反体制エスペラント運動史 大島義夫・宮本正男 著  三省堂 1974725

  
まえがき目次
1章 世界を結ぶ一つの言葉
人類の未来を信じて/黎明期の学習者・運動者たち/エスペランチストの思想的分類/堺利彦の先駆的文章
2章 大杉栄をめぐる人びと
一犯一語主義-エスペラント学校を開く/「主義者」の時代/在日中国人にエスペラントを教える/福田国太郎のこと/相坂佶のこと/アナキストたち-山鹿泰治らのこと
3章 北一輝と出口王仁三郎
二・二六事件将校の手記から/北一輝の誤れる国際語論/北とエスペラント-ひとつの推定/大本教とエスペラント-源流は北一輝か/大本教のエスペラント運動/左へ右へ大本教の平和運動/体制的な、あまりにも体制的な……
4章 緑化か赤化か
「第一次」共産党の人びと-片山潜ほか/水平社のエスペランチストたち/山川均とその周辺/クララ会と佐々城松栄/つぼみ落つ-山口小静
5章 神を殺す人びと
大正デモクラシーのころ-新人会の人びと/盲目の詩人エロシェンコに魅せられて/暗黒から光明ヘ-秋田雨雀/『種蒔く人』の活動家-佐々木孝丸/「学連」の闘士たち-伊東三郎・武藤丸楠/獄中のエスペランチストたち
6章 希望と嵐の時代-プロレタリア・エスペラント運動の足跡
「十月の嵐」にゆさぶられて/柏木ロンド-プロ科の成立ヘ/プロ・エス運動の旗上げポエウの創立/ポエウ、多彩な活動を展開/統一文化戦線の一翼として-コップへの加盟/弾圧の下でのポエウ第二回大会/イーペ創立大会への密航事件/ポエウ潰滅への道/獄中から立候補、当選-小岩井浄のこと/教育活動家たち
7章 人民戦線を指向して
弾圧に抗して-当時の共産党/『マルシュ』の発足-運動の地方分散/『国際語研究』と『エスペラント文学』/死を賭した人びと-斉藤秀一らのこと/ディミトロフ報告のエピソード/中国人留学生のこと-運動の終焉へ/根こそぎの迫害-ソ同盟とドイツで/解放の担い手、中国のエスペラント運動
8章 自由主義者も相ついで
ピンクも白もねらわれて・・・/大空詩人の過去-永井叔のこと/兵役拒否→転向-イシガ・オサムのこと
9章 戦う中国で-長谷川テルの生涯
奈良女高師文化サークルで/東京で活動-中国人と結婚/日本脱出-嵐の中国へ/抗日の怪放送/冬来たりなば-重慶で/北の空に消えた星
10章 雲と火の柱-戦後の運動
敗戦-運動の再出発/原爆反対のために/『世界の子ども』を編さん/もっとも政治的な死-由比忠之進の焼身自殺/中国の運動と手を結んで……/今後の課題-アジア・アフリカへの視点
参考文献
エスペラント運動史小年表あとがき
カバー絵 安田勝彦『世界エスペラント大会』1965)
表紙 スペイン共和国(人民戦線政府)発行のエスペラントのシール