【 平成17年3月定例会常任委員会(民生保健・通常予算)-0314日−03号 】

◆小林道弘委員 民主党・市民連合の最初に質問をさせていただきます。

  まず最初に、ホームレス並びにあいりんの問題の方から質問をさせていただきたいと思います。

 特にこの問題というのは日本の都市行政課題が集中した問題であるというふうに考えてるわけなんですけれども、その解決に向けてはやはり雇用や医療、そして住宅や環境、まちづくり等、さまざまな分野から解決をしていくという必要があると思うんですけれども、ただ、この間の行政の皆さんのホームレスの皆さんに対する対応等を考えてみますと、例えば愛知県では強制的な排除が行われていたりとか、またさまざまな、大阪市内でもやはり居住権を剥奪するような動きがあるのではないかというふうに考えてるわけなんです。2003年の2月のときに全国のホームレスに調査を実施しております。そのときの調査によりますと、今約2万 5,000人ぐらいのホームレスの方がおられて、平均年齢では約56歳ぐらいと、非常に高齢の実態が全国でもうかがえます。

 同時に、大阪でも約 6,600人のホームレス並びに平均年齢も55.7歳ということで、大阪でもやはり非常に高齢であると。そのときに同時に調査の中で就労意欲についても調査をしております。ホームレスの皆さんが就労希望をするのは大体49%、そして軽い仕事でもできるならばしたいというのが18%ということで、約67%が何とか働いて自立をしたいんだというふうな調査結果があらわれているわけなんです。

 そこで、まず最初の質問ですが、そういう実態等を踏まえて、まず、ホームレスやあいりんの問題を解決するときに雇用が非常に重要であるという認識に立って、大阪市として就労支援の基本的な考えはどういうことなのかということと、そして代表質問のときの答弁でもいただきましたが、来年度設置のホームレス就業支援センターの具体的な内容について、まずお伺いいたします。

◎坂本健康福祉局生活福祉部ホームレス自立支援課長 お答えいたします。

 野宿生活者対策におけます就労支援の考え方と、それから、新たに設置するホームレス就業支援センターについてでございます。

 昨年3月に策定をいたしました大阪市野宿生活者の自立の支援等に関する実施計画では、野宿生活者がみずからの意思で安定した生活を営めるよう支援することを基本とし、その中で最重要課題であります就労自立を支援する基本的な考え方として、常用雇用を目指して就労支援を進めていくこととしております。

 そのための中核施設であります自立支援センターについて、野宿生活者個々の状況を多面的に把握するアセスメント機能の充実や、よりスムーズな社会生活への移行と就労による自立を促進するため、従来の集団生活型に加え、自立的な生活訓練を行う少人数のサテライトを設置するなど、自立支援センターの拡充に努めてまいります。

 現在、自立支援センターでは、公共職業安定所から派遣された職業相談員によります職業相談・職業紹介、また就労に有利となる資格取得や技能講習などにより、常用雇用に向けて就業機会の確保に努めておりますが、入所者の平均年齢が50歳という中・高年齢層であることもあり、直ちに常用雇用につながらない人のために短期的・一時的な業務や一定期間仕事を体験する職場体験講習など、多様な就労形態に対応した仕事の開拓を進めていく必要があり、そのため大阪府とも協議し、民間企業等から軽易な作業や臨時的な仕事を開拓し提供するための仕組みを検討し、その制度化に向けて国に要望を重ねてまいりました。

 その結果、国の新たなホームレス対策として、地方公共団体と民間団体が連携を図り、就業機会の確保を図るホームレス就業支援事業が創設されることになりました。

 本市では大阪府と共同し、社会福祉法人など民間団体を加えた大阪ホームレス就業支援センターを設立し、自立支援センター入所者や日雇い仕事につく機会の少なくなっているあいりんの高齢日雇い労働者などへの就労支援として機能させたいと考えております。以上でございます。

◆小林道弘委員 ただいま答弁いただいたように、やはりホームレスの問題については仕事出しが非常に重要であるというような認識のもとで、ホームレス就業支援センターでも高齢日雇い労働者への支援を検討するというお答えでしたんで、ぜひ目に見える形でしっかりとお願いしたいというふうに思うわけなんですけれども。

