[002/020] 63 - - 文教委員会 - 3

昭和450922

 

○多田省吾君 時間も超過しておりますので、もう一点だけ御質問しますけれども、特に通産省さん、結局もう生産第一主義で、学校もできない、道路もできない、下水道もできない、そのような状況のもとに各社がどんどん操業を開始している。そういう状態ですから、もういま交通事故なんかひんぱんにあそこで起こっているわけです。それから、すでに公害が発生しまして百戸近い部落が集団移転したいと言っているわけですね。公害を起こさないというようなことを言いながら、東洋一を目ざす鹿島臨海工業地帯は日本最高の今後は公害地帯になりかねないのじゃないかと思います。それから共同火力発電所も県の認可を受けないうちに操業しておりますし、そういう状況から、これは通産省もただどんどん操業開始の認可を与えるような姿じゃなくて、そういう工業地帯をつくるのでしたら、やはり学校とか、あるいは道路とか、あるいは下水道とか、それから公害を起こさない条件をそろえて一緒にやっていかなくちゃならないのじゃないかと、こう思うわけです。

 それから警察庁の防犯課の方に申し上げますけれども、機動隊二十名くらいじゃ、二万一千人の労務者の方全部が悪いというわけじゃありませんけれども、中には相当悪い人もいるわけですから、このままでいきますと、山谷とか釜ケ崎の第二の事件も生ずるおそれがあるし、その地域の人たちは、機動隊二十名くらいじゃ、あの飯場と飯場の争いのときに行ったが逃げ帰ったじゃないかとか、鹿島に派遣される警察官はあまりひどいので警察官をやめたいと言っているとか、派出所に十名ぐらいじゃ、一人しか派出所にいなかったので出ていけなかったという、そういう無法状態がいま現在発生しているわけです。それに対してすぐ対策をとっていただきたい。文教区、住宅区に指定するのも早急にやっていただきたいと思いますけれども、そういう、いま生命の危険にさらきれて生活ができない状況なんですから、至急に茨城県警だけにおまかせにならないで、警察庁としてやはり考えていただきたい、こう思うわけです。

 それから最後に文部大臣、どうぞこういった過密地区とか、あるいはそういう工業地帯において義務教育を学んでおられる方々に対してどういう措置をとるか、今後重大な問題だと思うのです。義務教育の中でも予算の概算要求をなされているようでございますけれども、ひとつ前向きにしっかりした対策を立てていただきたい。最後にお願いしまして、文部大臣のひとつ御所見をお伺い申し上げます。

 

○国務大臣(坂田道太君) 臨海工業地帯その他過密地域におきます義務教育の遂行につきましては、特段に考えていかなければならぬということはお説のとおりだと考えております。私どもも来年度の予算等におきましても十分ひとつその点を考えまして努力をいたしたいというふうに思っておるわけであります