非暴力直接行動 ウリ‐ジャパン/戦争抵抗者インター日本部機関紙

 「非暴力直接行動」には復刻合冊版がある。その紹介を水田ふうさんが書いているので、その一部を紹介することで、概要紹介とする。

復刻版「非暴力直接行動」刊行によせて 水田ふう
「非暴力直接行動」は、ウリ‐ジャパン/戦争抵抗者インター日本部が出していた機関紙。1974年に準備号を発行(11号から100号まで「Wri News Letter」に改題)、94年の192号まで続いて、廃刊の挨拶なしのままそれきりになってしもた
 今回復刻したのは後半の10年分、1984年~94年に出したNO.140から192まで。
 はじめの10年間では139号まで出してるのに、あとの10年間ではおよそ3分の1の53号しかつくってない。たとえば140号は848月発行で、141号は8612月。2年も間があいてる。
 でも、このときはつくる暇がないくらいにメチャメチャに忙しかった。東アジア反日武装戦線の最高裁の判決がせまって、「大阪名物反日タコヤキ団」で各地を巡業してまわったり、1986年の914日反日大博覧会(野次馬千人集会)で千人集めるためにもう連日連夜シャカリキに動きまわってたからやった。

 ここで紹介するのは、手持ちのもののみ。

非暴力直接行動  準備号 1 197481日 戦争抵抗者インター日本部機関紙

準備号N-ro1 内容目次 報告:WRI本部移転と諸報告/ストックホルム会議問題/各国組織・会議からの報告/フランス・ラルザック農民闘争 企画:平和大学/国際会議 その他:ベリガン神父逮捕さる

非暴力直接行動  準備号 3 1974111日 戦争抵抗者インター日本部機関紙

WRI本部通信より-第12回執行委員会議事日程通知/ミクロネシア・ポリネシア問題/資料・テニアンの各基地と日本/121日-反戦平和のために捕らわれている各国在獄中者のための日/市川より

非暴力直接行動  準備号 4 19741225日 戦争抵抗者インター日本部機関紙

12.1 The Honour Roll-栄誉の名簿について WRI本部書紀 ラニ・ゲルソン/各国名簿(一部

非暴力直接行動 8 1975710

見えない大連合の空間を透視して-WRI国際大会へのメッセージ/ラルザックの闘い-フランスの三里塚/雑記(フリイ号のこと)/メッセージの英文

WRI News Letter No.13 1976428

WRIの仲間の会(東京開催)/大阪拘置所への抗議行動で/WRIメンバーへの行動勧告/事務所より

WRI News Letter No.17 1976812

事務所から/<直接行動>2号発行・沖縄・久米島行き・李得賢さんの無罪釈放を訴えてのハンスト・ノエルとマリー夫妻の処刑延期/WRI読書会の報告

 WRI News Letter No.18 197698

<久米島の報告>の会/<直接行動>読者の会/事務所から/WRI事務所の収支会計報告

WRI News Letter No.19 1976918日(臨時特集号)

江川允通さんからの手紙-<監獄法>問題に向けて/あとがき

WRI News Letter No.20 1976930

直接行動”3号への寄稿を!/事務所から、仲間へ(求む助っ人・丸正事件三島地区各戸ビラ入れ行動)

WRI News Letter No.21 19761029

事務所から仲間へ(天皇と天皇制を考えるティーチ・イン/フリー号その後/久米島訴訟ニュース1号)

WRI News Letter No.24 19761125

事務所から仲間へ(テンノーステッカー事件についてハガキでアンケートを/宋斗会さん/アイルランドのデッチあげ死刑囚ノエル&マリー夫妻その後/フリー号その後/小西反軍裁判集会/テンノーステッカー事件真相報告集会)

WRI News Letter No.25 19761218

事務所より 新日本文学771月号 ルポルタージュ『天皇制さわってみればよくわかる-向井孝』/<合言葉>について郵政監察官と称する二人が来訪/準抗告申立書のパンフについて/直接行動3号の発行目途/など

