145-参-予算委員会-4号 平成11年02月24日

 

平成十一年二月二十四日(水曜日)

   午前十時二分開会

 

  本日の会議に付した案件

○平成十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送付)

○平成十一年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送付)

○平成十一年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議院送付)

 

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○郡司彰君 大

 労働大臣にお聞きをいたしますが、十八日の早朝ですか、ホームレスの視察を行ったというふうに報道がされておりますけれども、このホームレス、国としてはホームレスという定義はございますでしょうか。

 

○国務大臣(甘利明君) 人数の把握は自治体でやっていただいておりまして、自治体がホームレスと認定をしておりまして、国としては特段、認定する定義というのはないと承知しております

 

○郡司彰君 定義がないということは、大体役所の方の流れからいくと施策もないということに結びついてしまうわけであります。それぞれの自治体が、大変財政事情が悪化をしている中で、全国に一万五千から二万人ぐらいと言われているこの人たちのところについて財政の面倒も見ているわけであります。

 このホームレスと呼ばれる人たちは、ただ単に仕事がないというふうに見るわけにはいかない人も多いわけでありまして、どのような視点からとらえるかということはありますけれども、ただ現実には相当程度栄養面も含めて劣悪な状況にあると。健康状態ももちろん心配をされているわけでありまして、この厳冬期にはそれぞれ全国で多くの方が毎年お亡くなりになるようなことも続いているわけであります。

 このように、それぞれの自治体が取り組んでいるという話がありましたけれども、国としてきちんと行っていくということが必要なんじゃないかと思いますけれども、あわせまして自治省のこれまでの御苦労も含めてお話しいただきたい。

 

○国務大臣(野田毅君) いわゆるホームレス対策については、これまで福祉事務所での相談、援助や職業紹介などの取り組みがなされてきたところでありますが、福祉、就労、医療などさまざまな面から今後総合的な対応が必要との認識から、さまざまな面から関係省庁合同の会議であり方等について検討を行っております。

 この会議においては、他よりぬきんでた施策を行うと呼び寄せ効果があることや、撤去すれば他に移っていくことなどから、個別自治体での対応には限界があるため、国と地方との責任、役割分担の明確化、国としての施策の確立の必要性が地方自治体から訴えられております。

 自治省といたしましては、地方自治体における実態を伺いつつ、引き続き関係省庁との十分な連携のもとで、国と地方の役割分担や経費負担のあり方をきちんと整理した上で財政措置のあり方について検討してまいりたいと存じております。

 なお、地方自治体が現在やむにやまれず対応しているために生じている財政負担については、実情をよくお伺いして、財政運営に支障が生じないよう適切に対処してまいりたいと存じます。

 

○郡司彰君 総理も大分この問題には関心を持っておられるようなことを伺っておりますけれども、総理のこれらホームレスの方々に対する考えをお聞かせいただきたいと思います。

 

○国務大臣(小渕恵三君) 以前、大阪に参りましたとき、大阪市長さんから、当地においてはこの問題が大変重要で、行政サイドからも問題視されているとお伺いをいたしました。先般、労働大臣も現地を視察しながら、その問題の重要性について再確認した次第でございます。

 いずれにいたしましても、固定した家を持たず、いろんな原因でそうしたことになっておるんだろうと思いますけれども、少なくとも常識的に考えて正常な生活態度でないことは事実であります。その原因をそれぞれに親切にたどりながら、行政としてはどのような対策を講じていくべきかということにつきまして、政府、関係省庁あわせて検討させていただきたいと思います。