(注)「愛隣」で引っかかったものですが、無関係でした。
失対事業と生活保護の論議が面白いので載せておきます。
[004/011] 8 - 衆 - 厚生委員会 - 8号
昭和25年07月31日
昭和二十五年七月三十一日(月曜日)
午前十一時四十五分開議
出席委員
委員長 寺島隆太郎君
理事 青柳 一郎君 理事 大石 武一君
理事 原田 雪松君 理事 松永 佛骨君
理事 金子與重郎君
中川 俊思君 堀川 恭平君
松井 豊吉君 丸山 直友君
亘 四郎君 堤 ツルヨ君
苅田アサノ君
出席政府委員
厚生政務次官 平澤 長吉君
厚生事務官
(社会局保護課
長) 小山進次郎君
厚 生 技 官
(医務局長) 東 龍太郎君
委員外の出席者
厚生事務官
(官房国立公園
部管理課長) 森 直一君
厚 生 技 官
(官房国立公園
部計画課長) 石神甲子郎君
專 門 員 川井 章知君
專 門 員 引地亮太郎君
○ 苅田委員 問題は、この六月九日に深川の職業安定所で起りました事件ですが、深川の職業安定所から配置を受けました人夫の広田松之助という五十九才になる人が、深川の愛隣舘の附近の工事場におきまして急死した。こういう事件があつたわけです。この原因について調べますために、この本人を解剖に付した、こういうことになつておるのであります。これは東京都文京区大塚仲町の東京都監察医務院で死体を解剖に付したのでありますが、その際に死体解剖の法律によつて、当然通知されるはずであるところの家族に対しまして、何ら同意も得ないで死体を解剖に付したということで、遺族並びに一緒に働いておりました自由労働者側から、訴えがあつたわけです。この事件につきまして、厚生省としては、御存じになつておりますかどうかということを、まずお伺いしたいと思うのであります。
○ 苅田委員 まず第一にお聞きしたいことは、現在東京都内の職業安定所におきまして、特に大森の職業安定所では、新規採用の登録にあたりましては、全然婦人を除外しておる事実があります。あるいは澁谷の職業安定所等におきましても、従来就労手帳を出しておる人たちの中から、さらに妻であるとか、あるいはむすめであるとか、そういう人たちは、新たに再調査をいたしまして、登録から除外しようといつたような傾向が顯著になつておるのであります。そういうことは、他の職業安定所でも多かれ少かれ起つておるという報告を受けております。そしてそうした失業対策からはみ出した人に対しましては、これを生活保護法の対象にするのだということを申しておられるということを聞いておるのでありますが、この関係につきまして、厚生省といたしましては、当然労働能力を持つて、そして就職の希望を持つている人たちを、そういうような生活保護に当てはめるという問題に対しまして、どういうような見解を持つておいでになりますか、この点をまずお伺いしたいと思います。
○ 小山政府委員 ただいまの問題に対しましてお答え申し上げます。ただいまおつしやいましたようなことに似た事実は、あるのでございますが、ただいま申されたのと多少事実が相違しておりますので、その点から申し上げたいと思います。
御承知のように、職業安定所を通じまして、失業対策による特別な就労のあつせんをいたしておるわけでありますが、この就労あつせんをするについては、いろいろな順序があるわけであります。もちろん失業対策ということが、根本のねらいでありますから、最も効果的な選び方をしなければならぬわけでありますが、同時に、これが一つの事業として行われますために、たとえば道路の補修工事でありまするとか、あるいは水路の改修工事というような事業としての形をとりまするために、あまりに事業に対して非能率的である人々は、希望者が多ければまず遠慮してもらうというようなことが、就労あつせんの方針としてとられておるわけであります。ただ、たまたま、私どもこれは非常に遺憾に思うところでございますが、昨年のある時期におきましては、現在失業保險金の給付を受けておるとか、あるいは生活保護法によつて保護を受けておれば、それで一応その人の問題は解決されているはずなんだから、従つてそういう人々は、もう初めから就労あつせんの対象から除いてしまうというような、きわめて間違つた考えが労働当局においてとられて実はこれが全国的に実施されたということがあるわけであります。