提言―第1回釜ヶ崎フォーラム

釜ヶ崎を解放の街、人権の街に!
西岡

野宿者と釜ヶ崎労働者の人権を守る会代表

 

部落解放研究所理事

私が部落解放同盟中央本部の組織部長のとき、政府の失業対策事業廃止に対し、全日自労に結集した日雇労働者20万人が総決起しました。全日自労の中西五州委員長は徹底抗戦闘争から政策転換闘争へ路線転換をし、日雇労働者の技術修得を保障させました。この経験から「高齢者事業団」を発起し、現在は「高齢者生活協同組合」として就労保障を創り出しています。

また、当時私は、西日本の被差別部落民が多く出稼ぎにきていることを知り、大阪府に100万円の調査費を計上させました。

今、このことを参考にして「釜ヶ崎解放」の方策を考えたいと思います。

  1. 就労保障・高齢者対策の拡大
  2. 釜ヶ崎解放の総合的な街づくり計画の樹立実現の闘い……釜ヶ崎労働者と地元商店街の人々が連帯し、共存共栄していく方策を考える。三角公園や「あいりん職安南分室」敷地に、温泉を採掘し、温泉総合センターを建設することです。盆・正月には、大阪府知事や大阪市長らが日雇労働者や野宿労働者と背中を流し合い、裸の付き合いをし、テレビで世界に放映でもすると、釜ヶ崎が人権の発信地になります。これでオリンピック誘致は太鼓判です。
  3. 「与える福祉」といわれる収容施設の隔離的なものでなく、釜ヶ崎の住民、特に商店街にも活気を促すため、南海電鉄跡地に日雇(野宿)労働者住宅2000戸を建設すること。故郷から家族を呼ぶこと。結婚を奨励すること。
  4. 釜ヶ崎解放・人権センターを建設すること。資金は全国的なカンパ活動を展開し、国・自治体から補助金を引き出すことです。
  5. 釜ヶ崎解放の活動家(人材)養成に全力を投入すること。釜ヶ崎労働者は多士済々の人材がいますが、多彩な講師を招き、目的意識的に計画性をもって、市民や学生も含めて、研修・啓発を、過去の経験を生かして行うことです。
  6. 大阪府民・大阪市民、特に西成区・浪速区の区民、釜ヶ崎の周辺住民に徹底した啓発事業を行うことです。行政が事業を起こすにしても、周辺住民の協力なしにはできません。「別冊フレンド西成差別事件」の教訓を生かし、啓発事業を行うことです。啓発副読本を作成し、社会教育・学校教育に活用することを急がねばなりません。
  7. 国策として、「釜ヶ崎総合対策」確立のため府・市行政を巻き込んだ運動を展開する。

これら7点の提言を実現するためには、今までの釜ヶ崎解放運動の徹底総括と共に、大阪府・市の行政施策の総点検を行い、地元住民を中心に、府・市民の共鳴・共感を得る釜ヶ崎解放運動を展開することが大切です。「野宿者と釜ヶ崎労働者の人権を守る会」は微力ですが、具体的施策の研究を行い、提起したいと思いますので、皆さんの積極的な論議・論争を期待しています。

野宿者と釜ヶ崎労働者の人権を守る会 第1回総会

1026日(日)第2回釜ヶ崎フォーラムの当日、フォーラムは午後2時からですが、その開会に先立って、「野宿者と釜ヶ崎労働者の人権を守る会」の第1回総会を持ちます。午後1時半からです。会場はフォーラム会場と同じ「部落解放センター6階小ホール」です。

取り立てて議題というものはないのですが、会費を納入して会員になっていただいている以上、また、会が人と人のつながりで社会的に成り立つものである以上、会計報告、人事の決定、来年度の活動報告などはできるだけ多数の会員の意見を聞く機会を設定し、直接、相互に意見交換できるようにするのが、当然のことであるので…。

常識的な退屈なものになるか活気ある場となるか、現に運営している私たちにもかかっているのですが、参加されるあなたにもかかっています。よろしくご出席を。

なお、会員でない方も、当日、オブザーバー参加ということで、発言・提案など大歓迎です。