【 平成18年3月定例会常任委員会(民生保健・通常予算)-03月17日−05号 】
◆小南かおる委員
ちょっとホームレスの問題について一言言わせていただきたいんですけど、時間がないのでちょっとはしょらせていただきます。
先日も、ちょっと自立支援センターも見学させていただきました。この現在のホームレスの大阪市の実態やとか自立状況とか、こういった支援センターやと、こういうふうな方々の意見は、利用されている方はどうなっているのかなということも聞きたかったんですけれども、平成16年度から平成20年までの実施計画の推進状況、さらにホームレス問題の基本的解決はいつごろ想定しているのか、ちょっとこの辺お聞かせ願えますでしょうか。
◎坂本健康福祉局生活福祉部ホームレス自立支援課長 お答えいたします。
本市におきましては、現在、主な野宿生活者対策についてでございますけども、巡回相談事業を実施しておりまして、それは平成11年8月から18年2月末の面接の実績につきましては、延べ4万2,987件、そのうち新規面接は1万1,072件、自立支援センターへの入所につなげたのは3,130件でございました。
自立支援センターを平成12年10月から開設しておりますけれども、この18年2月末の実績では、入所者総数3,130名、退所者総数は2,892名でございます。退所者のうち、就労による自立退所者は1,252名、退所者総数に占める割合は43.3%となっております。また、就労退所した人に対しては、職場定着を図るための相談指導も行っておりまして、こうした施策の効果もあり、市内の道路・公園のテント、小屋がけ数は、ピーク時の約3分の1に減少しているところでございます。以上でございます。
◆小南かおる委員 また、こういったホームレス問題についても、関西経済同友会からもいろんな提言をしておられますし、同時に、この本市も含めての協議の場も持たれているようです。
私は、総合的対策を講じるという点では、国に対しても具体の問題でこういった意見を言うていくことがまず何よりも大事になっていると考えております。特に、具体的な施策で財政投入を行う、また関西財界でも雇用など、こういった面でも要望を市としても上げるべきだと思いますけれども、この辺についてはどのような御認識をお持ちでしょうか。
◎坂本健康福祉局生活福祉部ホームレス自立支援課長 お答えいたします。
野宿生活者の自立のためには、就業の機会の確保が最も重要であることから、これまで国に対し、雇用施策の充実を要望し、民間企業が自立支援センター入所者を雇用する場合に、一定期間、奨励金が支給されるトライアル雇用事業、また就職に有利な資格取得のための技能講習事業などが実現されました。
また、本市では、安定した雇用を確保するためには、民間企業等の協力が不可欠であることから、平成16年10月に大阪労働局、大阪府、大阪市、経済団体、労働団体で構成する大阪野宿生活者就業支援協議会を設置いたしました。
また、国の財政措置のもと、大阪府と共同し、民間事業者等から仕事を集め、自立支援センター入所者の就業自立の促進と、あいりん高齢日雇い労働者に多様な就業機会を提供することを目的に、昨年8月、大阪ホームレス就業支援センターを設置いたしました。この就業支援センターでは、常用雇用以外にも、職場体験講習を組み合わせた短期的、一時的な雇用など、多様な就労形態に対応した仕事の開拓を進めております。
この就業支援センターにおける雇用や軽易な仕事の開拓については、先ほど説明いたしました大阪野宿生活者就業支援協議会の構成団体の傘下の事業所に機関誌などを通じて依頼し、既に企業などから求人情報などを得ているところでございます。
今後とも、国、大阪府、経済団体などと連携を密にいたしまして、より一層の就業機会の確保に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
◆小南かおる委員 いろいろ自立支援センターとかそういったところで努力されていって、そこでも200人近くの方が自立したようなお話も聞いておりますが、その後のケアがないので実態がよくわからないようですけれども、それで16年度から、巡回しながらケアをする体制をとっておられるそうです。これはもう本当に大変大事なことですし、本当に自立をさせる点では、責任を持つことが求められているのではないかなと思います。
私も、2004年度の1月の決算のとき、ホームレス、取り扱いさせていただきまして、西成の自立支援センターの方に行かせていただきました。そのときは、まだそんなに自立支援センターがなくて、でもそのとき、すごく職員の方々、本当に一生懸命なんです。それで、住宅地の中にできたから、近所からは、やはりある程度の期限を決められてと言ってたので、その当局の方のお話聞いたときにも、もうそろそろ期限になってるんですいうことだったので、この間も舞洲の方に自立支援センターの見学に行ったときに、西成の施設がまだあるいうのを聞いて、後でまた聞いたら、やはりこの期限を延ばしてもらうことができたんですとおっしゃってました。