WRI News Letter No.27 1977年1月20

一般参賀の前で、天皇に死刑宣告!-富村順一さん 直接行動/事務所から

WRI News Letter No.28 1977年25

思想と行動の宣伝誌・<直接行動>3号 拡大へ活動を/事務所から

WRI News Letter No.31 1977年410

事務所から=ステッカーの準抗告破棄決定理由を読んでみる会・丸正事件三島駅現地ビラ撒き・<横田・三里塚を廃港に!5月行動>・沖縄復帰から5年を考える会・天王寺公園反戦露店市/アイルランド大使館・ある日のでき事/4.8東京読書会のこと/郵政監察局からの問い合わせ

WRI News Letter No.33 1977年610

事務所から=〇天ステッカー事件いよいよ反攻始まる!/ふうさん、メキシコへ行く

WRI News Letter No.3 1977年618

事務所から=東京―ヒロシマ平和行進参加を・買って下さい、特別抗告申立書(写)・メキシコ行き中止のこと・台湾の政治犯の即時釈放を訴える(講演他)

WRI News Letter No.35 1977年710

緊急連絡-事務所から・東京―広島平和行進参加をめぐって

WRI News Letter No.36 1977年715

東京―広島平和行進 特に参加を訴える・原水禁運動経緯・今回の平和行進経緯・ウリの立場

WRI News Letter No.37 1977年720

平和キャンプ・ヒロシマ-似の島のスケージュールきまる(裏面英文)

WRI News Letter No.39 1977年81

81日平和行進到着を迎える-広島原爆慰霊祭の前での政治ショーに対して何をやろうとするのか/事務所より-朝日ジャーナル85日号読んでください

WRI News Letter No.45 1977年114

11月、自分の生き方を変える三つの集まり(案内)/事務所から

WRI News Letter No.49 1978110

賀正-ウリ事務所-こう・ふう・るり子/おしらせなど

WRI News Letter No50 1978126

東アジア反日武装戦線 公判速報から(抄)/付記

WRI News Letter No.51 197825

反原子力講座-報告/あさひまちから/軍事費拒否のための確定申告の書き方講習会

WRI News Letter 号外 197826

ウリ事務所より-各種行事案内/裏-オーストラリアMAUM 議長J・フォーク氏を迎えて話を聞く会-ウラニウム採鉱と輸出に反対する運動

WRI News Letter No.52 1978220

省エネルギーフェアー見物記/日録ふうに-事務所から

WRI News Letter No.54 197836

「三里塚開港を認めない三月行動」へウリ仲間の参加を!/あさひまちから-反原発宣伝の小型ステッカー作製・三月予定表

WRI News Letter No.55 197838

急報・号外・大至急-山田塊也(ポン)さん来る!・映画と報告-阿木幸男さん来る!/あさひまちから/一泊三日ビラ入れ助っ人の旅

WRI News Letter No.56 1978329

原発予定地 日高へ行く/自衛隊ハンターイ/あさひまちから/おしらせ

WRI News Letter No.57 197844

花咲爺作戦記/原関連学習会-使用済核燃料とは(報告)

WRI News Letter No.58 1978420

「原発・原爆、一字の違い。いずれにしても地獄行き」-江川允通/集会お知らせ/パンフ「非暴力直接行動とは何か」つくりました

WRI News Letter No.59 197851

4.19核燃料輸送抗議行動-シナリオ風報告/英文ニュースレター NAMAZU刊行/伊方原発裁判の勝利を求める大阪集会(報告)

