【 平成18年9・10月常任委員会(民生保健)-09月15日−01号 】
◆大丸昭典委員 大変お疲れのところ申しわけありませんけれども、議題外といいましてもあながち議題外とは言えないと思います。
先ほど来の御答弁とか御議論を聞いておりまして、コンプライアンス遵守やとか、白井局長の方から風通しのよい職場づくり、職員の安心して働ける職場とかいうような御答弁がありましたので、それにも関連してお聞きをしていきますけども、実は、この4月に新採で採用された大卒の男性の職員、これが8月に自殺してますね、健康福祉局の職員だった子が。この経過をひとつ教えていただけますか。どこの課に所属されておられた方か。
◎白江健康福祉局障害者施策部障害福祉課長 今御指摘の職員の死亡事件についてでございますが、今年度新規採用された職員で、本年8月7日の朝に家を出たまま連絡をとれない状態になり、詳細がつかめないまま、大変残念なことに、8月19日に大阪市内の宿泊施設で死亡していたのを発見されました。失踪の直前、職場あるいは家庭でも特に変わった様子もなく、明らかになるものも残しておらず、原因はいまだつかめていない状況でございます。以上でございます。
◆大丸昭典委員 仮にS君としておきましょうか。実は、大阪市内の大学を昨年の3月に卒業されて、就職浪人されたのか、ことしの4月ですね、この大阪市の問題が起こっていることがわかっていながらあえて希望して、希望に燃えて大阪市に奉職されたということであります。それで健康福祉局の、先ほど来議論になっておった障害者自立支援法、その係をやっておられて、非常に多忙であったということは聞いております。それについて、もう少し詳しく経過なりを教えていただきたい。
例えば皆さん方で、若い子が原因不明で亡くなっているのに、自殺と。検案書では窒息死ですから自殺であると思いますけれども、どんな対応をしてこられたのか。例えば親御さんとも会われて、非常に健全な家庭のお子さんと聞いておりますけれども、どのようなことをされてこられたのか。今日まで、その後の経緯についてですね、幾ら言っても死亡した方は帰ってこられないけれども、その後どういうふうに皆さん対応されたのか、それをひとつ聞かせてもらいたいと思います。
◎落合健康福祉局障害者施策部長 お答えいたします。
ただいまの件でございますが、私ども、当初から、失踪されたというときから、親御さんとも連絡を取り合いまして、警察の方へも私どもの方から家族の方にお願いを出すようにお勧めもいたしまして、そのことによりまして、彼の少しでも行く過程というんですか、足跡というんですか、それが発見されたというのもあるわけです。
また、死亡の確認の後も、遺体を家族の方が引き取りに行ったときにも、私ども家族さんとお会いいたしましていろいろ事情もお聞きしまして、また、私どもの職場での状況も御説明いたしました。
本当にまじめな青年で、家庭内でも職場内でも。私どもも非常に大きなショックでございまして、どのような状況でそういうふうなことに至ったのかはわかっておりませんし、また、死亡の原因につきましても、警察の方でもつかめておらないようでございます。以上でございます。
◆大丸昭典委員 あのね、職員の子が、新しく入ってきた子が1人亡くなっているのに、いまだにそんな答弁でしょう。わからない、原因わからない。それで、親と接触して会ったけれども、その後職場の環境とか、その子がどんな勤務状況やったとか、そんなことも全然全く検証してないんですか。
ついでに聞きますけども、市長にはいつ報告されたんですか。市長に報告しなかったんですか。その辺もお聞かせください。
◎落合健康福祉局障害者施策部長 お答えいたします。
彼の状況というのを調べておりまして、仕事の状況ですね。また、彼の仕事、入りましてから私ども失踪するまでの間の状況、またそれ以後、非常に私どもの職場、先ほど委員御指摘のように非常に繁忙な職場であったことも事実でございまして、他の職員も非常に今しんどい仕事をしている状況でございますので、私どもの局内、また部内でも仕事の調整をいたしまして、なるたけ負担のかからないような状況をやっております。
それと、市長にいつ御報告したかということは、局長の方がお伝えしておりますので、局長の方からお答えいたします。
◆大丸昭典委員 親御さん、それはびっくりしますよな、1人だけで遺体で発見されたとなって。それは、その後しばらくはそっとしておいてくれ言いますよ。だけど、親御さんがそっとしておいてくれと言うのと、局の内部でやっぱり原因究明をし、今、市長かて問題を共有しようじゃないかということでしょう。まあ言うたら職場の環境の中で。それぞれが問題を共有していこうということですから、それを全く、また局内だけでおさめていくのか。それ、市長にいつ報告されて、市長も人一人死んでいるんですから、やっぱりその親御さんとこへ謝りに行くなり、何か謝るというか、それはやっぱり職場のことで、大阪市に入らなかったら死ななかったわけでしょう、まあ言うたら。死ななかったかもわからない。
