三一書房 アナキズム叢書 全8巻 目次 1970年2月~1972年1月刊

アナキズム叢書『バクーニン Ⅰ』  三一書房  1970228

国家と無政府(石堂清倫訳)-3
序論-5/附録 A237
テクスト解題および凡例
1、『国家と無政府』(Гocyдapcтвeннocтъ  иAнapxия)は1873年秋の執筆であり、バクーニンがロシア語で書いた数すくない著書のうちもっとも重要なものである。同年スイスで執筆され、秘密のうちにロシアにもちこまれ、70年代の「人民のなかへ」の運動に大きな影響をあたえたものである。第一部序論となっているが、続稿は未完である。
1、本書の台本は191921年刊行の五巻選集第一巻(Избpaнные coчинeния,  Tом. I. иэд. Гoлoc  Tpyдa)である。レーニング校訂のライデン版Archives Bakounine  III, 1967 (原文とフランス語訳)、フェルトリネッリ社版Stato e anarchia e altri scritti, 1968を参照した。付録Aはъ. C. Итeнбepr Peвoлo-циoннoe  нapoдничecтвo 70-x  roдoв XIX  вeкa. TOM. I.1964)のテクストをとり、ライデン版を参照した。
1、マルクスは本書のくわしい抜書と評註をつくった(現行、モスクワおよび東独版マルクス・エンゲルス著作集第18巻、大月書店版マルクス・エンゲルス全集第18巻所収)が、この部分の邦訳は1962年に『バクーニン・ノート』として刊行されている(合同出版社)ので、マルクスのバクーニン評価に関心ある読者の参照を期待する。
1、バクーニンによる註は(原註)を付し、訳者による註(*)と区別してある。
1、標題の「国家」はロシア語Гocyдapcтвeaннocтьの訳語である。ドイツ訳Staatlichkeitは「国家性」と解されないでもないが、バクーニンはむしろ国家主義、国家中心主義の意味に使っているので、フランス訳étatisme, esprit  étatique  tligマクシモフの英訳Statism G. P. Maximoff. The Political Philosophy, 1952)にならい、本文中では「国家主義」とした。
神と国家(勝田吉太郎訳)-259
テクスト解題および凡例
1、訳出したこの論文は、18714515日に執筆された。
『神と国家』と題されたバクーニンの論文には二種類のものが流布している。それらはいずれも、バクーニンの死後、彼の友人や門下が、残された草稿を整理し、この表題の下に発表したものである。
一つは、1882年にC・カフィエロとE・ルクリュの両人により、ジュネーヴで出版された。これは、その後同じ表題で英語、ドイツ語にも翻訳され、わが国では、1929(昭和4)年に、本荘可宗氏が、英語版から重訳している。他は、J・ギョームが編集したフランス語版『バクーニン著作集』第一巻に収められている『神と国家』で、ここに訳出したものである。
1、 翻訳に際しては"Dieu et  L'etat", Michel  Bakounine,  CEuvres, t. I, Paris P. V. Sto ck), 1900. pp. 261326を底本とし、同時にБos u Гocy бapcm вo”  M.A.  Бakyнин,  Избpaнныe  Coчинeния, TOM. I.(Ф. А. К. Г., 1920. cтp.  310356を参照した。
1、本文において、〔 〕は原文の補説を、傍点を付した箇所は原文がイタリック体であることを示す。また、バクーニンによる註は(原註)と記し訳者による註または補訳(*)とは区別した。
パリ・コミューンと国家の観念(江口幹訳)-307
  テクスト解題および凡例
1、訳出した論文は、187165日から23日にかけて書かれた未完の著作である。バクーニンはこれを、当時第一分冊の出ていた『鞭のドイツ帝国と社会革命』の第二分冊の序文に予定していたが、結局断片的な草稿のまま残された。1878年にエリゼ・ルクリュは、この断片に「パリ・コミューンと国家の観念」の題を付して、ジュネーヴのアナキズム評論誌『ル・トラヴァイユール』に発表し、その後、各国語の小冊子として出版され、広く流布した。(以上、ドイツ語版『バクーニン選集』第二巻のネットラウの解説による)。
  わが国では、1930年(昭和5年)に近代評論社から発行された『バクーニン全集』第三巻に、新居格氏の訳がある。
2、翻訳に当ってはNi dieu ni ma ître, Editi ons de  Delphes, Pairs, 1965, p. 249-260 12.によった。
3、原文の中で大文字体あるいはイタリック体の箇所は、訳文では傍点を付した。また、バクーニンによる註は(原註)を付し、訳者註は(*)を付して区別した。
解説(勝田吉太郎)-327
1)哲学的遍歴 2)自由の福音-神と国家に対する叛逆 3)マルクス対バクーニン-「プロレタリアート独裁」と権威主義的共産主義に対する弾劾 4)結論

