46-参-社会労働委員会-19号 昭和39年04月07日

 

昭和三十九年四月七日(火曜日)

   午前十時三十六分開会

 

  本日の会議に付した案件

○参考人の出席要求に関する件

○麻薬取締法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

○社会保障制度に関する調査(病院の管理等に関する件)

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○藤田藤太郎君 私は、麻薬の問題で前々から心配しておったのは、麻薬というのは、主として暴力団を中心としたルートから入っているというのが問題点でありました。だから、主としてこの麻薬事件の発生については、不良環境地帯を中心に行なわれている。だんだんと取り締まりも強化されてきて、みんなの協力もあって、そういう所で具象的な事犯が起きないということになってくると、今後はどうもそういう問題はビジネス・センターあたりだけで取引がされるような心配が私は前からしている。そういうことがあるのか、こういうところなかなか調べにくいと思うのです。私は、どうもそういうところに移行していやせぬかという気がするわけです。そういうところに目をつけたことがあるかどうか。

 

○政府委員(熊崎正夫君) 私どもも、先生御指摘のように、最近麻薬事犯といいますものが、いわゆる釜ケ崎とか、あるいは横浜の黄金町とか、そういった地区以外のところで巧妙に取引が行なわれているのじゃないかという想像をいたしておりますし、また、取り締まりの方針も、従来主としてその辺を重点にしておりました取り締まりを根本的に変えていかなければならぬというふうな考えのもとに、寄り寄り相談をいたしているわけでございます。したがいまして、その方面からの情報のキャッチ、入手ということにつきましては、非常に現在苦心をいたしているところでございますが、ただ、的確にどこの場所でどういうふうな形で動いたという証拠をつかむことがなかなかむずかしいわけでございまして、たまたま証拠をつかんでも、証拠をつかんだときには、すでにそれらしき者が海外に飛び出しておったというふうな後手の場合もあるわけでございまして、その辺は取り締まり態勢といいますものは、今後相手がそういうふうな組織をもってくる限りにおいては、こちらのほうも、より知能犯に対しまする厳重な取り締まり態勢を再検討しなければならぬということで検討いたしておるところでございます。

 

○藤田藤太郎君 そこで、これはだんだん皆さんの質疑で、問題点は、これは平生のときでもやれるわけですけれども、最近の海外の麻薬事犯の状況というものはどういうぐあいになっておりますか。これもこの際聞かしていただきたいと思います。

 

○政府委員(熊崎正夫君) 海外の麻薬事犯の状況につきましては、ときどき新聞紙上に出た情報程度を私ども承っておるわけでございまして、必ずしも的確に最近は把握するような状態にはなっておらないのでございますが、先生御承知のように、本年に入りまして、国連の極東麻薬会議というものを一月の下旬から二月にわたりましてやりまして、そこで今後とも相互の麻薬の密輸その他につきましての連絡をよくしようということで申し合わせもできておりますので、今後とも、なるべく情報を取り合うようにして努力をいたしたいと思っております。

 なお、具体的な事犯につきましては、麻薬参与官もおりますので、御質問があればお答えいたしたいと思います。