私が聞いているのでは、何かホームレスの問題をやりたいということで来られたと。それは聞いている。ただ、日記だけを見たときには、職場が繁忙だと、忙しいということは書いてあった。これはあなた方から聞きました。だけど、やっぱりそれは人一人死んで、何ぼ向こうさんがそっとしておいてくれと、お葬式来なくてもいいと言うても、それはやっぱり人間として、同じ職場の人間として、上司としてやっぱりおかしいのとちゃいますか。どうですか。
◎白井健康福祉局長 お答え申し上げます。
私は、8月の中ごろだったかと思いますけども、職員が職場に出勤できていないという状況になっているということを聞きまして、特に新規採用の職員であるということで、大変私も気になりまして、なぜそういうことになっているのかと。付近のその仕事をいつも一緒にやっている職員に、どういう話をしておったのかというようなことも教えてくれと。直ちにその担当といいますか、所属している部の方に行きまして、職員にかなり話を聞く努力をしたところでございます。ただ、いろいろと話を聞きましたけども、まだ職場に来て日も浅いということもありまして、余り多くの情報が得られなかったところでございます。
ただ私は、それだけでもうよしということにはもちろんなりませんので、何でもいいから情報がわかったらすぐに伝えてくれということをお願いしたところでございます。
ただ、結果といたしましては、その後そういう大変残念な、ちょっと言葉には言い尽くせないほど残念なそういう結果になったということで、大変私自身も、多くの職員のそういう職場、これを預かる者として大変申しわけなく思っておるところでございます。
市長には、実は市長はこの間、あちこち区役所、それから局、職場の状況を見ていただいております。あちこち行っていただいていると聞いておりますけれども、私どもの局にお越しいただくことも、かねてからそういうふうなお話をしていただいておったようでございますけれども、実は私どもの職場は非常に多忙といいますか、そういうこともございまして、ついつい時間が、私どももお越しいただくのが遅くなったということでございます。9月のたしか6日に見に来ていただいたかと思いますけども、そのまさに一番忙しい障害者自立支援の担当のところも足を運んで見ていただいたところでございまして、そういう話を私、日程を聞きましたので、その前日に上がりまして、実はまた大変多忙な状況になっておりますし、職員、まあ厳しいといいますか、かなり良好とは言えない環境の中で苦労して頑張っておると。それと、実は申しわけないけども、こんな事故が起こっておりますということをあわせて御報告したところでございます。
◆大丸昭典委員 あのね、今聞いたら、6日の日に市長が来られたんでしょう。5日の日に行ってそういう話をしたと。僕も確かに、これ障害者自立支援法というのは何ぼ見てもわからないんですな。今まで支援費は時間でいくんですけども、介護保険、その資格でということは、そっちは時間でこっちは点数やと、ポイントやというので、なかなか難しい点もあって、入った子ではなかなかわかりにくい。そやけど熱心にやっていたという話は、私もほかから聞いています。残業時間が6時間、7時間になって、10時、11時になっていると、それも聞いてました。ところが本人は明るい子で、やってきたらしいんです。
それで、市長にも聞きますけども、市長、7日の産経新聞、これ全然関係ないところですけども、「大卒の素人では何の足しにもならない。今求められているのは経営のエキスパートだ」という、こういうふうに新聞に答えられておるんですけれども、これ、その話を聞いて、大卒の新人が死んでいると聞いた明くる日にですよ、それもこれ、7日の朝刊ですわ。このときに、大卒の素人じゃ何の足しにもならない。これ、死者にむち打つ言葉ですよ。こんなことを市長はこれ言葉として言っているんですよ、ほんまに。これ、このときに知っておったらこんなこと言えないでしょう。どうですか。教えてください。
◎關市長 それはもう全くの誤解です。5日の日に健康福祉局長から私はそういう事故があったということを聞きまして、大変ショックを受けました。あってはならないことが起こったと。6日の日に健康福祉局の本庁内、職場ですが、つぶさに現状を見に行きました。非常に全員繁忙をきわめて、しかもこれ、2つの局が一つになったという経過もあって、職員数も非常に多いわけです。職場環境も決してよくないという現実も見ました。