アナキズム叢書『バクーニン Ⅱ』  三一書房  1970630

告白(内海周平訳)-3
軍務を退きドイツ哲学に没頭/哲学病からの脱却/ドレスデンに移る/スイスでの政治的幻滅/パリの生活/パリ追放/ブリュッセルの生活/二月革命/ブレスラウへの途上/スラブ会議/ロシア革命の幻想/ドイツでの罪/スパイの嫌疑/ボヘミアにおけるスラブ革命の幻想/ドイツ民主主義者の革命活動/革命の前兆/ドレスデンの暴動/
解説(内海周平)-153
凡例
1、本訳書は≪Maтepиaлы  для Ъиorpaфии M. ЪakyнинaTOM 1,  Mocквa, Гleтporpaд 1923  に牧録されている"Иcnoвeдb"、の全訳である。
1、バクーニン自身によって抹消された部分は〔 〕のなかに入れ、ニコライ一世の注意がきは欄外に、原文の当該箇所に入れた。
1、水平または垂直の線は、当該箇所を強調するためにニコライ一世自身によって付されたものである。
1、原文の隔字体の部分は訳文では傍点をふってこれをしめした。
1、バクーニン自身の注は*印、訳者注は(1)(2)……でしめし、各段落末に入れた。
1、本文中ドイツ語またはフランス語で書かれた部分は原文を残し、( )内に邦訳を付した。
1、本文中の見出しは原文にはないが、読者の便をはかって訳者がこれを加えた。
連合主義・社会主義および反神学主義(長谷川進、林辰男訳)-159
ジュネーブ、M・バクーニンの平和・自由同盟中央委員会への理由付提議
1 連合主義-1702 社会主義-1843 反神学主義
解説(長谷川進、林辰男)-295
成り立ち/連合主義と社会主義/反神学主義

アナキズム叢書『クロポトキン Ⅰ』  三一書房  19701130

叛逆者の言葉(三浦精一訳)
序 エリゼ・ルクリュ-7
Ⅰ 情勢-11/Ⅱ 国家の解体-17/Ⅲ 革命の必然性-22/Ⅳ 来るべき革命-28V 政治的権利-33/Ⅵ 若い人たちに-39/Ⅶ 戦争-61/Ⅷ 革命的少数派-68/Ⅸ 秩序-74/Ⅹ コミュン-79 パリ・コミュン-89 農業問題-105/ⅩⅢ 代議政体-122/ⅩⅣ 法律と強権-153/ⅩⅤ 革命政府-174/ⅩⅥ 誰でもみんな社会主義者だ!-188/ⅩⅦ 叛逆の精神-193/ⅩⅧ 理論と実際-214/ⅩⅣ 収用-220
解説『叛逆者の言葉』について(三浦精一)-239
テクスト解題および凡例
この≪叛逆者の言葉≫は、クロポトキン(19421921)が、フランスのクレールヴォーの監獄につながれていた間に、親友エリゼ・ルクリュが編集し、1885101日付の序文をつけて発行したものである。1879年から1882年の間に、ル・レヴォルテ(叛逆者)誌に発表されたものである。
この≪叛逆者の言葉≫はクロポトキンの壮年期のもので、その思想の全体が要約されていると言えるものである。この中の≪青年に訴う≫は世界のほとんどあらゆる言葉に訳され、日本では1907年に、大杉栄が英語から訳したものが出ている。フランス語のものとは小異があり、題名のフランス語では≪若い入たちに≫となっている
台本に使用したのは、パリのエルネスト・フラマリオン発行のものだが≪新版≫とあるだけで、印刷、発行の年月は不明である。
この本の日本語訳は、昭和4年(1929年)825日付で平凡社から、社会思想全集第29巻の中に石川三四郎、望月百合子共訳で出ている。