 ところで、あいりんの日雇い労働者を対象といたしまして、これまで道路掃除なんかをずっと特別清掃事業ということで実施してきたわけなんですけれども、この事業の約8割が、いわゆる国の緊急地域雇用創出特別交付金を利用したというふうなことであるわけなんです。この交付金が、御存じのとおりこの3月でもう切れるわけなんですけれども、現在、今年度のその特別清掃事業の登録者が約 3,100人ぐらいいるというふうに聞いてるわけなんですが、大体大阪市では現在1日に 181人に仕事出しをしているというふうに聞いております。これに大阪府と合わせて、1人のホームレスの人が大体月に3回から4回ぐらいの仕事につくわけなんですけれども、この事業の日当が1日 5,700円やと。お弁当代引いてみたら大体1日に 5,000円ぐらいやということ。あと、そしたら月に3回か4回しかこの仕事が回ってきませんので、それ以外何してんねんいうたら、段ボール回収、アルミ缶回収等で月に約1万円弱ぐらいの収入があって、合計しますと1人のホームレスの人が大体月3万円ぐらいの収入やね。1日に大体 1,000円で生活をしているという実態なんですけれども。月3万円で、それで宿泊、食事、さまざまなもんを考えると、到底これではやっぱりまだまだ厳しいという実態になるわけだと思います。

 それが今回、先ほど申しましたように国の事業が切れて、大阪市でも財政が厳しい中、十分なことができないとなれば、ホームレスの人はどういうふうにするかというと、道端に落ちているものを食べる拾い食いがあると。拾い食いをすればどないなるかといえば、数年前に釜ヶ崎の方で起こりましたが、やはり赤痢の問題、環境衛生上、非常に劣悪になってくるということが、またぞろ繰り返されるのではないかというふうな危惧が地域や周りの方でやっぱり起こってるわけなんですけれども。

 そこで、国の基金が切れます、特別清掃事業を今後本市としてどのように考えていくのかということについてお伺いしたいと思います。

◎野田健康福祉局生活福祉部保護課長 お答え申し上げます。

 生活道路清掃事業、高齢日雇労働者等除草等事業、いわゆる特別清掃事業についてでございますが、経済不況、建設・土木産業の求人の減少により、あいりんの日雇い労働者の雇用状況が著しく悪化し、特に高齢日雇い労働者の求人が減少したため、本市の単独事業として生活道路清掃事業は平成6年11月から、高齢日雇労働者等除草等事業は平成11年7月から臨時的に実施している事業でございます。

 委員御指摘のとおり、今年度の登録者 3,100人に対し、本市では単独、交付金事業を合わせて1日 181人に就労機会の提供を行っており、この事業費の約8割が平成1311月に創設された緊急地域雇用創出特別交付金であります。

 しかしながら、今年度で交付金が終了いたしますことから、本市の重点要望として国に対し交付金の継続・拡充を要望してきましたが、国の当初予算案には計上されなかったところでございます。

 特別清掃事業は、あいりん高齢日雇い労働者が野宿生活へ陥ることの防止に有効な事業であり、これにかわるものとして、今後はホームレス就業支援センターが開拓した軽易な作業や臨時的な仕事の提供を求めてまいります。

 しかしながら、ホームレス就業支援センターの円滑な運営が図られるまでの間は大阪市としても一定の支援を行うこととしており、来年度につきましては本市の単独事業として1日 128人に就労機会の提供を行うことといたしております。以上でございます。

◆小林道弘委員 今お答えいただいたわけなんですけれども、やっぱりそれでも今年度まで続けてきたことを考えると、約7割ぐらいしか、本市単独でやるというふうに非常に前向きではあるとは思うんですが、やはり現実には3割の方がこれまでと同じような仕事につけないというふうな状況になりますので、何とか頑張ってほしいと。就労というのは、唯一、ホームレスの方がいわば日本社会の中でつながってると実感できることのようです。疎外されてるという状況を踏まえたときに、仕事という大きなことでつながって、心の安定にもつながるということにもなりますので、ぜひ頑張って本市単独でも続けていただきたいというふうに思います。