そういうような事実がありましたので、厚生当局としては、この点嚴重に話合いをいたしました結果、労働当局でも、ただちにその間違いを改めることにいたしまして、現在ではその点は是正されたのでありますが、問題として結局残ります点は、失業対策事業に最も効果的である対象を逐次選択して行く、こういう方針をとりますと、勢い生活保護法の対象にはならないような子供を多数かかえた母親であるとか、あるいはこれに類する人々は、いろいろの事情からも順位に入りにくいということで、最近のように失業対策事業のわくと、失業対策につきたいというものの希望者との数の間に、相当な開きが出るような情勢のもとにおきましては、これらの人々は、勢いはじき出されるというような傾向があるわけであります。そういつた傾向が、おそらくただいま苅田委員がおつしやいましたような傾向であると思うのでありまして、これは根本の問題としては、もちろん生活保護法は、いかなる原因でありましようとも、現在生活困窮であるという事実があれば、当然保護するのでありますが、国の施策の立て方としては、失業というような理由で、生活保護法による保護を、きわめて短期間でありまするなら別でありますが、たとえば一年とか、二年とかというふうに相当長期間にわたつて生活保護法によつて保護を受けさせるということにしたのでは、これはおそらくやはり就労対策なり、あるいは社会保障の対策全体としては、適当ではないだろうと思うのであります。ただ現在起つておりまする事象は、必ずしもそういう永続的なものではなく、いわば臨時的な編成がえの過程であるという意味合いにおきまして、生活保護法である、程度こういう人々が保護されるというふうになることはいたし方がない、同時にまた、その保護に遺憾のないようにしたい、こういうような考え方をいたしておるわけでございます
○ ○苅田委員 ただいま小山政府委員からお話がありましたような、労働省と厚生省との間の食い違いのことは、承知いたしております。しかし私が申しましたのは、そのことではなくて、ごく最近に東京都内の各職業安定所を私どもが手わけをして調べまして、その要求を聞きました結果、申し上げたものでありまして、明らかに婦人の就労を拒否しておる、登録を拒否しておる職業安定所がある。それから再調査によつてそういう事業場の人たちが、婦人でもできる仕事がある、こう言つておるにもかかわらず、職業安定所の方におきまして婦人の就労を拒否している、こういうような事態が実際あるわけであります。一歩讓りまして、もしそういう事態があつて、これに生活保護法を適用するのだというようなことを、もしも職業安定所の方で申しておりましたならば、それは生活保護法を適用しておる厚生省の側からは、明らかにそういうものは、自分たちとしては受けられない、こういうことをはつきりと主張なさいますかどうか、その点をなお私は念を押しておきたいと思うのであります。
○ 小山政府委員 先ほど申し上げましたように、厚生省側の態度といたしましては、最後に生活保護という制度があるのだというような構えで、失業対策の仕事を扱うということは、どうしても間違いである、こういう考えを持つております。生活保護法によつて、失業しております人を保護するということは、まことにやむを得ぬ措置としてやることでありまして、あたかも生活保護法の保護によつて、それらの人々の失業問題が解決されるような錯覚を、職業安定所の仕事に携わる人が持つたとすれば、これは非常な間違いである、こういうふうに考えておる次第であります。従いまして、現在東京都で行われておりますことにつきましては、実は私どもも荒筋は承知しております。大きな筋の問題としては、あのようにいたすこと以外に、今の場合失業対策のわくに限りがあります以上、仕方があるまいと思いますが、これを非常に機械的に、たとえば子供のある未亡人は、もう当然に生活保護の対象であつて、失業対策事業の対象ではないとか、あるいはこれに類する者も同様だというふうに機械的に考えることは、ぜひ改めなくてはいかぬ、またこれは失業対策事業からはずれたならば、当然に生活保護法で同じ程度のものが形をかえて生活扶助費として受取れるのだというように考えて行うことも、これまた生活保護制度の根本の趣旨からして、受入れがたいところでありますので、それでは困る。やはり問題は、あくまで失業対策事業として、どれだけの人をどういう順位で就職させることができるか、ただ結果としてこれだけの人が当分の間は就職できる見込みがないということで出て参りましたならば、これに対しては躊躇するところなく、必要に応じて生活保護法によつて救済をして行く、こういうふうな考えなり構えなりをしておるわけであります。