私、その辺では、職員の方々がいろんな面ですごい努力されているのだなというのを感じております。いろんなおられる方で、履歴書の書き方、そういうところも、この間聞いたときにもやはり指導もしているとおっしゃってました。生活態度の、いろいろな習慣をさせるためのそういった確立とか、就労後の住宅のために、この6カ月の期間の間に少しずつお金をためて、そういった費用にしていく、そういったふうないろんな指導とか、そういったきめ細かなケアもされていると聞いております。
また、宿直の日も月に何度かあり、本当に少人数で奮闘されております。こういった職員の現場での努力や奮闘の思いにこたえる抜本的な施策がやはり今求められていると思います。
私は、きょう、ここで東京の例を、東京都23区が昨年から取り組んでいるこの対策を紹介させていただきたかったんですけれども、ちょっと簡単に、御存じかもしれないんですけれども、これはホームレス地域生活移行支援事業という名称で、16年度から実際にスタートされたそうです。
特徴は、公園ごとに、ホームレスの方々に2年間を限定に低い家賃、5,000円らしいですが、5,000円ぐらいの家賃で借り上げて住宅を貸し付ける。これを、4段階を3カ月程度、まず公園に行って、最初は健康診断したりとか、自立準備のためのいろんな支援、それから民間のそういう宿舎に実地いうたらおかしいんですけど、実際に体験させて、そんな中から、やはりずっと実際に住居を与えて、2年間、安い家賃で就業の援助をするというふうな、こういう東京の例が、まだこれも1年ぐらいですので、そんなにこれがベストかどうかというのはまだはっきりわかっておりません。
でも、ホームレスの方々の要求は、やはり住まいと電話いうのがよく言われてるそうです。住居は、最低限のプライバシーと生活空間が保てることを求めていることは、やっぱり普通の感覚だと思います。集団生活いうのは、天災とかいろんな震災とか、ああいう特別のことであったら耐えられるでしょうけど、何カ月ずっというのはやはり限界を超えていると思います。こういった自立のキーワードは、やはり住居と思います。
ホームレスの方々の、人間としての健康で文化的な生活を保障する役割、これがやはり行政の役割ではないでしょうかと思います。大阪市のこういったいろんな工夫、こういった施策も一つの選択として実行しながら、またこういった東京方式も研究し、取り入れたらどうかと思うんですけれども、この辺、時間がないんですけども、ちょっと簡単に御答弁お願いできますでしょうか。
◎坂本健康福祉局生活福祉部ホームレス自立支援課長 お答えいたします。
ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法や、これに基づく国の基本方針では、野宿生活者の自立の支援を図るためには、就業機会の確保が最も重要であるとしています。
また、野宿生活の主たる要因が失業であること、さらに平成15年の全国実態調査におきましては、野宿生活者の66%が就労を希望していることから、本市の野宿生活者の自立の支援等に関する実施計画におきましても、自立支援センターを野宿生活者の自立を支援するための中核施設として位置づけております。
今後とも、自立支援センターにおいて、生活指導・相談、職業相談、職業紹介、技能講習など、就労による自立に向けたさまざまな支援を集中的かつ効果的に行い、自立支援センター入所者が就労を果たし、地域社会の中で自立した日常生活を営むことが可能となった人に対し、安定した居住の場所が確保できるよう、住宅情報の提供などの支援も行い、みずからの意思で安定した生活を営めるように支援してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆小南かおる委員 ちょっと時間になりましたけど、やはりホームレス問題いうのは、バブルの崩壊を招いた経済政策の谷間に生じた現象です。起こるべくして起こった政治問題です。
問題解決の財源には国費を充当するなど、国にもやはり責任、ちゃんとこういうふうに対応するように、市としてもやはりそれは要望していかなければいけないと思っています。
いずれにしても、ホームレスの対策は、改めて検討する時期に来ていることと思いますので、現瞬間のベストな施策、こういった他都市であっても柔軟な研究を取り入れて、一刻も早い解決が実現できるよう要望して、私の質疑は終わらせていただきます。