165-参-予算委員会-2号 平成18年10月12日

 

平成十八年十月十二日(木曜日)

   午前九時開会

  本日の会議に付した案件

○予算の執行状況に関する調査

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○浅尾慶一郎君 働き掛けは是非行っていただきたいと思うし、私はそうすべきだと思います。

 これは政治の中で、水飲み場に馬を連れていくべきだという考え方と、それはほっておけという両論あると思いますが、私はそれは連れていくべきだというふうに思っている。後ほどその細かい話はしますが、ただ、それはすごく難しいと。なぜ難しいと思うかといいますと、そもそも努力をしても結果として現れないことに対するあきらめがその背景になっていると思いますが、そのことに対してどうやってその人たちにそういう気にさせるか。声を掛けたらそうなるんだというふうに今御答弁をとらえましたが、その声を掛けるに加えて何をされるつもりかを伺いたいと思います。

 

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、いわゆるニートの方々についての専門家ではございませんが、しかし、それは個々それぞれいろんな問題を抱えているんだろうと思います。ですから、それは専門的な観点から、言わばカウンセリング的な対応というのが私は必要ではないかと思います。そもそも、しかし、頑張ったってたかが知れているということはよくある思考ではありますが、しかし、まず第一歩を出て達成感を一つ一つ得ていくということが私は重要ではないかと思います。

 この再チャレンジの触れ合いトークを行った中において、自分もニートに近い立場にいたけれども、たまたまいい先生に巡り合った、あるいはたまたま自分がやったことが評価されたことによって人生が大きく変わったという人の話を伺ったこともあります。また、あるいは、これは言わばホームレスを経験した方なんですが、一般の、普通の生活に戻る上において何が障害だったかといえば、全く規則に縛られない生活に慣れてしまうとなかなか規則を守ることができないと。朝起きるあるいは三度食事をする、交通の法規に従う。しかし、それを一つ一つ積み重ねながらだんだん自分が社会の一員であるということを認識をし、そして自分が認識をしていることが認められることによってだんだん通常の生活に戻っていったという方の話も聞いたわけでありまして、そういう人たちが絶対に普通の生活に戻れないというわけではないということではないかと思います。