本書の訳文中「 」で囲んだものは原本でイタリックになっているもの、ゴチック活字のものは原本でキャピタルを用いてあるものである。原註は( )の中に算用数字であらわし、訳註は*印で表示したが、簡単なものは文中で( )の中に入れた。
コミュンは市町村、自治体、共同体と訳される言葉だが、そのまま用いることにした。文中に出て来る「共同体」はcollectivitéまたはcommunautéの訳語である。
本書において多くの揚合、無政府共産主義が、社会主義という言葉で表現されている。無政府共産主義こそ真実の社会主義だからである。
相互扶助論(大沢正道訳)-251
1914年版への序文-253
序論
1章 動物間の相互扶助-265
 生存競争-自然の一法則で有り、前進的進化の主要な要因としての相互扶助-無脊椎動物-アリとミツバチ、鳥類、狩猟と漁労の集団-社交性-小鳥同士間の相互保護-ツル、オウム
2章 動物間の相互扶助(つづき)-287
 島の移住-繁殖集団-秋の社交-哺乳類、少数の非社交的な種-オオカミ、ライオン等の狩猟集団-齧歯類、反芻動物、サルの群れ-生存闘争のなかの相互扶助-種内部の生存闘争を立証したダーウィンの論議-過剰繁殖に対する自然の制御-一連の中間型のいわゆる絶滅-自然における競争の排除
3章 野蛮人間の相互扶助-319
 万人に対する各人の戦いという仮定-人間社会の部族的起源-独立家族の最近の出現-ブッシュマンとホッテントット-オーストラリア諸族とパプア族-エスキモーとアレウト族-ヨーロッパ人には理解しがたい野蛮生活の様相-ダイヤク族の正義の概念-コモン・ロー
4章 未開人間の相互扶助-349
 民族大移動-新組織が必要になる-村落共同体-共同作業-裁判手続き-部族間の法-同時代人の生活からの例証-ブリヤート族-カバイル族-コーカサス山岳民-アフリカ諸種族
5章 中世都市の相互扶助-377
 未開人社会内の権威の発達-部落内の農奴制-武装都市の叛逆、解放と特許状-ギルド-中世自由都市の二重の起源-自治裁判と自治管理-労働の名誉ある位置-ギルドと都市による取引
6章 中世都市の相互扶助(つづき)-403
 中世都市の類似点と相違点-手工業ギルド、そこでの国家性-都市の農民に対する態度、農民を解放する試み-領主-中世都市の、芸術上、学問上の成果-没落の諸原因
7章 われわれ自身の間の相互扶助-431
 国家時代の始まりにおける大衆の叛乱-現在の相互扶助制度-村落共同体、国家による廃止に対する抵抗闘争-現存の村落でも続いている、村落共同体生活に由来する習慣-スイス、フランス、ドイツ、ロシア
8章 れわれ自身の間の相互扶助(つづき)-459
 国家によるギルドの破壊以後発達した労働組合-労働組合の闘争-ストライキ中の相互扶助-協同-さまざまな目的のための自由な集団-自己犠牲-あらゆる可能な様相の下で結合行動をめざす無数の結社-スラム生活での相互扶助-個人的扶助
結論-483
付録
 チョウ、トンボなどの群れ(20頁参照)/ アリ(22頁参照)/Ⅲ 営巣集団(37頁参照)/Ⅳ 動物の社交性(42頁参照)/Ⅴ 過剰繁殖に対する制御(64頁参照)/Ⅵ 競争を回避するための適応(65頁参照)/Ⅶ 家族の起源(75頁を見よ)/Ⅷ 墓の上での私有物の破壊(84頁参照)/Ⅸ 「集中家族」(104頁参照)/Ⅹ ギルドの起源(142頁参照)/ⅩⅠ 市場と中世都市(153頁参照)/ⅩⅡ 今日のオランダ農村での相互扶助制度(198頁参照)