 引き続きまして、そのホームレスの問題と非常に密接な関係にありますあいりんの問題についてお伺いしたいと思います。

 あいりんの問題を考えるときにも、雇用対策と、そしてこれは同時に、まちですから、面的な考えでのまちづくりということが非常に重要ではないかというふうに思います。

 本市の方では、これまであいりん対策連絡会議というのが設置されて取り組みが進められてるというふうに聞きますけれども、その成果並びに課題についてお伺いしたいと思います。

◎野田健康福祉局生活福祉部保護課長 お答え申し上げます。

 あいりん対策連絡会議についてでございますが、昭和47年に設置し、福祉対策、医療対策、住宅対策、生活環境対策、越年対策の5つの分科会を設け、これまでシェルターの設置や越年対策事業等の福祉施策を中心とし、不法投棄や放置自動車への対処等の環境改善を実施してまいりました。このことによりまして、就労機会の減少している高齢日雇い労働者が野宿生活に陥ることへの防止や地域の環境改善等に効果があったと考えております。

 しかしながら、現在のあいりんの状況は、近年の労働環境、特に日雇い労働者を取り巻く環境が非常に悪化しており、また日雇い労働者の高齢化に伴う野宿生活者の増加、簡易宿所のアパート化に伴う生活保護受給者の増加等、地域内だけではなく、そのような環境が周辺にも影響を及ぼしているということなど、新たな課題が顕在化していると考えております。以上でございます。

◆小林道弘委員 ということで、この間、私、去年の決算委員会並びに代表質問において、あいりん地域のまちづくりについてどういうふうにすればいいのかということを各局の皆さんと協議をさせていただきました。そのときに、対策連絡会議があるからということで、そしたら健康福祉局、どういうふうなことをされてるんですか。ほなら健康福祉局では、事業ですからこんなことをします。そしたら消防局はどういうことをされるんですか。お答えがありませんでした。住宅局ではどういうことですか。お答えがありませんでした。対策連絡会議というのはあるんですけれども、実は進んでいないということが明らかになったわけなんです。

 そこで、昭和47年につくられた対策連絡会議ですので、既に古いというふうに私は思うわけなんです。組織を変えればいいという問題ではありませんが、例えばきょう初めから冒頭、議論させていただいております就労等の問題についても、やはりこの対策連絡会議の中で必要ではないかというふうに思います。

 市長からも、さきの答弁の中で、発展解消するという決意をいただいております。そのことについて、今後どのように対策連絡会議を充実させるのかということについてお伺いします。

◎野田健康福祉局生活福祉部保護課長 お答え申し上げます。

 あいりん対策連絡会議には5つの分科会がありますが、今後はそれらを整理・統合し、大きくは福祉・医療とまちづくりの2つの分野とし、福祉・医療は主として健康福祉局、まちづくりは主として計画調整局が担当することを検討しております。また、あいりん地域では雇用の課題も重要であることから、本市の雇用施策を担当している市民局や、市政運営に係る総合的な調整も必要となると考えられることから経営企画室の参画も検討いたしております。

 いずれにいたしましても、以上のような認識と考え方のもと、あいりん対策連絡会議を来年度の早期に改組、充実し、関係局が連携してあいりんの諸課題の解決に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。

小林道弘委員 今のお答えの中で、早期にというお答えをいただきました。この問題は、きょうも人が亡くなるという現実の問題です。ぜひスピード感を持って速やかに問題解決に向けた取り組みと、そして同時に、ホームレスの問題、あいりんの問題というのは一部地域に限られた問題ではないんです。出身者の方を見ますと、それこそ北は北海道、南は沖縄、九州まで、たくさんの方が集中してそれぞれの地域におられます。ということは、当然国の責任もありますし、そして大阪府の中における大阪市の責任も大きいと思います。大阪市と大阪府と、そして国がしっかりと連携とれるよう、大阪市も主体的に何とか努力をしていただきたいと思います。

◆辻洋二委員

次に、健康福祉局にお尋ねしていきたいと思います。結核の問題についてであります。

 結核は、今でも全国で年間3万人以上の患者が発生し、約 2,300人の死者を出している感染症であり、市民の健康にとっても重要な課題だと思います。

 平成11年7月に国は、我が国の罹患率が43年ぶりに上昇に転じ、今後も増加する危険性があるとして、結核緊急事態宣言を発しております。

 本市においては、これを受けて平成13年2月、大阪市結核対策基本指針、「STOP結核」作戦を策定しております。これは10年間で結核患者を半減させるという目標のもとで、DOTS事業の推進、結核患者の接触者への確実な健康診断の徹底や、予防及び普及・啓発などの各種事業に取り組んでいくと聞いておりますが、現時点での大阪市の結核の状況についてお聞かせ願いたいと思います。

