107-衆-決算委員会-1号 昭和61年10月21日

 

本国会召集日(昭和六十一年九月十一日)(木曜

日)(午前零時現在)における本委員は、次のと

おりである。

   委員長 堀之内久男君

   理事 糸山英太郎君 理事 上草 義輝君

   理事 熊谷  弘君 理事 古賀  誠君

   理事 近藤 元次君 理事 新村 勝雄君

   理事 貝沼 次郎君 理事 小沢 貞孝君

      岡島 正之君    高橋 一郎君   古屋  亨君    穂積 良行君

      松野 頼三君    森下 元晴君   谷津 義男君    湯川  宏君

      渡辺美智雄君    小川 国彦君   渋沢 利久君    渡部 行雄君

      斉藤  節君    春田 重昭君   北橋 健治君    野間 友一君

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昭和六十一年十月二十一日(火曜日)

    午前九時三十一分開議

 出席委員

   委員長 堀之内久男君

   理事 糸山英太郎君 理事 上草 義輝君

   理事 熊谷  弘君 理事 古賀  誠君

   理事 近藤 元次君 理事 新村 勝雄君

   理事 草川 昭三君

      岡島 正之君    高橋 一郎君   古屋  亨君    穂積 良行君

      森下 元晴君    谷津 義男君   渡辺美智雄君    小川 国彦君

      渡部 行雄君    古川 雅司君   大矢 卓史君    野間 友一君

 出席国務大臣

        文 部 大 臣 塩川正十郎君

 出席政府委員

        内閣官房内閣内政審議室長兼内閣総理大臣官房内政審議室長   的場 順三君

        内閣法制局長官 味村  治君

        文部大臣官房長 古村 澄一君

        文部大臣官房総務審議官    川村 恒明君

        文部省初等中等教育局長    西崎 清久君

        文部省教育助成局長      加戸 守行君

        文部省高等教育局長      阿部 充夫君

        文部省高等教育局私学部長   坂元 弘直君

        文部省学術国際局長      植木  浩君

        文部省社会教育局長      澤田 道也君

        文部省体育局長 國分 正明君

        文化庁次長   久保庭信一君

        厚生省援護局長 木戸  脩君

 委員外の出席者

        公正取引委員会

        事務局審査部第一審査長    菊池 兵吾君

        警察庁刑事局捜査第二課長   古川 定昭君

        警察庁刑事局保安部少年課長  根本 芳雄君

        外務大臣官房審議官      太田  博君

        外務大臣官房外務参事官    渋谷 治彦君

        大蔵省主計局司計課長     兵藤 廣治君

        文部大臣官房会計課長     野崎  弘君

        厚生省薬務局経済課長     佐藤 隆三君

        通商産業省機械情報産業局情報処理振興課長  近藤 隆彦君

        通商産業省生活産業局文化用品課長      松倉 浩司君

        会計検査院事務総局第二局長  天野 基巳君

        決算委員会調査室長      大谷  強君

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本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 昭和五十八年度一般会計歳入歳出決算

 昭和五十八年度特別会計歳入歳出決算

 昭和五十八年度国税収納金整理資金受払計算書

 昭和五十八年度政府関係機関決算書

 昭和五十八年度国有財産増減及び現在額総計算書

 昭和五十八年度国有財産無償貸付状況総計算書

 昭和五十九年度一般会計歳入歳出決算

 昭和五十九年度特別会計歳入歳出決算

 昭和五十九年度国税収納金整理資金受払計算書

 昭和五十九年度政府関係機関決算書

 昭和五十九年度国有財産増減及び現在額総計算書

 昭和五十九年度国有財産無償貸付状況総計算書 (文部省所管)

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○大矢委員 それでは、他の省からの御出席もいただいておりますので、まず、去る十三日に大阪で、青少年によりますエアガンで野宿者を襲うという事件がございました。そのことにつきまして、早速大阪府警では捜査一課を含めまして、いろいろな問題を抱えておる大阪府警であるにもかかわりませず、大きな捜査陣をつくっていただきまして、非常なスピード検挙で解決をしたということをお聞きいたしておりますが、今日までこういうエアガンで起きました事件等も含めて、事件発生から解決までの経過の御説明をちょうだいいたしたいと思います。

 

○西崎政府委員 先生御指摘の大阪の事件は、去る十月十三日に、夕方でございますが、私立高校の二年生と中学の二年生二名でございますが、サバイバルゲームということで出かけたプロセスで、四天王寺境内におきまして野宿していた人たち四人にエアソフトガンを発射し、そして一、二週間の負傷をさせたという不祥事でございます。その後、今申し上げました高校生と中学二年生という生徒の実情は警察当局でいろいろと調査をしておるという段階で、本日段階で私どもは詳細はまだ承知しておりません。

 ただ、この事件は市の教育委員会も深刻に受けとめております。やはり児童生徒の生徒指導の問題、いじめとか校内暴力が過去にずっと何年か起きて、教育委員会、学校が全力を挙げてその対策に苦慮しておった暁の事件ということでございまして、この点につきましては、やはり心の荒廃と申しますか、生徒指導をなお一層強化しなければならないということで、大阪市の教育委員会は、本日付で管下の学校に対し、この事件を契機としてさらに生徒指導に関しての指導の徹底を図るべしというふうな通達を出したようでございます。詳細これらの子供たちの学校における適応状況その他を調べました上で、市の教育委員会は適切な対応をとりたい、こういうふうに現在は聞いておる次第でございます。

