52-衆-大蔵委員会-9号 昭和41年11月08日
昭和四十一年十一月八日(火曜日)
午前十時四十六分開議
本日の会議に付した案件
税制及び金融に関する件
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午前十時四十六分開議
○春日委員 公取のほうは行政機関であると同時に、検察機関なんですね。したがって、第十九条の違反行為というものは、現実の問題として、行政指導によってこれをため直すというような対象行為ではないのですね。これは検挙して審問処罰をしなければならぬ行為なんですね。そういう問題が現実にあるのだ。あるけれども、その経済のメカニズムから判断をして、角をためて牛を殺してはならぬと思うので、大蔵省の手によってこれをだんだん改善、改革をせしめていこうということで三、四カ年経過したわけなんですよ。ところが、大蔵大臣にお聞き取りを願っておきたいことは、そういう方向で検挙もしないで見のがしてきた。言うなれば、どろぼうか強盗か火つけか知らないけれども、これを見のがしてきた。法律違反の行為を見のがしてきた。そのことは必要悪というような形でこれをともに見のがしてきた。けれども、直さなければならぬので三年間やってきた。ところが、あなたのほうのアンケートでは五二%の者がちっとも直っていないと言っておる。一・五%の者はさらに悪くなったと言っておる。よって、ここにこれを重視して第二ラウンドがなされようとしておるのでございますが、そこにわれわれは期待をしておるのですけれども、適去三カ年努力をしたと同じように、なお三カ年の努力は、五月においてあなたのほうのアンケートでは、これは全然効果がなかったという答えが出ておるのですから、私はこの第二ラウンドの行政指導によっても、なおかつ同じような結果で、すでに悪質な形でこれが内攻、潜行していくという形になれば、もはや法律違反、独禁法第十九条の違反事項、あるいは不公正取引基準の第十項目の適用ですね、これは私はゆるがせにすべきではないと思う。この点の御所見はいかがですか。
○柿沼説明員 私どもといたしましては、違反事実があるかないかにつきましては、引き続き十分監視を続けていきたいと考えております。ただ全般といたしましては、やはり改善の方向に向いていることは事実でございまして、そういった方向で指導を進められることが望ましいと考えております。
○春日委員 われわれも経済のメカニズムを重視しないわけのものでもない。だから、私どもは観念的な立法論にのみとらわれて基本的な議論を展開しておるわけのものではない。みんな含蓄あって論じておるわけのものでございますね。それだからといって、何にも実際の効果があがってこないということならば、実際愚かしきさたの限りです、この論議を何回も繰り返していくということは。あなたのほうのアンケートのデータが厳粛に示しておるとおりです。まことに重視をしておるのです。さらに悪くなったという――内攻してしかもそれが潜在しておる。表にあらわれておったものがひそやかに行なわれておる。あなたは改善されればいいと言っておるが、これは改善されればいいということではないですね。現に法律で禁止をしておること、そいつがわが国のあのような公共的性格の強い金融機関によってなされておるということは、非常に重大なことなんですよ。それは釜ケ崎とか山谷のドヤ街でなされておることではないのだから、わが国の指導的経済活動のトップ的な地位にあるものが、しかもその内容は公共的性格を持つ金融機関が法律違反の行為をやっておる。法律違反でなければあなた方は何もものを言う権利はないのですから、ものを言う権利があったり、ものを言っておる以上は、何かそこに法律違反の疑義があるから言っておられるのだ。だから、そういうことが見のがされておって行政指導にゆだねられておるという、その事情を澄田銀行局長は十分痛感され、認識されて、この効果にあやまちなきを期していただきたい。
第二次の効果について、大臣の決意をここに明らかにしてもらいたいと思う。
○福田国務大臣 お話まことにごもっともなことでございますので、第二次計画でも実効の実をあげていくように最善を尽くす決意であります。