解説 『相互扶助論について』(大沢正道)-511
テクスト解題および凡例
1、『相互扶助論』(Mutual Aid, A Factor of Evolutionは、序文にあるとおり、18909月から18966月にかけて雑誌『十九世紀』に連載され、1902年、単行本として刊行された。
1、翻訳に際しては、1955年刊行のExtending Horizons Books版(ボストン、アシュレー・モンタギューが序文を寄せている)を底本として用い、大杉栄訳『相互扶助論』(『クロポトキン全集』第71928年春陽堂所収)と室伏高信訳『相互扶助』(『世界大思想全集』第341928年春秋社所収)とを参照した。
1、原文中の著者の脚註は、各センテンスの終わりに番号順におき、日本の読者のための訳註は、割註とした。
1、新聞、雑誌名、書名には『 』を付し、論文、強調、引用などには「 」を付した。
1、原文中のイタリックは、新聞、雑誌、書物の場合をのぞき、傍点を付した。また、動植物の学名、本文中の引用および脚註の書名は、読者の便宜を考え、原則として原綴のままとした。

アナキズム叢書『クロポトキン Ⅱ』  三一書房  19701130

パンの略取(長谷川進訳)
編者序-5/序文(英語版)-11
1章 われらの富-19/第2章 万人の福祉-29/第3章 無政府共産主義-39/第4章 収用-48/第5章 食料-59/第6章 住居-81/第7章 衣服-90/第8章 手段と方法-93/第9章 贅沢の欲求-100/第10章 愉快な労働-114/第11章 自由合意-122/第12章 反対論-136/第13章 集産主義的賃銀制度-152/第14章 消費と生産-167/第15章 分業-174/第16章 工業の分散-177/第17章 農業-186
解説『パンの略取』について(長谷川進)-209
テクストおよび凡例
一、本訳書は Pierre Kropotkine, La  Conqu ê te du Pain, 19 18の全訳である。
一、原著は、もと1860年代の後半パリの『叛逆』La Revolte誌に掲載し、のちに手をいれた論文を、エリゼ・ルクリュの編集で1892年に出版したものである。
一、訳出の上では、1906年に出た英訳の1913年新版を参照した。むろん論旨に変りはないけれども、表現の点ではかなりのちがいがある。表現をより明確にし、あるいは補足したと思われる個所については、適宜英文によることにした。
一、書名の「略取」は「征服」または「獲得」とするのが適切であろうが、あえてこの歴史的名称をとった。ちなみに、従前の邦訳はみな英語版からである。
一、原文でイタリックと大文字の個所は傍点を付し、著者の註は(原註)、訳者の註は(*)で示した。また本文中( )は著者の、[ ]は訳者の註記である。
田園・工場・仕事場(磯谷武郎訳)-217
序文-219/第一版への序文-223
第1章工業の分散-227
 分業と合成-工業的熟練の普及-各国民がそれ自身の生産物の生産者である-イギリス-フランス-ドイツ-ロシア-「ドイツの競争」
第2章       工業の分散(続き)-247
イタリアとスペイン-インド-日本-合衆国-綿、羊毛および絹貿易-各国が主として国内消費者に頼る必要性の増大
第3章       農業の可能性-267
 農業の発展-過剰人口という偏見-イギリスの土地はその住民を養うことができるか-イギリスの農業-フランス、ベルギー、デンマークの農業との比較-市場園芸、その成果-イギリスで小麦を栽培することは有利か-アメリカ農業、州の集約耕作
4章 農業の可能性(続き)-317
 マルサス理論-小麦栽培の進歩-東フランドル-チャンネル諸島-じゃがいも収穫の過去と現在-灌漑-ハレット少佐の実験-移植された小麦
5章 農業の可能性(続き)-337
 フランスと合衆国における市場園芸と果物栽培の拡大-温室菜園-ガーンジー、ジャージー、ベルギーにおける温室栽培/結論
6章 小工業と工業村落-369
 工業と農業-小工業-いろいろのタイプ-イギリスのシェフィールド、リーズ、湖水地方、バーミンガムの小業種-統計資料-フランスの小業種、機織やその他さまざまな業種-リヨン地方/パリ、小業種の中心地-1896年のセンサスの結果
7章 小工業と工業村落(続き)-415
 ドイツの小業種。この主題についての討議と到達した結論-18821895、および1907年に実施されたセンサスの結果-ロシアの小業種-結論
8章 精神労働と肉体労働-435
 科学と手工(ハンディクラフト)の分離-技術教育-完全な教育-モスクワ方式。シカゴ、ボストン、アバディーンへのその適用-具体的な教え-現在の時間の浪費-科学と技術-科学が精神労働と肉体労働の結合から引き出すことができる利点
9章 結論-461
付録-467
A イギリスの海外投資/B フランスの輸入/C ロシア工業の成長/D ドイツの鉄工業/E ドイツの機械/F ドイツの綿工業/G オーストリアの鉱業と織物/H インドの綿の製造/I 合衆国の綿工業/J 国際貿易におけるイギリスの位置についてのギッフェン氏の数字とフラックス氏の数字/K ベルギーの市場園芸/L チャンネル諸島-シリー諸島/M イタリアの灌漑された牧草地/N 植えられた小麦/O 植え代えられた小麦/P イギリスへの野菜の輸入/Q ベルギーの果物栽培/R オランダの温室栽培/S 温室で栽培されたデザート用のブドーのロンドンでの価格/T 農業における電気の利用/U リヨン地域の小業種/V パリの小工業/W 1896年のフランスの工業センサスの結果/X ドイツにおける小工業/Y スイスの家内工業
解説『田園・工場・仕事場』について(磯谷武郎)-515
テクストおよび凡例
一、使用したテクストは、P. Kropotkin, Fields, Factories and Workshops; or, Industry combined with agriculture and brain work with manual work. New revised and enlarged edition, London, n. d. [Pref. 1912]である。
一、傍点は原文がイタリックの個所をさす。クロポトキンによる註は*、**……で示し、訳者の註は訳註と記した。特記のないかぎり、[ ]は訳者の挿入である。
一、邦訳に際しては、各種の邦訳とドイツ語訳、Landwirtschaft, Industrie und Handwerk, Berlin. 1921を参照した。