 

○大矢委員 今回の事件に使用されたと言われておりますエアガンにつきましては、大阪府の府青少年育成条例で有害玩具として指定になっておると聞いておるのでありますが、通産省の方でこのような有害玩具について今日までどのような業界指導をしてこられましたのか、お伺いをしたいと思います。

 

○松倉説明員 先生の御質問にお答えさしていただきます。

 通産省といたしましては、従来からエアソフトガンにつきましてはその適正な使用が図られるように業界を指導してきたところでございまして、従来メーカーにつきまして二つの団体に分かれていたわけでございますけれども、それが本年七月には日本遊技銃協同組合ということで統合されたわけでございまして、エアソフトガンの危険の防止を図るために、その自主基準を統一、整備したところでございます。

 現在、その組合におきましては、業界外の専門家を加えた研究会におきまして、さらに精緻な自主基準の作成に向けて検討することとしておるわけでございまして、通産省といたしましては、現在の自主規約要綱の遵守とともに、あわせてエアソフトガンの適正な使用を図るために、その正しい取り扱い方あるいはマナーについて周知徹底するように、その組合を通じて業界に対し指導を行っているところでございます。今後ともこのような玩具につきまして正しい使われ方が行われますよう最大限の努力を払って業界を指導してまいりたい、このように存じております。

 

○大矢委員 このエアガンにつきましては、非常なブームのようであります。そして、これにつきまして、大阪府は十八歳未満の青少年には販売をすることを禁じておるわけであります。しかし、こういうものを求めますときには通信販売、先ほどの御質問ではございませんけれども、通信販売を中心にしてこれが購入されるようであります。そうなりますと、一つの府県でもってこれが禁止されておりましても、通信販売という中で対象が十八歳未満であるというようなことがわからないわけであります。

 聞くところによりますと、ほとんどの府県でこういうことが禁止をされておるということも聞いておるわけでありますけれども、こういう中で、今課長さんが御答弁になりましたようなことだけで、果たして今後この問題が解決をするのであるかどうか。業界を指導し、また業界保護の立場に立つといいましても、もしこのような状態で、このままの形でまいりますと、やはり業界そのものが、こういうエアガンのこれからの世論による規制によって成り立つことが難しいのではないか。そういうことも含めて、いま一度通産省の今後の、この事件を踏まえての、従来の指導とは違った意味で、もう一歩踏み込んだ意味でのお考えをお聞かせを願いたいと思います。

 

○松倉説明員 お答えさしていただきます。

 ただいま御指摘ありましたように、エアソフトガンにつきましては、都道府県の条例におきまして、青少年の健全な育成を図る観点から、青少年を相手とした販売、貸し付け等を禁止している例というものが幾つかあるということは承知しているわけでございます。これに対応いたしまして、業界におきましては各都道府県の条例による規制を尊重いたしまして、先ほど申し上げました業界の自主規約要綱において、エアソフトガンの威力についての基準を条例のうちで最も厳しい基準に合わせ、それを超えるものの製造を自粛しているところでございます。

 通産省といたしましては、安全な玩具の製造及びその適正な使用が図られるよう、この組合を通じ従来から指導してきたところでございますけれども、今後ともこういう指導につきまして十分努力をしてまいりたいというふうに考えております。

 

○大矢委員 こういうような状態の中で、東京の新聞では小さく報道されておりますが、大阪におきましては毎日毎日大きなスペースで報道されておりますことでございますし、また、これが青少年がお互いの遊戯の段階、子供同士の遊びだけでなくして、そういう無抵抗者に対して銃を向けられた、そして大きなけがをさしたということに大きな問題があるのではないか、そういうことの今後エスカレートしていくことを私は大変憂えるものでありますが、文部当局の御所見を承りたいと思います。

 

○西崎政府委員 今回の事件は、野宿していた方々、いわゆる弱者に対していわれなくソフトエアガンを発射したというふうなところで、やはり基本的人権の問題とかあるいは生命尊重の問題とか、弱者へのいたわりとか、そのような児童生徒の基本的な資質の問題と大きくかかわるところでございます。その意味では、私どもとして道徳教育の充実に一層努めなければなりませんし、先ほど申し上げました生徒指導という面は一層に努力しなければならないというふうに考えております。

 これらの事件のプロセス、生徒諸君の生い立ちと申しますか、学校への適応状況と申しますか、そういうものがだんだんとわかってまいりますので、これを一つの契機として、私ども自身としてもこれらの問題を深刻にとらえて、各都道府県への対策等については今後指導してまいりたい、こういうふうに考えております。

 

○大矢委員 大変な問題だと思いますので、今後こういうことが起こらないように、各関係の皆さん方の御協力をお願いいたしたいと思います。

 先ほど大臣からお述べ願いましたように、この決算委員会での審議の状況を後々予算上に改めていくということでございますけれども、会計検査院が指摘をされました国立大学における授業料の免除についての合理的な基準による実施、そういう意見が出されておりますが、このことにつきましてどういう改善がその後なされたのか、お答えを願いたいと思います。