◎渡壁健康福祉局保健所感染症対策課長 お答えいたします。

 本市におきましても、平成13年2月に大阪市結核対策基本指針、「STOP結核」作戦を策定し、高齢の方や健診を受ける機会の少ない小規模事業所従事者、自営業者の方々に対して定期健診の受診勧奨を行い、患者の早期発見に努めております。

 また、事業所や学校などで他の人に感染させる可能性のある患者さんが発見された場合は、その接触者に対して保健所と保健福祉センターが連携して速やかに定期外の健康診断を確実に実施しておりますほか、罹患率の高いあいりん地域、野宿生活者への対策としまして毎月1回あいりん総合センター前健診を行うとともに、南港臨時宿泊所等の入所者に結核健診を実施しております。

 結核患者の治療を確実に行うために、あいりん地域で服薬を直接確認するあいりんDOTS事業を実施するほか、全市的に訪問型DOTSを行い、さらに患者さんの身近なかかりつけ医で行う医療機関DOTSを実施しております。

 このように各種対策を推進してまいりました結果、人口10万人当たりの新登録患者数であります罹患率は平成10年の 104.2から、16年には、概数値でありますが61.7に減少しております。しかしながら、罹患率は全国平均の約 2.7倍となっており、今後も引き続いて各種対策を積極的に推進してまいりたいと考えております。以上でございます。

◆辻洋二委員 今、大阪市における罹患率を御説明いただきましたが、このたび結核予防法が一部改正され、本年4月1日から施行されます。この改正で、定期の健康診断、レントゲン撮影では患者が発見される率が低いことなどから、今までのように広く市民を対象にするのではなく、高齢者など発病の危険性が高い方や学校・病院・社会福祉施設の従事者など、2次感染を起こしやすい職業に従事している方に対して重点的に健康診断を実施することとされ、いわゆる小規模な事業所や工場などの従事者は結核予防法では定期の健康診断の対象から外れたわけであります。

 これは本市にとっては問題であると思います。確かに結核患者は、症状を訴えて医療機関で受診し、そこで発見される方が多く、定期の健康診断で発見される割合は低いと聞いております。しかし、市民にとっては結核の定期健診は基本健康診査との同時実施が広く定着しており、本市の結核発生状況などから見ると、現行どおり実施をしていく必要があると考えます。また、本市は中小企業が多い町であり、事業所で健康診断を行われるところが少なく、これからもこれらの小規模な事業所については受診の機会の確保が必要であります。

 そこで、この定期の健康診断についてどのように取り組もうとしているのかをお伺いしたいと思います。

◎渡壁健康福祉局保健所感染症対策課長 お答えいたします。

 今回の改正で、市町村長の行う定期の健康診断の対象者は、65歳以上の方のほか、市町村がその管轄する区域内の結核の発生状況、健康診断による結核患者の発見率その他の事情を勘案して特に健康診断の必要があると認める方とされました。従来の一律的・集団的な対応を改め、対象者を見直すという基本的な考え方は示されましたが、その運用に当たっては市町村の裁量に大きくゆだねられています。

 このため本市においては、本市の結核事情を考慮して、市民に対する健康診断はこれまでどおりの体制で実施したいと考えています。

 また、理容・美容等接客業や小規模な事業所に従事する方に対して、従来は定期外の健康診断として実施してまいりましたが、今後は定期の健康診断に位置づけ、これまでどおりの体制で実施してまいりたいと考えております。以上でございます。

◆辻洋二委員 次に、さきの委員会においても一部質疑がなされましたが、乳幼児の結核発病者が多い本市においては、BCG接種について安全性を考慮して生後3カ月から実施するということになっておりますが、結核予防法施行令どおり生後6カ月までというのでは余りにも接種期間が短いのではないかと思いますが、この点について、どのように取り組んでいくのかをお伺いしたいと思います。

