【 平成18年第1回定例会(平成18年3月)-0308日−03号 】

P.76 ◆ 4番(辻淳子君)

次に、ホームレス対策についてお尋ねいたします。

 本市は、全国に先駆けてホームレス対策に取り組んでまいりました。本格的に対策を進めるには、一地方自治体だけではなく全国レベルで取り組むべき課題であることから、市会として国に特別立法の制定等の意見書を提出し、平成14年8月には議員立法による「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」が施行されました。現在も我が会派は、ホームレス問題を市政の重要課題として取り組み、自由民主党の大阪府・東京都の議員とも意見交換会を持ち、国への要望を重ねているところです。

 本市では、平成11年の巡回相談事業の導入を初め、平成12年の公園内仮設一時避難所や自立支援センターの設置など、これまで約66億円の経費をかけ、各種施策を実施してまいりました。しかしながら、今なお多数のテント等が残り、市民から「景観が損なわれている」、「子供が安心して遊べない」等の苦情が多く寄せられており、市民の財産である公共施設の日常管理を強め、適正管理に努めていただきたいと思います。

 今回、1月30日に、大阪城公園と靱公園において公園内の不法占拠物件を行政代執行により撤去したことについては、我が会派としても評価・支持をしているところです。10年の時限立法である特別措置法の中間年に向けて、平成19年1月に全国実態調査が行われると聞いておりますが、これまでの施策に評価を加え、さらに効果あるホームレス対策を行い、一日も早い課題解決を図るべきではないでしょうか。市長の御所見をお伺いいたします。

P.82 ◎ 市長(關淳一君)

ホームレス対策についてでございますが、これまで市政の重要課題として、市会の皆様方の御意見もいただきながら、野宿生活者の自立支援と公共施設の適正な利用の確保に取り組んでまいりました本市では、全国に先駆けて平成11年度から野宿生活者対策を進め、16年4月からは野宿生活者の自立の支援等に関する実施計画に基づき支援策を講じてきました結果、多くの野宿生活者が就労などにより自立を果たすとともに、公園、道路など公共施設のテント・小屋がけ数は、ピーク時の約3分の1に減少いたしました。

 先般の公園整備のための行政代執行は、長期にわたり野宿生活者に対しテントなどの撤去の説得を重ねた結果、多くの方が撤去に応じましたが、最後まで応じなかった人に対し、やむを得ず行ったものでございます。引き続き公共施設の適正管理に一層努めるとともに、自立の支援等に関する施策との連携を図りつつ、指導・勧告を行い、撤去に応じない場合には、法的措置を見据えて毅然とした態度で取り組んでまいります。

 国においては、平成19年1月に全国実態調査を行った上、ホームレスの自立の支援等に関する基本方針の見直しを行うこととしており、本市といたしましても、これを踏まえ、新たな実施計画の策定に向けて検討してまいります。今後とも、より一層の野宿生活者の自立支援と公共施設の適正な利用の確保を図り、野宿生活者問題の解決に努めてまいります。