アナキズム叢書『プルードン Ⅰ』  三一書房  1971515

19世紀における革命の一般理念
ブルジョワジーに-5
19世紀における革命の一般理念-11
1研究 反動が革命を規定する-13
 1、革命の力について22月以降の反動と革命の平行した進展/3、反動の無力と革命の勝利
2研究 19世紀に革命の充分な理由があるか?-43
 1、社会における傾向の法則-革命は、1789年には、その事業の半ばしか達成しなかった/2、経済力の無政府状態。貧困化への社会の傾向/3、政府の異常性と暴政および腐敗への傾向
3研究 結社の原理について-81
4研究 権威の原理について-109
 1、伝統的政府否定論、およびそれに続く理念の出現/2、権威理念の一般的批判(1 定立-絶対的権威・2 法・3 立憲君主制・4 普通選挙・5 直接立法・6 直接政府、または93年の憲法-政府理念についての記謬法
5研究 社会的清算-181
 1、国民銀行/2、国の負債/3、抵当債務と単純債務/4、不動産、建物/5、土地所有
6研究 経済諸力の組織化-217
 1、信用/2、財産/3、分業、集合力、機械、労働者組合/4、価値の制定-廉価の組織/5、対外貿易-輸入と輸出のバランス
7研究 政府の経済組織への解消-255
 1、権威なき社会/2、政府の機能の除去、宗教/3、司法/4、行政、警察/5、公共教育、公共事業、農業と商業、金融/6、外交、戦争、海運/
結語-309
解説 陸井四郎-325  プルードンの思想形成
この本は、PJ・プルードンの主著の一つ、『十九世紀における革命の一般的理念』(P.-J.Proudhon,Idée  générale de ln  Révolution  au  XIXe  siécie. 1851.)の全訳である。
プルードンは本書をパリの獄中で書いた。彼は、ルイ・ボナパルトを攻撃した二つの論文(『人民』〔Le Peuple1849126日および27日号に発表)のため、184965日に逮捕され、3年の刑を宣告されて入獄していたからである。二月革命の敗北につづく反革命の嵐のなかで「革命」が沈黙しているとき、彼はその「革命」が時代の必然であることを
獄中から情熱的に語りかける。そして革命が実現すべき「無政府」の秩序を、これまでよりいっそう具体的に描いてみせる。この二つの点で、本書は、「アナキズムの父」プルードンの思想の手引の役割を果たすものとなっている。
翻訳の底本としては、1923年の『プルードン全集・新版』CEuvres complétes de  P.-J. Proudhon, Nouvelle édition, publiée avec des notes et des documents  inédits, sous la Pirection de C.  Bouglé et H. Moysset, Marcel  Riviére,  1923.)を使つたが、それは、この版の編注が便利なためである。この版の本文は、1868年の最初の全集版(CEuvres complétes de P.-J. Proudhon, tome X, Librairie Internationale, Paris, 1868)のテクストを再録したものであるが、前者では、後者の誤植の多くが訂正されている一方、後者にある一パラグラフがまるまる脱け落ちたりしている。段落の切り方も、両者に異同がある。訳稿では、脱漏は1868年版で補い、また改行も68年版に従っている。
訳出に当たっては、序言、第1、第6、第7研究、および結語は陸井が、第2、第3、第4、第5研究は本田が、それぞれ分担して訳出したのち、訳稿を交換して、訳語の統一と誤りの訂正を行なったが、文体はそれぞれの訳者のものがかなり残っているはずである。
なお訳者による註は〔 〕でかこんだ。

