129-衆-予算委員会第四分科会-1号 平成06年06月07日

 

本分科会は平成六年六月一日(水曜日)委員会に

おいて、設置することに決した。

六月六日

 

本日の会議に付した案件

 平成六年度一般会計予算

 平成六年度特別会計予算

 平成六年度政府関係機関予算

 (厚生省及び労働省所管)

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○上田(勇)分科員 こうした外国人の労働者の方々、アジアや南米の諸国から来られている方が多いわけですけれども、いろいろな滞在の資格の問題であるとか法的要件の問題については、当然のことながら、労働省さん、外務省さんを含めた検討がこれからいろいろ必要であるというふうに考えております。ただいま労働省の方との協議を開始されていることは大変に大きな前進ではないかというふうに考えます。

 特に、これら外国から来られる方々が、不法とはいえ現実の問題として今日本の産業構造の中に組み込まれていて、実際にいろいろな仕事の現場に携わっている。特に中小企業の経営者などの話を聞きますと、若干今は景気の落ち込みもありまして人材に余裕があるというものの、景気回復していけば、特に単純作業を中心にして、どうしてもそういう外国人の方々の手をかりないと採算がとれないというような声を聞くところであります。

 と同時に、そういった方が仕事の途中などでけがをした場合などに、経営者としてもそれを全部見るということになると非常に大きな負担になる。逆に、それをほっておくというのも人道上非常にたえがたいというような、本当に切実な声を伺っているところであります。ぜひとも、この点について早急に前向きな御検討をお願いしたいというふうに考えているところであります。

 次に、最後になりますが、大都市といえばどこでもいわゆる簡易宿泊密集地域というのがあります。私も現在、こうした地域と隣接するところに住んでいるわけでありますけれども、そこの方々、住民の方々、また、いわゆるホームレスの方々の福祉対策についてお伺いしたいというふうに思います。

 現在、長引く不況のためにこうした住民の方々の生活がこれまで以上に困窮しまして、その結果、周辺地域を含めた地域の安定や、また治安の問題等も懸念されているのが現状であります。また、なかなか仕事が見つからずに結局ホームレスになってしまう、そういった事態も現実に生じております。

 自治体におきましては、緊急避難的な住居や食事の提供あるいは定期的な健康診断等の医療サービスなどの諸般の福祉対策を実施しておりますが、そのための経費が年々増大しているというような声を伺います。国としても、こうした人たちは定住しているわけじゃない方々も多いので、その辺の対策というのがなかなか難しいかもしれませんが、ぜひとも、都市の中心部の安定と安全に資するためにも、生活保護等福祉対策の充実を図っていただきたいと思いますが、この点についての御所見をお伺いしたいと思います。

 

○土井政府委員 ただいま御質問の点は、大変私どもも頭の痛い問題だと感じております。

 ただ、生活保護制度につきましては、御案内のとおり、稼働能力その他あらゆるものを活用していただいて、しかも、今お話がありましたが、安定した居住地といったものを前提にしてその制度を適用していくという仕組みでございまして、お話しのような労働者あるいはホームレスの方々の対応策としてなかなか十分対応し切れない。もちろん、今言ったような要件を満たす場合にはこれを適用していくということで対応が可能となっておりますけれども、多くの方々がそういう要件を満たしていないというような事情にあると伺っております。

 そういう状況の中で大都市地域、これは特定の大都市地域だと私ども伺っておりますけれども、そういう中で地方自治体単独の施策を講じておられるということでございまして、それに対して国が助成を行えないかという地方自治体からの要望も伺っておりますけれども、限られた自治体の単独事業ということで、なかなかそういう点での打開も難しいのではないかというのが今日の私どもの理解でございます。

 

○上田(勇)分科員 なかなか難しい問題でありまして、大変なことではないかと思いますけれども、私ども地元におきましても大変な問題になっております。また、そうした地域に住んでいる方々の立場も考えますと、ぜひとも前向きな検討をお願いしたいというふうに考えているところでございます。

 きょうは、いわゆる大都市を中心といたしましたいろいろな福祉や医療の問題について何点か質問をさせていただきましたが、時間でございますので、これで質問を終わらせていただきます。大変ありがとうございました。