○ 苅田委員 そういたしますと、現在の場合、当然これはこの失業対策事業を拡張して、そうしてその人員をその中に收容すべきだけれども、予算との関係上やむを得ないので、そういう措置ができておることについても、自分たちの方としては、臨時の措置としてはやむを得ないとして、厚生省の方は現状を認めておるのだ、このような御答弁と理解してよろしゆうございますか。
○ 小山政府委員 現在の事態と特に結びつけて申し上げることは、一応御容赦を願いたいのでありますが、いかなる場合も、根本的な考え方として、生活保護制度で、同じ人で、しかも労働能力のあるような人を、しかも本人も労働の意欲が十分にあるという人を、一年も二年もささえて行くということは、決して制度としていいことではない。少くとも生活保護制度というものは、そういう前提の上にはでき上つていない。ただ、たまたま経済変動のまにまに、あるいはいろいろな事情で、一時的に失業のために生活困難に陷つて、本人としてはどうにもならぬというような場合は、躊躇するところなく保護をする。しかし、それをいかにも生活保護法によつて保護を行うことが、常道であるかのごとく扱うことがあつてはならぬ。こういう趣旨においては、これはいかなる場合においても、厚生省としてはそういう考えを持つておりまするし、これは厚生省だけではなく、生活保護制度という制度の根本の建前がそうでありまして、どなたがお考えになつても、そうだろうと思います。そういう趣旨において、ひとつ御理解を願いたいのであります。
○ 苅田委員 私は抽象論をしておるのではなくて、実際の事実として大森の職安は、すでに婦人に就労手帳を出さぬとか、登録しないと、こう言つておるのであります。このことにつきまして、厚生省としては、そういう人たちを全部生活保護法で、收容して、そうしてこの生活を保護する、こういう建前なんですか、このことを端的にお伺いしたいと思います。
○ 小山政府委員 ただいまのような方法で、職につけなくなつた人が、生活保護法で要求しておりまする若干の要件、たとえば扶養義務者もなければ、特別の收入もない、さしあたり本人の生計を維持して行ける見込みもないというような場合でありますれば、これはもう躊躇するところなく、生活保護法によつて保護しなければならぬ、そういうふうに考えております。この点は、すでに東京都の方でも、そういう考えのもとに民生局においても準備を進めておるはずであります。
○ 苅田委員 その場合に、働きたいと言つている人たち――今一日の出づらが、大体が二百四十円ですが、大体そういうような失業対策事業としてきめられておる最低の生計費を非常に下まわると思うのであります。生活保護法による給付は、成年女子は千五十円ですか、そういう低いものでは、これは病気でうちでじつとしておるか、ほんとうに生活する意欲のある人間が、自分の家族をかかえて生活して行くにふさわしい生活費ではないということが明らかなわけなんで、そういう場合も、ただこの失業対策からはみ出させて、生活保護費で養つているというだけでは、非常にこの人に対して不公平な処置ができて来ると思うのでありますが、そういうことに対しまして、当局としてはどういう御処置をなさいますつもりでございますか。
