164-衆-厚生労働委員会-7号 平成18年03月10日

 

平成十八年三月十日(金曜日)

    午前十時四十五分開議

 

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第一八号)

 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う児童手当法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一七号)

 児童手当法の一部を改正する法律案(小宮山洋子君外四名提出、衆法第九号)

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○上野委員 自由民主党新人の上野賢一郎でございます。

 本日は、政府提出の法案につきまして、閣法につきまして、質問をさせていただきたいと考えております。

 今回提出されました法案ですが、これは三位一体の改革という観点とそして少子化対策という、大変大きな二つの視点を盛り込んだ非常に重要な法案だと認識をいたしております。私の本日の質問も、この二つの視点に沿った形で質問をさせていただきたいと存じます。

 今回の三位一体の改革でございますが、これは、地方にできることは地方にという小泉内閣の基本的な姿勢に基づき実行されたものでございますが、税源移譲につきましては三兆円、そして補助金改革は四兆円という、これまでにない大規模な、そして画期的な改革であった、地方分権を財政面で裏打ちをする大きな改革であったと認識をしております。

 そこで、お伺いをいたします。

 この三位一体の改革に際しましては、地方団体からの改革案、これをベースに検討を進められてまいりましたけれども、厚生労働省としてはどういった観点から今回の改革について検討を進めてきたのか、そのスタンスをお伺いいたします。

 それから、あわせてですが、今回、地方提案につきまして、その実現度合いということが問われておりますけれども、厚生労働省、ほかの各省に比べましてやや低い割合、十数%の実現度合いであったというふうに承知をしておりますが、この理由につきましても、あわせて御教示をお願いいたします。

 

○塩田政府参考人 国民の安心と安全を守るという社会保障分野、厚生労働省の政策分野におきましては、さまざまな形で国と地方が重層的な形で役割を分担して、協力して仕事を進めていくことが不可欠な分野と考えております。こうした観点も踏まえまして、御質問にありましたように、地方にできることは地方にという方針のもとで、これまで三位一体の改革に取り組んできたところでございます。

 昨年の七月に地方六団体から提案がございました。全体で九千九百七十三億円でございました。このうち厚生労働省分が四千七百五十億円、全体の約半分が厚生労働省に関するものだということでありました。そして、中でも経常的経費が三千四百二十九億円を占めていたわけでございます。

 地方提案の中には、例えば、SARS対策のような健康危機管理対策、これは国が緊急時に迅速に対応する必要がある分野だと思います、でありますとか、ホームレス対策など地域偏在が著しい事業、こういったものが約四百億円ございました。それから、昨年改正していただきました介護保険法の施行に関するもの、あるいは新しく法律をつくっていただいた障害者自立支援法、そういう施行に関するもの、また今国会で御審議をいただく医療制度改革の実現のために必要なもの、こういったものが約一千八百億円ございました。また、少子化対策あるいは児童虐待対策など、国も責任を持って今後力を入れて対応すべきものが約一千百億円ございました。

 そういった意味で、廃止とか縮減が困難な補助金が大半であったわけでございます。このため、最終的な政府・与党合意の中には、地方六団体の要望の中に含まれていないものが盛り込まれているということでございます。他省庁に比べて若干成績が悪くなったという点があるわけでございます。

 そうした一方で、生活保護の国庫負担割合の見直しにつきましては、適正化については国と地方が協力してやっていこうということで合意ができましたけれども、負担割合の見直しにつきましては合意が得られなかったということで、実施をしないということにしたわけでございます。

 また、地方から特に要望の強かった施設整備費の補助金につきましては、可能なものについて運営費とセットで税源移譲の対象とするなど、地方の意見についても十分尊重したつもりでございます。

 いろいろな過程、真摯な議論を通じまして、政府・与党としての最終的な結論を得たものと考えております。