[002/008] 140 -
衆
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予算委員会 - 18号
平成09年02月25日
○田端委員 ぜひ真剣に取り組んでいただきたいと思います。
今、新宿、渋谷の町で植物ドラッグというものが売られています。これはもう大変なゆゆしき事態だと思います。これは薬物ではないのですが、植物でございますね。厚生大臣にお伺いします。私、きょう見本をお持ちいたしました。こういう三点でございますけれども、これを繁華街で堂々と売っているわけです。
これは何かといいますと、これはマジックマッシュルームと通称言われていますが、シロシベクベンシスというものなのですが、ここに白いものが、菌糸になっていますが、この菌糸が二週間で瓶いっぱいに広がるそうです。その菌糸が広がったそれを水槽に移しかえて一週間栽培すると、キノコがだあっと百本ぐらい生えてくる。そのキノコを食べると幻覚作用が起こる。これは大変高い値段になっております。こういうものを町で売っている。これはベラドンナという、花ですけれども、これをパイプに詰めてたばこがわりにする。それから、これはワンウッドという、葉っぱです。これは急須でお茶がわりに使う。
疑似薬物といいますか、こういうものが町で売られる、これがインターネットで紹介されている、あるいは電子メールでも販売する、こういうふうに今なってきているわけです。だから、ちょっとした薬物の疑似体験といいますか、そういうものは簡単に今できるようになっている。これは、そのものは植物ですから法的には何も問題はない、しかし、その成分の中に幻覚作用になるサイロシビンとかそういうものが入っている、こう言われているわけです。
私は、このものがそういうものであるかどうかわかりません。実際に私買ってきたわけですが、そういうふうに彼らは説明して売っているわけです。全くインチキかもわかりませんが。どちらにしてもこれは一回調べてもらわなければならない、こう思います。厚生省の方でこのものを、私これ差し上げてもいいですから、分析していただいて、どういうものかという、それで実際に違法行為に当たらないのかどうなのか。
つまり、このことを放置しておきますと、海外旅行で植物ドラッグの経験をした人が日本に帰ってきてこういうものに出会いますと、すぐ手を出すと思います。あるいは、町でこういうものを見かけた人が、それはおもしろそうだと思えば買ってしまう。それが次は、今度は本物に手を出す。こういう事態になることが大変怖い、そう思うわけでございますので、ぜひこの問題については、取り急ぎ商品分析をし、どう対応するのか、そういったことも御協議いただきたい、こう思います。小泉厚生大臣。
○丸山政府委員 先生今お示しのキノコの類につきましては、現在、国際条約で麻薬原料植物になっておる範囲から対象外になっておりますけれども、おっしゃるとおりの成分、あるいは麻薬に該当するサイロシビンという成分が含まれているという指摘もございます。かって、別な種類でございますけれども、私ども麻薬取締官事務所で分析したところ、半数からは検出されなかった、他の半数からは検出されたわけでございます。そういうことでございますけれども、今お示しのこの植物につきましては、ぜひ検査をしてまいりたいと考えております。
次に、これを規制できるかどうかということにつきましては、これは国際条約で指定をして、それから国際的に規制をしていくということでございますので、この点につきましては、なかなか今後の問題というふうに考えております
○田端委員 もう一つ、現場からの報告といいますか、この覚せい剤の、先ほど数値を申し上げましたが、私は大阪でございますけれども、大阪においても薬物の汚染状況というものの拡大は同じ状況であります。平成六年千五百八十五人、平成七年千八百五人、平成八年二千百五人と、こういうふうにどんどんふえていっておりますが、その中で少年、未成年の人が、平成七年九十八人から平成八年は百七十四人と倍増しているわけですね。女子も四十八人から七十七人と、こういうふうにふえています。大阪府警本部とか大阪府等ではキャンペーン活動を大変積極的にやっておりまして、「ダメ。ゼッタイ。普及運動」ということをやっているわけですけれども、しかし現状は追っつかない。