WRI News Letter No.60 197855

資料:西ヨーロッパの反原発運動、いま/事務所から-514日反戦露店市・宮本礼子さん獄中闘争支援集会

WRI News Letter No.62 197861

事務所から-集会等参加報告

WRI News Letter No.63 1978615

事務所から-ノリ・ハドルさん来日・関西三里塚救援会発足集会/おしらせ

WRI News Letter No.64 197875

6.23沖縄敗戦記念集会など/江川允通さん釈放!/事務所より

WRI News Letter No.65 1978725

よかったァ、6.30の集り-第一期反原発市民講座のしめくくり/旭まちから/集会のお知らせ・その他

WRI News Letter No.66 197885

七尾火電反対・不当弾圧糾弾 7.8集会記/原発一口話/事務所から

WRI News Letter No.67 1978810

日高ビラ入れ・合宿記/私の非暴力直接行動論-金沢の読書会で思ったこと/事務所から

WRI News Letter No.68 1978820

美浜原発一号炉再開抗議のダイ・イン-関西電力前にねころがって/あさひまちから/おしらせ

WRI News Letter No.69 19789月 日

原関連市民講座-小玉大成さんを囲んで/非暴力直接行動訓練/あさひまちウリから・反原発運動全国連絡会・成田2257号を支え、共に闘う会結成の集まり

WRI News Letter No.70 1978921

2回非暴力直接行動訓練の感想/あさひまちから-スティーヴ・サンフォードのこと・電気料金不払いを考える集まり

WRI News Letter No.71 1978929

むつ廃船・原発阻止・三里塚廃港 人民の舟!大阪へ!/『なにがなんでも原発に反対する女たちのグループ』発足/女・こどもの反原発ゲリラ作戦/あさひまちから-軍事費拒否の会関西Gの動き・原子力はごめんだ!大阪‘78週間行事予定

WRI News Letter No.73  1978113

大阪・反原子力‘78週間をふりかえって/反自衛隊デー奮戦記/あさひまちから

WRI News Letter No.7  19781115

あさひまちから-<堺泉北港からの核燃料集合体積み出し>質問と申し入れ

WRI News Letter No.74  19781129

あさひまちから-「しってますか」のビラの意味/集会案内

WRI News Letter No.76  197911

賀正/原発一口ばなし・7/としのはじめに-事務所から/合同集会所が生まれました/集会案内

WRI News Letter No.77  1979125

七尾火電阻止・北電退散祈願 寒念仏行動 表白文/なかまから(金沢)

WRI News Letter No.78  1979210

確定申告の時期ですよ!-わたしたちが自衛隊を増強させている/なかまから-原子炉が溶ける・・・/寒行以降/あとがき

WRI News Letter No.79  197931

昭和てなんや 天皇のナマエや-2.11デモのこと/助っ人にいこう/あとがき

WRI News Letter No.80  1979310

都市の運動と現地-松下竜一さんを囲む集まりで

WRI News Letter No.81  197945

忌 原発-米スリーマイル島原発事故は人ごとではない/忌 原発・関電デモ/おしらせ

WRI News Letter No.82  1979416

活動日記抄

WRI News Letter No.83  1979422

男たちも集まれ!-4.28反原発・女たちのデモ

WRI News Letter No.84  197955

4.28反原発・女たちの大デモ/4.30 A級戦犯ヒロヒト誕生忌念バラエティショー/おしらせ/後記 

WRI News Letter No.86  19796月 日

5.21非暴力すわり込み行動-大飯原発再開抗議・すわり込みの意味

WRI News Letter No.89  1979810

暑中いかがおすごしですか-報告・おしらせ

WRI News Letter No.90  197995

ナバホ族バッアさんのこと/大逆罪復活!-東アジア反日武装戦線の公判傍聴記/新聞記事2つ/おしらせ

WRI News Letter No.91  1979105

エエッ、ホント! 朝日、原発報道のマル秘/原子力はごめんだ!’79 10月行動/雑記

WRI News Letter No.94  19791125

なかまたちへ/自由連合とはなにか-反原発10.26デモに関連して(13頁)/おしらせなど

WRI News Letter No.95  19791215

糾問状-関西電力 小林社長!キリキリ返事せよ/おしらせ/ウリ事務所から

WRI News Letter No.96  1980115

謹賀新年/あさひまちから/みんなあつまれ!