アナキズム叢書『プルードン Ⅱ』  三一書房  1972131

労働者階級の政治的能力
序 マクシム・ルロワ-7
序 ギュスタヴ・ショーデェ-47
選挙に関して私の意見を求めたパリとルーアンの労働者諸君へ-49
1部 政治の舞台に登場した労働者デモクラシー-53
1186361日の夜-53
2章 政府の一味、反対派の領袖共によってつくられた作戦計画=初めて庶民の思想に沿い自分の思う通りに行動する労働者庶民は、いかに彼等の計画の裏をかくか=投票の数字的結果。農民の投票の意義-59
3章 あり得ない状況-77
2部 労働者の思想の発展、経済的権利の創造-91
1章 政治的能力とその条件について。真実の能力と法的能力。-意識と思想-91
2章 1789年以来、労働者階級はブルジョア階級といかに異って来たか。この事実から、労働者階級はいかに意識を取得したか-ブルジョア意識のあわれむべき状態-99
3章 労働者思想の解放-1、共産制、あるいはリュクサンブール制-109
4章 2、すなわち宣言の方式-近代の大衆の中における相互連帯思想の自然発生-定義-129
5章 相互主義思想の歴史的運命-138
6章 相互主義思想の力、適用の普遍性-いかにして道徳のもっとも基本的な原理が経済的権利の基礎に、そして新しい機構の主軸になって行くか-第一例、保険-143
7章 供給と需要の経済的法則、相互連帯の原理によるこの法則の是正-148
8章 労働と賃金に対する相互連帯の原理の適用-真実の商業と投機売買について-151
9章 相互連帯に対する立法の傾向-169
10章 相互連帯の原則による賃借料の軽減-172
11章 運輸業に対する相互連帯の適用-発送人、仲介業者、運搬人および受取人の間の経済的権利の関係-鉄道および公共業務-179
12章 相互信用について-188
13章 相互連帯による組合について-198
14章 政府における相互連帯-政治的原理と経済的原理の同一性の概念-労働者民主主義は自由と秩序の問題をいかに解決するか-210
15章 相互主義政策に対する反対論-回答-国家崩壊の第一原理-新しい民主主義における政治的および経済的機能の関係-220A.経済的機能-226B.政治的機能-228
16章 ブルジョア二元論。構造的対立-労働者思想の優越性-238
3部 政治的非両立性-結論-249
1章 ある政治的破門。労働者民主主義のために分離を宣言する必然性-249
2章 1 政治的道徳。1789年以前および以後の宣誓。市民的宣誓と憲法的宣誓の矛盾。-宣誓の変造のために歪曲されたフランスの政治的道徳-2612 宣誓とオルレアン派/3 宣誓と王党および共和派/4 宣誓と新しい民主主義
3章 普通選挙-非両立性-284
4章 市町村の自由について。本質的に連合主義であり、中央集権組織と両立できないこの自由は、反対派によって要求され得るものでも、帝政政府によって認可されるものでないこと-302
5章 予算-反対派ならびに政府が主張する政治制度にともなう正規課説の不可能性-償却、皇室費、年金、俸給、軍隊、鉄道等、-ティエール、ベリエ、J.ファーヴル諸氏、および自称民主主義反対派-315
6章 言論出版の自由-集会および結社の権利、中央集権制とその非両立性-337
7章 国民教育-民衆が受ける権利を持っている教育は、反対派や政府によって採用されている経済政治組織と両立できない-民主主義的教育の条件-356
8章 労働の保証と交換の保証とは中央集権制と両立しない-政治的中央集権と資本的、商業的封建制とは労働者の解放ならびに中等階級の進歩に反対して、どのように同盟しているか。-自由貿易の陰謀-368
9章 労働者の同盟。現在の経済政治制度の中の解決できない問題-社会的矛盾の不思議な現象-反対派の役割-369
結論-426
附録
セーヌ県の六十人の労働者の宣言-437
(オピニヨン・ナショナル紙、1864217日、タン紙、1864218日、所載)
八十人の反対宣言-448 (ル・シエークル紙 1864229
補遺-451
解説『労働者階級の政治的能力』について 三浦精一-453
『労働者階級の政治的能力』について/プルードンにつて-略年譜にあわせて
解題と凡例
台本として使用したのは、マルセル・リヴエ-ル社の全集中のDe La  Capacité Politique des Classes  ouvriéres, 1924でマクシム・ルロワの序文と詳註がつけられている。-総ぺージ数423ぺージの全訳である。前に世界大思想全集の第16巻として石川三四郎氏の訳が春秋社から出ている。
これはプルードンの最後の著書で、結論としてまとめることは、友人のショーデェに依頼して死んでいる。若い日に≪私の希望は、もっとも多数で、もっとも貧困な階級のために≫と誓ったブルードンが、労働者階級にのこした、その生涯の思想の集成とも言えるものである。
訳文中「 」で囲んだものは原本でイタリックになっているもの、ゴチックにしたものはキャピタルを用いてあるものである。
ルロワによる註は序文のものの外、すべて通し番号になっていて、各ページの下段につけられているが、便宜上各章末にまとめた。その中にPとあるのはプルードン自身のものである。訳註は*をつけて各節の後につけることにした。これは日本の読者には是非必要と思われるものである。
ブルードンは無政府主義者と最初に名乗りを上げたのだが、この無政府という字を一般の慣用にしたがって、混乱といった意味に、随所に用いている。本書ではプル;ドンが使用した通りにそのまま無政府として用いた。アナルシーは最高の秩序と考えるわれわれには避けたい気もしないでもなかったが、あるがままであることこそアナルシストだと思ったからである。
石川三四郎氏は、この訳が出たことを喜んで下さると思う。

アナキズム叢書『プルードン Ⅲ』  三一書房  1971615

所有とは何か
所有とは何か
または法と統治の原理に関する探究
第一の覚書(1840年)
Adversus hostem aeterna auctoritas esto.
所有権は外人に反して永久なり。(長期間の占有を以てするも外国人はローマ市民の所有権を取得することを得ず。
十二銅板法
註解者序論-7
序文〔第二版〕-25                                 

