74-参-社会労働委員会-1号 昭和49年12月21日

 

昭和四十九年十二月二十一日(土曜日)

   午後一時六分開会

  

  本日の会議に付した案件

○調査承認要求に関する件

○雇用保険法案(内閣提出、衆議院送付)

○雇用保険法の施行に伴う関係法律の整備等に関

 する法律案(内閣提出、衆議院送付)

○労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律

 案(内閣提出、衆議院送付)

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○浜本万三君 次は、日雇い労働者の給付の問題についてお尋ねしたいと思うんですけれど、日雇い労働者の給付金は、印紙保険料の納付日数によって三段階に分かれておると思います。二千七百円、千七百七十円、千百六十円というふうになっておると思います。そこで、現在の不況下で、しかも狂乱物価の中で、雇用不安にさらされておる建設、港湾労働者などの日雇い労働者の問題なんでございますが、このような仕事に携わっておられます日雇い労働者についての雇用の促進ということは当面非常に重要な問題になっておると思うんですが、まず、現状について簡単にひとつお聞かせ願いたいと思います。

 

○説明員(関英夫君) 現在、公共職業安定所で日雇いの求人を受理しておりますが、この民間の日雇い求人につきましては、本年に入りまして、前年同期に比しまして毎月大体二〇%程度の減少になっております。特に、建設、港湾等の日雇い労働者が集中しております山谷あるいは愛隣等の地区につきましては、その減少幅が三〇%台というふうな減少を示して、景気後退の影響があらわれているというふうに言えるかと思います。

 

○浜本万三君 先ほど、お話がございましたように、確かに非常にいま重要な問題であるということが十月から十二月にかけてのあらゆる新聞、雑誌などに出ておるというふうに思うわけです。そういう方々の雇用のあっせんということについては、早急に対策を講ずる必要があるというふうに思うわけでございます。それにいたしましても、これらの労働者の受給資格要件というのは、過去二カ月間に印紙保険料を通算いたしまして二十八日分納付することが最低の条件になっておると思います。そして、日雇い失業保険給付は一カ月間に十三日から十七日分しかないということも御承知のとおりだというふうに思うわけでございます。こういう方々の給付の額をふやしていくということは、結局それらの方々の生活を守っていくために非常に重要になってきておるという心うに思うんですが、そういう点につきまして、どういうふうなお考え方を持っていらっしゃるでしょうか、お尋ねをいたします。

 

○政府委員(遠藤政夫君) 日雇い労働者の方々の就労状況につきましては、ただいま御説明申し上げましたように、一般常用求人の場合と同じように、やはりかなり低下を来たしております。私どもは、特に常用の場合もそうですけれども、日雇い労働者の方々につきましては、毎日毎日働いて、その日の賃金を得られるという方でございますだけに、一そう強力に求人を確保いたしまして、こういう人たちの就労状態が低下をすることのないように努力をいたしておるわけでございます。幸い、いまのところ求人は減っておりますけれども、就労状況はさほど悪化いたしておりません。大体横ばいのような状態でございます。まあ今後求人がなお一そう減少するようなことになりました際に、現在の就労状況が確保できるように努力してまいりたいと、かように考えております。

 ところで、こういった人たちのいわゆる日雇い失業保険につきましては、御指摘のように、前二カ月に二十八日ということでございますと、月に十四日働いて残りのいわゆる不就労日に対して保険金が支払われると、こういう制度でございます。しかもそういう資格を持った人につきましては月平均十五日の保険金が支払われる。といたしますと、十四日の就労プラス十五日ということで、ほぼ一カ月分が就労と失業保険の保険金によりまして給付が行なわれると、こういうことでございまして、私どもは、支給される保険金の――新しい雇用保険になりますと、失業給付の日額の引き上げにつきましては、今後とも実態に即して努力してまいりたいと思いますが、資格要件なり給付日数につきましては、給付日数をこれ以上ふやしますと一カ月三十日をオーバーすることになります。したがいまして、私どもは、むしろ実態に即した給付内容の充実に今後つとめてまいりたい、かように考えておるわけでございます。

 

○浜本万三君 特に職がないということになりますと資格要件を欠く条件が生まれると思うのですが、その点についてはどういう配慮をなさっていかれるおつもりでしょうか。

 

○政府委員(遠藤政夫君) ただいま申し上げましたように、二カ月二十八日ということで月に十四日ずつなきゃならぬということじゃなくて、かりに一カ月が十日を下回るようなことがあってももう一カ月で二十八日を満たす、たとえば十八日あればいいということでございますので、その点はきわめて弾力的に設定されておると私どもは考えておりまして、この点、今後そういう事態が生まれるということは考えられないと思いますけれども、私どもは、そういうことにならないように就労確保の点で十分努力をしてまいりたいと、かように考えております。

 

○浜本万三君 重ねて給付額の問題についてもう一回ひとつお尋ねするのですが、この千百六十円では、いかにもこれは低いと思うのですね。私は、やっぱりこれで合理的な根拠があるのだろうかということをしょっちゅう疑うのですけれども、労働省としては千百六十円にどういう合理的な理屈をつけていらっしゃるのでしょうか。

 

○政府委員(遠藤政夫君) これは一般の場合に、失業前の賃金の六割ということでございまして、日雇い労働者の方々の給付の日額につきましても同じような考え方に立っておりまして、今回の雇用保険法におきまして、さらに上のほうに一段階積み上げまして一級を新たに設けたということでございまして、今後とも賃金の動向に即しましてこういった給付内容をさらに積み上げていくというふうにいたしたいと考えております。