WRI News Letter No.97  1980215

関電に音(ネ)を上げさせる時はいま!!2.26反原発 電気料金値上げ反対 怒りの大デモ!?/おしらせ

ビラ2.17 現代と大逆事件 天皇制と死刑制度を問う

WRI News Letter No.98  198031

被曝労働 その恐怖の実態-原発は差別労働なしには動かない!/あさひまちから/おしらせ

WRI News Letter No.100  1980410

80年代反原発闘争の意味-ウリニュース100号・TMI事故一周年に/ルポ 3.28 大阪・くらしき/次号から紙名変更<ウリニュースレター 非暴力直接行動>

WRI News Letter 改題 非暴力直接行動 No.101 1980428

「不払い連」のアピールに呼応する特集号:転載「女が笑えば-林郁『未来』4月号」/正確なメーター指示量による新旧電気料金の請求を求めて

非暴力直接行動 No.105 198071

関西電力氏のオカシナ犯罪・余聞/エライコッチャ 有効・無効 天下の関電6.23株主総会/76日 交流露店市

非暴力直接行動 No.106 198095

おもしろかった象ゲーム-非暴力トレーニングの印象/とうとう関電、馬脚を現す-送電停止を禁止する仮処分申請・97日 第3回交流露店市

非暴力直接行動 No.107 19801010

反原子力の日-10月行動/送電停止禁止仮処分裁判-やっぱり肩すかし決定

非暴力直接行動 No.108 19801024

転載:原発労働者出すな-釜ヶ崎で反原発集会/汝、花を武器とせよ!-10.21国際反戦デー/うり事務所より-10.25反原発秋まつり

非暴力直接行動 No.109 1980112

何故宣伝戦争か-見える敵(現地)と見えない敵(都市)/非現場的(都市的)反原発運動の意味/宣伝戦争の意味/生き方くらし方を変える運動/お知らせ

非暴力直接行動 No.110 198125

自由連合論ノート(直接行動誌1号掲載のもの再録)/ウリ事務所から

非暴力直接行動 No.112 198154

女の反戦エジャナイカ-315日集会デモ報告/裁判の意味-原発被ばく訴訟裁判/日高事前調査-南無阿弥陀仏関西電力

非暴力直接行動 No.114 1981710

「どんな戦争にも反対」というとき-女と反戦-暴力・非暴力/おしらせ

非暴力直接行動 No.116 198185

小特集<「どんな戦争にも反対」というとき>を読んで/自分は加害者にならないという視点/ウリ事務所から

非暴力直接行動 No.117 1981910

カマ夏祭りの舞台からオチた?オンナたち/お伊勢まいりでエジャないか/後記

非暴力直接行動 No.118 19811010

都市と現地-現地主義とその問題/圧倒的多数としての都市住民/<反原発>と現地の<反対派>/都市の<現地志向>/都市の現地主義の出来ることは-/水まし現地主義・そして現場主義/都市での反原発市民運動/あとがき

非暴力直接行動 No.125 198255

『花の応援団』こそ力やねん-うちらの運動論・不払い連の戦略・戦術/支払い連?不払い連?/がんばるのは『少数派』/野次馬バンザーイ/応援団こそ運動の力/『宣伝戦争』の意味/ビラつくり第一歩 その2/おしらせ 

非暴力直接行動 No.126 1982610

自由連合よもやま話-助っ人は自由連合の別名/つながりを求めて・・・/共同ではなく、<連合>!/違いをみとめる、ということは-/自由連合は助っ人連合/一方的・片思い的助っ人/組織とでなく、運動との連合/助っ人の心得・第一条/ミニコミ案内/おしらせ