1章 本書において採用された方法-革命の観念-39
2章 自然権とみなされる所有について-所有の有効原因としての先占および民法について-69
1節 自然権としての所有について
2節 所有の基礎としての先占について
3節 所有の基礎および裁可としての民法について
3章 所有権の有効原因としての労働について-111
1節 土地は専有されえない
2節 普遍的同意は所有を正当づけない
3節 時効は決して所有を取得せしめることはできない
4節 労働について-労働はそれだけでは自然物に対していかなる専有能力も有しないこと
5節 労働は所有の平等に通ずること
6節 社会において賃銀はすべて平等であること
7節 能力の不平等は財産の平等の必要条件であること
8節 正義の秩序においては、労働は所有を破壊すること
4章 所有は不可能であること-173
所有は物理的および数理的に不可能である
論証-公理-175
第一の命題-所有は不可能である。なぜなら、それは無に対して何かを要求するものだからである。-180
第二の命題-所有は不可能である。なぜなら、所有が認められているところでは、生産にそれが相当するより多くの費用がかかるからである。-189
第三の命題-所有は不可能である。なぜなら、一定の資本のもとでは、生産は労働に比例し、所有に比例するのではないからである。-193
第四の命題-所有は不可能である。なぜなら、それは人殺しだからである。-197
第五の命題-所有は不可能である。なぜなら、社会は所有によって己れを食い尽すからである。-202
第五の命題への補遺-213
第六の命題-所有は不可能である。なぜなら、それは圧制の母だからである。-224
第七の命題-所有は不可能である。なぜなら、所有は取得する物を、消費することによって失い、貯蓄することによって無効にし、資本化することによって生産に敵対させるからである。-226
第八の命題-所有は不可能である。なぜなら、その蓄積力は無限であるのに、それが働きかけるものの量は有限でしかないからである。-232
第九の命題-所有は不可能である。なぜなら、それば所有に対して無力だからである。-234
第十の命題-所有は不可能である。なぜなら、それは平等の否定だからである。-238
5章 正義および不正の観念の心理学的説明と統治および法の原理の確定-241
第一部
第一節 人間および動物の道徳感について-243
第二節 社交性の第一および第二の段階について-248
第三節 社交性の第三の段階について-256
第二部
第一節 われわれの誤謬の原因について。所有の起源。-267
第二節 共同体および所有の特質-275
第三節 第三の社会形態の確定。結論。-294
解説 長谷川 進-303
凡例
本書はPierre-Joseph Proudhon, Qu'est-ce-que  la  Propriêtê? ou Recherches sur le Principe du Droit et du Gouvernement (1840)の全訳である。テキストには新版全集の、Michel  Augélaribé解説および註釈のもの(1926)を用いた。
戦前にも二、三邦訳されたが、いずれも英訳からの重訳である。
註釈で、Pと印したのは著者の、数字で示したのは註解者の、※印および本文中〔 〕のなかに記したものは訳者の付したものである。
連含の原理319
序文-321
1章 政治の二元論-権威と自由、二つの観念の対立と関連-331
2章 政治秩序についてのアプリオリな観念、権威の制度、自由の制度-335
3章 統治の諸形態-339
4章 諸原則間の取引、政治における矛盾の起源-346
5章 現実における統治、社会の解体-352
6章 政治問題の位置-解決の原理-361
7章 連合の思想の発掘-367
8章 進歩的憲法-376
9章 連合の遅延、遅れている理由-384
10章 政治の観念論、連合的保証の効果-393
11章 経済的裏づけ、農・工連合-404
結論-413
解説『連合の原理について』 江口 幹-423
テクスト解題および凡例
1、訳出した文章は、1863年に刊行された、『連合の原理と革命派再建の必要について』の、序文、第一部 連合の原理、および結論、である。同書の第二部、第三部は割愛した。いずれも時事的なポレミックであって、19世紀欧州政治史の資料としてはともかく、思想の表明としては散漫であり、読者にとっても徒らに煩瑣であろうと思われたからである。連合についてのプルードンの思想は、訳出した第一部のみによって、十分に、的確に、手際よくうかがうことができる、と信ずる。
1、本書は、『連合の原理』の事実上の初訳である、と見て差支えないと思う。これまで、第一部の部分については、翻訳と称するものが刊行されたことがあり、それは1949年に社会思想研究会出版部から出された、小野重雄訳『労働権と財産権、連合主義論』のうち、連合主義論と題されたものであるが、これは、確かに正確な部分も見られはするものの、訳は一般に不正確で粗雑であり、そればかりでなく、多くの誤訳、恣意的な省略と書き加え、おそらくは故意の脱落、変造に満ちていて、翻訳というよりは、でっちあげた作文というのにふさわしいものである。こうしたものが、プルードンの名を冠して刊行されていた事実には、義憤とともに空恐ろしさを感ずる。
1、翻訳に当っては、Du principe  fédératif et  la  nécessité de reconstituer le parti de la révolution, J. = P. Proudhon, E. Dentu, によるとともに、CEuvres complétes de  P.  - J. Proudhon, Du principe  fédératif et  oeuvres diveres sur les  problémes politiques  européens, Librairie Marcel  Ri-vière,  1959を参照した。
1、原文中の大文字体およびイタリック体は、訳文では傍点を付した。原注は数字を付して各章末にまとめ、訳注は本文中の( )内に小活字で挿入した。
1、訳語はほぼ慣例によっているが、プルードンの用語は、独特なプルードン的な概念をこめて用いられることが多く、一般通念とは違った意味で使われていることが少なくないので、注意して読んでいただきたい。

