平成十八年五月二十六日(金曜日)
午前九時三十分開議
出席委員
委員長 佐藤 剛男君
理事 木村 勉君 理事 戸井田とおる君
理事 西村 康稔君 理事 林田 彪君
理事 山本 拓君 理事 泉 健太君
理事 大島 敦君 理事 田端 正広君
赤澤 亮正君 新井 悦二君 飯島 夕雁君 遠藤 宣彦君
小野 次郎君 木原 誠二君 後藤田正純君 鈴木 馨祐君
田中 良生君 平 将明君 土屋 品子君 土井 亨君
中根 一幸君 中森ふくよ君 平井たくや君 村上誠一郎君
村田 吉隆君 安井潤一郎君 市村浩一郎君 川内 博史君
小宮山洋子君 鉢呂 吉雄君 鷲尾英一郎君 吉井 英勝君
糸川 正晃君
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国務大臣
(国家公安委員会委員長) 沓掛 哲男君
内閣府大臣政務官 後藤田正純君
内閣府大臣政務官 平井たくや君
内閣府大臣政務官 山谷えり子君
政府参考人
(内閣府大臣官房遺棄化学兵器処理担当室長) 高松 明君
(内閣府政策統括官) 林 幹雄君
(警察庁長官) 漆間 巌君
(警察庁長官官房長) 安藤 隆春君
(警察庁生活安全局長) 竹花 豊君
(警察庁刑事局長) 縄田 修君
(警察庁交通局長) 矢代 隆義君
(警察庁情報通信局長) 武市 一幸君
(法務省刑事局長) 大林 宏君
(外務省大臣官房参事官) 梅田 邦夫君
(外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長) 中根 猛君
(文部科学省大臣官房審議官) 布村 幸彦君
(文部科学省スポーツ・青少年局長) 素川 富司君
内閣委員会専門員 堤 貞雄君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
遺失物法案(内閣提出第五五号)
警察に関する件
○漆間政府参考人 私も全く御指摘のとおりだと思っております。
やはり、犯罪が発生しにくい町づくり、これをきちっと考えて、我々としてもいろいろ提言をするというのが大事だと思っています。
そこで、ことし、警察庁におきましては、安全・安心まちづくり推進要綱というのを定めておりまして、都道府県や市区町村の行う都市計画等の策定に対し、犯罪防止に配慮した町づくりの設計や防犯設備の整備等が反映されるよう働きかけを行うよう、都道府県警察に対してこの要綱の中で指示をしているわけであります。
それを受けまして、都道府県警察では、道路における街路灯や防犯灯の設置を促進するとか、ひったくり等車両利用による犯罪を防止するためのガードレール等による歩車道の分離だとか、照明や防犯カメラ、ゲート等を設置した駐車場とか、そういうようないろいろな点で犯罪の起きにくい町づくりに資するようなことについて、自治体、学校等に働きかけをしているというのが現状でございます。
今後とも、国民が安全で安心して暮らせるような社会の実現に向けて、警察といたしましても、関係機関あるいは地域住民の協力も得ながら、諸対策を強力に進めていきたいと思っております。
○田端委員 ぜひ、子供の目線に立って対策をお願いしたいと思います。子供の一メートル三十センチ、二十センチの目線から見ることが大事なんだと私は思いますし、また、そういう目線で地域安全マップのようなものを子供さんと一緒になってつくって、それぞれの地域でボランティアの方に力を得てそういうことをつくっていく、こういうこともぜひお願いしたいと思いますし、今あったように、学校、警察の連係プレーで、もっと風通しのいい中で安全対策というものをお考えいただきたい、こう思います。
私は大阪西成区に住んでおりまして、先般、去年の暮れでしたか、内閣委員会が視察するということで、西成のあいりん地域を視察していただきました。その際に、内閣委員会、つまり国会が委員会として初めてあいりんを視察するというので、大変な反響でございまして、町をだれからともなくきれいにしていただいて、二、三日前から急にきれいになりました。
そして、我々が行った当日もきれいであり、その後もいまだに町はきれいに保たれているので、非常に私も喜んでいて、先ほど申し上げたように、町がきれいになることは犯罪を減らす第一歩になる、こう思っております。
ところが、薬物に関してはそういうところが全然飛んでしまっておりまして、薬物事犯の検挙件数もずっとふえておりますが、特に覚せい剤、暴力団構成員の検挙件数が薬物の約半数以上、こういう数字も出ています。