非暴力直接行動 No.127 1982730

悶呪(もんじゅ)退散念仏行動日録-私たちのもんじゅヒヤリング闘争

非暴力直接行動 No.128 1982910

ハラハラ大集会て何やのん

非暴力直接行動 No.129 19821115

10.24大阪行動/ウリ事務所から

非暴力直接行動 No.131 1983220

シュプレヒコールとステッカー-紀元節反対・反靖国・反天皇関西集会での提起/女のやり方とは-反原発・女の長風呂/あとがき

非暴力直接行動 No.132 1983420

反日・アイヌモシリへの旅/4.29天皇がなんか気になる日/雑記

非暴力直接行動 No.133 1983525

4.29天皇がなんか気になる日 上演漫才台本“非国民宣言”/事務所から
 

非暴力直接行動 No.135   1985920

反原発全国集会報告-「反原発運動論」ノート都市の運動論不在の意味/あさひ町から/おしらせ

非暴力直接行動 No.141 1986121

白バラとヤジ馬-ヤジ馬運動論ノート/旭まちから

非暴力直接行動 No.142 19861231

なんで死刑廃止か/雑記メモ三つ

非暴力直接行動 No.154 1987315

四国で何が起ったか-現地主義を超えたという意味/旭まちから

非暴力直接行動 No.155 1987年5月15

東京二万人の意味/旭まちから

非暴力直接行動 No.157 1988年7月1日

“富山・金沢行動”から“島根”へ引継ぐこと/旭まちから/おねがい

非暴力直接行動 No.159 1988年7月25

松江から-集中電話作戦・その他/旭まちから

非暴力直接行動 No.160 1988911

非暴力(ガン)トレニング入院記/7.11島根原発集中電話 作戦余話/旭まちから

非暴力直接行動 No.162 1989年 月 日

Xでー華の乱-毎日がチャンス/おしらせ/旭まちから

非暴力直接行動 No.164 1989410

集会万奏講-劇団BATANKOの実験-予告編/うかい町から/犬山へ移りました

非暴力直接行動 No.181 199188

ばらばらのゆくえ、上-3.28関電行動とテント村始終/風だより/孝記(こうき)

非暴力直接行動 No.185 1992425

死刑とカクメイの陀羅尼(だらに)的関係/二つの死/後記

非暴力直接行動 No.187 1992915

わが忘れなば 誰か知るらん(姫路のこと)/無名詩人の死(「象」13号より転載)/挽歌Ⅰ・Ⅱ/後記 

非暴力直接行動 No.189 1993214

これやこの ゆくもかえるも 運動の 行く方もしらぬ 恋のみちかな(下)/社会主義人物事典用原稿・小松亀代吉・宮本三郎・村上義博/挽歌Ⅲ/鵜飼町から

非暴力直接行動 No.192 1994210

阿那加奈志(あなかなし)-アナキズム運動史のなかの(リャク)/人名辞典・小池薫/詩評論・柳井秀の詩

エェジャナイカ 花のゲリラ戦記 非暴力直接行動のすすめ

192号欄外記入の詩

埋 葬 記

1210日朝、10時起床
千微が見当らない。
あちこちさがしたら、風呂場の壁と脱衣篭との細いすき間で
手足を横にそろえ、背をまるめて、もう、息絶えていた。
ここ10日ばかり、水だけのんで、殆んどたべなかった。
でも、ゆうべぼくが憚(はばか)りに立つと、いつもの癖で、すこしよろけながら、後ろを跳いてきたのに・・・。
 〇
生後三ヶ月ばかりの頃
千微はとつぜん庭先から、のこのこわが家へはいってきた。
すぐ近くの公園へ置き去りにしてきたら
あわてて、もう当然のように、三ども駆けもどってきた。
何かを追いかけてるときは、まるで知らんぷりだが
ふと、ぼくがまわりを見廻わすと、すぐ、どこからか、しっぽを上げて、そろりそろりと寄ってくる。
『そうやったんか、幼女みたいなおまえが、もうぼくの74年ぐらいになってたんやなァ』
 〇
さっき、残照がゆっくり羽搏たいて、すぅつと夜になったように
たゞそれだけの何でもない別れの今朝だった。
だから、ぼくの手に残ったのは
箱に収(い)れようと抱きあげたときのおまえの、
もうとび去っていく綿毛のような 軽さだけ。
それを林の中の夕闇に埋に埋めて来た帰り途、
すっかり、急に身のまわりが空っぽになった-ぼくの胸の中の「踏み切り」で、さっきからしきりに チンチン鳴り出している ぼくの明日。
(未定稿 12/1012/1112/181/231/292/52/7・・・)孝