無政府主義者は答える
岩佐作太郎著 1927年7月1日 労働運動社・1973年1月黒色戦線社復刻増補
無政府主義と所謂無政府状態/社会組織の建て直し/無政府主義に対する反対=1.あらゆる変革は進化によりて徐々に行われ、無政府主義者の革命によりて行わんと欲するような急激なものではない。/2.人類の歴史は階級闘争の歴史である。然るに無政府主義者は、革命を以て階級戦でないと云うのは怪しからぬ。/3.法律と議会とは現支配階級に依りて、彼らの目的を達成するために用いられた。我々は何故に我々の目的を達成するために、それを用いることができないか。/4.人間生活には組織が必要だ。組織それは政府を意味する。然るに無政府主義者は組織がない。それ故にその実行は不可能だ。/5.人間は十人十色である、しかも完全でない、それ故に、行為の基準となるべき法律が必要だ。しかあらざれば世の中は真っ暗になる。/6.社会は有機体である、有機体はその中央で管理される、それ故に人間は頭脳によりて支配され、社会は政府によりて支配される。/7.社会の進歩には階段がある。先ず社会主義の時代が来て、それから無政府主義の時代が来る。/8.何のオーケストラもコンダクターが指揮する、社会だってその通りだ、だから、政府がなくては駄目だ。/9.働かない人があったらどうするか。/10.競争を廃することは、働く刺激をなくすることだ。/11.犯罪者はどうするか。/復刻版由来記・古川時雄/革命の歌(改訂)