アナキズム叢書『ネットラウ』  三一書房  19701031

アナキズム小史
イタリア語版訳者まえがき-1
1章 自由と無政府-その最古の発現。■1789年までのリバタリアン的概念。-29
2章 ウィリアム・ゴドウィン。■「光明会派」。■ロバート・オーエンとウィリアム・トムソン。■フリエとフリエ主義者。-43
3章 アメリカ合衆国、イギリス、その他の国における個人主義的アナキズム。■アメリカの古いリバタリアン的知識人。-61
4章 プルードンと諸国とくにフランス、スペイン、ドイツにおけるプルードン主義理念。-77
5章 マックス・シュティルナーからオイゲン・デューリングおよびグスターフ・ランダウアーにいたるドイツにおける無政府理念。-89
6章 フランスの初期の共産主義的アナキストとその他のリバタリアン的先駆者。■「リュマニテール」のグループ。■ベルガリーグ。■若いエリゼ・ルクリュ。■デジャック。■クールドロワ。-103
7章 スペイン、イタリア、ロシアにおけるアナキズムの起源-カタルニャの諸結社、ピ・イ・マルガル、ピサカーネ、バクーニン。■1870年にいたるその他のヨーロッパ諸国におけるリバタリアン的足跡。-125
8章 インタナショナルにおける反権威主義的集産主義の起源。-145
9章 1869年から1872年までのインタナショナル内のリバタリアン理念。■「労働代表団」。■サンディカリスム的未来社会概念の起源。■パリ・コミューンと自治体主義。-161
10章 1869年(ヴェルヴィエ大会)までの反権威主義的インタナショナル。■1876年および1880年における共産主義的アナキズムの起源。-179
11章 アナキストと革命的社会主義者。■ピョートル・クロポトキン。■エリゼ・ルクリュ。■1877年から1894年にいたるフランスの無政府共産主義。-199
12章 イタリアにおける共産主義的アナキズムとマラテスタおよびメルリーノの解釈(18761932年)。-225
13章 スペインにおける集産主義的アナキズム。■「形容詞なしの」アナキズム。■リバタリアン的共産主義。■18701931年の概観。-239
14章 1880年ごろ以降のイギリス、アメリガ合衆国、ドイツ、スイス、ベルギーにおける無政府理念。-271
15章 オランダとスカンディナヴィア諸国における無政府運動および労働組合運動。-299
16章 その他の諸国、ロシア、アフリカ、オーストラリア、ラテン・アメリカにおける無政府理念および宣伝。-317
17章 フランスにおける革命的サンディカリスム-エミール・プジェとフェルナン・ペルーティエ。■クロポトキン、マラテスタとサンディカリスム(18951914)。-343
18章 1895年から1914年にいたるフランスのアナキズム。■1914年から1934年までの概観。■戦争。■共産主義。■リバタリアン的活動力。■結び。-365
訳者あとがき-377
人名索引
テクスト解題および凡例
1、本書は、Max Nettlau, Breve storia  dell' Anarchismo, Edizioni L'Antistato Cesena, 1964.の全訳である。このイタリア語版の台本となったものは、本書のイタリア語版訳者まえがきにもあるように、La anarquia a  través de los tiempos, Guilda de Amigos del Libro, 1935.である。このスペイン語のテクストは現在入手できないので、イタリア語版によって訳出した。
1、本文において、傍点を付した箇所は原文がイタリック体であることを示す。ただし、イタリア語版訳者まえがきの全文および本文中の引用文は、原書ではすべてイタリック体となっており、逆に強調を示す箇所が普通体の活字となっているので、本書では後者の部分に傍点を付しておいた。
1、著書、雑誌、論文等々の標題は原書では引用符なしにイタリック体としてあるが、本書では、論文題名は「 」内にいれ、その他の標題はすべて『 』内にいれてある。これらの題名は、原書ではほとんどすべて各国の原語(イタリア語も含む)でそのまま書かれているが、本書では雑誌・新聞などの定期刊行物も含めて日本語訳の題名を引用符内にいれ、そのあとに( )内に原語を付記した。原書においてイタリア語訳の題名が付記されている場合も右に準じた。ただし、イタリア語訳の題名のみを記している場合(たとえばクロポトキンの『パンの略取』などごく少数の場合であるが)は、いちいち原語を付記しなかった。また定期刊行物で標題を日本語に訳さず、そのまま片仮名書きにしたものもある。
1、原書において外国語(イタリア語でないもの)が使用されている場合は、本書では原則として訳語のあとに( )内に原語を挿入しておいた。なお、ごく例外的にではあるが、イタリア語でも訳語だけでは理解困難のおそれがあると思われるものは、同様に( )内にイタリア語を挿入した。この二つの場合、形式的な区別はない。
1、原書における引用符≪ ≫は、本書ではすべて「 」とした。ただし「 」内にある引用符は『 』とした。
1、本書においてゴチック体の活字にした語は、原書において頭文字が大文字になっていること(固有名詞以外)を示す。
1、本文のなかで〔 〕のなかに挿入したものは、訳者による簡単な註釈である。ただし、イタリア語版訳者まえがきに出てくる場合は、すべてイタリア語訳者のものである。
1、原註には(*)を付し、各段落にいれ、訳註は(1)(2)……として各章の章末に一括しておいた。