◎下内健康福祉局医務監兼保健所保健主幹 お答えいたします。

 BCGの接種時期につきましては、従来の4歳に達するまでから生後6カ月に達するまでと改正されましたが、いつの時期から接種するかについては記述されておりません。国の見解では、出生直後から接種可能としていますが、本市としては専門家の意見も踏まえ、先天性免疫不全症の子供への接種を避けるなどの安全性重視の立場から、生後3カ月から6カ月までの接種を基本としたいと考えております。

 また、国の考え方では生後6カ月までは法定の予防接種、6カ月を過ぎると任意の予防接種ということになり、個人の自己負担での接種となります。

 しかしながら、委員御指摘のとおり、3カ月から6カ月までの短期間での接種となると、個人の体調不良などの理由で接種できないことが想定されることや、本市の乳幼児結核発病者の中でBCG未接種者の割合が高いことを考慮して、本市独自の施策として、1歳未満までは本市の負担においてBCG直接接種を行いたいと考えております。

 市民への周知につきましては、法改正の趣旨でもありますBCGを早期に接種することにより、乳幼児の重症結核を予防することが重要であるため、生後3カ月から6カ月までといたし、6カ月を過ぎての未接種者については個別に把握し、早期接種勧奨をしてまいります。

 なお、これまで個人的理由のある者に4歳まで接種可能としてきたため、平成17年度のみ経過措置として1歳から4歳未満の者に対して毎月1回ツベルクリン反応検査とBCG接種を実施してまいりたいと考えております。以上です。

◆辻洋二委員 結核予防法の改正に伴う本市の対応についてお聞きをしましたが、あいりん地域は特に結核患者が多いと聞いております。

 あいりん地域における罹患率の高さが大阪市の罹患率に与える影響が大きいと思いますが、現在あいりん地域の罹患率がどのようになっているのか、また、あいりん地域においても月1回健診を実施しているようですが、あいりん地域の結核患者を減らすためのより効果的な対策が必要ではないかと考えますが、どのように取り組まれるのかをお聞きしたいと思います。

◎下内健康福祉局医務監兼保健所保健主幹 お答えいたします。

 平成15年におけるあいりん地域の新登録患者数は 261名であり、平成10年の新登録患者数 577名と比較すると約55%減少しております。また、人口10万当たりの新登録患者数であります罹患率で見ても、平成10年の1923.3から平成15年は 870.0となっておりますが、これはいまだ全国平均の約35倍にもなります。

 あいりん地域においては、現在あいりん総合センター前で月1回、住民健診を実施しております。この健診はレントゲン車による間接撮影により行うもので、精密検査の必要な方への結果通知を後日あいりん総合センター内に掲示しておりますが、精密検査が必要な方が確認を怠るなどそれぞれの事情により、結果として20%の方が精密検査を受診せず、医療へ結びつけることができない状況となっております。

 この状況を改善するために、撮影時に即座に画像化し、その場で医師が診断できるデジタル画像装置搭載の結核検診車を17年度より導入し、患者を確実に治療へ結びつけたいと考えております。

 あいりん地域の結核事情を改善することは、本市全体の罹患率の減少にも大きく寄与することになりますので、この検診車の特色を生かして、これまでのあいりん総合センター前などの健診に加えて、地域内の公園や宿泊施設等と連携した健診など、より効果的な健診を実施し、本市全体の結核事情の改善に努めてまいりたいと考えております。以上です。

◆辻洋二委員 結核は既に昔の病気であると思われがちですが、罹患率が高い大阪市にとっては今なお市民の健康に大きな影響を与える問題であります。

 「STOP結核」作戦の目標にもあります乳幼児結核患者の発生をゼロにするためにも、BCG接種の徹底に努めていただくとともに、健康診断においても、あいりん地域での健診の充実や、また小規模な事業所の従事者への受診機会を確保するなど、本市の実情に合った健診体制を確立していただきたいと思います。

 また、今後も結核予防法の趣旨を踏まえ、さらに積極的に本市の実情に応じた各種の結核対策を実施して、罹患率が全国一という状況を一日も早く解消できるように引き続いて努力をしていただきますよう要望しまして、5分早めに終わりましたけれども、終わらせていただきます。ありがとうございました。