実は、二十三日に、日テレだったと思いますが、夜九時でしたか十時でしたか一時間番組で、近畿麻薬取締局の取り締まりの実態ドキュメント放送がありました。
これは本当に迫力があった。私は全然知らなくて、テレビを見て、あれ、何か西成の町だなと思っているうちに引き込まれて見てしまったんです。つまり、覚せい剤を密売している人たちを追跡して、ガサ入れする、逮捕する、それをテレビに同行させてやったわけでありますが、非常に中身はあったと思います。
そこで感じたことは、一つの画面の中に、二〇〇四年、町でこういうふうに薬物の取引を行っているというのが流れまして、右側には、二〇〇六年、同じ場所、同じところから撮影して、二〇〇四年より二〇〇六年の方が頻繁に現物とお金との売買というんですか、それが行われている様子が、明らかに薬物売買が、密売がふえているということがわかるような光景がありました、この場所は大体私もわかりますけれども。
そういう意味で、実はこの放送があった夜、翌日と、私のところにいっぱい電話がかかってきまして、何しているんだ、こんなことを全国放送されて西成の恥だ、あるいは、いつまで同じこと、こんなことを続けさせているんだ、こういうような物すごい、こっちに対して市民の皆さんからお怒りの電話がありました。
要するに、わかっていながら放置しているんだろう、こういうことが一番多いわけでありまして、私は非常に残念でありましたが、これは、そこに住んでいる人の気持ちというものをよく酌んでいただきたい、こう思います。
だから、何も西成警察がサボっているということを私は言っているんじゃないんです。一生懸命やっていただいていても、しかし、こういう暴力団を中心にした薬物の密売というものがひたひたと今ふえていっているという実態がはっきりしているわけですから、これはぜひ警察庁長官の決意として、薬物に対しては本気になって取り組むぞと、近麻だけのことじゃなくて、警察庁としても、ぜひ御決意をお述べいただきたい、こう思うわけであります。西成の町をいい町にしたいと私も思っておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
○漆間政府参考人 私も大阪府警本部長をやっておりましたので、あいりん地区の実態はよく知っております。まさに委員おっしゃるように、そんな状態になっているのであれば、これは大阪府警にとってもある意味では非常に恥ずかしいことでありますので、実態をとりあえず、まず調べてまいりました。
確かに検挙件数とか人員とか、西成地区の関係におきますと、昨年、一昨年に比べてふえていることは間違いないんですが、依然として覚せい剤等の路上密売が行われているのが実態だそうであります。
昨年、実は、あいりん地区において覚せい剤密売を取り仕切っていた山口組傘下組織幹部を覚せい剤取締法違反で検挙しまして、この組織が壊滅いたしました。こういうようなことに手を染めている組織を壊滅するというような形で進めていかないと、なかなか根絶は難しいと思います。大阪府警も一生懸命取り組むと言っておりますので、私らの方も督励したいと思います。
問題は、全般的に覚せい剤についてはやはりいろいろ問題がございまして、先般、五月に入ってからでございますけれども、警視庁と鳥取だとかあるいは海上保安庁とも組みまして、合同捜査本部において、北朝鮮ルートで覚せい剤を密輸入していたという事件につきまして、暴力団組長ら合計七名を今検挙しているところであります。
平成十四年まで、北朝鮮が仕出し地である覚せい剤というのがずっと大量に入ってきたわけですが、十五年以降はそれが見られないというのが実情であります。しかし、これはなくなったわけじゃないというふうに思っています。
それから、さらにもう一つ大事なことは、この覚せい剤自体が、今まで我々としては、北朝鮮が仕出し地であるというふうにしか言えなかったんですが、北朝鮮が国家的に覚せい剤製造に関与しているということをこの捜査を通じて言えるような方向に持っていって、こういう形で、覚せい剤というのは、日本でつくられるよりも海外から持ってこられるものですから、外国組織に対しても圧力をかけて、日本に入ってこないようにするというようなことも含めて、しっかり対応していきたいというふうに思っております。