【 平成18年第1回定例会(平成18年3月)-03月07日−02号 】
P.34 ◆ 3番(田中豊君)
次に、本市財政へも大きな影響を及ぼしている生活保護制度についてお聞きします。
先日、2005年度に全国で生活保護世帯数が月平均で初めて100万世帯の大台に乗るとの報道がされました。厚生労働省は、高齢社会に伴う無年金や、年金が少ない高齢者世帯の増加が原因としています。しかし、労働可能な世代がいる世帯の増加率も高くなってきており、景気回復の兆しがあるにもかかわらず増加傾向が続いていることから、最近問題化しつつある格差社会の広がりを指摘する声もあります。本市は、全国一のホームレスが存在していることもあって、全国保護世帯の実に7.6%、市民の24人に1人が生活保護受給者となっています。
生活保護は、制度創設以来、半世紀以上を経過し、経済的な自立が見込みがたい高齢者世帯が約半数を占め、また保護費は、国民年金の支給額や母子世帯を初めとする一般の低所得勤労者の収入と逆転現象を起こしており、早急な制度の再構築が必要とされています。生活保護制度は、最後のセーフティーネットとして重要な役割を果たしていますが、長く受給していると自立意欲が薄れることになります。中には、親子3代にわたる保護世帯や、資産、収入、年金などを申告しないといった不正受給、医療・介護における乱診乱療など、モラルハザードも引き起こしています。根本的な問題解決のためには制度の抜本改革が待たれますが、本来の目的でもある自立を促し、制度への信頼性を高めるためには、保護の適正な実施が求められます。今後の運用と適正実施へ向けた取り組みをお聞きします。
P.41 ◎ 市長(關淳一君)
生活保護制度についてでございますが、創設以来、半世紀以上も抜本的な改革がなく、いわゆる制度疲労を起こしており、全国知事会・市長会等は、高齢者世帯の社会保障を別制度とすることや、就労可能者の有期保護制度の創設、受給要件調査についての調査協力の義務づけ等の提言を行っております。本市では、再就職支援会社やハローワークOB等の専門性も活用した事業を拡充し、就労可能な方の就労自立をより一層支援してまいります。また、レセプト点検の拡充や医療費通知の実施とともに、新規開始時の調査や年金受給要件調査の強化に努めてまいります。今後とも、全国市長会等と連携を密にし、国に対し制度改革を求めるとともに、自立支援策の推進など、市民に信頼される制度となるよう努めてまいります。