、判断だ」などと、何回も追い返す対応が行われています。所持金が45円という人に申請書さえ渡さずに追い返すという、人権を踏みにじるケースもあります。このような申請権を拒否した生活保護行政は直ちに改めるべきであると思いますが、御答弁ください。

市長(磯村隆文君)

野宿生活者支援についてでございますが、大阪市では、平成11年7月に野宿生活者対策推進本部を設置し、全庁的な体制のもとで、巡回相談事業を初め自立支援センターや仮設一時避難所の整備運営等に取り組んでおります。野宿生活者への生活保護の適用につきましては、従来より、高齢者や病弱者に対し保護要件を確認し、医療機関への入院や生活保護施設等への入所措置を適正に行っています。また、地域社会での生活力が回復した方については、個別の状況を審査の上で敷金などの扶助を行い、居宅での保護を実施しております。

 生活保護についてでございますが、福祉事務所の窓口におきましては、専任の面接相談員が相談に来られた方の事情を十分にお聞きした上で、生活保護法の趣旨や仕組みを説明し、他の制度を活用できる場合には紹介するなどして、真に生活に困窮する方に対し適切に保護を適用しているところであります。生活保護制度は、国民の健康で文化的な最低限度の生活を保障するものであり、市民の最後のセーフティネットとして機能していくよう努めてまいります。また、夏期と歳末の見舞金等の法外援護につきましては、今日的なあり方について引き続き検討してまいりたいと考えております。