○ 小山政府委員 ただいまおつしやいましたような傾向は、一人対一人を比べますと、かなり顯著に現われるのでございまして、おそらく日雇い労務によつて生活しておる人で、それだけで自分一人だけをささえて行くというような場合でありますれば、おそらくはおつしやるような事実になりかねないと思います。しかしながら、実際問題として、現在までのところ、調べておりまするところによれば、日雇い労務により生活をしております人々は、たいてい三人ないし四人程度の家族をかかえておるわけであります。それに本人を合せまして四人ないし五人という家族構成を見てみますと、事実は必ずしもお話のようにはならぬのでありまして、大体において日雇い労務によつて得られます收入のうちから、たとえば電車賃その他を控除いたしましたものと、生活保護費の基準額で算出しましたものとが見合うという程度の見当になつておるのであります。私ども現在の基準額で、もちろん十分だとは思つておりませんが、たとえば、五大都市における基準額、五千二百円と言われておりますが、これに対して、この人がかりに所得税を納めている、あるいは住民税を納めているという前提をとり、若干の医療費を自分で支拂う、さらに交通費も支弁するというような前提をとつてみますと、実際の金高で五千二百円程度の生活ができますためには、名目所得はおよそ八千円から八千五百円程度ありませんと、五千二百円程度の実際の内容のある生活はできないという計算になるわけであります。そういうふうなことを考えますと、一番問題の多い四人ないし五人という日雇い労務者の未亡人母子の世帶等につきましては、ただいま御懸念になりましたような事実は、ほとんどなかろう、こういうふうに考えます。
○ 苅田委員 それは非常に机上の空論だと思うのであります。もしほんとうに今日の婦人の自由労働者が、どぶさらいであるとか、あるいは砂利運びであるとか、そういうふうな非常に困難な苦しい仕事をしても、やはり自分で働いて生計した方がいい。どうしてもそれでなければ生活がしにくいのだ、生活保護法にかかることでは、生活はできないと言つているのは、ただ救済事業にかけてもらうのがいやだというだけでなく、実際にそういうふうなことをやれば、たとえば働いているために得られるいろいろな特殊な配給であるとか、あるいは加配米であるとか、そういうふうなものも含めまして、確かに現在失業救済事業で働く方が、はるかに生活保護法で、じつと保護を受けるよりもいい、というよりも、生活保護ではやつて行けないのだという、実際の体験に基いた苦しい体験がなければ、こういうことを大勢の人が訴えるわけがないと思うのであります。そういうことは、数字だけで、ただ生活保護法にかかるのも、失業救済事業で働いて得られる賃金というものも、ほとんどかわらないのだから、そういう人たちはどんどん生活保護法でやつたらいいじやないかという御答弁に対しましては、私はこれは実際と違つておると思う。直接働いている人たちのところに行つて、あの人たちがどういうことを要求しているかということを、もう少しごらんになれば、私はやはり生活保護法がどういうふうに適用されなければならないか、どういうところにその欠陷があるかということが、もつとおわかりになると思いますので、ぜひそういう点は、実際やつている人たちが困つて訴えている声を、実際について聞かれて、是正されたいということを希望として申し上げておきます。
○ それからもう一つお聞きいたしたいのでありますが、そういうふうにして、どんどん失業対策事業からはみ出されておる人々に対しましては、ある期間内といたしましても、政府は無制限にこれを生活保護の中で十分にかかえる、こういうことを責任を持つてお引受けになるおつもりですか。ただ、これは御存じのように、二割というものが、府県なり市町村の負担になつておるのでありますが、地元においてそういう負担ができなくて、これをもしも生活保護にかけないという場合には、厚生省としては、どういう処置にお出になるかということも、あわせてついでにお伺いいたしたいと思います。
○ 小山政府委員 ただいまの問題につきましては、常に機会あるたびに、おそらくこれは大臣からも、その他の政府委員からも申し上げておるところでありますが、日本に生活保護法が嚴存しております限りは、必ず実施いたします。この点は、何かの事情によりまして、国会で生活保護法を違つた形に、たとえば一部新聞紙上に伝えられておりますように、生活保障というようなことについて、国が責任を持つ建前をやめてしまつて、地方自治の尊重というような名目のものに、これを全部市町村の責任に移してしまうというようなことにでも切りかわれば、またその際は話が別だと思いますが、少くとも、現在の生活保護制度が、現在の形で維持されます限りは、必ずそれは保障される、この点は私ども毛頭疑いを持つておりません。