これは何とかしようということを話をしているわけでありますけど、それはそれとしまして、その産経の記事、これはですね、労働組合との懇談の場がありまして、大学で今度新しい大卒を雇うという話がその前にありまして、これ、もうずっと前ですね。それはちょっとおかしいんでないかということを大学に対して注意をしました。独立行政法人になって、これからどういう形で事務組織をつくろうかというときに、独立行政法人ですから、これは本当に効率的な事務組織をつくろうとするときに、新人を入れるのではなくて大学経営のエキスパート、そういう人を入れるのであれば、これは私はよくわかるけども、今まだ組織も決まっていない、それから給与体系も決まっていない中で、従前と同じような形で、しかも5年間凍結ということをやっている中で、独立行政法人になったからといってそういう採用の仕方をするのは、これはちょっとおかしいんやないかと。本当に独立して、財政面でも独立していって少しでも研究費をふやすとか、そういう事務組織機構をつくるためには、大卒の新人ではなくて、そういう経験のあるエキスパートを雇うべきということを強く理事長に私は申しました。それで、募集要項を少し変更して、大学は人の採用をこれからしようという募集要項の変更もやりました。
そういうことに絡んで、労働組合との懇談の場で「大卒入れるのを何でとめたんや」とこういう話がありましたんでね、私は、今そういう時期ではないと。それはおかしいんやないかと。今、大卒の新人を入れても、そういう独立行政法人の組織をつくろうと、それで給与体系も決めようとか、そういうことには役に立たないということを言ったわけでありまして、別に一般論として大卒はだめだとか、そんなことを言った覚えは全然ないわけでありまして、それがそういう記事に後日なっているわけでありまして、全くこれは関係のない次元の話であることをはっきり申し上げたいと思います。
それはそれとして、やはり非常に前途有為な青年が亡くなったことについては、私も非常に心を痛めておりますし、局としても心を痛めているわけでありますが、何としてもまずは、私は5日の日にそれを聞きまして、遺族の方の心境を十分、その気持ちをですね、きちっとそれを尊重するということを第一義的に考えて行動してほしいという指示をいたしました。
◆大丸昭典委員 あのね、どんな事故、大きな事故のときでも、遺族の方がね、それは事故の原因者、JRのときもそうですけども、JRのときでも社長が行っても会いませんよ、絶対に。来てもいらんと。それはやっぱり誠意というもんですよ、市長としてね。若い職員が一人でも亡くなった話を聞いたら、やっぱり普通は飛んで行って頭の一つも下げるのが、私は人間としての道じゃないかなというふうに思うんですよ。
僕は、せっかく1年浪人してまで、しかも市長さんの後輩ですよな、これまさに。その子が亡くなって、市役所へ入ってきた自分の後輩が亡くなると。それでもそないしてやね、話聞いただけでも飛んで行くというのがないというのも、これまた不思議と思うんです。
市長さんがそういうお気持ちであれば職員が後をついてくるかどうか、これについても、今大阪市全体に重責がかかっているわけでしょう。特にこの課は大変忙しい。まだ1カ月半ほど仕事がおくれているということやから、そやから新採で入った子にも大変な負担がかかっているわけですよ。だから、何もなかったら、その子の希望どおりホームレスの担当をしておったら、それで無事にいったかわからない。しかも彼自身がやね、市内の簡宿で一部屋で住んでおったわけでしょう、まあ言うたら。それも聞いているんですけどもね。そやから、それはやっぱり市長さんね、今からでも遅くないから、やっぱり御家族のところへも行くべきやと私は思うんですよ。
それと同時に、その職員が亡くなったやっぱり原因を解明して、それは、遺族の方は遺族の気持ちですよ。職場として何が原因か、これはちゃんとやっぱり究明してあげるのが、その故人に対する気持ちじゃないかなと思うんですけれども、もう一度だけ局長と市長さんの答えを聞きたいと思います。それを聞いて、やめますわ。
◎白井健康福祉局長 このたびの職員の事故、大変残念でございます。痛ましい事象でございます。これにつきましては私、本当に重い事柄だというふうに思っております。
ただ、委員今御指摘のように、遺族の気持ちとか、いろいろ我々は勝手にこちらの方ではかりまして、十分な迅速な対応ができていないという点もあったかと思います。ただ、そういう御遺族に対する真摯な御冥福をお祈りする気持ちをあらわすとともに、それと、やはり職場におけるそういう原因の分析・究明、今後の再発防止、そうしたことに向けて、やはりより一層しっかりと取り組んでまいらなければならないと考えておるところでございます。まことに申しわけございません。
◎ 關市長 これは本当に言葉では表現できない非常に痛ましい事件として、私も心を痛めております。そういう中で、やはり御遺族の心境に十分配慮しながら、我々の気持ちをどういうふうに伝えるかということについてきちっと考えていくということを今考えております。