【 平成15年第1回定例会(平成15年2・3月)-0225日−02号 】

79番(壷井美次君)

次に、ホームレス問題についてお伺いをしてまいります。

 昨年7月に特別措置法が成立し、国・自治体・民間団体が共同して取り組まれようといたしておりますが、予想を超えた長期の不況は、問題解決へ向かうどころか一層深刻さを増しております。ホームレス問題の根本的な解決には社会経済情勢の好転を待たなければならないと思いますが、当面する就労・居宅・保健・医療などの対策を強化する必要があります。全国一のホームレスを抱える本市では、公共施設の利用が制限されるなど市民生活にも影響が及んでおり、一刻も早い解決が待たれるところでございます。

 我が会派は、一昨年3月、対策要綱の策定や自治体間協力機構の創設などを内容とする「ホームレスの完全解消へ向けて」と題した提言を行ってまいりました。早急に特別措置法の期限である2013年を目標年次とする総合施策を確立するとともに、支援メニューの拡充を図ってまいらなければなりません。また、ホームレスの人たちの出身地が、近畿、中国、四国、九州とで約80%を占めていることからいたしまして、西日本各地の自治体と協力機構を創設し、Uターン・Iターンを促進するなど、単なる福祉的対策だけではなく、労働力不足に悩む過疎地対策や都市と地方との労働力調整を図る視点で、積極的に取り組む必要があろうと考えます。これらについてのお考えをお伺いいたしたいと思います。

市長(磯村隆文君)

ホームレス問題についてでございますが、本市では平成11年7月に野宿生活者対策推進本部を設置し、全庁的な体制のもとで、巡回相談を初め自立支援センターや仮設一時避難所の整備運営など、野宿生活者に対する支援に積極的に取り組んでいますが、昨年7月に「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」が成立したところであります。この法律に基づき、今後、国において基本方針が策定され、それに即して、本市といたしましては野宿生活者の自立を支援するための総合的な施策となる実施計画を策定し、積極的に取り組んでまいります。

 野宿生活者に対する支援では、とりわけ就労先の確保が重要な課題であり、環境対策や自然保全事業などを中心とした雇用創出を国に働きかけるとともに、他都市を初め経済界や労働界等とも連携した就労支援も重要であり、大阪労働局や大阪府とも連携し、就労の機会の確保が図られるよう努めてまいりたいと考えております。また、施策の推進に当たっては、自治体間のネットワークが重要であり、今後、情報交換を一層緊密にするとともに、国への働きかけを強化するため、大都市を中心とした連絡会議の充実を図ってまいりたいと考えております。