○ それから地方負担の関係で、地方がこれを実施しない場合はどうかということでありますが、この点は、いかなる手段を用いても実施させる。そのために、今度の第七国会で議決されました生活保護法は、監督について種々の規定が設けられてあるわけでありまして、形式的に申しますならば、どうしても單なる地方財政の事情ということだけを理由として、地方が聞かないという場合には、地方自治法で認められました最も強力な措置を厚生大臣がとつても、地方に実施させなくてはいけない。少くとも法律で国の責任ということをはつきり明言をしており、しかもその限度として、たとえば五大都市については五千二百円の生活水準を下まわるという事実があつたならば、必ずやる、こういうふうにきめておるわけでありますから、この法律が守られないなどということは、毛頭考えなれないという考えを実際持つておるわけであります。
○ 苅田委員 ただいまの小山政府委員の御答弁は、はなはだ事実に相違しておると思いますけれども、しかしこれはそういう事実を持つて来て、一つ一つこの問題の解決をしていただくということにいたしまして、今日はこれ以上問答しないことにいたします。
○ ただ、もう一つお聞きいたしたいことは、現在そういうふうな失業対策事業からはみ出した人々が、どんどん生活保護の中にかかえられて行くとすれば、当然これは二十五年度の当初予算は――これは累年の増加傾向によつておる予算であるということを、はつきり言つておられるのでありますから、予算が大幅に足りなくなるということは、予定されるのでありますが、九月の臨時国会に対しまして、この追加予算を計上なさるおつもりがあるかどうか、この点をひとつお聞きしておきたい。
○ ○小山政府委員 ただいまの問題は、見積りの問題でございますので、現在の段階では、まだはつきり申し上げることはできません。ただ前回申し上げましたように、二月以降における保護の人員の増加は、相当急激なものがございます。それまで毎月一万五千前後の増加でありましたのが、一挙に三万五千から、多いときは五万程度増加しておるのであります。この趨勢を現在しさいに点検しておりますが、今までつかめております傾向は、四月の末まででありまして、五月以降はまだ出ておりませんので、従つてこれによつて今後の見通しを立てまして、万一不足するというようなことになるといたしますならば、これは臨時国会になりますか、あるいは通常国会の際にお願いすることになりまするか、時期の点はいろいろございましようけれども、不足であるとすれば、不足分はぜひとも御追加願わねばならぬ、かように考えて、財務当局とも一應こういつた点についての荒筋の意見交換は、現在しておるところであります。
○ 苅田委員 この生活保護に関連いたしまして、厚生次官にお伺いしたいと思うのであります。それは前回におきましても、現行のいろいろな社会保險や生活保護等を含めまして、そういつた社会施設の全部をとりまとめまして、一本として国民の最低生活を保障する意味での社会保障制度の草案というものが、大体社会保障制度審議会にできまして、そしてそれが本委員会でも、研究的に大内会長に御来席願いまして、これについての研究が行われたわけであります。ところが、私どもがその席上で非常に疑問に思いましたことは、現在の政府が現在の厚生行政のいろいろなあちらこちらの破綻に対しまして、何とか手を打たなければならないというこの処置はわかるのでありますけれども、いよいよ社会保障制度審議会から出されました試案は、大内会長に言わせれば、少くともこれは最低の案であつて、いかに吉田内閣といえども、この程度の社会保障をしなければ、とうてい現在の日本人の最低生活は保障されないということを言明されておられるのでありますが、これによりましても、大体これは七、八百億円の予算を必要とするということが言われておるのであります。はたして私この試案を審議会に対して研究させておいでになる政府、特に厚生当局は、どれくらいの、ほんとうにこれを実行する、実行しなければならないという熱意を持つてこれをやつておいでになるか。もしそうであれば、七、八百億円の予算につきましても、これを現在の政治のやり方の中において実現し得るという、はつきりした見通しを持つておいでになるか、大蔵当局との間の交渉はついておるのかどうか、こういう点につきまして、ひとつ政務次官から聞きたいと思います。