私が住んでいる大阪の西成区というところは、今NHKのドラマ「ふたりっ子」で大変人気になっているところでございますけれども、この大変すばらしい庶民の町である西成にあいりん地区というのがございますが、このあいりん地区に労務者が二万五千人ぐらいいます。このあいりん地区において、覚せい剤の取引が白昼堂々と行われている。しかも、今携帯電話がありますから、携帯電話と車があれば連携をとり合って、車で移動しながらお金を所定のところに置いて移動して、物を窓から手を出して受け取る、そしてすっとそのまま行くと、こういう状況が行われているわけです。
それからもう一つ、大阪のミナミに、繁華街ですが、その一角にアメリカ村という、若者が集中して集まっている若者ファッションの一角があります。ここでイラン人を中心にした不良外国人といいますか、そういった人たちによる取引が行われている。そのために、大阪においても若者の中にどんどん汚染が広がっているということが現実であります。
私は、そういう意味で、一つは暴力団とのかかわりがあろうかと思います。もう一つはそういう外国人の問題とのかかわりが残る、こう思いますが、こういう意味で、ぜひこの問題については深刻に受けとめて、取り締まり当局においてもやっていただかなきゃならない、こういう思いでいっぱいでございます。警察庁の今までの御努力に対しては多としますけれども、なお一層深刻に受けとめていただいて、治安を守っていただくことをお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○泉政府委員 ただいままでの御指摘のとおり、薬物事犯、なかんずく覚せい剤事犯が非常に深刻化している中で、今御質問にもありましたように、ある地域におきましては、他の地域に比べて覚せい剤等の密売が非常に多いのではないかというような地域がございます。そういうところにつきましては、警察としましては、従前から、私服の薬物取り締まりの専従員の集中的投入、あるいは警戒等のために制服による重点的パトロール等の対策を繰り返し行いまして、そのような薬物事犯の取り締まりに力を入れていっておるところでございます。
今後とも、御指摘もありましたように、全国警察の総力を挙げてこの薬物事犯の取り締まりにつきましては強化してまいりたいと考えております
○田端委員 ここ二、三カ月の間に密航者が大変激増している、こう思います。密航と密輸とはやはり切っても切れない関係があるんではないかな、こういうふうに思うわけでございます。
例えば、去年一年間で密航者の検挙数が四百八十一人ですか、ところが、ことし既に、この二月、今現在でもう三百人を超えているというふうに聞いておりますけれども、大変な事態でありまして、昨日も島根県で五十五人検挙しているようでありますけれども、こういう大変異常な中で、麻薬の密輸入と関係はないのかどうか、これはだれしもが心配するところでございます。
警察庁においては、ぜひこの問題についてもしっかりと監督、監視をしていただきたいと思いますが、特に海上保安庁、なお一層また頑張っていただきたい、こう思います。どちらにしても、密航者を見つける場合でも民間の情報というのが大事だろうし、協力がなければなかなか大変だろう、こう思います。そういう意味で、この密航の問題も含めて、ぜひ民間との協力体制を整えて、
そしてこういう治安の維持に対して、あるいは薬物乱用の追放に対してこれからも取り組んでいただきたい。海上保安庁でもしそういう御決意があれば、一言お願いして終わりたいと思います。
○土坂政府委員 御指摘のとおり、密航が異常な勢いでふえておりまして、過去数年二百人程度でございましたけれども、昨年は五百人、既にことしに入りましてから検挙者が三百人を超えたという状況でございます。
密輸、密航ともに水際の阻止というのが大変大事であると思っておりまして、今おっしゃいました民間との関係も含めまして、情報の収集が基礎になりますので、その情報の収集、それからおそれのある海域の監視の強化、あるいは立入検査の徹底、こういったことを通じて、この問題について、先生の御指摘も踏まえながらいま一層の努力をさせていただきたいというふうに考えます。