164-衆-予算委員会第一分科会-2号 平成18年03月01日

 

平成十八年三月一日(水曜日)

    午前九時開議

 

  

本日の会議に付した案件

 平成十八年度一般会計予算

 平成十八年度特別会計予算

 平成十八年度政府関係機関予算

 〔国会、内閣及び内閣府所管(警察庁、防衛庁)〕

     ――――◇―――――

 

○安倍国務大臣 子供の安全を守るための対策については、これは政府全体で取り組んでいくべき課題である、こう考えております。そのためには、省庁間の縦割りを排し、幅広い取り組みが大切であるという委員の御指摘はそのとおりである、こう思います。

 そこで、先ほどお答えをさせていただきましたように、十二月に登下校時の児童の安全確保のためのこの六項目の対策を取りまとめたわけでありますが、これは犯罪対策閣僚会議においてその着実な推進を確認したところでありまして、犯罪対策閣僚会議などにおける議論を踏まえまして、例えば、学習塾に通う子供の安全対策、路線バスを活用した通学路の安全確保、放課後の児童生徒の居場所に係る魔の八時間対策など、個別の施策についても関係省庁の連携協力の場が直ちに設けられたわけであります。

 このように、既に省庁間の縦割りを排した幅広い取り組みが可能な体制を整えているところでありまして、この体制を十分活用し、各省庁が連携しつつ実効性のある子供の安全対策を継続的に推進していくことが何よりも重要なことである、このように認識をしております。

 今後とも、こうした政府全体としての取り組みを進めていきたい、こう思っております。

 

○小宮山(洋)分科員 もちろん関係省庁の連携は必要なんですけれども、そのためにはやはり子供の安全の基本法のようなものをできればつくる必要があるのではないかと私ども民主党では考えて、今検討も進めておりますので、またそれについては提案をさせていただきたいと思っています。

 そして、今御紹介したこの民主党の基本法にも盛り込んでいるんですが、子供たちに安全マップをつくらせることが有効と言われています。先日、青少年問題特別委員会で参考人質疑をいたしましたが、安全マップづくりを提唱している学者の方が提言をされまして、この分野の蓄積がないために犯罪原因論が持ち込まれて、不審者を見かけた場所といった、人に着目したつくり方が行われているところがある、そういうところでは、不審者を発見せよというようなことが大人への不信を増長させたり、障害者、ホームレス、外国人などの差別にもつながる心配があると。犯罪が起こりやすい場所に着目をするのが本来のつくり方だということです。

 予算の中には安全マップづくりということの予算は上がっていないようですけれども、こういうことについてはどのように指導をされていくのか、文部科学省に伺いたいと思います。

 

○西阪政府参考人 お答えいたします。

 通学路のマップなど安全マップの作成は、子供の安全対策として大変有効な手段だと考えております。特に、安全マップの作成に当たりまして、子供たちがみずからの手でマップをつくっていく、あるいはその際に保護者や地域の方々の協力を得てつくっていくということが大変効果を発揮するというふうに考えております。

 なお、このマップにつきましては、通常、子供たちにとっての要注意箇所、例えば人通りが少ない場所でございますとかあるいは暗い場所、不審者の情報が寄せられた場所、そのような箇所の確認、あるいは交番、子ども一一〇番の家など万が一のときに子供たちを見守っていただけるような場所を確認していくということでございまして、先生御指摘のような点でいけば、場所ということを中心にして考えていく取り組みだというふうに考えております。

 

○小宮山(洋)分科員 今おっしゃった、その不審者が発見された場所という、人に着目をしてやり過ぎるといろいろ問題があるので、その点もちゃんと留意をして指導された方がいいのではないかということを申し上げたんです。次のテーマのお答えとあわせて、もう一度そこのところだけお答えいただきたいと思います。

 同じ参考人質疑で、子供への性犯罪に取り組んでこられてCAPのプログラムを行っている方が、防犯ブザーなど機械に頼るのは危険だと。あの栃木の殺害された小学生も持っていたんですね。でも、機械はやはりすぐに押せる場所にないとだめで、そういう意味では、一番大事なことは自衛をするための方法を子供自身が身につけることだということなんです。来年度予算にはそうした教育の項目というのは、どうも私が探したところ見えないようなんですが、どのようにその自衛する力を身につけさせることを進めるのか。

 また、そのときの質疑の中で、世界じゅうで行われているCAPのプログラム、これは体育館にたくさん集めてやるというようなことではなくて、一つ一つの教室に子供たちを集めてきめ細かくやるものですから、学校や教育委員会の理解とか財政的な支援が必要だということなんです。私たちは、これは有効なプログラムだと思っているんですが、こうしたものに積極的に取り組むおつもりはないかということと、あわせてお答えください。

 

○西阪政府参考人 まず、マップでございますが、これは通学路を中心といたしました学校周辺の地域、場所を中心といたしましてつくるものでございまして、場所を中心として作成されるものということでございます。

 それから、子供たちの安全対策という点につきましては、さまざまな取り組みが必要でございます。大人たちが子供たちに安全、安心な環境を提供するということはもちろんでございますが、先生御指摘のように、子供たちがみずから危険を予測する、あるいは万が一のときに危険を回避できる、そのような能力を子供たちにつけさせるということは大変重要なことであろうと思っております。こういう観点から、先ほどの通学安全マップにつきましても、子供たちがみずからつくっていくということでそのような意識あるいは能力もついていくということがあろうかと思います。

 また、従来から防犯教室ということを実施しておりまして……(小宮山(洋)分科員「質問に答えてください。CAPのプログラムを進めるかと聞いたんです」と呼ぶ)はい。最近につきましては、実践的な防犯教室を実施しているところでございます。

 御指摘のCAPプログラムにつきましては、それを取り入れて積極的にやっている学校があるというふうに承知しておりますが、具体的に、防犯教室などでどのようなプログラムを採用するかということにつきましては、各学校で、学校あるいは地域の実情に応じて判断して取り組むべき問題だと思っております。

 私どもとしましては、防犯教室の実施などを通じまして、子供たちの実践的な安全教育を推進していきたいというふうに考えております。